○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
本日、全国の関係者が大変心配され、待望していた社会保険病院、厚生年金病院の受け皿となるRFO法案の改正法案が議題とされ、採決に付されようとしております。きょうまで調整を続けてこられた、ただいま質問をされました公明党の坂口先生を初め関係者の皆さんに、心から敬意を表したいと思います。
五月二十日に、この問題で大臣にも答弁を求めたわけでありますが、実は、日曜日にも私、福島県の二本松社会保険病院を守る会の皆さんと懇談をしてまいりました。この病院も、今度の震災で多くの被災者の皆さんを受け入れました。病院長から、被災された患者さんは全員断らず診るように、このように指示を受けて、まさに連日病院に泊まり込んで、不眠不休で透析患者の対応などに当たられたということであります。
とりわけ、今、二本松市には浪江町が役場機能を移転しております。ですから、浪江町民の透析はもちろんのこと、放射能被害に対しての大変な不安の声が寄せられたり、被曝された方たちの相談、治療などに大きな役割を果たしているわけであります。改めてこうした病院の機能の大事さということが本当に確認できたのではないか、このように思っております。
関係者の皆さんは、本当に祈る思いで成立を待っておられます。私自身、正直、この機構法というものに不安の要素はたくさんあるんですけれども、やはり当事者の皆さんにこたえるためには努力を惜しまない、そういう気持ちでございます。
そこで、質問の一問目は、五月二十日の質問のときに、私が実は仙台の二つの病院に行ったときに院長さんから強調されたこと、そのことを大臣自身がお答えの中でお話をしてくださいました。それは何かといいますと、「病院が被災をいたしまして、すぐに他の社会保険病院などから医師等が派遣をされたり、あるいは医薬品や食料品の物資の支援も受けまして、医療機能の維持、回復に努められた。」このように評価をされております。これはまさに、社会保険病院、厚生年金病院の持つ全国的なネットワークの威力であったということが当事者からも強調されておりましたし、そのこと自身を大臣が評価してくださったのだと思っております。
私は、今後も、全国的なネットワークを生かしての、例えば医師派遣ですとか、そうしたことがやはり期待されると思いますけれども、その点での認識を伺いたいと思います。
○細川国務大臣 この社会保険病院あるいは厚生年金病院、これらの病院について、今回の震災で二つ、大きな役割を果たしたのではないかというふうに思っております。
一つは、仙台社会保険病院あるいは東北厚生年金病院、この二つは大変な被害を受けたわけでありますけれども、そこへ全国の社会保険病院などのお医者さんなどが派遣をされて、この二つの病院が機能を回復して、そして住民の皆さん方のお役に立った、こういうことが一つあると思います。
それからもう一つは、今回の震災で、たくさんの一般の病院などが被災をされました。そこの医療が崩壊をしたというような、そんなところへ全国の社会保険病院などのお医者さんあるいは看護師さんなどが派遣をされまして、そして地域の医療に大変な貢献をした、こういう事実がございます。
そういう意味で、この社会保険病院などの全国的なネットワークというのが今回の震災に生かされたというふうに思っているところでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございました。二つにしっかりと評価をしていただいたと思います。
それで、やはり地域に必要な医療の確保という点では、全体の確認が、いろいろあっても皆さん同じ気持ちでいらっしゃると思うんですね。
その上で、例えば先ほどの議論の中で、RFOは売るための機構であるからということがあったわけであります。確かに、RFOの法案をつくったときはそういうことでありました。でも、その後、やはり病院などの施設というのは、地域によって本当に大切にされて必要とされているんだ、だから守ってほしいという、首長さんを先頭とした関係者の皆さんの全国からの声があって、何らかの受け皿が必要だという議論がされてきたのではなかったか、このように思うわけです。
それで、もともと社会保険病院等は、独立採算で、厳しい経営改善努力で黒字化を図ってまいりました。ですから、公的病院と言いますけれども、実際の職員の待遇なんかを見ても、決してほかから見て高いのではないのだ、むしろ非常に切り下げられてきた、そういうことがあるということをわかっていただきたいと思うんです。
その上で、時間の関係で、政務官に二つ質問いたします。
そういう経営改善努力の範囲内で、余剰のお金を全部会計に戻すのだというのではなくて、その努力の範囲内で当然必要な耐震化を行うですとか、既に移転計画を行っておりまして準備をしてきた、そうしたものは当然妨げないということで確認をしたいと思います。
それからもう一つ、地域医療をこれまでどおり確保するのだということの約束で売却をするという場合に、中抜け方式になっては困るということなんですね。それは、かつて花巻の労災病院の話を少しこの委員会で紹介をしたことがありましたけれども、最初の契約は機能を維持するとなったんだけれども、また次に別なところと契約をして、形がだんだん違うものになってしまった、それは最初の約束と違うじゃないかというふうなことがあってはやはり困ると思うので、そこは、当初言っていた、地域に必要な医療の機能を残すという立場で、何らかの歯どめ規定のようなものがやはり必要なのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○岡本大臣政務官 今委員から御指摘がありました二点ですけれども、お答えをさせていただきます。
社会保険病院の中には、耐用年数が到来したり、また耐震化の整備が必要な病院があるということを承知しております。こういった病院におきましては、今用意をされております新たな法律におけるこの案の中で、また、これが成立をした後、新たな機構においては、国費の投入がなくとも、医業収益により、健全な病院運営を行うことが求められておりまして、こういったいわゆるインフラ整備等で多額の費用を必要とするような整備があるという場合におきましては、具体的な案件ごとに整備内容を十分に精査しまして、特に緊急性の高いものから認めてまいりたいというふうに考えているところであります。
いずれにしましても、病院の運営に必要な資金につきましては、新たな機構の中期計画に定めるところにより、病院事業の業務の財源に充てられるものと伺っておるところであります。
それから、病院譲渡の際の契約をどうするかということですけれども、先ほど大臣の方からも御答弁させていただきましたけれども、平成二十一年に社会保険浜松病院を譲渡した際には、病院の運営を行うことを譲渡の条件とし、譲渡条件に違反した場合には違約金を付す契約書を作成させていただいたところでありまして、今後とも、病院等を譲渡する場合には、このような条件を付して契約することによって、必要な医療機能が維持されるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございました。
いろいろ不安要素はありますが、それはともかく、この法案を成立させて、それからまたいろいろな議論をしていきたいと思います。
前回も、通ったと思ったら参議院で廃案になるという悔しい思いをしましたので、今回は、政局がどんな混乱が起こってもまず成立をさせたいということで、各会派の皆さんに御協力をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。