○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
先ほど来、各委員から御発言があったところでありますけれども、私からも冒頭、昨日トルコでマグニチュード七・二という大規模な地震があり、死傷者一千名を超えると報じられているところであります。亡くなった皆さんに心から哀悼の意を表するとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
また、トルコは、十月十三から十四日、復興特別委員会の視察で訪問したばかりでございます。九九年のトルコ北西部地震からの復興を学び、東日本大震災への救援に対する謝礼を述べてきたばかりでありました。救援隊の皆さんは、二十五日間宮城県にとどまり、捜索活動に当たったということで、印象に残ったエピソードなどをお話ししてくださったわけですけれども、日本の人たちが大きな災害を乗り越えてくれることを願っています、このように激励をしてくださいました。本当にその思いにこたえていきたいと思っております。
また、トルコの被害を最小限に食いとめ、一日も早い復旧へ向かうことを祈念するものでありますが、日本もまだ復興の途上ではあるけれども、政府としてのこうしたトルコに対する支援について、平野復興大臣に一言お願いしたいと思います。
○平野国務大臣 トルコにおいてマグニチュード七・二の地震が発生しまして、たくさんの方々が亡くなられたというニュースも入ってきております。まず、一刻も早い行方不明者の捜索、そして復旧に向けての取り組みがされることを期待申し上げたいというふうに思います。
日本においても、トルコ時間二十三日十六時四十五分、在トルコ大使より首相府災害緊急事態対策局地震部に架電しまして、我が国として緊急援助を行う用意がある旨、伝達をいたしました。
ただ、先ほども答弁いたしましたけれども、今トルコの国内は大変な状況でありまして、まだ受け入れられる準備ができていない、そういう旨の答えが返ってきたようでありまして、いずれ、その準備ができ次第、もし日本の方に、そういった要請の受け入れの用意があるということの返事が来ますれば、大至急そういったことの対応をするということになるかと思います。
トルコ国からは、今回の震災において救援隊も派遣をいただきました。そういったことも踏まえまして、いずれ日本としても、友好国トルコに対してできることはしっかりやる、そういう形で臨むことが大切なことではないかというふうに思います。
〔委員長退席、大島(敦)委員長代理着席〕
○高橋(千)委員 よろしくお願いをしたいと思います。
きょうは、原発事故による放射能被害について幾つかの角度から質問したい、このように思います。
まず、文部科学省の放射線審議会の基本部会が、十月六日、二〇〇七年の国際放射線防護委員会の勧告である現存被曝状況の放射線防護の考え方、これを適用すべきであるという提言案を了承しました。これによれば、年一ミリシーベルトは長期的に目指す線量としつつ、漸進的に改善を図っていくために、中間的な目標、これは参考レベルという表現をするそうですが、これを採用してもよいとしております。
基本部会の議論を見ますと、年一ミリシーベルトを絶対的な基準のような形で社会が理解してしまった、一ミリシーベルトという数値がどんどん走っていくと懸念が示され、まずは実現可能な目標を設定して被曝低減を図るべきだとの意見が出されたと報じられているところであります。
ちょうど六日の前の日は、私、また、五ミリシーベルトが線引きされないようにという議論をしたわけですけれども、そこから五ミリという数字も出てくるのかなという思いをいたしました。
私たちは、逆の意味で、一ミリシーベルトという言葉が絶対的なものになってはならない、つまり、そこまでならよいという意味ではなくて、さらに下げるんだという意味で使ってきたと思っております。
緊急時避難準備区域が解除となり来年の帰還を目指す南相馬市や川内村など、除染をして安全を確認しながら帰還を目指すと書いて、その基準について国が示すことを求めているわけであります。国が一ミリシーベルトを目指し、それ以下を目指すとしてきた方針を変えるものではないということを確認したい。そして、この数字がもろもろの指標に、例えば避難と帰還あるいは財政支援の基準とか、そういうものに影響しては困るわけです。この点で、文科大臣に伺いたいと思います。
○中川国務大臣 まことにおっしゃるとおりで、私たちも、そういう懸念を持ちながら、発表には注意をし、そして十分な説明をしていきたいというふうに思います。
御指摘のとおり、現在、放射線審議会で議論をしているのは、復旧期、今の段階ですね、戻ろうという人たちがそこに戻って、除染をしながら平常時に持っていって、最終的な一ミリシーベルト以下、さっきのお話のように、一ミリシーベルトが目標じゃなくて、年平均一ミリシーベルト以下というところに向いて持っていくということ、これが目標としているところであります。
だから、結論から言うと、平常時に一ミリシーベルト以下を目指していくという我々の努力は、これはもう当然のことでありますし、それに向かって頑張っていくということであります。
○高橋(千)委員 ですから、これはある意味技術的な問題で、二十ミリシーベルトを超えている、超えるんだということで避難をさせられた方たち、その方たちの、いわゆる除染をして戻ってほしいという取り組みをされる行政や国が、心の中で幾つかの指標として持つのはいいかもしれない。でも、その数字がひとり歩きをしてしまうと、やはり、では五ミリといったら帰っていいということですか。私は帰れない、そこで迷うことになるわけです。
そこで国の施策が揺らぐことがあってはならないし、そういう意味では数字を出す必要はない、私はそのように思うわけですけれども、もう一言、いかがですか。
〔大島(敦)委員長代理退席、委員長着席〕
○中川国務大臣 それを受け取っていただく立場の皆さんというのもさまざまにあるわけでありまして、除染に従事する人たちも含めて、やはり数字を出すというのはケース・バイ・ケースで考えていくんだというふうに思っています。
そのときに、先ほど何回も申し上げましたが、出し方だと思うんですね。誤解のないように、そして、私たちの平常時の目標というのが一ミリシーベルト以下だということ、このことを揺るぎなく説明をしながら、それに向かってみんなで頑張っていこうというメッセージを出していきたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 確認をしたいと思います。高いところもそうですが、低いところも、逆にそれが緩和されちゃったのかなということになっては困りますので、重ねて指摘をさせていただきたいと思います。
さて、本格的な除染活動が始まっているわけですけれども、五日の本委員会のときに、除染の予備費がまだまだ少ないじゃないかという質問をしまして、そのときに細野大臣は、資料の囲みでちらっと書いておりますけれども、予備費、三次補正あるいは来年度予算や債務負担行為などを通して一兆一千四百億円というまとまった予算をとっていると答弁をされております。
そこで、では、第三次補正の中身を、二千四百五十九億円あるわけですけれども、どんなふうに使われるのかというのを分解してみたのがこの図であります。
警戒区域、計画的避難区域の除染が四百十九億円、地方補助分が一千四十七億円、その他仮置き場の施設整備費など五百三十一億円ということになって、こうして分解してみますと、決して大きな額ではないなと思うわけです。吹き出しに書いておきましたけれども、例えば伊達市小国地区の民家三軒の除染費用だけでも三百二十万円だった。そうすると、全体の対象戸数でいいますと二万九千八百世帯なので、単純計算しても、家屋の除染だけでも三百十五億八千八百万円、これだけかかるんだなと。
そうすると、面的にやっていくということを繰り返しお話ししているわけですが、それを本当にできる予算をしっかりつけるんだということで確認をさせていただきたいと思います。
○細野国務大臣 今御紹介をいただいたのは三次補正ということでございますけれども、二次補正の予備費で約二千二百億円、これはもう既に使える状態になっておりまして、それに加えて、今回の三次補正でこうした金額がついております。
来年度の当初予算にも要望を出しておりますので、そこは必要な予算はしっかり確保する。仮に、この予算の中でおさまらずに、さらに予算が必要になるということは、逆に言うと除染がそれだけ進むということですから、そこは必要に応じて予算を確保する。ここは、本当に国のあり方というか姿勢が問われるところだというふうに思っておりますので、そういう覚悟でやってまいりたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 ここの部分は、放射性瓦れきの廃棄物の特別措置法がございますので、当然国が責任を持ってやる部分である。ですから、おさまらなければ拡充していくというのも当然であろうと思うわけですね。
ただ、それでもどうかなということを今指摘させていただいたわけですけれども、問題は、次の地方補助分一千四十七億円。では、これはどこにどのように使うのですか。
○細野国務大臣 ここの地方補助分というのは、ここで書いていただいております警戒区域であるとか計画的避難区域以外の地域で住民がお住まいになっているところについて、それぞれの市町村で除染に取り組んでいただいた場合に費用の負担をするものでございます。ちなみに、二次補正でついております二千二百億円の予算のほとんどはそれでございます。ですから、今年度の二次補正、三次補正合わせて約三千億円近い予算が、この警戒区域と計画的避難区域以外の除染の費用に充当されるということになってまいります。
○高橋(千)委員 もっと具体的に聞いております。
これを担当官に聞いたときは、どうやってこの数字を割り出しましたかと言ったときに、今把握されているモニタリングの調査に基づいて年一ミリシーベルトを超えるであろう地点をピックアップしたら、三県であったと。最初はそうだったわけです。
二枚目に、きょう東京新聞が大変いい地図をつくっていただいたのでコピーをさせていただきましたけれども、今これは八都県になるわけですね。まだ十二都県でこうした汚染マップがつくられている段階で、一ミリシーベルトを超えているところで五ミリシーベルト未満のところというのがこの青いしみになっていまして、この青いしみがちょっとでもついている県を数えると、確かに八都県になる。せいぜいその程度を言っているのかなと。
ということは、まだ全容がわかっていないということになりますよね。つまり、まだこうした地図ができていない県もございます。宮城県までは入っていますが、岩手県も十分に高いところがございます。毎時一マイクロシーベルトを超えたところがもう既に指摘をされてあるわけですけれども、そういうところも踏まえて入っているのでしょうか。一千四十七億円、来年度はせいぜい二百数十億と聞いておりますけれども、いかがですか。
○細野国務大臣 この数字自体は、それぞれの状況に応じて一定の前提を置いて計算をしておりますので、このすべてがきちっと全部入っているかと言われると、その後出てきたデータもございますので、やはりさらに加えなきゃならないところもあるかというふうには思います。
ただ一方で、ぜひ高橋委員に御理解いただきたいんですけれども、大体二年間でそれぞれの放射線量というのは四割ぐらい落ちる、半分ぐらいにはなるということになるんですね。つまり、今、追加線量が一ミリシーベルトのところも、しっかりとそういったことはモニタリングはしていかなければなりませんけれども、一定の期間で落ちつきを見せるという面もあるわけです。ですから、そういうところで、ここは除染をした方がいいだろうという御判断のところについては、できるだけ市町村の意向に沿ってやってまいりますけれども、例えばこのすべてを除染して全部土をはがなければ問題が解決をしないということでは必ずしもないということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
ただ、繰り返しになりますけれども、除染については一ミリシーベルトを目標にしておりますので、福島県外でも市町村でここはというところがあれば積極的にしっかりと財政的な負担をしてまいりたいと思いますし、逆に、国の方から見てここは高いなというところがあれば、こちらから市町村としっかりと対話をして除染をしていくということも含めて、そこは徹底的に対応してまいりたいと思っております。
○高橋(千)委員 一定の期間で落ちるとおっしゃいますと、逆に言うと、手だてがおくれたから時間を非常に要してしまったということになるんですよ。今は低いかもしれないけれども、当時高いときに何の手だても打てなかったことによって、避けられることができた内部被曝を起こしたかもしれない、そういう立場に立って必要なことをすべてやっていかなければならないのではないか。
今のお話ですと、全部入っているとは言えないかもしれないとおっしゃって、それはいいんです。試算の時点でそうだったというのであれば、きちんと測定に基づいてやっていくということをお答えいただきたいということ。
同時に、地上一メートルでは子供目線ではないねという批判もございます。自治体や民間団体がホットスポットを見つけたときに支援をしていくという方針が出されたわけですけれども、私、それ自体は大変大事なことだと思うんですね。測定を自治体や民間団体と連携しながら行っていく。でも、その前提として、どれだけ測定できるかというものも、いわゆる機材の問題ですとか、それに対してもきちんと支援をしていかなければならないんですが、いかがでしょうか。
○細野国務大臣 このモニタリングは除染の大前提になります。しっかりとモニタリングをしてデータをはかって、高いところを除染するということを繰り返し繰り返しやっていかなければなりませんので、こちらについても非常に国の責任は大きいと思っております。
お示しをいただいたデータは、航空のモニタリングを、かなり全体を鳥瞰する形でとったモニタリングですが、除染をするとなると、さらに細かいモニタリングが重要になります。警戒区域などはかなり、例えば車やバイクではかりまして、詳細なモニタリングができておりませんが、そのほかのところで十分にできていないところがありますので、必要なところは、地上のモニタリングも含めてしっかりやっていく、そういう体制で臨みたいと考えております。
○高橋(千)委員 しっかりやっていくのは国ですか。それとも、市町村がそういう細かい取り組みをやるのに対して財政支援もあるという意味でよろしいですか。
○細野国務大臣 国もしっかりやらなければならない、国がと申し上げましょう、やらなければならないと思っております。
ただ一方で、住民からすると、自治体がはかって身近なところで結果が出るということに対しても信頼を置く、そういう考え方もあるわけですね。ですから、国もやるし、自治体がやられるのであれば、そこについてもできる限りの財政的なバックアップをする、それはもう車の両輪だというふうに考えております。
○高橋(千)委員 私は、このことは、除染の予算を今後また必要に応じて拡充していくわけですから、やはりモニタリングと除染を一体として組み込むということを提案したいと思います。実は、モニタリングはどうなるのと聞くと、それは文部科学省ですからと言われますので、やはりそこで縦割りになっちゃいけないんだということで、どちらがやってもいいんですが、きちんと予算とセットにするべきだということを提案させていただきたいと思います。
次に、資料の三枚目にあるわけですが、現物もここにございますけれども、IAEAの調査団が助言を行いまして、朝日新聞の見出しは「除染やりすぎは非効率」というふうな形で書かれております。
ちょうど、先ほどお話しした復興特のメンバーでIAEAに行ったときに、除染の調査が日本に行っているということですれ違いになりまして、残念ながら、直接そのメンバーとお話しできなかったということがあったわけですけれども、その中身を読みますと、例えば、農地の除染などでも慎重になり過ぎる可能性があるですとか、都市部は十分低いので、ですから、特に一般の産業廃棄物などと一緒に中間貯蔵など考えなくてもよいとか、そういうような書き方がされているわけです。
そうすると、ここまでせっかく言ってきた、市民レベルでモニタリングをやったり除染をやったり、それを、では国も応援していこうというふうなところまで来たわけですけれども、下手すれば、それに水を差しかねないことにもなると思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○細野国務大臣 IAEAは、国際除染ミッションというのを政府の方から依頼いたしまして、出していただきました。私が直接事務局長にお願いをした件でございまして、助言自体は非常にありがたいものとして政府としては受けとめたいと思っております。ただ、まだこれは暫定版でございまして、本物というか最終的な報告書はこれから出てくるということですので、そこをしっかりまず見たいと思います。
できるだけ効率的に優先順位をつけてやるべきだという趣旨の提案は、それはしっかり受けとめた上で、我々としての目標は、一ミリシーベルトに向かってしっかりやっていく、それは変えずにやってまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 今一言でおっしゃったその効率的にということがやはり、健康被害を少しでも低減させるということよりも、経済的なことも兼ね合わせて折り合いをつけるべきだというのが、どうも国際機関の今の標準ではないかということを非常に思うわけですね。しかし、先ほど来、政府は一ミリシーベルトよりも下げるんだということをせっかく言って市民レベルの努力が始まったわけですから、そこに水を差すようなことにならないように一言言っておきたいと思いました。
次に、食品の問題で、小宮山大臣が食品の暫定基準値についてさらに厳しくなるという見通しを示したということが既に報道されております。私、これは、六月の厚生労働委員会で細川前大臣に質問をしているわけなんですね。
やはり、食品安全委員会が今示している生涯百ミリシーベルトというのでは非常に、ある意味、基準があってなきようなものということで、何を基準にやればいいんですかということがあるわけですね。
それと、もう一つ言いたいのは、割合を決める必要はないと思うんです。つまり、空間線量が何割で、食品が何割で、そういうことを言う必要もないのではないか。そもそも今までだって、生産者が大分努力をして、消費者も大分努力をして、例えば五百ベクレルと言っていますけれども、今、出たとしても、せいぜい十ベクレルとかその程度なわけですから、もう思い切って下げる必要があるんだと。
同時に、子供に対する基準も今まで、考慮しろと言っているだけで、ありませんでした。これもやはり明確にすべきだと思いますが、お願いいたします。
○小宮山国務大臣 現在の食品の放射性物質暫定規制値、これは一年間に許容できる被曝線量を五ミリシーベルトと設定しています。これは緊急時のものですから、新たな規制値を設定して、より一層食品の安全性を確保する必要がある、ということは、今よりは厳しくなるということだというふうに考えています。
今後、内閣府の食品安全委員会の食品健康影響評価が月内に取りまとめられると聞いていますので、この評価書やさまざまな専門家の御意見も踏まえて、できるだけ早期に新たな規制値を設定して実行に移していきたいと考えています。
その際には、今委員がおっしゃいました子供への配慮について、これはコーデックスとかアメリカは、大人と子供、一緒の基準を出していますが、EUなどは、乳幼児用食品というベビーフードとか、それから粉ミルクについては別の基準を置いていますので、具体的にどのような措置を行うかといった点も十分に議論をしていきたいというふうに考えています。
○高橋(千)委員 小宮山大臣、もう少し踏み込んだ答弁をされるかなと思ったんですけれども、かなり慎重な物言いであったかと思います。当然、子供に対する、今、子供だけがとるミルクや離乳食とか、そうしたものに対してきちんと基準を設けるということで、ぜひ確認をさせていただきたいなと思います。
問題は、基準ができるまで一定の期間があると思うんですけれども、これから先は厳しくなるんだ、今よりはもっと厳しくなるということがはっきりしているのに、基準値以下でしたと言うだけで何の数値も発表されないというようなことは、もうやめるべきではないか。もしかしたら、今五百ベクレル以下だけれども、これからつくる基準よりは超える可能性もあるわけですね。それではやはり安心は確保できません。いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 地方自治体の検査結果につきましては、放射性物質が検出されれば検出値を公表し、検出されなかった場合でもその検出下限値を公表するようにということを、十月の三日にそのような形で通知をしていまして、毎日、厚生労働省で取りまとめて迅速に公表をして、正確な情報提供をしていきたいというふうに考えています。
○高橋(千)委員 工夫が少し進んだということだと思いますけれども、できれば、すべてにおいてそうしたものが手に入るようにしていただきたいということであります。
時間がかなり押してきましたので、枝野大臣にも質問させていただきたいと思います。ちょっと二つまとめて質問いたします。
健康調査が福島県で既に始まっていて、十二市町村、避難を余儀なくされたところを中心として、四千四百人の内部被曝結果が示された、そのことを簡潔に御報告いただきたいと思うんですけれども、それと同時に、やはり、どんなに微量でも、先ほど来基準の話をしてきたわけですけれども、被曝したという現実に向かう子供さんのショックと、また、我が子を被曝させてしまったという親のショックも非常に大きいものがあると思います。特に内部被曝の場合は、微量だから健康に影響ないとは言い切れないのが、専門家がこれまでも言われてきたことでありますし、そういう意味で、本当に継続して調査、そしてケアを行う体制を整えていくことが大事だと思いますけれども、考え方を伺います。
○枝野国務大臣 十二市町村の住民の皆さんに対しては、六月二十七日から内部被曝のホール・ボディー・カウンターによる検査が行われております。九月三十日現在で四千四百六十三名の方が検査を受けられました。
そして、セシウム134及び137による預託実効線量、つまり内部被曝によって一生の間でどれぐらい被曝をするのか、大人の場合は五十年、子供の場合は七十歳までを合計した数値でありますが、九九・六%、実数でいいますと四千四百四十七名の方は一ミリシーベルト、一生を通じても一ミリシーベルト以下ということであります。
最大の方で三・五ミリシーベルト、これも相当低い数値ではございますが、御指摘いただきましたとおり、特に内部被曝をしてしまっているということに対しては、精神的にも大変御負担が大きいというふうに思いますし、また、万が一にもという、そうした御不安にこたえるためにも、従来から申し上げておりますが、原子力被災者・子ども健康基金という形で既に九百六十二億円を計上しております。
福島県が主体となりますが、国として全面的にこれを一体となって支えてまいりまして、長期にわたって、こうした、微量とはいえ被曝をしたお子さんが健康に被害がないことを確認していく、万が一にもそういったことがあれば、しっかりとモニタリングでそれを早期に発見できるという体制を万全なものとして、さらに工夫をしていきたいと思っております。
○高橋(千)委員 同時に、ぜひ、子供さんをまず最優先というのは当然なんだけれども、しかし大人も内部被曝を調査してほしいという強い要望がございます。
これに対して、言われているホール・ボディー・カウンターもまだまだ、前の補正で五台、福島県で設置するということを聞いていますが、まだこれからなんですね、来るのは。だから、それだけでは、なかなか全県民にというところまではいかないわけで、そうすると、やはり、例えば、子供さんは甲状腺エコーなどもやっている。大人は一般の健診と同じメニューなんですね。
ですから、その健診のメニューの中で、尿検査でセシウムもはかれるようにするとか、血液検査で甲状腺の異常を見ることができるようにするとか、当然、今できる技術を使って健康診断をより被災者の側に立った内容に充実させていくということをぜひ考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○枝野国務大臣 ホール・ボディー・カウンターが一番しっかりと内部被曝がはかれるわけでありますが、御指摘のように、尿検査などでできないかという御指摘はあろうかと思います。
ただ、なかなか、実際には尿検査で内部被曝の量を正確に推定するのは大変難しいというふうに専門家の皆さんから報告を受けておりまして、また、血液検査の方については、避難区域等の住民の方と、それから、それ以外の方でも、全県民を対象として実施中の基本調査の結果必要と認められた方については血液検査を行うということにしております。
ただ、これは確かに、いろいろな創意工夫、それから技術についてもいろいろな知見があろうかと思いますので、さらに、これでいいんだということではなくて、常にアンテナを張って、よりしっかりとしたものができないかということは常に留意してまいりたいと思っております。