――― 議事録 ――――
○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案及び民主党、自民党、公明党提出の修正案に反対の討論を行います。
暮らせない年金、未納率の増大による空洞化などの深刻な事態が推移し、年金制度はかつてない危機に瀕しています。そうした中で、基礎年金の国庫負担二分の一を維持し、制度の安定化を目指すのは当然のことです。
ところが、国庫負担二分の一は、本則に明記されているにもかかわらず、附則による読みかえで先送りされ、二〇〇九年度改正からその場しのぎの手当てで措置されてきました。野党時代の民主党も、これで百年安心とは余りにも国民をばかにしていると厳しく批判し、反対しました。
本法案は、民主党による政権交代後初めての本格的な予算編成となったにもかかわらず、結局、制度の抜本改正には手がつかず、臨時の財源探しで措置するやり方が踏襲されたものであります。
まず第一に、予定していた鉄建機構の剰余金が復興財源に回ったからという経過はどうあれ、復興債に財源を求めることは認められません。
二つに、来年度以降については、抜本的な税制改革による財源確保と明記したため、消費税増税が避けられないことです。消費税は、言うまでもなく、所得の低い人ほど負担が重くなる逆進的な税制であり、社会保障の財源としては最もふさわしくないものです。年金給付は、今年度既に、物価が下がっているからといって〇・四%下げられました。来年度以降も、据え置かれた分を取り戻すとして、さらに下げられようとしています。年金生活のお年寄りには二重の負担を押しつけることになり、断じて認められません。もちろん、支給開始年齢の先延ばしはあってはなりません。
また、税制改革による財源の確保は、もともと二〇〇九年の自公政権時代の改正法にも盛り込まれていたものであります。税制改革という言葉は避けたからといって、実質増税であることに変わりはなく、修正案にも賛成できません。
社会保障の財源については、国民に負担を押しつける一方で聖域化している大企業減税や軍事費にメスを入れ、不要不急の大型開発や無駄遣いと政党助成金をやめることが優先だと思います。支え手をふやすためには、雇用の安定化、そして制度の信頼性が重要であり、最低保障年金制度の創設、各党が一致している加入期間を十年にすることなど、安心の年金制度の確立を目指し、さらに各党が知恵を出し合うべきことを訴えて、討論といたします。