国会質問

質問日:2012年 3月 7日 第180国会 厚生労働委員会

独立行政法人地域医療機能推進機構法、社会福祉士試験の過去問解説書問題

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 今、坂口委員の方から、医師の経験、また厚労大臣の経験者として、本当に深い、思いのこもった質問がございました。また、それに対して小宮山大臣も、正面から答えていらっしゃったと思います。ぜひとも、その第三者機関、薬害肝炎の本当に最終報告に基づく第三者機関を、約束を守っていただきたいと思います。
 せっかくですので、そのつながりで、一番最後に問いを通告しておりましたけれども、関連をして質問したいと思います。
 薬害肝炎救済法に基づく請求期限が二〇一三年、つまり来年の一月となっております。ことし三月までに約千七百人が救済を受けたということですけれども、C型肝炎キャリアは約百九十万から二百三十万とも言われており、また厚労省の委託研究でも、八十八万人ほどがみずから感染していることを知らないままでいる、そういう指摘もございます。そうすると、みずからの感染を知らないまま権利を失う人が大量に出かねない、こうあってはならないわけで、この期限の延長を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 これは、議員立法で、今回もその附則の中で「給付金等の請求期限については、この法律の施行後における給付金等の支給の請求の状況を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする」とされまして、附帯決議で請求期間の延長の検討が盛り込まれたというふうに承知をしています。
 このように、議員立法で成立をしたという経過を踏まえますと、その請求期限の見直しについて、また政党間でぜひ御協議をいただくべきものかというふうに考えています。
 なお、厚生労働省としましては、感染被害者の方々が請求期間内に給付金の支給が請求できるように、医療機関名の公表ですとか医療機関を通じた患者への通知の依頼を行うとともに、法律に基づく給付金の支給の仕組みなどの周知、これをきめ細かに図っていく。
 先ほど申し上げたように、やはり議員立法でございますので、ぜひ延長についてもまた御検討いただければというふうに思います。

○高橋(千)委員 もちろん、それはやっていくことだと思うんです。ただ、やはり私たちが、本来ならば政府として、原告団と合意を結んだ、その立場に立って責任を果たすべきだ、それが閣法で出てこないから議員立法で政府に責任をきちんと書いたわけですから、それに応えていくということで、一言確認をさせていただきます。

○小宮山国務大臣 それは当然、政府としても応えていきたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 お願いします。
 では、一問目に戻りたいと思います。
 全国から存続の要望が大きく寄せられていた社会保険病院や厚生年金病院等について、昨年、その受け皿となる独立行政法人地域医療機能推進機構法が成立しました。社会保険庁の解体により受け皿を失ったこれらの施設について、つなぎとして、売却整理を主任務とするRFO、整理回収機構に移管され、その機構を改組するという苦肉の策であったわけですけれども、関係者は、長い運動が実って、本当に歓迎をしたところであります。
 ところが、この法律の施行日は「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」となっており、そうすると、平成二十六年、二〇一四年六月二十三日がぎりぎりの期限だということなんです。
 そこで、やはり地域医療を担う公的病院として存続していくためにも、施行日はできるだけ早くするべきだと訴えられているわけですけれども、これに応えていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 地域医療機能推進機構、これは、その発足と同時に社会保険病院などを直営するということもありますので、準備の作業ということも考慮をして、施行日は平成二十六年の四月一日とする予定です。
 一方、社会保険病院等につきましては、国会の附帯決議等でも、RFOから推進機構への改組までの間、譲渡に向けた取り組みを推進するということが求められています。
 したがいまして、譲渡病院の取り扱いが決まらないと、結局、発足までそれが決まらないとなると、各病院が非常に不安定な状況に置かれる。改組準備作業にも支障が生じかねないということはそのとおりだというふうに思いますので、改組までの間の譲渡対象病院については、一定の時期には確定させる、そういう方向で検討していきたいというふうに考えています。

○高橋(千)委員 正直言って、その平成二十六年四月一日というのは遅過ぎる。当然、この法案をつくったときは、来年ということを念頭に置いていたのではないか、そういうことを皆さん、言われているわけですね。
 心配されるのは、やはり施行が先延ばしされている間に新たな売却が進むのではないかということです。
 昨年十二月に厚労大臣の売却告示が出された徳島の健康保険鳴門病院や川崎社会保険病院、七割引きですとか九割引きという売買価格が、厚労省が告示する前から、もう既に地元では取り沙汰されていたわけですよね。これでは、貴重な年金財政に返していくんだ、資すると言っていたことにも反するのではないかということであります。
 川崎病院は民間に売却され、例えば中国の富裕層を相手に医療ツーリズムがやられるんだ、特定の会社名も出ておりますし、そういうことが取り沙汰されているわけですね。その中で、当然、先を不安に思う職員の皆さん、看護師さんは四十名ほどが退職を申し出、医師七十八名中十二名しか残ると表明していないということです。そうすると、そこまでの間がもうもたないということになっちゃうわけです。
 法成立時の附帯決議、今大臣も紹介されましたけれども、こういう表現がございます。「その譲渡後も地域において必要とされる医療及び介護を提供する機能が確保されるものについては、可能な限り譲渡に向けた取組に努めること。」つまり、譲渡できればお任せという意味ではないはずですよね。その地域の必要な医療をちゃんとその譲渡したところが担保してくれるんだということが保証されているということが前提にあったわけですから、譲渡する際でもこの趣旨が担保されるような厚労省の取り組みが必要だということ。
 それから、自治体ぐるみで新機構のもとで存続していくんだということで期待をしている病院関係者が余計な不安を持たなくていいように、特別な手だてをとる必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 御指摘のような心配もあるということで、私も、昨日も、具体的に今挙がっているところの実情を聞いておりますので、細かにそれはチェックをさせていただいて、そうした御不安を持たれないように、最大限努力をしていきたいというふうに思っています。

○高橋(千)委員 よろしくお願いします。
 本当に、自治体ぐるみの粘り強い取り組みとまさに難産の末、何度も喜んではがっかりするということを繰り返した中で、こうして皆さんの御努力でできた法律ですので、本当にこれを生かしていきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。
 では、次の議題に移ります。
 二月二日、日本社会事業大学の教授であり社会福祉士試験委員、副委員長の若穂井透氏が、財団法人社会福祉振興・試験センターに対して辞任の申し出をしたという発表がございました。二十五日のTBS系「報道特集」で大きく取り上げられたのを私もたまたま見ました。指摘されているのは、同氏が執筆した本が、社会福祉士国家試験の過去問題の解説書に当たるのではないかということであります。
 テレビ報道では、問題となった解説書を学術研究だと御当人は主張しておられました。しかし、厚労省のプレスでは、疑念を招いたということで本人が辞任を申し出たということになっています。
 厚労省は、まず、本書を過去問題の解説書に該当すると認めたのかどうか。

○津田大臣政務官 高橋委員にお答え申し上げます。
 本件の試験の過去問題の解説集の執筆ということにつきましては、試験委員としてはふさわしくない行為であり、行わないようにお願いをいたしております。
 本件につきまして、試験事務を取り扱う社会福祉振興・試験センターに一月中旬に投書が寄せられたため、厚生労働省から若穂井氏に聞き取りを行う等、事実関係の調査を厳正に行いました。その結果、厚生労働省としては、この若穂井氏の書かれた書籍につきましては、過去問題の解説集に該当し、試験委員としてふさわしくない行為であると考えております。

○高橋(千)委員 まず、該当すると明確にお答えになったと思います。
 実は、そのプレスの発表ですとか大臣の会見の起こしを見ても、そう読み取れるかどうかというのがちょっと曖昧だなと思ったので、あえて確認をさせていただきました。
 私の手元に、そのテレビでも紹介された二冊の本の写しがございます。「ソーシャルワーク法学 第五版」「権利擁護と成年後見制度 第八版」となっておりますけれども、これを開きますと、そもそも、「初めに」ということで、本人が書いているわけです。本書は、私が社会福祉士試験に出題された民法の過去問題を中心に、日本社会事業大学社会福祉学部などにおいて行った民法の講義録と憲法の過去問題に関する解説から構成されていますとはっきり書いており、二〇〇二年、この年は同氏が試験委員を務めている年であります。
 ページを開くと、いきなり過去問題の対応表というのがございまして、要するに、問題一は第何回、何年に出されたものかというのが一目でわかるようになっている。そうすると、大体サイクルなんかもよくわかるんですよね。二〇一〇年のが何回かたつとまた出てくるみたいに、そういう傾向もよくわかるなと思っています。次のページを開くと、いきなり問題一。ですから、問題と解説が続く。ずっとこうなっている。
 二〇〇九年のこの本は、同じように「初めに」に本人がこう書いています。
 これまで社会福祉士国家試験の法学に出題された過去問題に即して、社会福祉士のための憲法、民法、行政法入門として、ソーシャルワーク法学を第七版まで発刊してきましたが、中略、一旦は廃刊しようと考えました。しかし、第二十一回社会福祉士国家試験の解説を求める声も強かったので、その問題と解説を追加するとともに云々ということで、新刊をつくった。最後に、第二十二回社会福祉士国家試験以降も問題の収録を続け、多くの読者の方々の役に立つことができるように解説を充実させていくつもりである。
 これが対策本でなくて何かと思うんですね。ここまで本人が言っておきながら、テレビの前では学術書ですと言ったのには、本当に驚いてしまいました。
 社会福祉士国家試験は、四万三千人以上が受験して、合格率は二八・一%、かなり狭き門であります。しかし、社会事業大学の合格率は、この年八七・五%、翌年が九四・四%です。もちろん、その多くは、学生たちの頑張りに支えられていると思います。しかし、あくまでも合格率ありきではならないんです。
 厚労省の調査に曖昧さを残してはなりません。いかがですか。

○津田大臣政務官 今御指摘を強くいただいたわけでございますが、委託をしております財団法人社会福祉振興・試験センター理事長から、「社会福祉士試験委員の皆様にお願い」ということでペーパーを配らせていただいております。このペーパーの中に「この試験の予想問題集、過去問題の解説集等の執筆及び、予想問題等が掲載された専門誌の編集にはかかわらないようにお願いしたい」というふうに明確に書かせていただいているわけでございます。
 したがって、先ほど答弁申し上げましたように、これは過去問題の解説に当たるというふうに申し上げたわけでございます。

○高橋(千)委員 そうすると、一般論で言いますと、これはどういう意味を持つのでしょうか。つまり、厚労大臣は解任する権限があるわけですよね。でも解任ではない。どういうことなのか。
 ですから、まず局長に聞きますけれども、こうした解説本を書くということが、当然、今お話があったように厳しく禁じられていると思いますが、どのように何に違反する、どういう意味を持つのか、伺います。

○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 この社会福祉士の試験でございますが、試験問題の漏えい自体は、法律上、違反という形でしっかり書いてございます。
 ただし、国家試験に対する疑念が生じないようにするため、試験委員に対しましては、今政務官から申し上げましたとおり、厳正に守っていただくべき事項ということで、これはまさにこういう留意事項としまして、過去問題の解説集等の執筆にはかかわらないようにということでお願い申し上げる、こういうことでございます。

○高橋(千)委員 要するに、明らかに過去問題だと認めた。しかも、それは出さないようにということを言っている。しかし、留意事項だから構わないという意味なんでしょうか。
 社会福祉士及び介護福祉士法の秘密保持義務、これに準ずるのではないでしょうか。第十六条、「指定試験機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。」当たり前のことですよね。まして、同氏は副委員長なわけであります。試験委員は数十人もいらっしゃいます。しかし、その中でも、委員長と副委員長だけが試験問題を決定する権限を持っているわけです。なのに、こういうことを何年もやっていた、指摘されていた。なのに厚労省は、単に辞任を迫っただけで、解任はしなかった。
 そうすると、逆に、なぜ辞任を迫ったんでしょうかということになりますよね。この処分、これで正しかったんでしょうか。

○津田大臣政務官 経過を申し上げます。
 若穂井氏本人からの聞き取り等、事実関係の調査の結果、今御指摘をいただいた試験問題漏えいといった守秘義務違反の事実は認められなかったということでございます。
 しかし、過去問題の解説集の執筆という、試験委員としてはふさわしくない行為を行った、こういう事実が認められたということで、厚生労働省から本人に、試験委員としてふさわしくない行為であるという旨を伝えましたところ、本人から辞任の申し出があったということでございます。
 仮に、本人から辞任の申し出がなかったとしたならば、解任の手続をとることになります。

○高橋(千)委員 辞任の申し出がなかったら、解任の手続をとったと。ちょっとこれは、だったら解任の手続をきちっとするべきですよね。だって、本人の申し出に基づきと言いますが、本人は認めていないわけですよ。要するに、これは対策本だと認めていない。あくまでもこれは学術研究だと言って、しかし、誤解を受けましたということで言ったわけですから、こういう厚労省の態度が甘いと言わなければなりません。
 大臣は、二月二十一日の会見で、試験委員会に、過去の試験への影響を調査する必要があるか検討させることにしたいと答えていますが、どのようになりましたか。

○小宮山国務大臣 今回のこの事案につきましては、この著書の素材である過去問題は、もう既に知られている、公知になっているものであるということ、また、調査の結果、試験問題漏えいの事実ですとか受験対策講座の関与など、そのほかの遵守事項違反は確認されなかったこと、こうしたことから、過去の国家試験に対する影響は基本的にはないものと考えていますが、社会福祉士国家試験委員会に、過去の試験への影響の有無についても今精査をさせているところでございます。
 社会福祉士国家試験の合格発表は三月十五日ですので、もう時間は余りありませんが、それまでにはその精査の結果をお知らせしたいというふうに思っています。

○高橋(千)委員 既に知られていると言っても、さっき言ったように、対策本を出してはいけないということになっていることと、それから、私、過去問を、ホームページにも載っています、見ましたけれども、答えは載っていませんよ。答えも載っていないし、解説も載っていないんですよ。それを、試験を出題する側あるいは決定する側にいる人が解説本を書いたんだと。だから、これは既に知られているからいいんだなんという話にはならないということを指摘しなければなりません。精査をさせているということで、三月十五日までに結果をお知らせいただきたいと思います。
 ただ、身内の検査では、やはりちょっとこれは限界があるんですね。試験センターも、一緒と言っては失礼ですけれども、役員が全部厚労省のOBでございますので、どこまでガバナンスが働くのかなと指摘をしなければなりません。
 二〇〇七年の六月二十四日号のサンデー毎日で、試験問題が漏えいではないかと大きく取り上げられたことがございました。阿部知子さんが二回質問主意書を出しておりますし、この委員会でも質問されたことがございました。
 厚労省としては、実はこのときの問題、今の若穂井さんとは別な方ですけれども、このときの問題に対しては、今のような会見もなかったし、調査報告もなかったわけなんですね。それもおかしくはないか。何でそういう甘い対応なのか。質問主意書に対する答弁が閣議決定だからといって、それでいいのかということになってしまうわけですね。当時もこの試験委員は同じように辞任をしています。
 当時問題となった資料集がここにありますけれども、「二〇〇六年度 社会福祉士 精神保健福祉士学内模擬試験解説講座」というふうなタイトルで、十二月十九日から二十一日に行ったわけであります。これは驚くことに、中を見ますと、十二月に講座をやっていまして、一月に、これから試験があるわけですよ。これから試験をやるんだけれども、一月実施予定の試験をつくる人、誰さん、誰さん、誰さんというのが実名で載っている。ですから、あり得ない話ですよね。過去問題でさえも出してはいけないことになっているのに、これを出しちゃった。
 私は、社会福祉士の資格を持っていないから、どういう試験なのかなと思って見ましたけれども、分野が膨大に広いですよね。百五十問あるんですけれども、本当に、心理学から社会学から、厚生労働のあらゆる分野。ですから、その膨大な分野の中で、執筆する人がどの分野の専門家なのかということを知るということは、もう断然有利なわけです。そういう問題だった。
 だから、試験問題そのものを漏えいしたのではないんですよ。サンデー毎日の書き方が、ちょっとそこは行き過ぎたかもしれない。でも、そういう断然有利にするようなやり方だった。だからこそ、この講座が終わった直後、十二月二十五日に、日本社会事業大学の教学部長名で、この今私が読み上げた部分三ページ、削除、廃棄していただくようお願いしますということで解説講座の受講生に対して出している。廃棄しろと言ったって、もう見ちゃったよということになるわけです。
 こんなことをやっていたのに、厚労省は何の調査報告も出さずに、会見すらもしなかった。このときの試験委員は、かつて厚労省の専門官でありますけれども、今も教授をやっておられますし、ことしは試験センターからの二百万円の助成金事業をもらって、何がしかの研究を、余り実績はないんですけれども、やることになっているわけです。
 試験センターの常務理事も、大学の専務理事も常務理事も厚労省の天下りポスト。この問題は二〇〇九年の参議院の厚労委員会で我が党の小池議員も指摘をした問題ですけれども、徹底した調査ができるはずがないんだ、こういう体制ではと。どのようにやっていきますか。徹底した調査をやりますか。

○小宮山国務大臣 御指摘の点も踏まえまして、しっかりと納得していただける形の調査が行われるように、私からもそのように要請をして、目を光らせていきたいというふうに思っているところです。

○高橋(千)委員 何しろ、国家試験をやる、受け持つセンターがここしかないわけですから、考えてみたら、指定取り消しまでできるわけですよ。でも、それをやっちゃったら試験ができない、どうしよう。そういういろいろな思惑が働いて浄化ができないということがあってはなりませんので、徹底した調査をしていただきたい。
 同時に、名誉のために言っておきたいんですが、十五日、合格発表ですけれども、やはり、多くは介護や福祉の道を志す真面目な学生たちなわけです。真面目に勉強しているのに、何もかもその方たちがというふうに見られるのは、本当に傷つけることがあってはならないわけで、それを一番危惧するものですので、再発防止のために何をするのか、一言お願いします。

○小宮山国務大臣 おっしゃったように、いろいろ志を持って受けられる試験でこのような疑念を抱かせることになったことは大変残念だと思っています。そういう意味では、再発防止に最大限努力をしたいと思っています。
 具体的には、これから試験委員に対して遵守すべき事項の誓約、これは、予想問題集ですとか過去問題の解説集の執筆、それから受験対策講座、講習会への関与など、これをしないという誓約を新たに求めたいと思います。また、所属の大学等に対しましても、こういうことに関与しないことへの配慮を求めたい、そのように考えています。

○高橋(千)委員 この点については、調査の結果の報告ですとか、今後ぜひ検証していきたい、このように思います。しっかりお願いいたします。
 最後になんですけれども、大臣、申しわけありません、通告しておりませんが、一言質問をさせていただきたい。何の準備も要らないですので。
 それは、二月二十三日の予算委員会でも指摘をさせていただきました労働者派遣法の問題であります。前国会の最終盤に本委員会を通過いたしました。民主、自民、公明の三党の修正案、これは三時間の審議で通してしまったわけですが、時間の関係で廃案になった。しかし、これがまたきょう、この後の質疑が全て終わった後に、再び、ほとんど変わっていない状態で出されようとしているわけであります。
 私は、これまでも言ってきたように、民主党政権に期待した思い、行き過ぎた規制緩和、そういうことをしっかり言いながら、労働者の保護に一歩を踏み出したのかなと思っていたのに、それが裏切られたという思いがいたします。ただ、私自身はそう思っているんですけれども、その逆の意見もありますよね。まだきついと言っている方もたくさんいらっしゃるわけです。そうすると、一体、この法案、修正案の中身はもう既に一度通していますからわかっていますよね、修正されて、誰が喜ぶんでしょうか。

○小宮山国務大臣 これは議員の皆様のお力によって修正をされたものですが、もともと政府案に盛り込んでありました派遣労働者を守るための部分も入っていることもございますし、一歩前進という形で御理解をいただいて、またさらに改正が必要な点は、両面からの御意見もたくさんいただいています、そのことは承知をしておりますので、また新たなことが必要であればまた次の段階、一歩ということで御理解をいただきたいというふうに思っています。

○高橋(千)委員 誰が喜ぶのかという問いには直接お答えにならなかった。残念ながら、今、そういう方がいらっしゃらないという意味ではないのかなと思います。本委員会の議論を聞いていても、決して前向きに進めてほしいという声はなかったんじゃないか、そう思うんですね。
 やはり、労働法は労働者のためのものでなければなりません。そういう歴史があるわけですから。ですから、本当に今やるべきことは、この法案、修正案ではなくて、もとに戻して徹底した審議を行うことです。採決にはきっぱり反対だとあえてここで言わせていただきます。
 ありがとうございました。

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