育児・介護休業法改正案 、衆院厚労委で可決
3歳未満の子どもをもつ労働者の短時間勤務制度や残業免除制度を企業に義務付ける育児・介護休業法改正案が12日の衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されました。
採決に先立って、日本共産党は修正案を提出しました。修正案の主な柱は、▽育児休業給付(暫定措置として現在50%)と介護休業給付(現行40%)の給付率を60%に引き上げる▽育児休業中の労働者、事業主に対する健康保険料、厚生年金保険料の免除規定を介護休業にも適用する―などです。
趣旨説明を行った日本共産党の高橋ちづ子議員は「雇用情勢悪化のもとで、仕事・子育て・家族介護の両立を進めようとするなら経済的な下支えが必要だ」と強調しました。
日本共産党の修正案は、否決されましたが、全会一致で採択された修正案の付帯決議には、日本共産党が求めてきた「育児休業中の労働者に対する経済的支援の充実について、速やかに検討すること」との文言が盛り込まれました。
(2009年6月13日(土)「しんぶん赤旗」より転載)
――議事録――
○高橋委員 ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
本委員会で審議されてきた政府案、並びに、残念ながら今取り下げとなりました民主党、社会民主党、国民新党共同提出の修正案には、子育て期間中の働き方の見直しや、男性の育児休業取得の促進、仕事と介護の両立支援、紛争解決のための実効性の確保、非正規労働者への育児休業適用の一層の拡大等の観点が盛り込まれており、実現すべきものであります。
しかし、非正規雇用の拡大で、男女ともに正社員という共働き世帯は減少しています。悪化する雇用経済情勢のもと、世帯収入が減少する中で、仕事と子育てや家族介護の両立を進めようとするなら、労働者の休業中の生活を経済的に下支えすることがどうしても必要です。
今回政府案に盛り込まれたパパ・ママ育休プラスは、ドイツの制度を参考にしたと聞いていますが、そのドイツでは休業給付は六七%です。法改正というのであれば、父親が育児休業を取得しない理由として大きな比重を占める、父親の給料が入らないと経済的に困る、こういう労働者の声に正面からこたえる必要があります。
本修正案は、育児・介護休業の取得を促進する上で障害となっている経済的負担を軽減するため措置を図るものです。
修正の要旨は、第一に、育児休業、介護休業にかかわる給付を、休業前賃金の六割に引き上げるものとすること。
第二に、現在行われている育児休業期間中の労働者と事業主に対する社会保険料の減免措置を、介護休業の場合にも適用すること。
これらの措置について、施行期日を平成二十二年四月一日とすること。
以上であります。
なお、これらの修正の結果、初年度において、約二百五十億円の支出増が、また約八億円の収入減がそれぞれ見込まれます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。