外国人実習生 介護職は対象外に
衆院連合審査会 高橋議員が要求
日本共産党の高橋千鶴子議員は26日、外国人技能実習法案の法務・厚生労働連合審査会で、外国人技能実習制度の対象職種に介護職を追加すべきではないと追及しました。
政府の検討会では、介護人材を2025年に向けて最大で約250万人確保する必要があるのに、20年までに25万人不足することが指摘されています。
高橋氏が「25万人は日本人で担うということでよいか」「外国人受け入れは上限を設けるべきだ」とただしたのに対し、塩崎恭久厚労相は、介護は「国内の人材確保対策が基本」としつつも「実習制度の趣旨は技能移転。上限を設ける発想は持ち合わせていない」と答弁しました。
高橋氏は「非常に重大な答弁だ」と述べ、経済連携協定(EPA)に基づいて受け入れた外国人介護人材でも受け入れに上限を設定していると指摘。他産業に比べて離職率が高く、賃金が低い日本国内の介護職員の処遇改善こそ求められていると強調しました。
また高橋氏が介護施設の配置基準で外国人実習生を1人分に換算するのかとただすと、厚労省の三浦公嗣老健局長は「結論を出しているわけではない」と答弁。高橋氏は「日本語レベルが実習生より高いEPAの候補生・資格者でも、申し送りなどが非常に困難であるとの調査がある」とのべ、重大な懸念があると指摘しました。
(しんぶん赤旗2016年4月28日付より)
――議事録――
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
本日は、外国人技能実習生、入管法に関し、介護分野を中心に伺いたいと思います。
先ほど来議論があるように、本来、途上国への技能移転を行うことで国際貢献を目的とする技能実習制度が、現実には単純労働の労働力として活用され、人権侵害ともいうべき実態があることが長年問題となってまいりました。
今回の法改正は、規制強化とあわせて、緩和でもある。優良な監理団体には、実習期間の延長や受け入れ枠の拡大、対象職種の拡大を図るというものです。そして、その中で初めて、対人サービス、介護を加えることが検討されてきたと思います。
既にEPAによりインドネシア、フィリピン、ベトナムから順次受け入れてきた外国人介護労働者、そして二つ目には、今回拡大する、留学生が養成施設で資格を取った場合に与えられる在留資格「介護」、三つ目に外国人技能実習生、三つのカテゴリーがあるわけですが、それぞれ最大でどのくらいを受け入れる考えなのかということを聞きたい。
そしてその上で、外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会の中間まとめでは、先ほど来議論があるように、二〇二五年に向けて最大で約二百五十万人の介護人材を確保する必要があること、二〇二〇年までに二十五万人不足することが指摘をされています。不足しているということがあわせて書かれているわけですから、それとの関係で今回の外国人介護人材の受け入れはどうなっているのか、お願いします。
○塩崎国務大臣 まず第一に、先ほども繰り返し申し上げておりますけれども、介護人材の確保はあくまでも国内の人材確保対策が基本でありまして、その充実強化を、今、安倍内閣としてもあらゆる施策を総動員して総合的、計画的に取り運んでいるところでございます。
二〇二五年に向けての二百五十万人規模の介護人材の確保についてお話がございましたが、外国人の受け入れの目標といったようなものは、一切あるわけではございません。
外国人介護人材の受け入れにつきましては、技能実習は開発途上国等への技能移転、そしてEPAは経済活動の連携強化を目的とした特例的な受け入れ、そして在留資格「介護」の創設は専門的、技術的分野への外国人材の受け入れという、それぞれの制度趣旨に沿って実施をするものであって、人材不足への対応を直接の目的とするものでは決してございません。
したがって、これらの制度に基づいてどの程度の外国人介護人材を受け入れるという目安を持っているわけではないわけであります。二〇二五年に向けた介護人材の確保や、二〇二〇年代初頭に向けた一億総活躍の緊急対策で示された国内の人材確保対策を充実強化していくことによって対応するというのが大原則であることを繰り返し申し上げておきたいと思います。
○高橋(千)委員 聞いていることは、別なことを聞いています。
基本的には介護人材の対象としないんだとおっしゃった。だから幾らかわからないという話ではないんです。つまり、上限はきちんと設けるべきではないか、外国人介護人材を受け入れる場合に、最大でどのくらい受け入れる考えなのかということを一つ聞いています。
その上で、二十五万人の介護人材不足については、基本と言うからややこしくなるんですよ。これは、二十五万人は、基本ではなく、日本人で供給するという考えだ、これはきのう確認をしていますが、そのことを確認させてください。二点聞いています。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
今議員から、外国人技能実習生、EPA、そして在留資格「介護」で、上限という形でしょうか、どのくらい設けるということで考えているのかということでございますが、そういう数字を私ども検討しているものではございません。
現実問題として、既に介護福祉士の養成施設の中で外国人の留学生の方が最近でも六十名ほどおられることはわかっておりますので、もし仮に在留資格「介護」ということが生まれれば、その後、資格が取得できるということで入国される方はよりふえるだろうということは見込むわけでございますが、それは、受け入れ施設の体制もございますし、また、入国に当たっては、N2という日本語要件、非常に高いものがございますので、その資格を満たす方がどのぐらいいるか、あるいはそれを目指してどのように頑張るか、いろいろ流動的な要素がございますので、そういうことも踏まえた場合に、目安とか上限とか、そういうものを示すということはなかなか難しいのではないかと思っております。
それからもう一つ、二十五万人の不足について基本として日本人で対応するということについての確認がございましたが、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおり、やはり基本は日本人で対応する、離職の防止、それから参入の促進といったことを踏まえながら対応していこうということでございます。
○高橋(千)委員 ここははっきりさせておきたいと思うんですね、二十五万人は日本人であると。
その上で、検討していないというのはやはりだめだと思うんですよ。上限をきちんと、全体でどのくらいになるのか、あるいは、なるのかというよりも、抑えるべきだと、そういう思想がなぜないのかということを主張しているんです。
大臣、私の趣旨はわかったでしょうか。少し検討していただけますか。
○塩崎国務大臣 制度の趣旨からいけば、これは技能移転でありますから、日本の介護技能、技術を移転してほしいという要望は、私どもの中でもいろいろと諸外国から要望があるわけでございまして、それの上限を設けるという発想は持ち合わせていないということであって、技能の移転についての協力を求めるということであれば、できる範囲内ではそれにお応えをしていくということではないかなというふうに思います。
○高橋(千)委員 あくまで上限を設けないという、この答えも非常に重大だと思いますね。
EPAだって、一応各国三百人という上限があり、かつ、それに達してはいないわけですよね、現実に。それから、養成施設の場合は、検討会の中でアンケート調査をやって、百八十二校、定員の一〇%としたら九百十人までは受け入れる見通しがありますよという答弁がございました。やはりそういう見通しを持って、幾らでもいいんだという発想ではないというふうな立場に立たなきゃいけないと思うんです。
こればかりやっていると進まないので、少し、なぜそういう議論をしているのかという意味を込めて質問を続けていきたいと思うんですが、次は岩城法務大臣に伺います。
第六次出入国管理政策懇談会報告書では、介護の現状についてこういうふうな指摘をしております。介護職員の離職率が他の産業より高い、それから、平均賃金が少ない、これは十万円以上も少ないわけですよね。そういうことを並べながら、「介護人材の確保に関しては、構造的・根本的な問題が存在している」と指摘し、「これらの問題の改善、解決に向けた取組がより一層進められることが必要」とあるわけです。
私は、これだけの事態をやはり解決しなくちゃいけないし、ここの現場に外国人介護実習生を受け入れるということは、同等の賃金保障だとか、経験ある指導人材を確保しなきゃいけないだとか、むしろ問題が大変なことになってしまうと思うんですね。
どういう趣旨でこれを書いているのか。つまり、問題はあるけれども、とりあえず受け入れはやるべきだと思っているのか、やはり問題の解決が先だと思っているのか、その趣旨を伺いたいと思います。
○岩城国務大臣 高橋委員御指摘のとおり、出入国管理政策懇談会が平成二十六年十二月に取りまとめました報告書では、介護人材の確保に関して、「構造的・根本的な問題が存在している」との記載がございます。この記載は、介護福祉士の資格を取得した留学生の受け入れに関連して、介護人材全般に関する問題として、今後、問題の改善に向けた取り組みが早急に行われる必要があることを示したものと承知をしておりまして、技能実習制度に介護職種を追加することによりこれらの問題を解決すべきとの意見は、いずれの方面にもないものと認識をしております。
なお、技能実習への介護職種の追加につきましては、厚生労働省において開催されました検討会において、介護職に対するイメージの低下、日本人介護従事者の処遇向上への影響、介護サービスの質の低下や利用者の不安といった懸念が示されており、こうした懸念の解消策が必要と考えております。
技能実習への介護職種の追加につきましては、技能実習法案に基づく制度の詳細が確定した段階で、介護固有の要件等とあわせて、さまざまな懸念に対応できることを確認し、その上で、厚生労働省において新たな技能実習制度の施行と同時に職種追加が行われる予定であると考えております。
現在御審議いただいております技能実習法案により、技能実習制度の趣旨、目的に沿った技能等の修得、移転が確保され、かつ、技能実習生の人権確保が図られるなど、制度の適正化が図られるものと期待をしておりまして、法務省といたしましても、関係省庁と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 早急に解決すべきだという答弁がまず最初にありました。
構造的な問題である、これはみんなが認識しているんですね。この間、この問題は、我々、介護人材確保の法案まで出しているわけですから、みんなが認識している。それで、イメージが悪いから、低下しちゃだめよって、そういう抽象的な議論ではだめなんです。抽象的な理想だけで言ってはだめなんだ。だから、そういう点で、問題意識を持っているのであれば、やはりそこの解決がまず先なんだという立場に立つべきではないか、このように思っております。ちょっと私の問いが技能実習生だけを聞いたみたいに思ってそういうふうなお答えだったと思いますが、留学生のことも含めて伺いましたので、まずそこが先決ではないかと思います。
具体的なことでちょっと聞いていきますが、厚労省に伺います。
介護技能実習生については、受け入れ人数の上限を、常勤職員三十人以下の場合、一〇%までとする、その算定する常勤職員の範囲については、主たる業務が介護職に限定するとした。つまり、三十人と数えたんだけれども、事務職だとか介護をやっていない人も数えてしまうと薄まってしまうわけですね。まずそこが言われています。
その上で聞きますが、介護施設の配置基準における一人、つまり、三対一が要件であれば、その一人に技能実習生を換算するのかどうか、それから、夜勤業務も日本人と同様に就業させるつもりなのかどうか、伺います。
○三浦政府参考人 配置基準などについてお尋ねがございました。
介護は対人サービスでございます。サービス提供に当たって、その質を担保し、利用者の方々の不安を招かないようにするということが重要であると考えております。
このため、技能実習制度における介護職種の追加につきましては、産業競争力の強化に関する実行計画に基づきまして、具体的な制度設計、例えば、介護サービスの質を担保するために必要なコミュニケーション能力の水準を確保する方法などについて検討を進め、条件整備を行う予定でございます。
介護保険の配置基準上の取り扱いなどについては、今後、関係者の意見や、既に実施されているEPAの仕組みなどを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 ということは、今お答えにならなかったんですよね、結局。今は技能実習生を一人として換算できないというのが私は答えとして用意してあったと思うんですが、違うんですか。
○三浦政府参考人 現時点では、そのような検討を今後行うということでございまして、そのようなというのは、今後、配置上の基準の取り扱いについて検討を行うということで、結論を出しているわけではございません。
○高橋(千)委員 正直ちょっと驚いているんですね。
EPAの場合も、当初は数えていなかったわけですよね。それが緩和をされて、六月以上というふうなことで、あと、日本語レベルがN2以上、そうした要件を加えることで、もう数えている。そういうことを参考にしながらというふうなお話をされたので、結局、前例があるのでそれにのっとっていくというふうなことになるのかなと思うんです。
それで、夜勤の場合は非常に難しいわけです。まさか一人で夜勤させるということはまずあり得ないと思うんですよね、指導教官がつかなければならないから。そのときにどういうふうに数えるのかということと、資料の最後のところに、今、参考とするEPAの実態で、どんな業務を候補生と資格を持った人がやっているかという表をつけておきましたけれども、やはりコミュニケーションが問題なので、申し送りですとか会議ですとか、そういうことが非常に困難であるということがはっきりするんですよね。
だから、EPAのレベルでもこうですから、これを実習生にやらせるということは非常に大変なことだ。そういうことをどのように思って、夜勤もどのぐらいやらせるつもりか、同じぐらいやらせるつもりなのかということを聞きました。もう一回お願いします。
○三浦政府参考人 今御指摘ございましたように、EPAにつきましては、既にそのような算定というのが行われているわけでございます。そういうような仕組みがあるということも踏まえて、その実態も私どもとしては理解した上で、さらなる検討をしていきたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 逆に言うと、否定をされないので、私が言ったとおりなのかなと思わざるを得ません。逆に言うと、大変それは危惧されることですよね。
やはり、だからこそ、現場の皆さんがおっしゃっているのは、EPAでさえもこういう実態なわけですから、技能実習生はさらに日本語のレベルが落ちてもいいということになっているわけです。そうすると、結局は、介護の分野でもどういう技能を移転するかと一応分けているんですけれども、単純労働で、そこに集約されちゃうんじゃないかという懸念が持たれるのは当たり前なんですね。どうお考えになりますか。
○三浦政府参考人 先ほどコミュニケーション能力のお話をさせていただきましたし、委員からも、コミュニケーション能力を初めとした技術についてのお話がございました。
私どもとして、実態として技能実習生の方々の水準というものも認識しながら、今後とも検討していきたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 何というか、とてもじゃないが、これでは心配だらけになってしまうと言わなければならないです。
資料の三枚目につけたのは、今既に拡大をしましたEPAの、二枚目に総括表があって、三枚目に、わかるような資料になっておるんですけれども、「介護福祉士の主な受入れ機関・施設範囲について」ということで、この黒いところが拡大した部分なんですね。サテライト型でもいい、つまり、車で二十分で行ける範囲の距離にあればそこも対象となりますよとか、有料老人ホームのような特定施設も対象になりますよ、そういうことが既にもう決まっているわけなんですよね。
では、これが一体、現行、どのくらいの施設が、現行というのは、EPAの受け入れ対象となっていて、これでどのくらい対象施設がふえるのか。やっているかどうかではなくて、対象施設がどのくらいふえるのかということを一つ伺いたいのと、今回は見送られたけれども、訪問介護をEPAに解禁するという考えだと思いますが、確認します。
○石井政府参考人 まず、EPAの介護福祉士候補者については、受け入れ開始以降の経験を踏まえまして、本年四月に受け入れ施設の範囲を拡大いたしたところでございます。
具体的には、従来の、定員三十人以上の入所施設、特養等、そして定員三十人以上の入所施設に併設されている通所介護等の事業所に加えまして、定員三十人以上の特定施設、サテライト型施設、そして定員三十人以上の入所施設に併設されている小規模入所施設を追加したところでございます。
正確な数字というわけにまいりませんで、ややラフになることをお許しいただきたいと思いますが、受け入れ施設数につきまして、定員三十人以上の入所施設について、三十人未満の施設を含む形でしか把握できないわけでございますが、従来からの主な受け入れ施設数は約一万三千施設、そして今回新たに受け入れ可能となった主な施設は約五千三百施設というふうに考えております。
それから、二つ目のお尋ねについて申し上げます。訪問介護を認めるべきではないというお尋ねでございました。
これも、検討を行いました私どもの検討会でいろいろ御議論を賜ったわけでございますが、この中で、EPAによって介護福祉士となった方については、これはやはり、介護福祉士試験によって、日本人介護福祉士と同様に、専門的知識そして技術を有していることが確認されているということがございます。
そして、就労の際には、日本人介護福祉士と同様に、その適性、やはり日本人でありましても、訪問に適している方と必ずしもそうでない方もおられたり、あるいは希望しなかったりということはございます。その適性に沿った業務に配置されると考えられることから、その就労範囲を制限することなく、日本人介護福祉士と同様とすることが適当とされたところでございます。
ただし、この訪問系のサービスを認めることにつきましては、EPAの介護福祉士の受け入れは二国間の経済の連携強化という目的で行われているものでございまして、仮にこのEPA介護福祉士の人権擁護が確実に図られていないと大変な問題になるということでございまして、訪問系サービスの追加に当たりましては、必要な措置をあわせて講ずることが必要とされたところでございます。
幾つかその例が挙がっているところでございますが、この必要な措置の中身につきまして、この検討会で引き続き議論を行っていくことといたしております。
○高橋(千)委員 まず、対象施設がざっくり言って一・五倍くらいになるのかなと思っているのと、一応人権に配慮をすると言いつつも、訪問介護にもサービスの内容を拡大するという方向なわけですね。
そうすると、今、EPAは、やはり二国間の経済連携協定ですので、一定の条件もあるし、厳しい規制もございます。ただ、さっき議論してきたように、やはりEPAで先鞭をつけて、それで施設もこれだけやれますよねという議論が整っていくと、技能実習生の枠も当然広がってくる、そういうことになりかねないと思うので、これは本当に、慎重にやらなければいけないというのか、やるべきではないというふうに思っております。
それで、いろいろ問題はあるんですけれども、さっき法務大臣の答弁にも既にあったように、この介護職種の追加、技能実習生の追加については、資料の一枚目の最後のところにも書いてあるように、新たな技能実習制度の施行と同時に追加を行うというふうに中間まとめではあるわけなんです。
だけれども、ここの表にあるように、本体の制度自体も見直します。そして、介護だからということで固有の要件があります。つまり、日本語要件などは他の物づくりなどにはございません。それをやっておきながら、詳細設計をやらなきゃいけないといって、なぜ同時なんでしょうか。
そもそも施行日は過ぎています。いつやるつもりなんですか。これは、同時施行なんということは考えられないと思いますが、いかがですか、塩崎大臣。
○塩崎国務大臣 介護職種の追加について、そのタイミングについての御指摘、お尋ねがございました。
やはりASEAN諸国においても高齢化が進んでおりまして、日本がこれまで介護保険などを通じて蓄積してきた介護に関する知識、技術の修得が、人材の育成に対するニーズに応えるという中で意味のあることだというふうに考えておりまして、介護職種の追加というのは、そういう意味で国際的にも意味がある。技能実習制度の趣旨にも当然かなうわけであります。
一方で、対人サービスとして初めての職種追加となるわけでございますので、対人サービスである介護業務の特性はやはりしっかり踏まえなければいけないというふうに考えております。
こういうことで、昨年の二月に閣議決定された実行計画に基づいて、介護職種の追加に当たっては、まず第一に、コミュニケーション能力の担保など介護固有の要件の具体的な制度設計を進める、それと同時に、技能実習法案に基づく新制度の詳細が確定した段階で、監理団体の許可制の導入などによる技能実習制度の適正化とあわせて、介護サービスの特性に基づく要請に対応できる状況が整ったことを確認した上で、新制度の施行と同時に職種の追加を行うことにしているものでございます。
○高橋(千)委員 時間が来ましたので終わりますが、言っていることが矛盾していると思いませんか。整った上で施行と同時にと、どうしてそうなるんですか。施行日は過ぎているんですよ。これから修正しなきゃいけないわけですよ。そうしたら、同時にいったら始まっちゃうじゃないですか。何も整っていないのに、どうしてそうなるんですか。
この間、本当に、国連や米国国務省から人身取引の問題での指摘まで受けて、やっと規制強化すると言っているそばから規制緩和も一緒にやっている。これをぎりぎりと詰めていけば、逆に抜け穴ができていく。特区などもありますからね。本当に言っていることが矛盾しているんです。
やはり国際貢献という本来の立場に立ってどうするべきなのかという議論を改めてするべきだということを指摘して、残念ながらこれで終わりたいと思います。
――資料――