機構も厚労省も同罪
年金情報 高橋氏、ずさん対応批判
日本共産党の高橋千鶴子議員は3日の衆院厚生労働委員会で、年金個人情報の流出問題で日本年金機構と厚労省のずさんな対応をとりあげ、事態を悪化させた責任は重大だと追及しました。
高橋氏の質問に機構の水島藤一郎理事長は、氏名など年金4情報すべてが流出した以外のケースについて、「年金の記録統合など一部地域に限定されない業務の情報だった」と初めて明らかにしました。
高橋氏は、流出発覚後も機構がインターネットメールを続けていた問題を質問。水島氏は、機構のインターネットと、厚労省と機構を結んだ統合ネットはアドレスも公開でパソコンも同じだが、庁内LANのアドレスは非公開だと説明しました。
同省は機構とメールでやりとりしながら、「外部と遮断したイントラネット(庁内LAN)だと思っていた」と説明しています。
高橋氏は、アドレスが違うのだから、イントラネットだと思ったという説明は成り立たないと指摘。メールを遮断していなかったことを塩崎恭久厚労相が「常識では考えられない」と批判しながら、厚労省自らは「イントラネットだと思っていた」と責任逃れをしていると批判しました。厚労省の樽見英樹審議官は「一種のイントラネットと思った」としかいえませんでした。
高橋氏は、非公開アドレスに大量の不審メールが届いたのは、非公開アドレスが流出したからではないかと指摘。水島理事長は「インターネットにも非公開アドレスがある」と言い訳しました。
高橋氏は「徹底究明が必要だ。こんな状態で年金とマイナンバー(国民共通番号制度)をつなげるべきではない」と求めました。
(しんぶん赤旗2015年7月4日付より)
遺族年金 男女差別の解消を
高橋氏 “女性活躍”にも逆行
日本共産党の高橋千鶴子議員は3日の衆院厚生労働委員会で、遺族年金などの男女差別の解消を求めました。
児童扶養手当と遺族基礎年金の父子世帯への支給が実施されたのを受け、厚労省の香取照幸年金局長は、2013年度の父子家庭の児童扶養手当は6・5万人、遺族基礎年金は今年度予算で2千世帯と答弁。塩崎恭久厚労相は「男女ともに働き家計を維持していく社会になっている。父子家庭への拡大は評価できる」との認識を示しました。
地方公務員の妻を公務災害でなくした夫が遺族補償年金を受け取れないのは差別だと提訴し、13年に大阪地裁が違憲判決を出しましたが、大阪高裁は今年6月、「妻は独力で生計を維持できない」として、地裁判決を取り消しました。高橋氏は、共働き世帯は夫のみ働く世帯の1・3倍で、男性もリストラや非正規雇用が増えており、「一律に性別や年齢で分ける考え方は見直すべきだ。女性は主たる生計者になりえないというのは政府の“女性の活躍”にも逆行する」と述べました。
塩崎氏は「一律に性別と年齢で分ける考え方は見直すべきとの方向はそのとおりだ」と答弁。遺族給付としての補償など基本的基準を整理して議論していくと述べました。
(しんぶん赤旗2015年7月7日付より)
――議事録――
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
二〇一〇年の八月、児童扶養手当法改正により、父子家庭にも手当が支給されるようになりました。また、遺族年金も、妻が遺族ならもらえていたけれども、夫ならもらえないとか、または五十五歳以上じゃないともらえないし、もらえるけれども六十歳までは支給停止、そういう男女差がありました。しかし、二〇一四年四月からは、遺族基礎年金については、子のある夫にも支給されるようになりました。
それぞれの対象人数がどのくらいか、まずお伺いします。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
児童扶養手当につきましては、平成二十五年度の児童扶養手当の支給者総数が約百七万人でございます。このうち、父子家庭は約六万五千人となってございます。
遺族基礎年金でございますが、平成二十五年度の実績で申し上げますと、全体の受給者数が約九万一千人、当該年度、二十五年度に新規裁定を受けた方が一万一千人でございます。
今御指摘ありました父子家庭への適用の拡大は、二十六年の四月から施行ということなので、現段階ですと実績値がまだ積み上がっておりませんので、実績値はございませんが、私ども、予算上で見込んでおりますのは、二十六年度、当然ここから始まるので新規の裁定ということになりますが、約二千世帯程度と一応見込んでございます。
○高橋(千)委員 たった今の数字なのでまだ実績値が出ていないということだったと思います。
当時は、そもそも、既に妻を失った男性に対しては出ないわけで、遡及を本来はするべきだということもあわせて指摘をしたわけですが、ようやっとここまで来たというところであります。
そのときに、昨年四月二日の厚労委員会なんですけれども、田村前厚労大臣は、「昔は男性が家計を支えるということが前提で制度をつくってきたわけでありますけれども、今や男女ともが働く中において家計を支えておる。こういう考え方のもとに、遺族基礎年金の場合は、片方がお亡くなりになられるわけでありますから、そのような形の中において、両方ともが支えておるという前提のもとで、今般、父子に対しても支給を決定させていただいた」と答えています。
少し回りくどい表現ですけれども、多分、男女共働きが大分普及してきた、だから男だけが主たる生計者という考え方ではもうないんだということで、どちらの立場にあっても、片方を失った場合ということで、父子に対しても支給を決定したという趣旨だったと思うんですね。
この点について、今までは妻だけに限定されていたものを父子にも拡大してきた、厚労省自身が拡大してきたその意義とあるいは趣旨、塩崎大臣にも改めて認識を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 田村前大臣の今引用していただいた発言というのは、基本的には、考え方はそういうことだろうというふうに思います。
遺族年金制度というのは、家計の担い手が死亡した場合に、残された遺族の所得保障を行うものであるわけで、社会保障・税一体改革において、平成二十六年四月から、遺族基礎年金の支給対象を父子家庭に拡大したということでございまして、引き続き、そのあり方について、年金部会においても御議論をいただいているところでございます。
我が国よりも女性の就業が進んでおります諸外国の制度の例を見てみますと、男性も女性もともに生計を維持する役割を果たしているという考え方のもとで、養育する子供がいる場合には、両親のどちらが亡くなった場合でも支給をされている一方で、若い時代に養育する子がいない場合については、遺族給付がないか、あるいは、あるとしても有期給付となっていることが多くなっているようでございまして、年金部会の議論においても、このような形が、男女がともに働く社会における遺族給付の将来的なあり方だと考えられる旨整理をされているところでございます。
社会保障・税一体改革において実施された遺族基礎年金の支給対象の父子家庭への拡大は、こうした考え方に照らしても評価をできるものであるというふうに考えております。
○高橋(千)委員 最後に、評価をできるというふうに認識があったと思います。
それで、資料の二枚目に、「現行制度における遺族年金制度の支給対象者」というのをつけておきました。そもそもこれは非常にわかりにくい制度でありますからあれですけれども、囲みの丸の一つ目が、今大臣おっしゃった、「遺族年金は、世帯の生計の担い手が死亡した場合に、その者によって生計を維持されていた遺族の生活が困難にならないよう、所得保障をする仕組み。」とあるわけです。
それで、変わったところは、支給対象者、「子のある配偶者」というのがありますよね。これはみんな丸がついていたんですけれども、以前は子のある妻だけだったものが、夫にも認められたということです。ただ、遺族厚生年金の方は、「(妻のみ)」というのがまだ残っているということだと思います。
それで、この制度設計を行った二〇一二年二月十四日の社保審年金部会の資料の中でも、「基本的には男女差を解消する方向で、具体的な法的措置について引き続き検討することが考えられる。」と明記をされています。それで、ほかに男女差のある遺族年金とは何かということで、寡婦年金、中高齢寡婦加算、夫の遺族厚生年金の年齢要件、今言った妻のみのここですよね、なんということが挙げられているわけです。
ですから、この間、さらに検討されてきたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
私どもの審議会年金部会での議論は、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、お話ありましたように、諸外国の例を見ましても、男女がそれぞれともに生計を維持する、いわゆる日本で言う共働きの世帯が標準的な家計の形になると考えますと、どちらかが亡くなった場合でも、養育されるお子さんには一定の影響が出ますので、その意味では、どちらが亡くなった場合でも遺族年金を出すというのが基本的な考え方。その意味では、男女差のない形で制度を将来的には設計するというのは、審議会でもそのような方向性が出ているということでございます。
他方で、今の遺族年金は、夫と妻の間での扶養関係も頭に置いて、お子様がいらっしゃらない場合でも、例えば旦那さんが亡くなると女性の奥様の方に出るという形態になっているわけですが、この点はむしろ、諸外国ですと、子供に対してはどちらが亡くなっても出すということになりますが、夫婦の間で言いますと、大臣からも御答弁申し上げましたように、子供がいない場合にはそもそも遺族年金は支給しない、あるいは有期にするといったような整理がなされているということでございます。そうしますと、これは遺族年金全体の設計の考え方をどうするかということに立ち至ることになります。
他方で、我が国の現状を考えますと、将来その形に向かうとしても、まだ、主たる生計者が夫で、妻が専業主婦で、夫が亡くなって遺族年金で生活されているという方は結構いらっしゃることになりますので、そうしますと、そういった今の実態も踏まえながら、少しずつ、どういうふうに変えていくかという形で考えていかなければいけないということになりますので、実態を踏まえながら将来の形を考えるということになりますので、ある程度時間をかけて、遺族年金全体の設計をある意味では将来に向けて考えていく、そういう整理が必要だということで、この問題は、遺族年金全体のあり方を少し時間をかけて議論しましょうというのが現在の審議会での整理というふうに承知しております。
○高橋(千)委員 諸外国でももう男女差がなくなっているんだ、その認識は共有できていると思うんですね。
ただ、全体の設計を述べていくときに、きっとこれは所得保障と社会保障の負担の関係が云々という話になって、差がないんだったらなくてもいいんじゃないかという議論に行ってしまうのかなというちょっと不安を持って今聞きました。
そうではなくて、やはり、男女差がないよねというところから、まだ不都合になっているところを解消していくという議論をまず始めたいというふうに思っているんです。
そこで、資料の一枚目、これはことしの六月二十一日付の朝日の社説です。出だしのところ、私がアンダーラインを引きました。読ませていただきます。「地方公務員が労災で亡くなったとき、配偶者が女性なら年齢を問わず遺族補償年金を受け取れるのに、男性だと五十五歳以上でないと受給資格がない――。 こんな男女格差が認められるかが争われた訴訟で、大阪高裁は「法の下の平等を定めた憲法に反する」とした大阪地裁判決を取り消し、元会社員男性の請求を退けた。」云々、こうあるわけですね。中学校教師だった妻が自殺したのは九八年。当時男性は五十一歳だったために、今しきりに私が言った対象外ということで、不支給になったのであります。
実は、私は、先ほど来議論している昨年の四月の質問のときに、この大阪高裁の地裁判決、法のもとの平等に反するという判決を引いて質問をしました。そのときに、厚労省が児童扶養手当を父子家庭にも支給するという改正を行ったことが判決にも大きな力になった、裏づけの一つになったという判例の解説を紹介いたしました。
ところが、今度は逆の結果になってしまって、高裁で却下になったわけですね。非常に時代おくれだなと思うし、残念に思うわけです。志田博文裁判長は、夫に比べ妻は独力で生計を維持できない可能性が高く、男女差規定には合理性があると述べたというんですね。しかし、社説でもあるように、また今の大臣や局長の答弁でもあるように、今は共働き世帯がふえている。夫のみ働く世帯の一・三倍なわけですね。男女の賃金格差も確かにまだ大きいです。ただ、これはかなり縮まってきております。
私が当時訴えを受けた五十代の男性の場合ですと、小学生二人残して妻に先立たれて、自分は会社が倒産して失業している。なので、もうその年齢になってなかなか正社員にはなれないわけですよね。そういう意味では、リストラに遭ったり非正規雇用を余儀なくされるというのは、この条件というのはやはり現実的にはふえているわけですよね。そういう意味でも、時代の変化を踏まえて、やはり解消していかなければならないと思うんです。
そこで、大臣に、一般論で伺います。
男女の賃金格差が数字ではまだあります。だからといって、一つは、病気や失業、さまざまな理由で困難な男性も多いです。一律に性別と年齢で分ける考え方は見直すべきではないか。逆に、女性が活躍する社会を安倍内閣は目指しているわけですよね。そのときに、今読み上げたように、女性は独力で生計を維持できないと決めつける。裏を返せば、妻は主たる生計者になり得ないということになります。これはやはり逆行するのではないでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど局長が答弁したように、かつては、男が働き、奥様は専業主婦で、子供さんがいて、御主人が亡くなったときにどうするかというような典型例を前提に年金の場合の遺族年金というのが組み立てられて、そこに、税が入る基礎年金部分と厚生年金の部分とあるということで、いろいろ制度が変わりつつある途中というふうに考えなければいけないのかなというふうに思うわけであります。
今の地裁と高裁でこれだけ違う判決が出てくるというのは、これは年金ではございませんが、まだ実態の生活パターンというものが、あるいは夫婦の関係、そして働くことということの新しい時代における形というのが変容しつつあるということが背景にまずあるんだろうと思います。
御質問のとおり、地方公務員の労災補償の遺族補償年金をめぐって、今のような大阪高裁で出された判決があるということは、今お話をいただいたとおりであります。
判決の事案というのは、業務上生じた事故に対する損失補償である地方公務員の災害補償制度に関するものであって、老齢それから障害、死亡に伴う稼得能力の喪失を基本的な考えに置く公的年金制度とは、制度の趣旨あるいは給付の性格というものが異なるんだろうなというふうに思います。
したがって、この判決が遺族年金制度のあり方に直接影響を及ぼすものではないのではないかというふうに考える上で、さらにその上で、公的年金制度の遺族年金の男女差をどう考えるかということについては、先ほど御説明申し上げたとおり、単に男女差を解消するということではなく、遺族給付としてどのような補償を行うのかという基本的な考え方の整理というものを行っていくことが必要であるという考え方が、先ほどの年金部会における議論の整理として示されているわけであります。
今先生がおっしゃったような、一律に性別と年齢で分ける考え方は見直すべきではないか、そういう方向はそのとおりだというふうに思うわけでありますし、当然、安倍内閣は女性の活躍を推進しようということでありますので、そういう考え方には賛成でありますけれども、年金部会における年金の遺族に対する扱いについての議論というのは少し違うのかなということで、しっかりと、少し時間をかけて遺族年金制度の見直しについて検討を進めていくべきではないかというふうに思います。
○高橋(千)委員 初めて大臣と意見が一致したかなと今思ったわけであります。
基本的に、地方公務員の労災の年金なんですけれども、考え方、制度設計は、厚生労働省の遺族年金に沿って制度設計をされているわけなんですね。なので、今おっしゃった、やはり一律に決めるべきではないというのはそのとおりだとおっしゃってくださったこと、そもそも昔と考え方は変わっているという認識、やはりそのことがとても大事な答弁であったと思いますので、それ以上は聞きませんので、きょうは、この点についてはこれで終わりたいと思います。ありがとうございます。
それで、年金情報流出問題について進めていきたいと思います。
きのうの参議院厚労委員会でも、もう何回も審議が中断しました。答弁も何度も訂正されて、本当に、全てが信頼できない、暗たんたる気持ちにさせられました。
予算委員会を十八日にやって、そのときにやり残した質問もあるんですけれども、きょうまず伺いたいのは、その後に発表された事実として、百一万人ですよね。百二十五万件のうち百一万人まで、三情報、二情報の方たちがどなたかというところがわかったという発表があったわけです。
そのときに、不思議に思うのは、四情報が流出したのは一万五千人、この方たちは栃木、福岡、沖縄に突出しておりまして、ゼロのところも含め、一桁台がほとんどなわけですよね。ところが、この百一万人は、四十七都道府県全てに満遍なく分布しているのはなぜなんでしょうか。
○水島参考人 お答えいたします。
四情報が流出をいたしました一万五千人の方につきましては、機構において作業をしておりました情報の一部が流出したものでございまして、その作業の内容といたしまして、栃木、福岡、沖縄の三県にかかわる方に関して作業中であったということでございます。
それから、二情報、三情報でございますが、これらの方々に関しましては、全国にかかわる情報が流出したということでございまして、その結果として全国に分布したということであるというふうに考えております。
○高橋(千)委員 全国にかかわる情報、どんな作業をしていたんでしょうか。
要するに、情報の出どころに非常にかかわってくると思うんですけれども、明らかに今言っている趣旨が違うと思うんですよね、一万五千人の趣旨と百一万人の趣旨と。全国にかかわるどんな作業をされていたということでしょうか。
○水島参考人 今までこの内容につきましては実はお話を申し上げてまいりませんでしたが、ここで申し上げられますことは、やはり、例えば記録問題でございますとか、いわゆる一部の地域に限定がされない業務に関する情報が残念ながら流出してしまったということでございます。
○高橋(千)委員 前は、記録問題ですねと言ったら、それはお答えできませんと言ってあったけれども、そういうことだと。
私はやはり、この情報の出どころというのが何らかの形で基幹システムにさわっているのではないか、だからこういうことになっているのではないのかなと思うんです。
確認をいたします。
五月二十九日にネットを遮断したというのは、メールではなかったということを答弁されているわけですよね。その後、六月四日に遮断したのは、外部のインターネットと接続しているメールと、統合ネットワークによる厚労省と直接やりとりしているメールの二つである。その際、パソコンとアドレス、私がもしその職員だとすれば、持っているアドレスは同じである、これで間違いないでしょうか。
また、年金機構内だけのイントラネット、これは今も利用している、アドレスは非公開のアドレスを使っているという理解でよろしいでしょうか。
○水島参考人 おっしゃるとおりでございますが、少し申し上げさせていただきますと、統合ネットワークを経由いたしました利用といたしましては、いわゆるインターネットのウエブ閲覧機能は統合ネットワークを介しております。それから、厚労省とのメールのネットワーク、それからインターネットとのメールネットワーク、これは六月四日に遮断をしたわけでございます。イントラネットは現在も維持をいたしております。
○高橋(千)委員 ということなんですね。
そうすると、四日までメールを使っていた問題について、水島理事長は、私自身が判断したと述べました。大臣は、本委員会で陳謝をして、常識では考えられないと述べたわけですよね。だけれども、なぜメールを使っていたかというと、外部の企業などと頻繁に連絡をとる必要があって非常に不便だと。今不便な状態になっているわけなんですけれども。
しかし、問題は、これは同じアドレスなんですね。同じアドレスで二種類あって、統合ネットワークのシステムのメールは厚労省とやりとりしていたんです。知らないと言っても厚労省がそのメールを受けていた。それも公開のアドレスですよ。nenkin.go.jpのアドレスでメールをもらっていながら、それはイントラネットだ、閉鎖されているメールだと思っていた。これはどっちもどっちでしょう。もう監督責任とかいう、そういうレベルではありません。厚労省がメールをずっとやりとりしていながら、これは大丈夫だと思っていた。おかしくないですか。
○樽見政府参考人 まさに機構とのメールについて、統合ネットワークというところを通じて厚生労働省としてはつながっていたということでありまして、アドレスはnenkin.go.jpということで、そういう形でつながっていると思っていたということでございますので、おかしいということは当たらないのではないかというふうに考えてございます。
○高橋(千)委員 何でおかしいのが当たらないんですか。四日までメールを遮断していなかったということがわかったときに、常識では考えられないと大臣は言ったんですよ。それを、四日まで自分たちがメールを受けていて、おかしくないとはどういう意味ですか。
○樽見政府参考人 まさに統合ネットワークというところを使っているわけでありまして、外のインターネットの線を使っているわけではなかったということで、そういうふうに思っていたということでございます。
○高橋(千)委員 違います。統合ネットワークを使っていたんだけれども、それはイントラネットだと思い込んでいたんですよ、厚労省が。そんなこともわからなかった。認めますか。
○樽見政府参考人 年金局の人間、まさに厚生労働省職員がメールのやりとりをしていたわけでございます。そういうことでいいますと、機構とのやりとりということについては、機構と各拠点との間にイントラネットは構築されて、これは稼働しているわけでございます。厚生労働省の職員も、統合ネットワークというところを通じているわけでございますが、これまた、インターネットの、外の線というのではなくて、そういういわば特別につながっている線があるのでメールのやりとりはできるというふうに思っておりましたし、それが特に不自然ということではないだろうというふうに思っております。
○高橋(千)委員 本当に言っている意味わかるんでしょうか。職員は認めているんですよ、イントラネットだと思っていたと。閉じたシステムだと思っていたんですよ。だけれども、それは統合ネットワークだったと。全然趣旨が違うじゃないですか。
さっき理事長が答えたように、イントラネットは非公開のアドレスなんですよ。全く違うものなんです。その違いさえもわからなかったということでしょう、四日までは。
○樽見政府参考人 そういうことでいいますと、いわば外の、インターネットではなくて統合ネットワークでつながっていたということでございますけれども、いわば特別の線を使ってつながっているというふうに思っていたということでございまして、そういうことで、一種のイントラネットでつながっているというふうに思っていたということでございますので、そこが、アドレス等から見て気がつかなかったのかと言われると、若干じくじたるところは、私も今になってみると感じますけれども、そういうことで、特に機構本部と拠点、それから私ども年金局ということについては日常的にやりとりをしているものでございますから、そういうふうに考えていたということでございます。
○高橋(千)委員 これは絶対認められませんよ。大臣がどれだけ大きな声で、常識では考えられないと言ったのは、それは自分のところに返す言葉だったんです。大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 実態は、統合ネットワークを通じたメールでのやりとりが続いていた、それをイントラネットと誤解していたというふうに私は理解をしているわけでありまして、一旦閉じたはずのインターネットが統合ネットワークではまだつながっていたし、独自のメール回線もあいていたということがわかって、六月四日に全てを閉じて、あとは厳密な意味でのイントラネットだけが今動いている、こういうことだと思います。
○高橋(千)委員 大臣も事の重大性をわかっていないと思いますよ。だって、統合ネットワークだと思って、統合ネットワークで通じていたものは今閉じているわけですよね。イントラネットは動いているわけですよ。それで閉鎖されているから安心だと思っていたのが厚労省だということを指摘しているわけですから、これは本当に責任を免れないと思います。
問いがいっぱい残っちゃいましたので、次の質問、関係するので聞きますけれども、私の手元に機構の資料があります。これは五月十八日午前に百通、同じく十八日に十五通、一通、一通、つまり十七通、そして十九日、計十八通、こうやってメールが来た形跡があります。そのときに、受信アドレスが実は未公開アドレスだというのが幾つかあるんですね。感染は確認されておりません。
つまり、さっきから言っているように、未公開アドレスということは、結局、庁内LANなんです。イントラネットで使っているアドレスが最初のウイルスでもしかして流出した、そういう意味もあるんですよ。これはお認めになりますか。
○水島参考人 どのパソコンに届いたかということに関しましては公開をいたしておりませんが、少なくともイントラのアドレスに標的型のメールが届いたということはございません。
○高橋(千)委員 未公開のアドレスに届いておりますが、では、それはどういうことでしょうか。
○水島参考人 いわゆるインターネットアドレスにそのようなメールは届いていたということでございます。
○高橋(千)委員 インターネットではなくて、インターネットには違いないかもしれないけれども、さっきから言っているイントラネットの方は非公開のアドレスですよねと。理事長は答えました。それに届いているじゃないかと言っているんです、ウイルスが。
○渡辺委員長 既に申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
最後に、簡潔にお願いいたします。
○水島参考人 インターネットアドレスに関しまして、私どもは全て公開しているわけではございませんで、そういう意味では、公開をしていない職員のアドレスもございます。
○高橋(千)委員 一言で終わります。
とてもじゃないが、きょうは続けられないので、改めて集中をお願いしたいと思います。
それから、済みません、西村副大臣においでいただいたんですが、こんな調子で、そちらまでいきませんでした。マイナンバーと成長戦略についてぜひ伺いたいと思ったのと、このような状態では、とても年金をマイナンバーに結ぶことは無理だということを強く訴えて、ぜひまた次の機会にお伺いしたいと思います。
ありがとうございました。終わります。
――資料――