復興費用 自治体負担持ち込むな/高橋氏「集中期間延長を」
日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院予算委員会の総括質疑で、政府が2015年度までとしている東日本大震災からの「集中復興期間」の延長を求めるとともに、復興に関する費用について「自治体負担を持ち込むことはあってはならない」と主張しました。
安倍首相は大震災から4年を迎えるにあたっての会見(10日)で「来年3月で復興期間は終了いたします。次の5年間の新たな支援の枠組みを夏までに策定する」と発言。竹下亘復興相は、16年度以降は被災自治体への負担を示唆しています。
高橋氏は、被災自治体は1000億円超の復興事業を抱えており、1%の負担でも通常予算の数倍にもなることを強調。被災自治体は、資材高や人手不足による入札不調のなかで復興にむけ努力してきたことをあげ、「大変な努力をされてきたが、それだけではどうにもならない現実がある」と指摘し、復興予算は国が全額負担するよう求めました。
竹下亘復興相は「5年間は異例中の異例の措置として全て国費でおこなってきた」「ずっと(国の負担が)10分の10という状況がほんとにいいのか議論したい」と述べながら、「復興の基幹的な事業はすべて国費でやります」と答えました。
(しんぶん赤旗2015年3月16日付より)
介護制度、国が支えよ/高橋議員 実態示し、転換迫る
日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院予算委員会で、介護事業者や従事者、家庭の実態を示し、国が介護制度の充実に責任を持つように求めました。
4月からの介護報酬は、職員の処遇改善加算として1万2000円をプラスするとしながら全体としてはマイナス2・27%となります。高橋氏は、「介護事業者の経営は悪化し、結果として職員の処遇も改善されず、処遇改善加算さえ受け取れないのではないのか」との声が上がっていることを紹介。ある社会福祉法人は、30人定員のデイサービスでは加算増額分を受け取っても354万円もの減収になると試算していることを示しました。
塩崎恭久厚労相は「各事業者は積極的に処遇改善にとりくんでいただきたい」などと答えるだけで、高橋氏は「(介護報酬全体では)10年ぶりの大幅引き下げだ。基本給が下がれば結局マイナスで元も子もなくなる」と批判しました。
高橋氏は、介護従事者が「働きがいがある」と仕事を選びながら3年未満で7割以上が離職せざるを得なくなっている一方で、家族などを介護するために、若年層も含め年間10万人が仕事を辞めている実態を示し、「これは社会にとって損失とは思わないか」「国がしっかりと支える方向に介護制度を切り替えるべきだ」と主張しました。
(しんぶん赤旗2015年3月14日付より)
――議事録――
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
東日本大震災と原発事故から丸四年がたちました。
私も、三月十一日には、宮城県岩沼市で行われた追悼式典に参加をさせていただきました。市長が岩沼市民百八十一名の犠牲者名簿を祭壇におさめたときによみがえってきたのは、被災直後に訪れた被災地の沿岸部の光景でありました。田んぼが海のようになり、上物が全て流された家の土台と瓦れきの中に、赤いきれのついた棒が幾つも立っておりました。そこに御遺体があったという印であります。つい少し前まであった日常と命が一瞬に奪われてしまったことに大変打ちのめされました。
改めて、犠牲になられた皆さんに心から哀悼の意を表したいと思います。
今、被災者は風化という言葉と戦っています。
総理は、東日本大震災四年に当たっての記者会見で、「来年三月で、五年間にわたった集中復興期間は終了いたしますが、次の五年間の新たな復興支援の枠組みをこの夏までに策定いたします。」と発言されました。この趣旨を伺いたいんですね。
五年間といっても、最初の一年間は復興の基本方針をつくるので精いっぱいで、復興交付金などの具体的なメニューが決まったのは十二月、高台移転などの前提となる危険区域の指定が決まったのも年内もしくは年明けでありました。
五年間で終わりにならないのは自治体の責任ではありません。復興期間は延長してほしいという声にどう応えていくのか、お答えください。
○安倍内閣総理大臣 まずは、復興の加速化に重点化している平成二十七年度予算の成立に全力を尽くしていきたいと思います。
その上で、平成二十八年度以降も、必要な事業は、引き続きしっかりと実施をしていきます。財源も含めて、今後、そのあり方を検討していきます。二十八年度以降も、私たちはとまることはありません。我々はとまらないというのが基本的な考え方であります。これが基本的な姿勢でありまして、被災地の方々の心に寄り添いながらしっかりと対応してまいります。
集中復興期間の最終年度を迎えるに当たりまして、被災地の将来への懸念を払拭するためには、財政健全化計画との関係にも留意をし、できる限り早期に二十八年度以降の復興支援の枠組みを示す必要があると考えています。
このため、三月十日の復興推進会議においては、私から、枠組みの基本的な考え方として、被災地が見通しを持って事業に取り組めるよう、復興期間後期の五年間の枠組みとすること、そして、新たなステージにおいて日本の再生と成長を牽引する役割を担うことを目指してもらうため、被災地の自立につながるものとすること、そして、被災者の方々の心に寄り添い、必要な支援は引き続きしっかり行うものとすること、この三点を示した上で、この考え方に基づきまして、復興大臣が中心となって、早速、これまでの我々の取り組みの総括に取りかかるように指示をしたところでございます。
その上で、二十八年度予算の概算要求に向けた作業に十分間に合うように、今後の復興支援の枠組みをしっかり策定することとしたいと考えています。
○高橋(千)委員 まず、とまらないという言葉を総理は何度も強調されて、当然、とまれる状態ではないわけです。
問題は、今各自治体が心配されているのは、新たな枠組みで自治体負担が取り沙汰されているということであります。一%という数字も出ているんですけれども、ただ、一%といっても、復興事業自体が大変大きいです。一つの自治体にとって一千億、二千億、そういう額になって、通常自治体が持っている予算の何倍にもなるわけですね。だから、一%ということが非常に大きな意味を持っている。
資材高と人手不足による入札不調、あるいは土地所有者の権利の了解をとるために全国を飛び回るなど、大変な努力をされてきました。しかし、努力だけではどうにもならない現実があるんです。ここに自治体負担を持ち込むということはあってはならない。この点を伺いたいと思います。
○竹下国務大臣 委員御承知のとおり、東日本大震災の復興事業は、これまで、前半の五年間、集中復興期間は、被災地が広いこと、さらには、財政負担ができるような強い市町村がほとんどないという状況、多くの方が被災されている、こういった状況を鑑みまして、異例中の異例の措置として、全て国費、実質全て国費で行うという体制をとってまいりました。
これから後半に入っていくわけでございますが、まず、ひとつ誤解をしないでいただきたいのは、確かに私は、これからも財源のあり方として全て国費でいいのかという疑問を投げかけたことは事実でございます。ただ、復興の基幹的な事業は全て国費でやります。あるいは、原子力発電所の事故に関連するといったことはこれまでどおり全て国費でやらなければならないことだろう。これは総理も、原発事故に関しては国が前面に立つとおっしゃっているわけでありまして、そうしたほとんどの部分は基幹的事業であり、あるいは原発に関連する事業である。
一つの町が、百億の通常の年間予算が、今一千億ぐらいになっているんですが、それに一%じゃなくて、そこの全てに掛けるわけでは全くない、大部分は違いますということを前提としてお聞きをいただきたいんですが、地方が自立するんだという気概をしっかり持っていただく。
ずっと全て、十分の十、国に言えば何でもできるという状況が本当にいいのか、これはこれから議論していきたい。また、負担ができる市町村にも限りがありますので、市町村の意見もしっかりよく聞いて、丁寧に対応していかなければならない課題だ、こう思っております。
○高橋(千)委員 自治体が自立するんだとおっしゃいますけれども、そもそも、自治体の皆さんは被災者と本当に直面しているわけです。自立するしないというか、当然やらざるを得ないわけですね。国が一〇〇%面倒を見て、それにおんぶにだっこ、そういうことでは決してないということを重ねて指摘をしたいと思います。
もちろん、この際だからといって震災に関係ないものを、道路をつくったり、それも関係ない道路とか、そういうものは当然排除するべきですよ。だけれども、基本的にそんなことをやっている余裕がないという実態があるんだ。それは、基幹的な事業に対してはきちんと国費を出していくということをおっしゃいましたので、きょうはそこをきちんと確認をさせていただきたい。次の議論をしたいと思いますので、引き続きお願いしたいと思います。
そこで、次に、四月からの介護報酬の大幅引き下げが、この間この委員会でも大きな問題となってまいりました。
昨年の通常国会で、介護従事者の処遇改善を行うことを明記した法律を全会一致で成立させました。私も提案者の一人となり、野党が毎月一万円の賃上げを共同提案し、最後は全会一致の法律に実りました。だからこそ、非常に裏切られた気持ちなんです。
マイナス二・二七%と言いますが、処遇改善分を除けば実質四・四八%のマイナス。これにより経営が悪化し、結局一万二千円の処遇改善加算も受け取れないのではないか、こういう懸念がありますが、厚労大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今先生から処遇改善加算のことについてお話をいただきました。
まず申し上げなきゃいけないのは、これは、今回、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するということでありますけれども、それに加えて適正化もということで、今先生の御懸念のようなことが指摘もされているわけでありますけれども、しかし、全体としては、改定後も事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るように改定率を、改定しているところでございます。
そこで、今の処遇改善加算を算定する事業者に対して、職位とか職責、職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備すること、それから資質向上のための計画を策定して研修を実施することの双方、今まではどちらかでよかったんですけれども、双方を求めることとしておりまして、これは、処遇改善に取り組もうという事業者であれば十分対応可能なものであると思っておりまして、各事業者には、今回の加算の充実の趣旨を御理解の上で、積極的に処遇改善に取り組んでいただきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 お手元の資料をごらんになっていただきたいと思うんですが、これは、ある社会福祉法人の、ですからいろいろな種類のものをやっているわけですが、今回の報酬改定の影響を試算してもらったものであります。
一番上の三十名定員のデイサービス、これを見ていただきたいんですが、右端に、現在、処遇改善加算が、受け取っている百三十一万円、今回、増額分として百三十五万円が見込めると。ところが、八、加算を含めない介護報酬の減額、四百八十九万、マイナス七・一%に上るんですね。つまり、全額もらったとしても、差し引きで三百五十四万の減収、マイナス五・一%。もし、全然加算がつかなければ、六百二十万円、マイナス九%の減収というように、実際のマイナス幅より大きく影響が出てくる。
実は、先ほど大臣がおっしゃったように、処遇改善をきちんとやる、きちんと届ける、そのために要件が逆に厳しくなって、今までとれたところもとれないのではないかということが心配されているんです。
そもそも、介護報酬に連動して基本給が下がるんじゃありませんか。一万二千円と言いますけれども、基本給じゃなくてもいいことになっているんですよね。つまり、賞与や手当という形で加算をされても、基本給が下がっちゃったら、結果、マイナスになって、元も子もなくなる、こういうこともあり得ませんか。
○塩崎国務大臣 今回の改定におけます加算の充実とあわせて、介護職員の処遇がしっかり改善されるように運用の見直しというものを行うということを、何度かもう既に申し上げているところでございます。
具体的には、計画とか、あるいは実績の報告に記載する項目を今までと変えて見直しをして、事業者の具体的な取り組みを詳細に把握をする。そして、今のお話にありましたように、基本給とボーナス、双方を合わせての話でありまして、そして、経営悪化等によってやむを得ず賃金水準を低下せざるを得ないような場合の取り扱いは、適切に労使の合意を得るなど、適切な運用がなされているかを確認するために、新たに届け出を求めるということにこれからいたすわけであります。
それから、処遇改善の取り組みを介護職員にわかりやすく周知するということも今までやっていなかったことでありまして、これを徹底するということが大事でありまして、合理的な理由がないにもかかわらず、基本給をふやすかわりに賞与等を減らして賃金水準を引き下げるということは認めないということを予定しているわけでございます。
これらの取り組みを講じることによって介護職員の処遇が改善されるように、これは、国だけではなくて、都道府県ともしっかり連携をして運用をしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 今、賞与だけはやっても基本給が下がって、そういうのは認めないとおっしゃったと思うんですね。でも、それは結局、そのために処遇改善をやるよといってもできないということを認めたことになると思うんです。だって、本体がマイナスなんですから。しかも、十年ぶりの大幅引き下げなんですね。
これで結局、改善交付金を出したといっても、それが元も子もなくなるというこの指摘は、全くそのとおりだということになると思うんですね。厳しくするだけではだめだ、本体を変えなければだめだということを重ねて指摘をしたいと思います。
そこで、総理にぜひ伺いたいと思うんですが、もともと、これはどうしてこういう問題が起きてきたのか。
財政制度審議会が、経営実態調査を見て、収入と支出の差が八%ある、それで、その平均値を見て、では最低でも六%下げられるだろう、こう号令をかけたのが発端なわけであります。そこまでは下げなかったわけですけれども、まだ下げろという議論は実はありますよね。
例えば、昨年十月八日、つまり、この引き下げの問題が議論された財政制度分科会では、ガード下の空き地を利用したデイサービスを実はやっていますというある委員が、設備投資は一千万程度で安く上がって、七十人も利用者がいれば半年で黒字になりますと話しているんですね。保育所だって、別に駅につくればいいんだ、車庫を保育所にすればもうかるんだということを話しているんですね。どなたかと思ったら、阪急電鉄の社長のせりふであった。だから、土地は自前だという話なんですね。
このような、規模を拡大すればスケールメリットがあるから、もっとコストを下げられるよ、成長分野なので下げる余地はある、競争できるよ、こういう議論がされているんです。本当にこれでいいんでしょうか。介護保険の外のサービスで、混合介護戦略なんという言葉があるそうですけれども、そういう形でもっともっと利益を上げていくことができるんじゃないかという議論がされているんです。
総理は、介護を成長分野に置いてきました。こうした規模拡大や、さらなる規制緩和、安上がりの介護、これを認める立場なのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 安上がりを認める、安上がりという意味においては、効率化は進めていきたいと思っておりますが、それでサービスの質を低下しようということは全く考えていないわけでありまして、サービスの質を維持しつつ、しっかりと効率化を行っていく。
何といっても、介護保険につきましては、これは税金も入っておりますが、同時に保険料と本人の負担があるわけでありますから、介護報酬が上がっていけば、本人の負担もあるいは保険料という形でも国民の皆様にはね返っていくわけでありますから、その中で考えていかなければいけないということで先般の改定が行われたわけでございます。
しかし、それによって、例えば、今後三年間で一五%程度上昇すると見込まれていた高齢者の保険料が、一〇%程度まで、約五%抑制できるわけでございますし、そうしたものをしっかりと行っていく。また、低所得者の保険料は現行とおおむね同水準に維持できる、こう見込んでおります。また、介護サービスの利用者負担を平均で二%程度軽減できる、こう考えているわけであります。
一方、先ほど厚労大臣から既にお答えをさせていただいておりますように、他の報酬とは別枠で、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算も行いますし、中重度の要介護者や認知症高齢者を受け入れ、人員増等を行う場合、きめ細かく加算をしていきます。またあるいは、小規模な地域密着型サービスなどは手厚い報酬を設定していくなど、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われ、一律の引き下げとならないようにしております。
○高橋(千)委員 総理が、何度も、介護報酬を上げれば利用者負担にはね返るんだということをおっしゃっていたのを、それを私も何度も聞いておりました。
ただ、実際には、今回、例えば保険料の負担をどれだけ抑えられますか。二百三十円安くなるのではなくて、値上がりするのを若干抑えることができるんです、低所得者は現状維持なんです、その程度なんです。その程度で、失うものが余りにも大きいのではないか、このことを指摘しなければならない。
また、めり張りもつけました。例えば夜勤の非常勤の職員を雇うのに加算をするとか。でも、これは、今だって非常勤の人、二人だけでやっている、一人だけでやっている、そういう危険な実態があるんです。そこに、また非常勤を足すことに加算するだけではやはりだめだ、根本的な解決が必要だということを重ねて訴えたいと思います。
そこで、パネルを見ていただきたいと思うんですが、今、年間十万人も介護のために仕事をやめる人がいる。これは繰り返し指摘をされてきたものであります。
この五年間の経緯を見ていただきたいんですが、女性が多いのは想像どおりです。だけれども、ごらんのように、男性が二割前後、これだけの方が実際には家族の介護のために離職をされているという実態があるんですね。これは、介護休暇とか育児休暇だと、ほとんど男性の利用がありません。数%です。それと比べても、いかに大きいかがわかるかと思います。
もう一つ、介護のために離転職する方たちの年齢構成なんですけれども、男性が、この五年間で、二十代が三・一%、三十代が七・三%。これだけ若い人たちがいるんです。若い人たちの問題でもあるということなんです。
私は、この間、いろいろな地域を回っていて介護の話をしたときに、若年者は問題だよと言ったら、そうだよ、うちは娘がおばあちゃんの介護をしているんだ、嫁に行かれたら困っちゃう、こんな議論がされているんですね。
介護は高齢者だけの問題ではない。そして、本当に、男性でさえも二割というこの実態。大臣はどのように認識していらっしゃるでしょうか。
○塩崎国務大臣 総務省の就業構造基本調査を見ますと、平成二十三年十月から二十四年九月までの一年間に、家族の介護、看護を理由に離職した雇用者数の約九万五千人のうち、年齢別では三十代が九・三%、そして、性別では男性が一九・五%というふうになって、今先生御指摘のとおりであります。
我が国において、少子高齢化が進む中で、誰もが仕事と介護を両立して、そして継続就業できる環境整備が、当然、これは重要な課題であるわけでありまして、このため、介護休業あるいは介護休暇の周知、そして、企業への介護休業の規定整備や法違反に対する指導等を厚労省として今行っているところでございます。
さらに、育児・介護休業法につきましては、現在、今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会におきまして、仕事と介護を両立できる環境整備のために、介護期の柔軟な働き方の充実と必要な見直しの検討を進めておりますので、これが二十七年の夏ごろに報告書を取りまとめていただけるのではないかというふうに考えておりまして、今先生御指摘のような問題に対しての対処をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 本当は総理にもう一問聞くつもりでしたが、時間が回ってきますので、指摘だけして終わりたいと思うんです。
一方では、介護従事者の離職者、六人に一人がやめております。特徴は、在職一年未満が三九・二%、三年未満が三四%、合わせると七割以上が三年未満で介護の仕事をやめているんですね。このように、本当に働き盛りの人たちが家族の介護のために仕事をやめる。一方で、働きがいを持って、誇りを持って介護の仕事をやっている従事者が、三年未満で介護の仕事がきつくてやっていけないとやめていく。これは本当に社会の損失ではないか。このことを本当に指摘したいと思う。
そういう立場で、国がしっかりと介護を支えるんだ、家族の中に閉じ込めるのではなくて、介護を支えるんだという方向に切りかえていくべきだ、このことを指摘して、終わりたいと思います。
ありがとうございました。
――資料・パネル――
【資料1】介護報酬改定算定表(a社会福祉法人の試算結果より)
【資料2】介護・看護を理由とする離転職者数
【資料3】介護・看護を理由とする離転職者の年齢構成割合(平成19年10月~24年9月)
【パネル1】介護・看護を理由とする離転職者数
【パネル2】介護・看護を理由とする離転職者の年齢構成割合(平成19年10月~24年9月)
――動画――