――議事録――
○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律の一部を改正する法律案に対し、一言意見を申し述べます。
戦争遺族の援護を行う遺族会の事務所を国の責任で存続させることは理解できるものです。
しかし、遺族会事務所の存続のために国有財産である九段会館の土地を民間事業者に貸し付けることについてはさまざまな問題があります。
法案は、貸し付けを受けた民間事業者が高層建物を建てることを前提にしていますが、高層建物の建設においては、日照被害、風害、景観への影響等が懸念され、住民合意のない高層化は問題があります。
また、九段会館は千代田区景観まちづくり条例に基づく景観まちづくり重要物件の第一号指定物件であり、保存を求める意見もあります。九段会館の保存の余地についても慎重な検討が必要です。
これは、国民の財産である国有地利用の問題であり、千代田区や地元住民も加え、徹底した情報公開のもと、住民合意で今後の九段会館のあり方を検討することが必要だと考えます。
法案は会期末に提出され、拙速な採決に至ったことは極めて遺憾であり、賛成できません。十分な審議を行うべきであると意見を申し述べ、意見表明といたします。