――議事録――
○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案に対し、雇用保険制度が担う役割を一層拡充させる必要があるとの立場から一言申し上げます。
本法律案は、育児休業給付の給付率の引き上げや個別延長給付の暫定措置の延長など、必要な措置が盛り込まれており、賛成するものです。また、法改正に関連して、特定受給資格者の基準のうち、時間外労働、過重労働に関する要件を緩和し、長時間労働を強いられた結果、離職せざるを得なかった場合などを従前よりも幅広く認めるようにすることは、評価できる内容です。
一方で、失業給付の改善については、引き続き検討する課題とされました。
失業給付は、たび重なる法改悪で、離職理由による給付日数の違いや、給付日数の短縮がされてきました。その結果、最も短い九十日の給付が八十八万八千三百十七人と五七・五%を占め、その約半数は失業給付が終わっても再就職できていないという状況です。
有効求人倍率が一倍を超え、雇用情勢の改善が言われるもとでも、正社員求人は〇・六七倍であり、短期間に安定した再就職先を見つけるのは極めて困難な現状であり、失業給付そのものを拡充させるべきであります。
再就職手当が拡充されたものの、再就職する三十四万人の賃金がもとから下がることを前提としていることや、失業なき労働移動と銘打った助成金が大企業のリストラの受け皿になりかねないことも指摘しておきます。
高齢・障害・求職者雇用支援機構の不正入札問題の全容解明と再発防止は論をまちません。
そもそも、政府は一貫して職業訓練に対する国の責任を後退させてきましたが、機構の不正入札問題を契機に、その流れが一層加速するようなことがあってはなりません。やるべきことは、離職者訓練や学卒者訓練で高い就職率を維持している公共職業訓練の規模と内容を一層充実させることです。
最後に、失業給付の業務や再就職をサポートするハローワークの体制を強化することも必要です。
この間、ハローワークの正規職員を減らし、非正規職員をふやしてきた結果、正規の職員と同じように窓口業務を担当する非正規の相談員は、全職員の六一・三%に上ります。来年度はさらに、正規職員二百八人、相談員千二百四人を減らすと聞いていますが、非正規職員の雇用の安定を図り、正規職員をふやして、その体制を抜本的に強化することが必要であります。
以上を申し上げ、意見表明といたします。