国会質問

質問日:2013年 11月 21日 第185国会 災害対策特別委員会

国土強靭(きょうじん)化法案

(写真)質問する高橋ちづ子議員=21日、衆院災害対策特別委

(写真)質問する高橋ちづ子議員=21日、衆院災害対策特別委

 日本共産党の高橋ちづ子議員は21日、衆院災害対策特別委員会で国土強じん化基本計画を作成するための「脆弱(ぜいじゃく)性評価」について質問しました。

 高橋氏は、14日の参考人質疑で早稲田大学理工学術院の濱田政則教授が、東日本大震災での液状化被害について「(臨海部コンビナート地帯など)民間事業者の土地を政府が調査していないため、十分なデータが得られていない」と発言したことを紹介。「民間事業者の協力によるリスクの公表が欠かせない」と指摘しました。民間事業者が所有する石油コンビナート施設を点検する「産業・エネルギー基盤強靭(きょうじん)性確保調査事業」を来年度以降も継続するよう求めました。同事業の実施期間は今年度までとされています。

 経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部長の住田孝之氏は「来年度の実施についても検討させていただく」と答えました。

(しんぶん赤旗 2013年11月24日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、与党提出者に伺います。
 第十七条、国土強靱化基本計画の案の作成について、脆弱性の評価が肝となると思っております。そこで、民間資本の評価、リスクの公表は欠かせないと思いますけれども、どうお考えでしょうか。
 これは、第五条に、事業者及び国民の責務として、国土強靱化の重要性に関する理解と関心を深め、国及び地方公共団体が実施する国土強靱化に関する施策に協力するよう努めなければならないとあるわけでありますが、このことで脆弱性評価における民間資本の責務についても読めるのかなと思うんですが、どのように考えていらっしゃるのか、伺います。

○高木(陽)議員 脆弱性の評価におきましては、民間事業者等が保有する施設または民間資本の評価を実施することは、まさに重要であると認識をしております。
 このため、民間事業者等の国以外の者が実施主体となる施策につきましては、国土強靱化基本計画に記載するのであれば、当該施策の実施主体に対して必要な協力を求めながら脆弱性評価を行うこととしているところでございます。
 このような脆弱性評価の結果に基づき策定される国土強靱化基本計画については、これを定めた際には遅滞なく公表することと規定しているところでございますので、委員御指摘の脆弱性の評価の公表というのは、結果的には、最終的に国土強靱化基本計画の公表という形で手を打っていく、こういうことで足りるものと考えております。

○高橋(千)委員 言っている意味はよくわかりました。となると、計画に盛り込まれて公表される過程において、きちっと本当に民間の事業所のリスク評価がやれているのかということが結局決定的になるというふうに私は思っているんです。それで、そういう問題意識を持って質問させていただきました。
 ちょっと具体のことで幾つか聞いてみたいと思うんですが、きょう、経済産業省においでいただいております。十四日の参考人質疑において、早稲田大学の濱田政則教授が石油コンビナートの被害について詳細に発言をされました。
 東日本大震災による液状化被害など、何が起こったかを明らかにすることは重要だ、だけれども、企業の中の事業所の中で起こったものなので、立ち入って調べられないために、実際は十分なデータがないということを指摘されて、公的資金を投入する前に事業所のリスクを明らかにする、ですから、リスク評価をして、それを改善するための投資をする、トップの判断が重要ということを発言されたわけです。私、ここが非常に大事ではないかなと思っているんです。
 経産省の昨年度の補正予算に、産業・エネルギー基盤強靱性確保調査事業というのがありますけれども、次年度も継続して、その後の調査、補強をやってほしいということが強調されました。
 私は、幾つもの施設が並び立ち、また被害も複合的なものになるであろうコンビナート被害について、今紹介した補正予算の事業を継続するべきだと思うし、また、これが本当に公表されていく、協力されていくということが絶対不可欠だと思っていますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○住田政府参考人 御指摘の点でございますが、平成二十四年度の補正予算におきまして、首都直下型地震などを想定いたしまして、石油コンビナート等における地震及び液状化等に対する耐性を総点検する事業を進めているところでございます。
 この補正予算に基づきます脆弱性の評価、これは今後とも着々と実施してまいりたいと思いますし、また、今後につきましても、御指摘を踏まえまして検討してまいりたいというふうに思います。
 また、公表の話でございますけれども、脆弱性評価の結果の中には、これはやはり、企業経営上、非常に機微な情報も含まれると考えてございますので、適切な公表の方法について検討してまいりたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 今の御答弁は着々とという話だったのでありがたいなと思うんですが、今紹介した事業は、次はない、打ち切りだというふうに聞いていたんですけれども、そうではなくて、引き続いて頑張ってくださるということでよろしいでしょうか。

○住田政府参考人 御指摘のとおり、二十四年度の補正予算の事業につきましてはしっかりと進めてまいります。また、今後につきましても、御指摘を踏まえましてしっかりと検討してまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 ぜひ頑張っていただきたい。これは、本当にまだ一部の、始まったばかりの話なんですね。やはり、コンビナートの火災事故の起こる地盤のところが、液状化のリスクというのは非常に大きい。それがどれだけ複合的な災害に広がっていくかという点で、絶対民間の事業所の協力が必要であるという立場で頑張っていただきたいと思っております。
 次に、内閣府に伺いたいと思うんですけれども、政府の国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議が九月十三日、当面する十二の施策分野別の対応方針を発表しました。これが脆弱性評価の一つの目安になっていくのではないかと思っているんですけれども、それで、さっきの話の続きなんです。民間企業であり、かつ極めて公益性の高い、例えばJRはどうでしょうか。
 首都直下地震の被害想定として、けさの新聞によりますと、三倍の被害額とかいうことが既に出されているんですけれども、まだ詳細は発表されていませんので古い数字でいいますと、五百万人の帰宅困難者ということが言われていたわけですね。その想定は、交通が途絶するというのが想定の前提にあると聞いています。短時日で復旧が不可能な大被害であると考えられる。そうしたときに、では、例えば山手線の内側はどういう被害になるのかということを、当然JRはシミュレーションしているはずなんですね。
 政府はこのことについて把握をしているのか、あるいは、していなければ必要だと思いますが、どうでしょうか。

○日原政府参考人 お答えいたします。
 まず、けさの報道につきましては、学者である方が発表されているということでございます。
 なお、被害想定につきましては、従来は、家屋の被害あるいは人的被害のほか、電気、ガス、水道のライフライン、道路、鉄道といった交通施設の被害数量の想定を行ってきたところでございます。現在の被害想定におきましても、それぞれのライフラインにつきまして、発災直後から時間を追っての被害の様相について検討していただいているところでございます。
 鉄道施設につきましては、阪神・淡路大震災などの被害の実績を踏まえて、想定する揺れなどによる被害箇所数を路線延長から統計的に算定しておりまして、そもそも、震災がどこを震源地としてどういうふうに揺れるかということ自身、一つの仮定を置いてやっていますので、個別にどこの箇所がということを出すことに意味がありませんので、そういう意味では、統計的に処理をしております。
 したがいまして、山手線がどうこうという個別の路線ごとではございませんけれども、エリア全体として大体どれぐらいの被害を受けるかということは想定し、それによって、どの程度被災による影響を生活に対して与えるかということをシミュレーションしておるという状況にございます。

○高橋(千)委員 その公表がないから聞いているんですけれども。

○日原政府参考人 今現在それをまとめている最中でございますので、年内には取りまとめて発表したいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 わかりました。
 いずれにしても、トラフの被害の想定にしても、早朝であるとか深夜であるとか、いろいろなパターンでシミュレーションする以外にないわけですから、当然なんですよね。だけれども、最初に言ったように、極めて公益性が高い、帰宅困難者の前提にこの鉄道というものがあるわけですから、そこがいわゆる脆弱性評価の中で位置づけられないということは困るということで、あえて伺わせていただきました。
 そこで、大臣に伺いたいと思うんですけれども、実は、きょう二つだけ具体例で言ったんですけれども、多分、こういう問題というのは挙げれば切りがないわけですね。エネルギー関係だけでもガスとかそういうのもありますし、あるいは情報ですよね。例えば、脆弱性評価の中に通信というものがございます。テレビやラジオの活用というところで、しかし、難聴地域もありますよねとか、さまざまあります。
 そういったときに、民間の企業が、いや、それを発表するのは非常に営業に不利なんだとなってしまうと、全体像が見えてこないし、対策もなかなか見えてこない。そういう意味での責任を果たしていただくということを、やはり国として大いに働きかけていく必要があると思うんですが、大臣の見解を伺いたい。

○古屋国務大臣 可能な限り、事業者の協力も得ながら取り組め、そういう趣旨の御質問だと思います。
 ライフラインとかインフラは、それぞれ密接な関係がありますよね。電力がなければ鉄道は動きませんし、道路が渋滞していれば、ライフラインや鉄道の復旧のための資材とか、避難された方の移動ができませんし、あるいは、資材の調達がおくれたり、作業員の移動も困難になる。そういう意味では、相互に依存というか、関連しているんですね。
 ですから、今、首都直下地震の想定の見直しを行っておりますけれども、各施設の被害の想定の検討等々に当たりましては、関係事業者と、耐震化の取り組みとか復旧の見込み等の関連情報、こういったものをしっかり共有して、事業者の協力も得ながら取り組みをしているところでありまして、かなり事業者は協力をしていただいています。これは事実です。
 したがって、複合的な被害の様相についても、可能な限り明らかにしていきたいと思いますし、そして、その対策の方向性というものも含め、やはり国民にわかりやすいように示していきたい、こんなふうに考えております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃったとおりだと思うんですね。やはり、ライフラインとインフラは本当に密接な関係があって、一つの事業所あるいは一つの自治体という枠でははかれないものであります。そういう点で、可能な限り明らかにしていきたいし、協力を求めていくというお言葉だったので、ぜひお願いをしたいと思います。
 次に、民主党提出者に伺います。
 第八条の、七十二時間以内の救助活動に必要な措置というところなんですけれども、迅速かつ適切な救助を行うために集中的に行うんだ、そのための体制を整えるという趣旨だと思っております。
 これは、七十二時間、災害直後の救助に関する事項と防災、減災を結びつけた条文なので、ちょっと文脈に無理があるのではないかと思っています。
 確かに、七十二時間を経過すると生存確率が極めて低くなり、生死を分ける目安として言われております。だけれども、それは災害の態様によって一概に言えるものではないわけで、それをあえて規定するということが、別なところに波及して、影響するのではないかと思うんですね。あえてこれを規定するべきではない、迅速という形でいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○中川(正)議員 東日本の大災害のときの教訓というのは、もう地方自治体自体がやられてしまって、そこで、まず救命活動というのは、消防あるいは自衛隊が広域的にそこに入って救命活動をするというところから始まりました。しかし、そのときに非常に大きな混乱があったということ。かつ、七十二時間で、うまくシステム化して、そこへ向いて集中的に、システム的にいろいろな資源を投入することによって多くの人命が救済できるということ。そういう意味では、この時間帯というのは特別な意味を持っていると思うんです。
 その体制をそのときになってつくるというんじゃなくて、ふだんから総合的につくっていくための組織、ここで言っているのは、消防組織とそれから内閣府というのを中心にして日本版のFEMAのような組織体をつくっていくことを含めて考えていくということ。
 あるいは、現場現場でそれぞれの隊がいるんですけれども、それが、それでは誰が中心になって指揮命令をするのか、やらなければならない仕事の優先順を決めていくのかということについても、やはり整理をしていかなければいけませんねということであるとか、あらかじめさまざまな大規模な自然災害を想定した中では、この七十二時間を出発点にして広域の支援活動にも結びつけていくということも含めて、重要なポイントだということでこれを明記したということであります。

○高橋(千)委員 時間なので、一言だけ指摘をして終わります。
 今、中川提出者がおっしゃったことは、何度もお話しされていますので、よくわかります。だけれども、東日本大震災の教訓は、これは消防庁の消防活動のあり方研究会報告書にも出ていますように、津波被害の特徴として、七十二時間を超えても要救助者を発見、救出する可能性は十分ある、こういうコメントが出されているわけですよね。結局、すき間があれば、負傷がなければ助かっているということを踏まえて、こういう経験が出されているんです。
 だから、七十二時間が非常に経験値であるということはわかるけれども、それがひとり歩きしたら、違うことになるのではないか。ですから、これは文脈を分けるべきだということを言っているんです。趣旨は大変よくわかるんですけれども、分けるべきだということを重ねて指摘して、本当はもう一つ質問を用意していましたが、残念ながら時間になりましたので、終わります。

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