国会質問

質問日:2022年 11月 9日 第210国会 国土交通委員会

地域の足 廃止やめよ

高橋氏、赤字路線問題を追及

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(写真)質問する高橋千鶴子議員=9日、衆院国交委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は9日の衆院国土交通委員会で、赤字ローカル線問題について国交省の姿勢をただしました。

 国交省の有識者検討会は、輸送密度の低い(1日1000人未満等)赤字路線を対象に存続について話し合う協議会を立ち上げる提言を発表。ローカル線を抱える地方自治体で「廃止ありきでは」との懸念の声があがっています。

 高橋氏は、同検討会の提言発表に合わせるように、JR東日本等が1日の輸送密度2000人未満の路線を公表したと指摘。さらに、同社の深澤祐二社長が「地域の足として機能していない路線をどうするかという問題。廃線後も地域に関わっていくためには会社に体力があるうちに議論を進めたい」とマスコミに語ったことをあげ、「赤字ローカル線をどのような存在と考えているのか。地域の将来がかかった大事な問題、JRの言い分を追認するのか」と迫りました。

 斉藤鉄夫国交相は「このまま民間事業者にまかせていけば利便性、持続可能性の高い地域公共交通を維持していくことが困難になる」などと答弁。高橋氏は「民間まかせにしたことが問題だった。(国鉄を)分割民営化したことへの反省がない」と政府主張の矛盾点をつきました。

 高橋氏は、8月の東北・新潟県の豪雨で甚大な被害を受けた五能線、米坂線等について、どの路線も輸送密度が低く廃止対象にされると心配されるが、「早期の復旧を働きかけるべきだ」と主張。斉藤国交相は「被災した路線はまずは復旧の方向だ」と答えました。

(「しんぶん赤旗」2022年11月10日付)

-議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 昭和二十八年七月に議員立法で離島振興法が制定されてから、十年ごとに過去六回の改定が行われ、今年度がその期限を迎えます。日本は島国ですが、本州など五島を除いて、島嶼は六千八百四十七あって、そのうち有人の島が四百十六、沖縄振興法などの個別法によらない、離島振興法の対象となる離島は二百五十四あるといいます。
 今日は、その中で、住民の強い要求でもある医療の確保について伺います。
 離島地域の約四割が医師が不在といいます。産科の医師がいる島は十島にすぎません。人口が少なく医療機関もない離島において、どう医療を提供していくのか。医師の派遣や巡回診療などの制度があると伺っていますが、現状どうなっているのか。また、今後の拡充の方向について伺います。

○大坪寛子政府参考人 お答え申し上げます。
 離島等の僻地における医療提供体制の確保に当たりましては、都道府県の方で、地域の実情を踏まえ、医療計画を策定していただいておりまして、医療従事者の派遣や巡回診療などの取組も行っていただいております。
 厚生労働省といたしましては、こうした各都道府県の取組を御支援するものといたしまして、まず、僻地の診療所に対する医師や看護師等の派遣調整、こういったものを行っていただいております、僻地医療対策の総合的な企画調整を行っているへき地医療支援機構、ここの運営を補助しております。
 また、加えまして、僻地医療拠点病院による僻地の診療所への医療従事者の派遣、無医地区などへの巡回診療、また、僻地診療所そのものの運営ですとか施設整備の財政支援、こういったものを行わせていただいております。
 また、今後の話といたしましては、令和六年度から第八次医療計画が始まります。この策定に向けて、現在、検討会を設けて様々専門家の先生方から御意見をいただいているところでありますが、へき地医療支援機構と、元々ございます地域医療支援センター、ここと連携や一体化を進めることで、より一層離島等の僻地における医師の確保、こういったものに努めていくべきではないか、また、人員不足の地域の実情に応じまして、遠隔医療の活用も検討するべきではないかといった様々御意見をいただいているところであります。
 こうした意見を踏まえながら、第八次医療計画の策定に向けまして、今後とも、離島における医療提供体制の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 一問にとどめるつもりだったんですが、大変申し訳ないんですが、今御報告いただいたんですが、医師派遣や巡回診療を行っているというのは、月一回でもやればというのが基準なんですね。それでさえ、できているのは僻地拠点病院の六五・八%にすぎない。月一回すら医師が届いていないという実態があるわけですよね。遠隔医療に期待するということもあったんですけれども、オンライン診療を今できているのは四・五%にすぎません。
 そういう意味では、本当に、今回、特段の配慮ということで、法律に盛り込もうということで与野党で取り組んできたわけですが、更に強い決意が必要だと思いますが、一言お願いいたします。

○大坪政府参考人 お答えいたします。
 これまで、巡回診療、医師派遣、代替医師の派遣、こういったものを進めてまいりました。しかしながら、先生の御指摘にありますように、遠隔医療の活用も含めて、さらに、医師の確保及び医療提供体制の確保に努めてまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 しっかりとお願いしたいと思います。
 次に、今日は、ローカル鉄道の問題を質問したいと思います。
 国交省の有識者会議による検討会が、今年七月、地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言を発表しました。資料の一枚目がその概要ですけれども、一日の輸送密度が千人未満、ピーク時にも五百人未満、これが一つの目安となって、国による協議会を立ち上げ、今後の方向性を検討するといいます。来年の通常国会に法案が提出されるのではないかと承知をしています。
 JR東日本が、この提言を受けてすぐに、一キロ当たり一日の輸送密度が二千人未満の三十五路線、六十六区間を公表しました。在来線の三分の一に相当し、全て赤字だ、百円の運賃収入を稼ぐのに一万五千円も費用がかかるなどのセンセーショナルな報道が一斉にされました。廃線ありきではと地方自治体や住民から不安の声が聞かれるのも当然だと思います。
 二枚目は、十月三十日付の新潟日報です。JR東日本の深沢社長が共同通信の取材に答えています。一番最後の段落を読むんですけれども、「地域の足として機能していない路線をどうするかという問題だ。廃線後も地域に関わっていくためには、会社に体力があるうちに議論を進めたい」と述べているんですね。
 大臣に伺いたいんです。もう地域の足として機能していない、そういう見方は同じなんですか。赤字のローカル鉄道をどのような存在と考えているのか。地域の将来が懸かった大事な問題だと思いますが、JRの言い分を追認するのでしょうか、伺います。

○斉藤鉄夫大臣 国鉄改革から三十五年が経過し、人口減少やマイカーへの転移、また都市構造やライフスタイルの変化など、JR各社のローカル線区を取り巻く環境は大きく変化してきており、一部の線区では、大量輸送機関としての鉄道特性が十分に発揮できないところも出てきております。
 このまま民間事業者任せにしていては、利便性と持続可能性の高い地域公共交通を維持していくことが困難になりつつある中、沿線自治体を含む関係者が一丸となって、地域公共交通の再構築について、主体的に真剣に考えなければならない時期に来ております。
 その際、重要なことは、鉄道が各地域で果たしている意義や役割は、単なる輸送密度や収支だけで測れるものではないという点でございます。
 国土交通省に設置した有識者検討会においては、必要な場合には国の主体的な関与により新たな協議の場を設置する等の提言がなされたところですが、この協議会においては、廃止ありき、存続ありきという前提を置かずに、利用者の視点に立って将来に向けた在り方を議論することが重要であり、国としても、必要な支援について関係省庁と調整を続けてまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 今の答弁だけで三つも四つも言い返したい気持ちを今こらえておりますが、このまま民間任せにしていてはと、そこが問題なんですよ。そうなることが分かっていて分割・民営化をやってしまった、それに対する反省がやはりないんじゃないかと言わなければならないと思います。
 資料の3は、八月の豪雨災害で線路の落橋や路盤の崩れなど甚大な被害があった路線を書いておりますけれども、JR東日本が発表している輸送密度などの情報をリンクさせて、うちの事務所で作りました。
 例えば、該当する、右側に書いていますが、青森、秋田、山形、福島の各県知事のコメントもつけておりますが、一番の津軽線、3の五能線、青森の三村知事は、住民の貴重な生活の足で、観光面でも重要な役割を担っていると述べております。
 五能線は、秋田県の岩館から深浦までは十二月前半の再開を目指すと発表されましたが、その続きの青森側、深浦から鰺ケ沢までは、再開時期は未定であります。夕日の沈む日本海を眺めるお風呂というのが売りになっている不老ふ死温泉や、神秘的な青池などとともに走るリゾートしらかみというのは、JR東日本のホームページで大きく宣伝されており、今日、各地で取り組まれているリゾート列車の先駆けとも言えるものであります。
 また、5の山形、米坂線については、吉村美栄子山形県知事は、深い谷、川、山があり非常に景観がいい、鉄道としての復旧しかないと言い切っております。
 路盤が全て流出し、つり橋のようになってしまった米坂線、行ってきましたが、現場は飯豊町でしたが、日本で最も美しい村の一つであり、田園散居集落景観と呼ぶのだそうです。美しい田園風景と鉄道がまさにぴったりだ、知事の言うとおりだなと思っているところです。
 しかし、いずれの路線も輸送密度が、ここにあるように百人から五百人台と、真っ先に対象にされるのではと心配になるわけです。国として早期の復旧を働きかけていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

○斉藤大臣 今年の八月の大雨によって、JR東日本管内において、橋梁の倒壊などの被害が発生しましたが、既に私、山形県知事等との意見交換会において申し上げたとおり、被災した路線については、まずは復旧の方向で検討するべきものであると考えており、現在、JR東日本においても、その方向で、被災した路線の復旧に要する費用の算定を行っているところと承知しております。
 被災した路線の復旧に際して、平成三十年に議員立法により改正された鉄道軌道整備法に基づく黒字の鉄道事業者の赤字路線に対する支援に加えて、道路や河川などの他の事業との連携、調整による復旧工事の円滑化などによって、早期復旧に取り組むことが可能となっております。
 また、ローカル鉄道につきましては、被災前から利用者の大幅な減少により危機的な状況に置かれているところも多いことから、国土交通省としては、先般のローカル鉄道に関する有識者会議の提言も踏まえ、利便性と持続可能性の高い地域公共交通の再構築に向けて、鉄道事業者や沿線自治体による協議が円滑に進むよう、しっかり支援してまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 まずは復旧とおっしゃっていただきました。北海道の根室線や日高線の経過もありますので、これは言ったとおりにお願いしたいなと思います。
 ただ、只見線も、先般再開しましたが、十年かかりましたからね。その中で、やはりJRが、最初はやるつもりがないと言ったし、バスと電車のつなぎの時間がとても悪くて、仕方がないよねと、利用者が減るのが分かっている状況をつくってきたんですよ、只見線の場合は。それを、やはり住民の皆さんや、国会でも法改正をして乗り越えてきた。今は紅葉のシーズンを本当に皆さんが喜んで乗っているということでしたので、そういう復活を是非お願いしたいなと思っております。
 次に、資料の4ですが、これは第一回の検討会にJR東日本が提出した資料です。タイトルに設備のスリム化と書いています。しかも、これは沿線自治体に協力を要請するメニューだということなんですね。
 不要設備撤去と書いてあります。何を意味するか分かりませんが、聞こえてくるのは、例えばごみ箱とか時計とか、管理する手間を省くためだと言われています。
 無人駅の廃止。これは左の下に書いてありますが、昨年と今年で三線、四つの駅を廃止しています。
 トイレ撤去ともあります。実は、今、私の地元、奥羽本線津軽新城駅、青森駅から秋田方面へ行く一つ目の駅が改築をしているんですね。せっかく新しい駅舎になるのに、トイレがありません。通学の高校生が毎日利用する電車なんです。地元の市議と後援会が署名を集めて、JR秋田支社に申入れをしましたが、JRの答えは、トイレは列車の中にあるからいいだろうというものでした。本当にひどいと思うんです。
 JRは、検討会で、こうした設備のスリム化はこれからもしっかりやっていかなければならないと明言しています。さらに、除草とか除雪とか、自治体の協力がもっとあればと述べています。だから、トイレが欲しければ自治体が何とかせよと言っているようなものなんです。
 こうしたあからさまな要求をまず大臣はどう考えるのか。資料の5の真ん中に囲みがありますが、先ほどの国鉄分割・民営化の際、JR各社が踏まえるべき事態、事業経営の指針、いわゆる大臣指針を策定しました。この中に、駅等の整備に当たっては、バリアフリーなど、利用者の利便の確保に配慮とあります。全く守られていないと思いますが、いかがですか。

○斉藤大臣 一般的に、町の玄関口である駅について、鉄道事業者と沿線自治体がしっかり話し合った上で、相互に役割分担をしながら、駅の機能と、それから図書館や公民館、観光案内所、公衆トイレ等の公共施設等を共同で整備していくことは、利用者利便、持続可能性の向上の観点から、望ましいことであると認識しております。
 既に全国各地にこうした事例が見られており、先般の有識者会議の提言においても先進事例が紹介されているところでございます。
 いずれにいたしましても、ローカル鉄道については、鉄道事業者に加え、沿線自治体を含む関係者が協議を尽くして再構築を実現していく必要があり、国としても、そうした取組をしっかり支援してまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 全然、きれいな言葉に言い換えていると思うんですよ。共同で整備するのが望ましいと言いましたけれども、これ、見切り発車ですからね。トイレを造る予定がないです、造りたかったら青森市が何とかしなさいよと言っているのと同じなんですよ。全然話合いでも何でもありません。
 そういう事態を追認するのかと言っています。

○上原淳政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の大臣指針というのがございます。これは旅客会社等に対して指針を示しているものでございますが、駅その他の鉄道施設の整備に当たっては、バリアフリー法の規定による移動等の円滑化のための必要な措置を講ずるものというふうにされております。
 一方で、このバリアフリー法に基づく必要な措置の具体的な例としましては、具体的には、駅にトイレ自体を設置することまでを義務づけているものではなく、駅にトイレを設置する際に、バリアフリー基準を満たしていることということでございます。
 他方、大臣指針におきましては、委員御指摘のとおり、鉄道施設の利用者の利便の確保に配慮するものというふうにされていることから、国としても、地域との協議を含め、JRに適切な対応を促してまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 トイレまでは書いていないって、ちょっと、平気でそういう答弁をするのが、非常に驚いていますよね。
 本当に、言えば切りがないんですよ。エレベーターをせっかく造った、バリアフリーだ。だけれども、無人化の駅だと誰が補助するんですかって。駅までは行くんだけれども、ホームに降りて行けないんですよ、まだ階段だからって。そういうところが無人化になっているんですよ。
 今の実態を、全然大臣指針からはみ出ている、その認識をまず最初に持っていただきたい、このように思います。
 沿線自治体とJRとの協議会を立ち上げる際には、JRの経営状況など情報開示はきちんと行うべきだと思いますが、どうですか。
 それから、協議会そのものを公開で、かつ、住民参加も行うべきと考えます。
 私、先月、このスリム化の具体的な数や駅名、それからJRの経営に関わる新規投資や不動産の状況を資料要求もしています。JRに聞きもしないで、把握していないという返事が来ました。こうした資料もやはり出していただかないと、全然話が前に進まないと思いますが、お答えください。

○上原政府参考人 お答えいたします。
 地域にとってあるべき公共交通の姿を考えていく上で、また、関係者の合意形成を図っていく上で、鉄道事業者が対象線区に関する利用状況や経営状況を積極的に情報公開していくことは重要なことであると考えておりまして、先般の有識者検討会の提言においても、その旨、明確に言及されているところでございます。
 また、協議会においては、廃止ありき、存続ありきという前提を置かずに、客観的なファクトやデータに基づき、また、様々な関係者の意見を聞きながら、多面的に検討を重ねることが重要だというふうに考えております。
 通常の会議の運営と同様、協議会の具体的な公開の方針や参加メンバーの在り方については、協議会ごとに、鉄道事業者、自治体等の参加者によって個別に決定されていくべきことと認識しておりますが、議論の内容はできるだけ開かれていることが望ましいと考えているところでございます。
 また、さきに御依頼いただきました資料要求につきましては、その一部に、JR東日本の経営情報に関する事項で、鉄道局で把握していない事項が含まれていたことから、これについてはその旨を回答させていただいたところでありますが、今般、改めて議員から御依頼をいただきましたので、まずはJR東日本に確認をさせていただき、回答をしたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 お願いします。
 この問題、続きはまたやらないと、時間がもっともっと必要だと思いますが。
 今、広島で芸備線の廃止検討の問題が大きくなっているんですが、県や自治体が利用促進でこれまで検討会を重ねてきて、それをやっていこうと言っているときに、JR西日本が、それでは困るということで国に協議を求めているんですね。法案がまだできてもいないのにですよ。
 これは、もしかして今回作る法案がそうやって何か強制力を持たせるような形になるのかということ、大変危惧を持っておりますので、質問するつもりだったんですが、時間が来ましたので、絶対そうあってはならないということを、JRの方が、何か住民が協議に乗ってくれないみたいなことを言いますが、その逆もあるんだということをきちっと指摘をして、終わりたいと思います。

2022年11月9日 衆議院国土交通委員会 提出資料

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