国会質問

質問日:2022年 5月 13日 第208国会 国土交通委員会

知床沈没 ルール守れば防げた

衆院国交委 高橋議員、国の責任追及

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(写真)質問する高橋千鶴子議員=13日、衆院国交委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院国土交通委員会で、知床半島沖で沈没した遊覧船「KAZU I(カズワン)」をめぐり、安全確保を監査する国の責任をただしました。

 高橋氏は、同船を運航していた運航会社「知床遊覧船」が「本来のルールを守っていれば今回の事故は防げ、事故が起きても、乗員乗客全員が死亡、行方不明になる最悪の事態は防げたのではないか」と質問。斉藤鉄夫国交相は「ルールを守っていれば、最悪の事態は防げたと考えている」と認めたものの、国の責任には言及しませんでした。

 高橋氏は「知床遊覧船」が昨年2回にわたり事故を起こし、政府の特別監査を受けたことを挙げ、「昨年の事故を含め、これまでの事故を政府、国交省としてきちんと公表していくことが、利用者の見極め、ひいては安心安全につながる」と指摘。斉藤国交相は「情報公開についていかなる措置が必要か検討を行う」と述べました。

 高橋氏が「全国から集まった乗客がどのようなルートで同社を知り、参加したのか」と聞くと、国交省の高橋一郎海事局長は8割が同社のウェブサイトから情報を得ていたと答弁。高橋議員は「事故の情報が公表されていれば、乗船の際の判断を誤ることもなかったのではないか」と重ねて指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2022年5月14日付)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 知床遊覧船カズワンが、二十六名の乗客を乗せ、事故を起こしてから三週間がたちました。改めて、お亡くなりになった方々に哀悼の意を表するとともに、いまだ十二名は見つかっておりません、捜索に全力を挙げておられる関係者に感謝を申し上げるとともに、一日も早く御家族の元に返してさしあげたいと祈るばかりであります。
 漁船さえも運航を中止した荒い海に乗客を伴って出航したこと自体が、会社自ら決めている運航基準違反であること、つながらない海域のある携帯電話を無線代わりに届けていたことなどなど、後から知らされるずさん極まりない会社の実態には怒りを禁じ得ません。私は、最初の会見で、桂田社長は、戻らない船長一人に責任を押しつけようとしているのではないかと強く感じました。それは余りに許せないことです。
 そこで、大臣に伺います。
 本来のルールを守っていれば、今回の事故は防ぐことができた。仮に起きたとしても、二十六名の乗客全員が死亡、行方不明というような最悪の事態は防ぐことができたと思いますが、いかがでしょうか。

○斉藤鉄夫大臣 海上運送法に基づき事業者が作成する安全管理規程においては、運航を中止すべき気象や海象の条件を定めた上、これに該当するおそれがある場合には出航を中止しなければなりません。
 有限会社知床遊覧船の安全管理規程における運航基準においては、発航、航路に出発する発航前において、航行中に風速八メートル以上又は波高一メートル以上になるおそれがあると認められるときは、発航を中止しなければならないとされています。
 当日は、朝から夜遅くまで、海上の最大風速十五メートルとの強風注意報が発表されていたことから、出航してはならない状況だったと認識しております。
 しかしながら、同社が条件付運航と称して運航を行ったことはもってのほかであり、同社の安全管理規程に従い出航を中止していれば、事故は発生しなかったものと認識をしております。

○高橋(千)委員 後段の方も言ってほしかったんですがね、最悪の事態は防げたであろうと。様々な助け合う問題だとか、船の在り方だとか、要するに、検査も三日前にやっていることもあったわけですから、最悪の事態は防ぐことができたんじゃなかったかと思いますが、その点もどうでしょうか。

○斉藤大臣 ルールを守っていれば、仮に事故が起きたとしても最悪の事態は防げた、ルールを守っていれば防げた、このように思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 そこで、十一日に事故対策検討委員会が立ち上がりました。その際、冒頭に、現地からオンライン参加した渡辺副大臣から、被害者家族からは、事業者の運航管理体制がずさんだったのではないか、国の基準や検査監督は適切だったのかと御指摘をいただいていると報告があったといいます。
 これまでの会見や参議院でのやり取りを見ていても、この部分については大臣からの言及がないように思うんですね。やはり国交省としての責任もあると思いますが、これはお認めになるでしょうか。

○斉藤大臣 有限会社知床遊覧船に対しては、昨年の遊覧船カズワンの二度の事故を受け、北海道運輸局において、昨年六月に特別監査を実施し、七月に安全管理規程の遵守等の指導を行うとともに、その後、十月に、同局職員が、同社の本船及び事務所を事前通告なしで抜き打ちに訪問し、改善内容について確認を行っております。
 国土交通省としては、こうした監査等を行ってもなお今回の事故が発生したことを真摯に受け止めなければならないと考えております。
 このため、今回のような痛ましい事故がどうして起きてしまったのか、有限会社知床遊覧船のどこに問題があったのかを解明すべく、四月二十四日より実施している特別監査において、徹底的に調査を進めているところです。
 また、あらゆる角度から取るべき安全対策を総合的に検討するため、四月二十八日に知床遊覧船事故対策検討委員会を設置し、五月十一日に、私も参加して第一回の会議を開催したところでございます。
 二度とこのような悲惨な事故が起きることのないよう、総合的な安全対策を責任を持って実施してまいります。

○高橋(千)委員 昨年も二度の、特別監査を行ったし、抜き打ち検査も行ったと。これでは、やることはやったけれども、やはり事業者が悪かったから防げなかったんだというふうに聞こえますよね。本当にそれでよろしいんでしょうか。たった今、大臣は全く認めないんだなと思って聞いておりましたけれども、議論を進めますので、その後に、やはりそうじゃないなということをきちっともう一度お答えいただきたいなと思います。
 順番に聞いていきます。
 有限会社知床遊覧船は、平成十三年七月六日、旅客不定期航路事業として許可を受け、現在は、事故を起こしたカズワン、十九トンで旅客定員六十五名、カズスリー、十八トンで旅客定員五十八名の二つの船舶を使用していました。
 昨年四月一日時点において、海上運送法に基づき運送事業を営む許可事業者数は、全国で九百五十三事業、船舶二千二百三十四隻と伺っています。
 そこで、今回のような遊覧船の場合、安全確保をどの法律によって規制されているのか、また、その基本的な考え方を伺いたいと思います。一般論でお願いします。

○高橋一郎政府参考人 お答えを申し上げます。
 国土交通省では、船舶並びに船舶に搭載する設備の技術要件を定めております船舶安全法、また、事業者が行うべき運航上の安全管理について定めております海上運送法などに基づき、旅客船の安全確保のための施策を講じてございます。
 まず、船舶安全法は、通常の航海で遭遇し得る海象などに耐えて運航するために必要な構造、設備を求めることにより、人命の安全を確保することを目的としてございます。
 このため、船舶安全法では、船体が容易に転覆、沈没しない構造であることや、必要な救命設備などを設置することなどを義務づけてございまして、事業者は、定期的に船舶検査を受ける必要がございます。
 次に、海上運送法は、輸送の安全を確保し、海上運送の利用者の利益を保護するとともに、海上運送事業の健全な発達を図ることを目的としてございます。
 具体的には、許可などを受けます事業者は、事業の運営方針や管理体制など、輸送の安全を確保するために遵守すべき内容を定めた安全管理規程を作成いたしまして、国土交通省へ届け出ることになってございます。
 この安全管理規程につきまして、国土交通省では、届け出された規程について、海上運送法などの関係法令に適合し、安全確保の観点で適切な内容であるかを確認し、適合していないと認めるときは、当該規程を変更すべきことを命ずることができることとなってございます。
 また、事業者への定期的な監査や違反に対する行政処分を実施いたしますとともに、処分内容を公表することにより、輸送の安全を確保してございます。

○高橋(千)委員 そこで、参議院の決算や国土交通委員会では、海上運送法に基づく安全管理規程について、届出制では不十分ではないかとの指摘に対し、大臣は、今紹介されたように、届出された安全管理規程について、海上運送法等の関係法令に適合し、安全確保の観点で適切な内容であるかを確認すること、適合していないと認めるときは、当該規程を変更すべきことを命ずることができるとなっていると答弁しています。
 これだと、届出制でも、きちんと確認しているんだし、不備があったら指摘できるんだから、問題はないように聞こえるんですね。本当にそうでしょうか。
 運輸分野における事故等の発生状況に鑑み、運輸事業者における輸送の安全を確保するための取組を強化するため、安全管理規程の作成、届出の義務づけと、安全統括管理者の選任、届出の義務づけ、あと、輸送の安全に関わる情報の公表の義務づけなどの改正を行ったのは、二〇〇六年、平成十八年だと承知しています。
 実際に、届出書類が適合していないと変更を命じたことがあるでしょうか。また、その後の海難事故はどのくらい起きているでしょうか。

○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘の安全管理規程につきまして、先ほどお答えを申し上げましたように、海上運送法等の関係法令に適合し、安全確保の観点で適切な内容であるかを確認した上、適合していないと認めるときは、当該規程を変更すべきことを命ずることができることとなってございます。
 委員御指摘の、実際に安全管理規程の変更命令を出したことがあるのかということについてお答えを申し上げます。
 例えば、点検整備計画、あるいは発航前点検と申しまして、船長は、発航、先ほど大臣が申し上げましたように、出発する前に点検すべき事項がございます。これらに係る改善策について、安全管理規程の改定を行うというようなこと。あるいは、別の事案では、乗組員の、配乗と申しますが、配乗計画、これにつきまして必要な見直しを行うということを命じたようなケースがございます。

○高橋(千)委員 海難事故が、先ほど言った法改正の後、どのくらい起きているかと聞きました。

○高橋政府参考人 誠に恐縮でございます、今委員御指摘の具体的な数字を今持ち合わせてございません。大変申し訳ございません。

○高橋(千)委員 二〇〇五年と二〇〇六年に法改正をしておりますけれども、その前の、斜里町でも、二十人がけがをした、乗り上げた事故があったと思いますが、二〇〇八年五月、石巻市、東松島市、二〇一四年五月、小樽、二〇一五年八月、二〇一八年六月という形でずっと事故が続いてきていたと思うんです。
 ですから、届出をして、ちゃんと変更できるんだからいいんだよということで本当によかったのか、何が教訓となっていたのかということが見えてこないわけなんですね。
 知床遊覧船は、昨年五月と六月に事故を起こし、特に五月には、乗客三名が軽傷を負っています。今私が読み上げた事故も、二十人とか十人、けがをしていますよね。去年のときも特別監査を行っているわけですよね。船長は同じ人物だというし、知っていたら乗らなかったのではという声もあるわけです。少なくとも、知っていたら、今回の事故は防げたんじゃないでしょうかと思うわけです。
 そこで、昨年政府が出した指導の内容を具体的に説明ください。

○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘の点は、今回事故を起こしました有限会社知床遊覧船が、昨年五月並びに六月に起こした事故のことであると存じます。
 昨年五月及び六月に、同社は、海上の浮遊物への接触や浅瀬への乗り上げを起こしてございます。事故後に北海道運輸局が特別監査を実施をいたしました。
 北海道運輸局では、特別監査の結果を踏まえまして、同社に対して指導を実施いたしました。七月には、同社からこれらの事項についての改善報告を受けてございます。
 委員御指摘の、どのような指導をしたのかということでございます。
 具体的には、船員による見張りの確実な実施、あるいは、先ほど申し上げました安全管理規程の中には運航基準というものがございますが、運航基準に規定されております運航の可否判断、運航していいのか、よくないのかといったような判断をしっかり行って、運航記録簿に記載することといった安全管理規程の遵守等を指導しておるところでございます。

○高橋(千)委員 今、可否判断をして、その後に記録をするとおっしゃいましたよね。だとすれば、その場にいなくても、記録がちゃんと残っているかというだけでもかなりのことが分かるわけですよね。無線の連絡だって、空白ばかりだと報道されているじゃないですか。抜き打ちで十月に検査までして、それで何も問題がなかったのか。そんなはずはないわけですよ。
 それで、昨年の事故がなぜ公表されないのかという報道もあります。十日の参議院では、整理中であるため、現時点では公表しておりませんと答えています。整理中ということは、整理がついたら公表する予定でしたんでしょうか。
 国交省の説明ペーパーには、十月十三日には、改善内容について確認と書いています。改善されたという認識ですか。もしそうなら、何がどう改善されたんでしょうか。

○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 今委員御指摘のありました、大きく申し上げて二点いただいたところでございます。
 一点目、公表ということでございます。
 海上運送法第十九条の二の二におきまして、毎年度、輸送の安全に関わる情報を整理し、これを公表するものといたしております。
 今回、私どもは、昨年五月と六月に行いましたのは、行政処分ではない行政指導でございますが、行政指導を行った事案につきましては、全国で起こりましたものを一度まとめて、同様の事故の再発防止に有益と思われる、輸送の安全に重大な関係を有するものを公表させていただいてございます。
 委員御指摘いただきました、整理というのはどういうことかということでございますが、昨年度の事故に関わる情報につきましては、カズワンの事故を含めまして、現在、上がってきたものを整理中でございます。他の事故との比較対照も行いながら、事故の再発防止に有益と思われるか、きちっと判断をして、夏頃に公表させていただく予定でございます。
 第二点、昨年の十月に確認ということでございました。
 これは、抜き打ちで事前通告なく、昨年五月、六月に指導をしたこと、それから、七月に同社がこれらの事項についてどう改善したのかというようなことを現場で見たということでございます。
 この中には、先ほど申し上げましたように、運航の可否判断を運航記録簿に記載しているのかといったようなことを書面にて確認をさせていただいたというところでございます。

○高橋(千)委員 今、最後にちっちゃい声でおっしゃったんだけれども、公表するつもりだったと。だったら、よそより早く出航しちゃったわけですから、待ってもらうか、公表を急ぐか、しなきゃいけなかったんじゃないでしょうか。そのチャンスがありながらなぜできなかったのかというのは、全然納得できないわけなんですね。
 それで、更に納得いかないのは、昨年の事故を受けて特別監査まで受けたのに、今年、同じ船が死亡事故を起こしてしまったということなんですよね。業務上過失致死も視野に捜査がされていると思いますが、社長がひどいからと、これはそのとおりなんですけれども、それだけで終わらせてはいけない。チャンスがあったのに見抜けなかった国の責任が問われているんです。
 海上運送法に基づき選任することが義務づけられている運航管理者について、三つの要件のいずれかに該当することが施行規則で定められておりますが、参議院では、桂田社長が運航管理に関して三年以上の実務経験に該当する旨の届出があり、北海道運輸局が届出書類により確認したと答えています。しかし、そのときの届出書類は国会には出されておらないのです。たくさんこの間資料をいただきましたが、我が党の武田委員が指摘したことに対して、許可申請時に出している運航管理者の要件は、それは別の人ですと言った。それはそうですよね、当時の話ですから。だったら、今の、今どういう要件で認めたのかを出さなきゃ意味がないじゃないですか。
 それで、大事なのは、この許可申請書に書いているのは、運航管理者、当時ですよ、運航管理者は誰々です、そこは黒塗りになっています。平成六年から遊覧船事業を開始し、自ら船長として乗船し、船舶の運航及び運航管理業務に従事してまいりましたので、選任いたしましたとあります。別添として、経歴書、一級小型船舶操縦士海技免状を添えてある。
 そこで、船が一隻しかない場合は、運航管理者とは、もしものときは自ら船長として乗り組む免許と経験があることが要件ですよね。だけれども、知床遊覧船は二隻なんですから、一隻じゃないからいいんだという話じゃないんですよ。
 本来、こういう人が運航管理者じゃなければいけません。そうじゃありませんか。

○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘の、運航管理者についての御質問でございました。
 有限会社知床遊覧船の場合、運航管理者の資格要件は、海上運送法施行規則におきまして、まず、事業に使用する旅客船と同等以上の総トン数を有する旅客船に船長として三年以上又は甲板部職員として五年以上乗り組んだ経験、あるいは、同等以上の規模の事業における船舶の運航管理に関して三年以上の実務経験を有していること、又は上記と同等以上の能力を有すると地方運輸局が認める場合、済みません、今細かく申し上げましたが、この三つの要件のうち、いずれかを満たしていることが必要になってございます。
 委員御指摘の桂田氏につきましては、私は先ほど三つの要件を読み上げましたけれども、二つ目でございます。具体的には、運航管理に関して三年以上の実務経験に該当する、この旨の届出が出てございます。その際、当該事業所は、この要件を備える者であるということを説明しておる書面を出しておるわけですが、その際、運航管理の補助を行っていたという説明をしてございます。
 そして、委員御指摘の様々な資料を公開を、あるいは御提供するということにつきましては、私どもも大変そのとおりだと思いますので、もちろん、個人情報など、必要最小限の整理はさせていただかなければなりませんが、そのような作業をさせていただきながら、速やかにお出しをするようなことでしっかりやらせていただきたいと思います。

○高橋(千)委員 そこを、資料の提出については確認させていただきます。船だって、今の船じゃない船の届出書しか私たちのところに、手元に届いていないわけですよ。そこから悩み始めて、あれ、違うなと思って。そういうことをまず整えていただきたい。
 それで、そもそも、会見で桂田社長は、運航管理者は自分じゃない、船長だろうと言っていたんですよね。だから、私がさっき言ったように、本来なら船長として乗り組める経験を持った人が、こういう小型船舶の場合は、まして、本当にちっちゃな会社じゃないですか、だったら、当然そういう体制を取るべきなんですよ。だけれども、その自覚もなければ、運航管理者は観光船が出ている間は事務所にいなければならないのに、事故当日、事務所を空けていた。それだけではなくて、そもそも、事務所に来ることはあったけれども、事務所の中までというのはほとんどなかった、事務所のことも余り詳細は分かっていないという元従業員の証言を北海道テレビが取材で明らかにしています。
 こうした元船長や従業員が、まさに桂田社長が就任以来、みんな辞めてしまったということなわけですよね。だから、安全管理規程で本来担保されているはずの体制はもうなかった、営業させてはならなかったということだと思うんですね。だから、どんな書類で一体チェックしたのよと。チェックも甘いけれども、基準も甘いと言わなきゃいけないと思うんです。
 今回のことは、観光船全体への風評被害につながりました。五月六日付の朝日新聞、「知床の観光船というだけで」というタイトルがついていました。根室海峡を挟んで反対側、羅臼の観光船、知床ネイチャークルーズという方の記事が載っていたんですが、ミンククジラやシャチやイシイルカも見られるということで、人気のクルーズだそうです。コロナ禍でも順調に利用客を増やしていた。ところが、夏季クルーズ開始前の知床遊覧船の事故のために、一日百五十件も問合せがあって、人が亡くなっているのに船を出すつもりなのか、そういうことが会社にも役場にも来るということで、もう大変な目に遭っている。安全管理に万全を尽くしてきた同業他社も、せっかくの連休で、これからというときに、とばっちりを受けたわけですよね。
 ということは、やはり考え方としては、昨年の事故、あるいはこれまでの事故も含めてきちんと公表していくことが、利用者も見極めができるし、ひいては安全、安心につながると思いますが、いかがですか。これは大臣に通告しています。

○斉藤鉄夫大臣 情報開示ということかと思います。
 先ほど海事局長が答弁を申し上げましたとおり、このカズワンの事故についてのいろいろな情報については、きちんと公表していきたいと思っております。
 今、御質問は、いわゆる旅客船事業全体の情報開示ということかと思いますけれども、国土交通省においては、海上運送法第十九条の二の二の規定に基づき、輸送の安全に関わる情報として、旅客船事故の情報を整理し、毎年度公表しております。
 具体的には、行政処分を行った事案については、事業者名と事故概要、処分内容を公表するとともに、行政指導を行った事案については、同様の事故の再発防止に有益と思われる、輸送の安全に重大な関係を有するものを一年ごとにまとめて公表しているところでございます。
 御指摘のとおり、利用者の安全、安心の確保の観点から、旅客船の安全情報の充実を図ることは大変重要であると考えております。
 国土交通省といたしましては、旅客船に係る安全情報の充実を図るべく、具体的にいかなる措置が必要か検討を行い、先日設置いたしました検討委員会での議論を踏まえて、必要な措置を講じていきたいと思っております。
 このような取組を通して、観光船への信頼を一日も早く取り戻し、利用者の皆様が安心して観光船に乗っていただけるよう、環境整備を進めてまいりたいと決意しております。

○高橋(千)委員 船が、航空機や鉄道などよりも、行政指導を公表しないという点では弱いのではないかという指摘もされておりますし、今大臣がおっしゃったように、検討委員会でも議論するということですので、やはりそれは、安全を本当に確保するためにはちゃんと公表する。逆に言うと、事故がない、安全な施設なんだということの裏返しにもなるわけですから、そこをしっかりやっていただきたいと思います。
 時間の関係で、簡単な質問を二点、参考人に伺います。
 知床遊覧船の乗客は全国から乗船していますが、どのようなルートで同社を知り、参加したのでしょうか。
 もう一点は、知床遊覧船の同業他社はどれだけいるのか。お願いします。

○高橋一郎政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の第一点目、全国から知床遊覧船にお乗りになった方々がおられます。これらの方々は、知床遊覧船の利用者の約八割の方々が、この事業者のホームページあるいは窓口から直接予約又は購入を行っていると聞いてございます。
 また、同業他社ということでございますけれども、知床のウトロ側と申し上げたらよろしゅうございましょうか、小型の旅客船ということで四社ございます。
 ありがとうございます。

○高橋(千)委員 八割がホームページで知ったということでありました。
 報道されていた中では、たまたま宿泊先のホテルで紹介されて乗ったという方もいらっしゃったわけですが、これはなかなか衝撃ですよね。大臣、いかが思いますか。やはり公表をちゃんとされていたら、判断が誤らなかったんじゃないのかなと思うんですよ。
 私は、旅行社を通していれば、逆に、シーズンですよとどこも言っていないところで、ここの会社が早々と、シーズンが来ましたよというのを売りにしちゃったら、それはそれで危険だなと思うんですよ。だけれども、そういうシーズンだということがよく分からずに、とても人気のツアーですよということだけでホームページで接近していたとしたら、やはりそれは避けさせるべきであったと。
 やはりそういう意味でも公表というのは大事だったなと思いますが、一言。

○斉藤鉄夫大臣 まさに利用者の選択の観点、それから、社会一般からの監視の観点からも情報公開は必要だ、このように思います。

○高橋(千)委員 やはりコロナ禍が続いて、早く盛り返したいという気持ちがはやるし、国としてもそれを応援したいという気持ちは分かります。だけれども、それでこうした事故が起きたら、取り返しのつかないことになるんだということで、くれぐれもお願いしたいと思っております。
 それで、今、同業他社が四社とお答えになりました。プラス一個人というふうなことを聞いておりますけれども、やはり報道でもあるように、この同業他社というのは、それぞれ各社が不測の事態に備えるために、同じ時期に運航するなどして連携してきたと聞いています。天気が悪ければ、今日はやめようと声をかけ合ったり、助けを呼ぶにも、やはり無線も携帯も使えない、近くには誰もいないということではなくて、お互いに一緒に出ていたら、何らかまずいときには、ピンチのときには助け合えるだろうということでせっかくやってきたのに、今回の知床遊覧船の場合は、社長が替わってからその仲間から外れちゃったよということだと思うんですね。
 やはり最後のセーフティーネットといいましょうか、今回でも、連休前にちゃんと情報交換会を開いてきたと聞いています。そういう意味でも、やはりそういう地元の協議会のようなものをしっかりとつくっていくということが必要なんじゃないかと思います。それを質問にするつもりだったんですが、時間が来ましたので、そのことを是非具体化していただきたいということを要望して、終わります。
 ありがとうございました。

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