国会質問

質問日:2022年 4月 22日 第208国会 国土交通委員会

航空分野の脱炭素推進

高橋氏 燃料切り替え以外にも

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(写真)質問する高橋千鶴子議員=4月22日、衆院国交委

 航空分野の脱炭素化等を推進する航空法改正案が4月26日の衆院本会議で、全会一致で可決されました。

 日本共産党の高橋千鶴子議員は同22日の衆院国土交通委員会で、航空分野での二酸化炭素(CO2)排出量削減には、ジェット燃料を持続可能な燃料(SAF)に切り替えることが決定打だが、安定供給には時間がかかるとして「そこだけに頼るべきではない」と指摘。国交省の久保田雅晴航空局長は「新技術の導入や運航方式の改善、SAFの導入の3分野で総合的に取り組む」と答えました。

 空港などに太陽光パネルを設置し2030年までに230万キロワットの再生可能エネルギーを導入するという同省の目標について高橋氏は、再エネを増やしても、再エネ電力が100%売電されている現状では、実質的なCO2削減とはならないと指摘しました。

 高橋氏は21年度にコロナ禍の航空ネットワーク維持支援として雇用維持が方針に明記され、雇用調整助成金1000億円、産業雇用安定助成金4103人分が実施されたことについても質問。斉藤鉄夫国交相は「リストラを支援の条件としていない。雇用が維持されるよう最大限努力する」と答えました。

(「しんぶん赤旗」2022年5月3日付)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 菅前総理が国際公約とした二〇三〇年までにCO2排出量を二〇一三年度比で四六%削減との目標は、国連IPCCで確認された目標、二〇三〇年までに二〇一〇年度比で四五%削減、二〇五〇年実質ゼロから見れば、極めて消極的な目標であると批判されています。とはいえ、その消極的な日本政府の目標も達成するにはまだ遠く、残された時間は短いと言わなければなりません。
 我が国の運輸部門の排出量は二億一千万トンで、一八・五%。うち、国内航空は一千五十四万トンで、五%を占めるといいます。国内航空と空港分野で目標、計画を持って脱炭素化を推進するという本法案は、必要なことだと思っております。
 そこで、先ほど来ずっとSAFという言葉が出ているわけですが、ジェット燃料を、バイオなどの持続可能な航空燃料、いわゆるSAFに切り替えていくことがCO2排出量の削減についての決定打であり、世界でも、自国での製造や安定供給、フライトでの実用化に取り組んでいると承知しています。
 そこで、航空脱炭素化推進基本方針を策定するに当たっては、ジェット燃料に代わるSAFをどのように位置づけ、具体化するのか。現在〇・〇三%の普及、安定的な供給には時間がかかり、国内産業を応援していくのは当然ですが、そこだけに頼った目標設定になっては非現実的になります。政府の考えを伺います。


○久保田雅晴政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、持続可能な航空燃料、SAFの活用は、CO2削減効果が高い一方で、まだまだ低コスト化や十分な量を供給するには技術的開発や実証というものが必要で、一定程度の時間がかかります。
 国土交通省におきましては、昨年、航空機運航分野におけるCO2削減に関する検討会を設置しまして、軽量化や電動化といった技術素材、水素航空機関連技術といった装備品への新技術の導入、さらには、管制の高度化による運航方式の改善、そしてSAFの導入促進、この三つの分野につきまして検討を行い、今後の取組等を取りまとめた工程表を作成したところでございます。
 国土交通省としましては、この工程表に基づきまして、今後それぞれの分野ごとに官民協議会を立ち上げ、SAFの導入促進のみならず、新技術の導入や運航方式の改善も併せて総合的に取り組むことで、航空分野のCO2の削減に係る目標達成、これを目指してまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(千)委員 三つの分野を総合的に進めていくというお話でありました。そのとおりだと思います。
 第四回の航空機運航分野におけるCO2削減に関する検討会の中でも、今のSAFの普及については、エアライン単体では無理だよね、だから、サプライサイドも当然入れて一体的にという意見がある一方、そのサプライ側からすると、それを義務にしないでと。要するに、コストの問題ですとか、開発の時間ですとか、そういう心配があって、やはりそういうところも全部見なきゃいけないよねということで官民協議会というふうになっているんだろうなと思って聞いておりました。
 バイオ燃料そのものが、FITの中でも、あるいは各地方のアセスなんかでも、いろいろな問題が起こっています。だから、とにかく目標だけが、数字だけが先に行って、質だとか安全だとかが後回しにならないということでの総合的な体制をつくっていく必要があるだろうというふうな指摘をさせていただきます。
 次に、法の第二十八条では、国有財産法の特例として、空港脱炭素化推進計画に位置づけられた再エネ事業主体に三十年以内の資産貸付けを認めるというものであります。既に再エネを空港内で設置している空港、国管理三十一のうち十九空港あると承知をしておりますが、その大半は売電目的だと承知しています。
 今回の特例措置による国有資産の貸出しはどの程度の効果を狙っているのか、売電が中心ということは、直接空港の脱炭素化というよりは、むしろ相殺というんですか、そういう考え方だと思うんですが、御説明をお願いします。

○久保田政府参考人 お答えを申し上げます。
 空港の再エネ導入につきましては、空港カーボンニュートラルの実現に向けまして、二〇三〇年度までに二百三十万キロワットの再エネ発電容量を導入する、そういう大きな目標を掲げておるところでございます。その目標の達成に向けましては、空港内や空港周辺における土地、そしてまた庁舎の屋上等を最大限活用して、太陽光パネルを設置することなどを想定しておるところでございます。
 本法案におきましては、これまで貸付けができなかった建物の壁とか、それから屋上、そういったものを含む国有財産につきましても長期間貸し付けることができることとしておりまして、民間事業者が再エネを導入するケース、場所といったものが拡大していく、そういう効果が期待されるわけでございます。
 昨年度、先行しまして、重点的に空港におけます脱炭素の取組の調査を行いました。そういった中で、この再エネを、売電ということではなく、再エネを導入していこうという意欲のある空港が十ございました。その十空港では、約五十万キロワットの太陽光発電の導入の検討など、我々も一緒になって行っておるところでございまして、国土交通省としましては、この法案によって措置される特例措置も活用しながら、可能な限り多くの空港におきまして再エネの導入拡大というものを図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(千)委員 どちらかというと、今やっているのは関空とか、要するに、滑走路から海に少し張り出してソーラーのパネルを貼り付けているという形で、売電になっていると思うんですが、今、十の空港で、要するに、自ら消費するという形の発電につなげていくということをやっている。それはすごく大事なことだなと思うんです。単なる相殺だけでは、やはり違うんだと思うんですよ。
 最初にお話ししたSAFの話もそうだし、再エネの話もそうだし、実質空港自体の削減にはなっていないんだけれども、要するに、炭素クレジットという考え方、市場メカニズムで、買いますよ、買って解決しますよということではなるべくない方向に向かっていただきたいという思いでお話をさせていただきました。
 そこで、法案のもう一つの柱が、コロナ禍における航空、空港会社の減収が著しい中、交通ネットワーク維持のために支援を続けていく。これは重要であると考えます。
 そこで、昨年策定した航空運送事業基盤強化方針においては、二〇五〇カーボンゼロと、二〇三〇、六千万人のインバウンドが並び立っているわけですよね。ポストコロナの成長戦略はしっかりと位置づけられている、今も変わっていない。しかし、やはり実態として削減をしていくためには、六千万人ありきではなくてもよいのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○斉藤鉄夫大臣 国際航空運送協会、IATAの予測によれば、今後、国際的な航空需要は拡大することが見込まれているところです。
 このような中、航空分野における脱炭素化については、国際航空に対し、国際民間航空機関、ICAOによる国際航空分野における脱炭素化の枠組みであるCORSIAの発効に伴うCO2排出削減が義務づけられるなど、近年、その動きが急速に加速しております。
 このため、今般、航空法等を改正し、航空事業者と空港側との連携を始め、航空分野全体で関係者が連携し、一体的に取り組む枠組みを構築し、脱炭素化を推進していくこととしたところです。
 一方で、観光は成長戦略の柱、地方創生の切り札であり、インバウンド政策は我が国の重要な政策であることから、脱炭素化の推進と調和する形で進めていく必要がございます。
 いずれにせよ、国土交通省としては、インバウンド政策の推進と航空分野の脱炭素化の推進、この両立に向け、全力で取り組んでまいります。

○高橋(千)委員 今日はこれ以上この話はしませんけれども、やはりコロナの中でいろいろな価値観ですとか考え方が変わっているんだと思うんです。島国日本ですから、飛行機に乗るなということはあり得ない話ですから、当然、ビジネスでも観光でも活用するのはいいことだと思うんです。ただ、やり過ぎるとどうなのかということなんですね。
 元々、コロナの前は空の渋滞が起きておりました。そこに戻る必要があるのかということ、そのことをやはり真剣に考える必要があるんじゃないか。先ほど成田の話や米軍の話もありましたけれども、やはり脱炭素には飛び方という問題もありますから、総量規制の考え方というのも本気で取り組む必要があるんじゃないか。ここは、今日は指摘にしておきます。
 そこで、もう一つ、昨年の航空法の改正質疑において、航空会社への支援の前提となる航空運送事業基盤強化方針においてリストラによる効率化は認めるべきではないと私は指摘しました。確かに、方針には雇用の維持という言葉が明記されておりますが、その方策は、やはり雇用調整助成金の活用と、産業雇用安定助成金の活用以外に具体策がありませんでした。全日空の九千人削減といった報道もありますが、自然減だと言っておりますが、やはり、雇用の維持と言った以上、それがどうなったのか、お聞かせください。

○斉藤大臣 航空会社においては、コロナ禍の甚大な影響が長期化している中、従業員の一時帰休や外部の企業等への出向など、一時的に事業規模を縮小しつつも、雇用を維持するための様々な工夫を行っているところです。
 政府においては、こうした航空会社の自助努力も踏まえ、これまでも雇用調整助成金などの支援を行ってきたほか、令和四年度においては、七百億円規模で空港使用料の減免等を行うなど、相当踏み込んだ支援を実施することとしておりますが、リストラをこれらの支援の条件とはしておりません。
 また、航空会社から届出のあった航空運送事業基盤強化計画においても、雇用維持に向けた取組について記載いただいているところでございます。
 今後の航空ネットワークの維持、確保の観点からも、安全な運航を支える人材の雇用維持は極めて重要な課題であると認識しており、国土交通省としても、引き続き、航空会社の実情をよく聞きつつ、できる限り雇用が維持されるよう、関係省庁とも連携しながら、最大限努力をしてまいります。

○高橋(千)委員 時間が来ましたので終わりますが、本当はここは数字でお答えいただきたかったんですよね。雇調金は一千億円、産業雇用安定助成金は四千百三人という数字をいただいています。
 やはり、頑張って支援したというんだけれども、それがどういうふうに政策に結びついているのかというのは、これは会計検査院からも指摘されているところなんですが、企業だからそれ以上はお示しできないということではなくて、税金を使って支援した以上は、どう効果を上げているのかということもきちんと示していただきたい。そのことを要望して、終わります。

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