国会質問

質問日:2022年 3月 10日 第208国会 地方創生に関する特別委員会

従事職員の危険手当要求

PCR検査で高橋議員

衆院地方創生委

写真
(写真)質問する高橋千鶴子議員=10日、衆院地方創生特委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は10日の衆院地方創生特別委員会で、公立病院でPCR検査に従事する職員の疲弊した実態を示し、危険手当(総務省の防疫等作業手当の特例)の支給を求めました。

 国は、4月1日からPCR検査の公的保険を適用する際の診療報酬を約半分に引き下げようとしています。高橋氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療現場の負担が増す中、公立病院の検査技師は、行政検査や発熱外来などの患者の検査のほか入院患者受け入れ時の検査も一手に引き受け、休日でも感染防止のために旅行も禁止されているとして、「疲れて燃え尽きるのも時間の問題だ」と訴えていると紹介しました。その上で、検査に従事する公務員は危険手当の支給対象になるとして、同手当の運用状況を質問。総務省の山越伸子公務員部長は、「支給状況は承知していない」としつつ、「感染のリスクに加え、厳しい勤務環境と極めて緊迫した雰囲気の中で、平常時には想定されない業務にあたる病院等も要件に該当する」と答えました。

 高橋氏は、PCR検査を含むその他業務への手当を申請している都道府県でも19しかないと指摘し、制度の周知徹底を求めるとともに、4月からの検査に関わる診療報酬の引き下げをやめるよう主張しました。

(「しんぶん赤旗」2022年3月11日付)

-議事録-

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 コロナ感染が今年二月に第六波で十万人を超えて以降、減ってきているとはいえ、今後、更に感染力が強いオミクロン株BA・2が主流となって新たな波が来ることも予想されています。医療現場や地方の負担は本当に大きく、蔓延防止等重点措置が決め手にもならず、解除か延長か、自治体を悩ませているのではないでしょうか。
 今日は、その中で、PCR検査を実際に行っている人について取り上げたいと思います。
 四月一日から、PCR検査の診療報酬が千三百五十点から七百点というように約半分になってしまいます。予算委員会などで我が党議員らがこのことを指摘すると、厚労省は繰り返し、発熱外来の体制をつくったことを、周知も含めてですけれども、評価するから、ほぼ同じなんですと説明をしていたと思います。本当にそうでしょうか。
 ある県の公立病院で働く検査技師からの訴えがありました。ここでは、いわゆる地方衛生研などの代わりの役割も果たしています、PCR検査の行政検査。病院自体が発熱外来をもちろん持っています。保健所から濃厚接触者と指定された方の紹介があって、その検査もある。入院患者ですとか救急の受入れのたびに検査を行わなきゃいけない。それを一手に引き受けているわけなんですね。コンタミを防ぐための前処理を二人一組で、測定に四十分、陽性が出ると更に再検査です。休みの日も感染しないように旅行も禁止だと。毎日へろへろに疲れて、燃え尽きるのも時間の問題だと訴えられました。
 正直、私自身、これまで検査を増やせとは言ってきたものの、その検査を担う人たちのことを取り上げたことがなかったと反省しました。だからといって、大変なんだから検査をやらなくていいよというわけにはいかないんです。
 今、陽性率が非常に高いです。よほど間違いないだろうという人しかPCR検査ができていないことの証左なんです。それでは、日々頑張って検査の現場から積み上げているデータの意味が薄まってしまって、それこそ報われない。
 そこで、まず総務省に伺います。
 こうした検査に従事する職員に対しても、単に公務員としての通常の給与だけではなくて、防疫等作業手当の特例が対象になると思いますが、確認します。また、それがどの程度活用されているでしょうか。

○山越伸子政府参考人 お答えいたします。
 公立病院の職員の手当を含みます給与につきましては、地方公務員法、地方公営企業法や地方独立行政法人法のそれぞれの法律に基づきまして整備された各地方公共団体等の条例や規程等の定めるところによりまして支給されるものでございます。
 総務省といたしましては、国家公務員におきまして、新型コロナウイルス感染症から国民の生命及び健康を保護するために緊急に行われた措置に係る作業を対象として防疫等作業手当の特例が設けられた、この趣旨を踏まえまして、各地方公共団体に対しまして、関係規定の整備など、適切に対応するよう助言をしてきたところでございます。
 議員御指摘の業務が実際に支給対象となるかにつきましては、各地方公共団体等において整備をされました条例や規程等において対象とされるかどうかにより決まるものでございます。
 なお、総務省といたしましては、地方公共団体における防疫等作業手当の特例の創設状況については把握をしているものの、実際の支給状況については承知をしていないところでございます。

○高橋(千)委員 まず各公共団体の判断だというお答えだったと思うんですね。逆に言うと、それができるということなので、徹底してほしいと思うんです。
 これが令和二年に通知を出して、手当が出されますよ、できますよと言ったときの中身で、感染のリスクに加え厳しい勤務環境と極めて緊迫した雰囲気の中で平常時には想定されない業務に当たるんだ、そのことが書いてあって、なるほどと思ったんです。
 資料の一枚目についているんですけれども、選択肢以外の作業要件9についてと右側の下の方に書いてありますね。この中にPCR検査というのがあります。ただ、そのほかに様々、疫学的調査ですとか、検体採取ですとか、火葬業務とか、避難所での対応も含めて、全部それ以外ということでなっているものですから、今答弁があったようにはっきりしないんだと思うんです。
 左の表の、9上記以外というのを見ていただくと、都道府県が十九しか取っておりません。非常に少ないですよね。公務員と言いましたから当然全都道府県にいるわけですので、そういう意味でも極めて少ないわけですよね。もう一度調査というか周知していただきたいと思うんですが、いかがですか、もう一言。

○山越政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘もありましたとおり、防疫等作業手当の特例が設けられた趣旨につきましては、各地方公共団体等に対して適切に助言をしてきたところでございます。その際、感染のリスクに加え厳しい勤務環境と極めて緊迫した雰囲気の中で平常時には想定されない業務に当たることとなる病院等についても、作業場所の要件に該当し得るという点も助言をいたしております。
 このように、この考え方あるいはその趣旨については丁寧に助言をしているところでございまして、それぞれの団体や法人におきましては、各病院の現場の勤務実態に応じて関係規定等をきちんと整備するなど、必要な対応をしていただきたいというふうに考えておるところでございます。

○高橋(千)委員 最初にその趣旨をおっしゃってくださればよかったなと思うんですが、助言を何度もしているという答弁でありましたが、それでこれはやはり少ないなと思いますので、改めてお願いをしたい、このように思います。
 それで、厚労省には、最初にお話ししたように、外来を評価したから検査費用は半額でよいというのはこういう現場には当てはまらないと思うんですね、そこを確認したいと思うんです。だから、やはり検査の報酬そのものを引き下げてはならない。あわせて、やはり現場から要望が出されています。LAMP法の試薬の確保、あるいは検体採取用の綿棒すら足りないと言われている。せめて検査の資器材についても十分に対応できるようにしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○榎本健太郎政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘をいただきましたPCR検査などの新型コロナウイルス感染症に関する検査につきましては、令和三年十一月の新型コロナウイルス感染症対策本部において決定されました、次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像におきまして、「実勢価格を踏まえて保険収載価格の検証を行い、その結果を踏まえて、年内を目途に必要な見直しを行う。」こういうふうにされたところでございます。この決定に基づきまして、昨年十二月三十一日に実勢価格を踏まえた引下げを行ったところでございます。
 今般の検査料の引下げに当たりましては、衛生検査所や検査機器、試薬業界に対しまして、今後も地域医療に必要な検査が引き続き実施されますように、今般の価格見直しを踏まえた円滑な契約の見直しについて周知を行っているところでございます。
 さらに、このPCR検査を外部に委託する場合の点数につきましては、激変緩和のための経過措置ということで、令和三年十二月三十一日から令和四年の三月三十一日まで千三百五十点とさせていただいて、感染状況や医療機関での実施状況を踏まえた上で、令和四年四月一日に七百点とするというふうにすることとしてございます。
 また、今御指摘ございました新型コロナウイルス検査に必要な資器材につきましては、急速な検査需要の伸びによる一時的な不足が生じましたことから、本年一月に、増産要請と併せて、需給が安定するまでの間、行政検査を行う医療機関からの発注に優先的に対応いただくように医薬品卸売販売業者の方々あるいはメーカーに依頼をさせていただいて、確保に努めているところでございます。
 引き続き、感染状況や医療機関での実施状況を踏まえつつ、現場の声もよくお聞きをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 いろいろ言おうかなと思いましたが、現場の声に応えてとおっしゃっていただきましたので、しっかりとお願いしたいと思います。
 それで、今日は野田大臣に初めて伺いたいと思います。
 本当に残念なことに、我が青森県が、転出者数が転入者数を上回る転出超過が三万六百九十九人で、人口に対する転出超過率が二・五%で、全国最多となってしまいました。先ほど人通りのない商店街の写真を見せられてしまったわけですけれども、それが実態でございます。
 ちなみに、大臣の地元の岐阜県は五千百二十七人が転出超過ということですけれども、かなり差がありますよね。
 仕事がない、一次産業の落ち込み、賃金が低い、豪雪地帯ということも背景にあると思います。なぜなら、青森に続いて秋田、山形、新潟などがやはり転出超過が多いということからもそれは言えるのかなと思います。
 その上で、改めて伺いますが、地方創生の本来の趣旨は、少子高齢化や転出超過による人口減少、東京一極集中を打破することが原点だと思いますが、この点について、まず大臣の意見を伺います。

○野田聖子大臣 御指摘のとおり、私の所管である地方創生においては、少子化に伴う人口減少に歯止めをかける、そして東京圏への人口の過度の集中を是正、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持する、これを目的として取り組んでまいりました。
 青森県の話を聞きまして、青森県における年齢別社会増減数というグラフを見ていますと、やはり十八、二十、二十二歳あたりがどんと落ち込むわけですけれども、まず、男女別なく言えることは、その世代というのは大学に行くとか行かないという世代でありまして、大学を見るとやはり断トツに東京都に大学が集中しているので、地元に自分の行きたい大学がなければどうしても東京に行ってしまうという構図ができちゃっていることと、あとは、働く先もそうですね、自分の能力に合う働き口があるかどうか。
 とりわけ女性の場合は、地方においては、先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、アンコンシャスバイアスのようなものがあったり、やはり、岐阜でもそうですけれども、女性が進学しようとすると、四年制に行かなくてもいいんじゃないかという、まだそういう女性に対する差別があることも事実です。
 そういう世代なので、やはり女性の場合は特に、中にいることが、いづらいということが往々にして考えられるので、その改善に向けては、先ほど申し上げたような女性を支援する交付金等を使って、各地方自治体でそういうセミナーとかそういう啓発活動もしっかりやっていただきたいなというふうには願っているところであります。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 人口減少の二つの要因ということで、先ほど西岡委員もお話しされておりましたけれども、日本創成会議が、人口流出と二十代から三十代の若年女性の減少ということで、大臣はそれに即してお話ししてくださったと思うんですね。
 今日お話ししたいのは、もう一つの要因として、そもそもそういう若年女性が住み続けられない、産み育てるまちづくりということでも不足している、このことを指摘したいと思うんですね。
 先日、岩手県の奥州市に行きました。選挙で初当選を果たした女性議員、四十代になったばかりの方なんですが、御本人が、双子を授かったんだけれども一人は死産だった、そのつらい経験から、安心して産み育てられる町をライフワークとして選挙の公約でも掲げていたんですね。
 実は、私は、一昨年の予算委員会で、この奥州市の公立病院が、近くに幾つかあるものだから統合の対象になっている、でも、一方では地域包括ケアとかをよくやっているよという質問をしているんですね。そうしたら、その一年後にこの市立病院と国保病院の統合問題が持ち上がって、住民の反対がわあっと広がって署名も集まり、市議団は、統合ではなくて、それぞれの役割分担。それで、この総合病院では産科の復活だということを掲げたんです。それで、一月末にこの統合は撤回されました。市長が撤回をいたしました。そこで、やはりこの復活ということが本当に求められているなと思うんですね。
 見てほしいのは、これはまた青森県の数字なんですが、資料の二枚目です。上の方が分娩実施施設数、病院が二十五から十七に減っています。診療所は二十三から十三と、この十年間でここまで減っています。これは大体同じような傾向がほかの県にもあると思うんです。
 それで、三枚目なんです、資料の。これは青森県の地図なんですが、この濃いピンクのところが産科も助産院もどちらもある市町、これは十一しかありません。助産師しかいないところが黄色で、三つです。そして、残りは全部お産ができない町。距離は分かる人はすぐ分かると思うので、二時間とか、えらい距離があるわけですよ。改めてこの地図を見ると、日本創成会議のショッキングな言葉も頭をよぎるわけです。
 大臣に伺います。まずは、安心してお産ができる、その体制づくりが急務だと思いますが、いかがでしょうか。

○野田大臣 御指摘のとおりで、私は今、地方創生と女性政策、子供政策を兼務しているんですけれども、地方創生の中で長らくこの議論は出てこないわけですね。女性政策とか子供政策では産婦人科が足りなくなっているという話があるので、やはりここはしっかりとみんな連結させて、今地方創生に一番必要なのは、高齢化ということも大事だけれども、その担い手、少子化というのがやはり解決していかなきゃいけない急務の課題だということで、横串を通した政策というのが必要だと思います。
 とりわけ、最近、日本の女性は高齢出産化しているのでリスクが高くなっていますから、どこの病院でもというわけにもいきません、ただでさえ。そういうときに、やはり産める場所がなくなっていくというのは、とりわけ地方にとって一番厳しい問題だと思います。
 私も大臣になって日が浅いんですけれども、地方創生として電話をいただいた中で、地元の産婦人科医がいなくなるので何とか手当てをしてくれないかという御陳情をいただいたこともございます。
 是非、周産期医療、これは厚労省が取り組んでいるんですけれども、地方の担い手、子育てができるところというのは当然地方にとっては必須であるということを改めて認識して取り組みたいと思っています。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 地方創生の中で長らく出てこなかったという話をしていただきました。横串を通す役割を是非大臣にもしていただき、私も大いに提言をしていきたい、このように思います。
 それで、具体の話に入っていきますけれども、今度は答弁を少し厚労省に、簡潔にお願いします。
 この地図の中の真ん中の黄色、黒石市というところがあって、これは国保病院があります。平成二十五年度、二〇一三年までは年間二百五十件の分娩を扱っていました。でも、二〇一五年三月に分娩を休止しました。実は、この黒石病院が分娩を休止したきっかけは、小児科医が辞めたからなんです。産科医が一人いればいいという話ではないんですよね。
 医療機関が分娩を中止する要因として、産科医がいなくなる、高齢化だとか訴訟リスクだとか様々あります。それだけじゃなくて、小児科や内科など、補完し合う医師が不在という問題も大いにあると思いますが、厚労省に伺います。

○大坪寛子政府参考人 お答え申し上げます。
 医療機関が分娩の取扱いを中止している理由、これにつきまして厚生労働省として網羅的には把握をしている状況にはございませんが、各自治体ですとか関係者の皆様から聞いているお話の中では、分娩数そもそもの減少、それから産科医師の不足、また、先生が今おっしゃいましたように、医師が高齢化していること、こういったことは地域によって様々要因があるというふうに伺っております。

○高橋(千)委員 網羅的に答弁してくださいとは言っていません。私が質問したのは、補完し合う小児科や内科などがいないことが原因のときもありますよねと。あるかどうかを聞いています。

○大坪政府参考人 失礼いたしました。
 そういったお声を直接伺ってはおりませんが、私どもが都道府県に対して周産期医療体制の計画を作っていただくに当たりましては、指針を設けておりまして、周産期医療に関する協議会の中で定めていただきたい事項の中には、今先生がおっしゃった産科、小児科の医師確保計画の策定に関するものですとか、産婦人科以外の診療科との連携体制に関する事項、こういったことを都道府県において定めていただくようにお願いをしているところでございます。

○高橋(千)委員 この初歩的な入口でつっかかると本当に困るんですよね。当たり前のことじゃないですか。
 例を挙げればいっぱいありますけれども、宮城県の保健医療計画の中にも、小児科医の減少が、不足が重大で、やはり周産期医療を支えるためには必須だと書いています。それはもう当然同じ認識から出発すると思っていましたので、ちょっと残念に思います。でも、そこは連携ということで確認をさせていただきます。
 それで、青森県はこう言っています。産科医療施設の減少傾向が、住民においては、産科医療施設へのアクセスについて不便が生じており、つまり、遠くなっちゃうと。また、医療従事者においては、夜間や休日の診療が必要となる場合も多く、厳しい勤務環境が問題となっている。全くそのとおりだと思うんですね。
 ハイリスク妊娠が各県においても増加若しくは高止まりの傾向にあると思います。その中で、MFICUや総合周産期母子医療センターを各地の中心的な三次医療施設などに設けて、全国的に周産期死亡率は低くなっていると承知しています。
 質問は、ハイリスク妊娠を担う三次医療施設や中核病院だけがあっても、周辺の連携し合う産科やクリニックが分娩を取りやめて全く連携を取れなくなれば、ハイリスクも通常分娩も全部集中しちゃう、これはどちらにも影響するという問題になると思いますが、これはどうですかね、一致できますよね。

○大坪政府参考人 お答えを申し上げます。
 地域の医療体制、医療資源の中でどういった体制を取っていただくかということは、一義的には地域の中で御検討いただいております。先生が御指摘いただきましたような状況を抱えていらっしゃる地域もあろうかと思っております。
 国が定めております周産期医療の体制構築に関する指針は先ほど申し上げましたような内容を含んでおりまして、都道府県におきましては、分娩数や医療資源の状況、こういったそれぞれ地域ごとの状況を踏まえて適切な対応を取っていただきたいということで、一つには、今おっしゃっていただきました分娩取扱施設の、母子医療センターの設備、こういったこと、また、集約化、重点化、こういったこともあろうかと思いますし、また、地域の診療所との連携、こういったことについても、地域の資源を有効活用するという観点で御検討いただいているところでございます。

○高橋(千)委員 これは、次は一言で答えてください。
 私は一貫して、地域医療と病床削減、医師不足問題を取り上げてきました。本来、地域医療構想は、こうした地域に必要な医療機関は何かということを自治体自身が決めるべきものであって、病床削減ありきではありませんよね。

○大坪政府参考人 先生御指摘のとおりでございます。

○高橋(千)委員 確認をしました。
 厚労省は、財務省や経済財政諮問会議にハッパをかけられ、急性期病床の削減、近隣に同様の機能がある医療施設があるんだったら統合若しくは病床削減を決断せよと、四百三十六の公的病院リストを計って迫ってきました。
 ただ、コロナ禍の中、公的病院が患者を受け入れて大変貢献していることもあり、また病床の逼迫もあって、この四百三十六リストの対応方針については、今は凍結していると思います。ただ、病床削減支援給付金の募集は今もかけているわけです。諦めていないと、厚労省がですよ。
 そういう中で、各地で公的病院の統合再編は検討がされています。
 資料の四は、これは宮城県なんですが、昨年九月に唐突に県が発表した、政策医療の課題解決に向けた県立病院等の今後の方向性について。赤いアンダーラインだけ見ていただければ、仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合で新病院、もう一つは、東北労災病院と県立精神医療センターを合築し、新病院、四つを二つにするという計画です。
 厚労省はこの計画を承知していますか。これだけの規模、しかも、経営主体がまるで違う、内容も全然似ていない、こういう統合計画はほかにあるでしょうか。

○大坪政府参考人 先生御指摘のこの宮城県のケース、これは県の方で公表されておりますので、この公表資料を通じて国としては承知をしております。
 また、医療機関の再編統合の状況につきましては必ずしも国の方に御相談をいただくような仕組みにはなっておりませんが、例えば、各地域の合意の下で厚生労働省に申請をいただいている重点支援区域、こういったものを事業として持っておりまして、この事業を通じて承知をしている限りにおきましては、複数の病院であったり複数の設置主体により再編を議論されている事案というものはあるというふうに承知をしております。

○高橋(千)委員 四つを二つにという、一遍にはないはずです。それも、四つといっても、診療所が二つあるとかというのではなくて、どれも独立した大きな病院なわけですよね。それはないと思います。そのことをもう一度確認します。
 それで、この四病院の再編統合は地域医療構想の中でも位置づけられておりません。やはり、建て替え時期との兼ね合いもあるけれども、それぞれの役割を生かすべきだと私は思っています。
 国は、病床削減支援給付金の活用についてなど、何らかの相談を受けたり、あるいはアドバイスをしてきたでしょうか。二つ聞きました。

○大坪政府参考人 再編統合に関しまして関係者から相談を受けているかということのお尋ねに関しましては、少なくとも、この宮城県のケースにおきまして具体的な御相談を受けたことはございませんし、補助金につきましても個別にこちらから御助言を行ったことはございません。
 前半の御質問に関しましては、まず各地域においてそれぞれ協議の中途であろうかと思っております。
 重点支援区域への申請の中では、複数の主体であったり複数の病院のところで協議を検討しているといったお話をいただくことはございますが、具体的にそれが今回の宮城県のケースのように完全な再編であるかとか、そういった細かいところまでは承知をしておりません。

○高橋(千)委員 これはないはずなんですね。
 最後のページに、最後の資料についていますけれども、県立がんセンターと精神医療センターの理事長である荒井陽一先生が、河北新報の二月二十六日付ですけれども、それぞれの役割のことを大事なんだ、心配しているということを書いているのを紹介をしたいと思います、時間がなくなってきましたので。
 それで、話を先ほどの流れに戻すわけですね。
 仙台市内での分娩件数は七千四百二十三件です。県内分娩件数の半分を担っています。そのうち八百件の分娩を担い、ハイリスク妊娠を受け入れているのが仙台日赤病院なんです。仙台市は新生児の救急搬送が年々増えて、かつ、仙台市内がその約半数なんです。だから、三次医療機関がやはり近接していることがこういう対応には望ましいと仙台市は言っています。
 こうした意見を踏まえて、仙台日赤病院が市の外に移転、統合となった場合、これまでと同様の機能を果たせるのか疑問に思いますが、いかがでしょうか。

○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 個別の地域における再編統合につきましては、一義的には、各地域において、地域の実情や再編統合した後の影響、こういったことを十分に考慮して御検討が進められているものと考えておりまして、国の方で具体的にその中途の段階で評価をする、こういった立場ではございませんというふうに承知をしております。
 ただ、一方で、県の方からは、今後の再編統合の方向性というものがこの公表資料の中で示されており、一方で、仙台市からは、その県の方向性に関する考え方、これも公表されているというふうに承知をしております。
 よくよく県と市と、また関係者の間で引き続き議論がなされるものというふうに国の方では考えております。

○高橋(千)委員 残念ながら時間が来ましたので一言で終わりますが、県がと先ほどからおっしゃいました、地域で決めていることだからと。だけれども、これは日赤の話なんです。そして労災病院なんです。国が全く知らんぷりという話はないでしょう。国の責任はどこにあるのか。見守っていますでは全くないはずなんです。考え方をしっかりと示していただきたい。
 また次の機会をお願いしたいと思います。終わります。

2022年3月10日 衆院地方創生特別委員会提出資料

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