国会質問

質問日:2021年 5月 19日 第204国会 国土交通委員会

建設アスベスト訴訟 屋内外の区別はできない

救済制度創設一日も早く

衆院委 建設石綿訴訟で高橋議員

 日本共産党の高橋千鶴子議員は19日の衆院国土交通委員会で、最高裁が国と企業の責任を断罪した建設アスベスト(石綿)訴訟をとりあげ、一日も早い救済制度の創設を訴えました。

 高橋氏は、1975年当時から輸入される石綿の7割は建設現場で使われていたとして「今後も老朽建築物の解体や災害などの場面で建設労働者の石綿曝露(ばくろ)は起こりうる」と指摘。潜伏期間は30~40年ともいわれるなか、労災認定のための体制強化や、給付に結び付けるための広報や相談体制の強化などが求められると主張しました。

 赤羽一嘉国交相は「時間はかかったが(判決で)一定の決着がついたのは、政治家としては良かったと思う」と答えました。厚生労働省の小林高明審議官は「石綿による疾病に関する労災認定は(年)千件台。今後も同水準で推移していくと見込んでいる」と答えました。

 高橋氏が、石綿による労災認定の際、屋内か外で判断をするかと聞くと、小林審議官は「現時点では、石綿曝露作業が屋内・屋外であったかをわけて認定者数等を把握していない」と答えました。高橋氏は、最高裁で屋外が除かれたが、石綿曝露の状況でみると、屋内外と区別はできないということだと指摘しました。

 高橋氏は、原告・弁護団が提唱している石綿被害補償基金制度に建材メーカーの参加は必須だとして、「各省庁と連携し、国交省も役割を果たすべきだ」と主張しました。
(「しんぶん赤旗」2021年5月20日付より)


ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 建設アスベスト訴訟で、最高裁第一小法廷は、十七日、国と建材メーカーの賠償責任を認める判決を出し、一人親方も認められました。昨日は、総理と原告が面会を果たし、総理からの謝罪もありました。
 二〇〇八年五月に建設アスベスト訴訟が東京地裁に提訴されてから十三年。原告の総数は被災者九百名超、うち七割が既に亡くなっております。一日も早い救済制度の創設が待たれていると思います。
 原告や家族の訴えを何度も聞く機会がございましたが、酸素を常に携帯していたり、ずっとせきをしている方がいます。どんなに苦しいだろう、また家族もどんなにか大変だろうと思うわけですが、昨年来のコロナで、電車の中でも、せき込むと周りに嫌な顔をされるので、私はコロナではありません、アスベストですという札を提げているという話を聞きました。何ともつらい話だと思いました。
 そこで、大臣に伺いますが、一九七五年当時から、輸入される石綿の七割は建設現場で使われました。今後も、老朽建築物の解体や、また災害などの場面でも、建設労働者の石綿の暴露というのはこれからも起こり得るわけであります。過去の問題ではありません。大臣の思いを改めて伺いたいと思います。
○赤羽国務大臣 一昨日、五月十七日に、最高裁の判決におきまして、国の労働関係法令に基づく規制権限の不行使に関して違法性が示されたものというふうに承知をしております。
 今回の建設アスベストの問題をめぐる被害者の多くが建設労働者であったり一人親方であるわけでございますし、そうした被害者の御本人ですとか御遺族の皆様のお苦しみや御苦労、本当に察するに余りあり、建設工事の現場でこのような問題が発生したことに鑑みまして、本判決、極めて重く受け止めておるところでございます。
 改めて、二度とこのような問題を起こしてはならないとの認識を新たにしたところでございますし、また、一人の政治家として、私も兵庫県の選出でございますし、また、地元の一般労働土建組合の皆様からもかねてより御要望もいただいたところでございますので、こうした形で、時間がかかりましたけれども、一定の決着がついたというのは大変、まあ、ちょっと大臣のあれなんですが、よかったというふうに政治家としては思っておるところでございます。
 今後、老朽建築物の解体ですとか災害等の場面におきまして、アスベストによる建設労働者の健康障害を予防していく、そのためには、労働安全衛生法に基づく作業方法等の暴露対策を遵守することが重要であると考えておりますので、国交省におきましては、引き続き、厚生労働省と連携をしながら、解体又は災害復旧等の工事現場における関係法令の遵守を徹底していけるようにしっかりと取り組んでいきたい、こう考えております。
○高橋(千)委員 一人の政治家としてとお答えいただいたことはありがたいと思っております。
 国の責任については、ずっと原告側が勝訴をして、もうほぼ確定をしていたにもかかわらず、これまで時間がかかったということが本当に悔しい思いもいたします。だからこそ、今、救済制度に向けて、与党PTを中心に動きが始まっている。これは本当に、裁判に踏み切れなかった人も含めて救済できる制度に何としてもつくっていきたい、このように思います。
 それで、厚労省に伺います。
 今日、三枚の資料をつけていますが、その最後に、石綿による疾病に関わる労災保険給付、また、死亡による特別遺族給付金の毎年の決定状況をつけました。トータルで一万七千三百六十五名、二〇一九年度まででこういう状況ですけれども、この労災の認定状況にはどのような特徴があるのか。潜伏期間が三十年から四十年とも言われる中、残念ながらまだしばらく続くと思われますが、いかがかということ。
 それから、アスベストは、壁の吹きつけ、古くは屋根瓦から配管に巻き付けられた断熱材など様々な用途で使われてきたために、労災の発生要因も屋内外問わず様々であると考えますが、どうでしょうか。伺います。
○小林政府参考人 お答えいたします。
 石綿による疾病に関する労災認定件数は、過去五年間を見ますと約千件台で推移しており、そのうち建設業の占める割合は五割台で推移しております。潜伏期間が三十年から四十年という御指摘もございましたけれども、そういう状況を踏まえますと、今後も同水準で推移していくものと見込んでおります。
 また、石綿による疾病に関する労災認定に当たっては、労働基準監督署において、個別に石綿暴露作業等を調査した上で、当該作業と疾病発症の因果関係を判断しているところでございますが、現時点においては、当該石綿暴露作業が屋内又は屋外であったかを分けて認定者数等を把握してはおりません。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 今後もまだしばらくは同水準で起きるのではないか、こういうことが確認できたと思います。
 また、因果関係を、石綿の暴露がどのような状態かということを見るときに、屋内外ということは、そこで分けることはないということが明確にお答えいただいたと思います。
 それで、資料の、一枚めくって元に戻っていただいて真ん中、昨日の毎日新聞ですけれども、「救済の道筋示された」というタイトルの中に、真ん中に、「屋外は逆転敗訴」という記事がございます。
 この中に紹介されているのが、屋根工だった夫さんが六十七歳で亡くなった方の言葉なんですけれども、遺族にとっては屋内も屋外も違いはないという言葉です。石綿入りの屋根材を加工するたびに粉じんで体中真っ白になる夫の姿が今も目に焼き付いているとの言葉を紹介しています。
 判決要旨を読むと、風が吹いて粉じんが薄まるから影響はほとんどないんだ、それで屋外の場合は予想はできなかったんだ、それが正当なんだというふうな理由になっておりまして、非常に驚きました。
 やはり、ずっと外、ずっと中というわけでもないだろうし、また、すごく集中して削る作業のときだとか、今ここで記事にあるように、真っ白に粉じんを浴びるような作業もあるわけですから、やはりここを分けるべきではないな、これからの可能性ということを見ていただきたいというふうに思うんです。せっかくこれから救済制度をつくろうと言っているわけですからね。
 それで、原告や弁護団が求めてきたのは、裁判によらない、建設アスベスト被害補償基金制度をつくってほしいというものでありました。今、与党PTを中心に立法化へ準備をしていることは報道もされておりますし、承知をしております。
 その際、やはり労災認定の実績が鍵になっていくと思うんですけれども、今の労災制度全般ですよね、なかなか事務官が新採用されない中での労災認定の作業そのものが非常に大変であるということも聞いております。この体制強化というものも必要になってくるかなと思いますし、また、給付に結びつけるためには、その窓口が、まだ決まっておりませんけれども、どこになろうとしても、単に行政だけではなく、やはり広い広報ですとか相談体制というのが求められていくと思いますけれども、どのようにお考えか、伺いたいと思います。
○小林政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省といたしましては、労働基準監督署において、労災補償について適切な相談対応や迅速、適正な給付が行えるよう、職員の増員要求を行うなど、必要な体制の確保に努めているところでございます。
 相談の対応等について、関係の組織とも連携をしながら業務の効率化にも努めつつ、今後とも引き続き体制整備に努めてまいります。
○高橋(千)委員 取り組んできた弁護団や原告団なども既に電話相談を始めておりますし、これからそういうことが必要になってくるのかなというふうに思っております。
 今までも、いろいろ裁判をやり、議員立法に結びついたものであっても、その先がなかなか進まないということもあったりするものでありますから、しっかりと支えていく体制をつくっていく必要があるのかなと思っております。
 それで、もう一点大臣に伺いたいと思うんですが、今回の判決では建材メーカーの共同不法行為責任が認められました。原告弁護団が提唱している基金制度というのは、国とメーカーが拠出し合う制度であります。今後も被害が出続けることを考えた場合、やはり建材メーカーの参加というのは必須ではないか、このように思うわけです。
 企業が拠出に参加する基金制度としては初めてのことではなくて、一九七四年から施行されている公害健康被害補償法に基づく公害健康被害補償制度が先例として参考になると思います。一人の労働者から見ますと、やはり、同じ建材を使っている現場にいるとか、同じ現場にずっといるということはあり得ないわけで、それを、どの建材がどのように寄与したのかというのを厳密に計算するのは難しい。だからこそ、共同不法行為なのであって、いわゆるシェアを目安に拠出割合を決めていくのが合理的であろうということで、いろいろな考え方というのを示してきているわけですよね。その際、国交省と経産省が、石綿含有建材データベースなどを作成した経緯もありました。
 今後、いずれにしても、企業も基金への参加がしやすいように、各省庁とも連携をしながら話合いを進めていく、そういうことが必要になってくると思うんですね。国交省としても役割を発揮していただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 建設アスベスト訴訟につきましては、最高裁判決を受け止めつつ、与党の建設アスベスト対策プロジェクトチームの皆様方におきまして、一昨日、早期解決に向けた取りまとめが行われたということでございまして、私、これも大変よかったというふうに思います。
 その中で、ちょっと詳しくは承知しているわけではありませんけれども、建材メーカーにつきましても、様々なやり取りとかお取組とか、御苦労されているというふうにも漏れ聞いておるところでございます。
 この本取りまとめにおきましては、まず、与党において法案化作業を進め、建設アスベスト給付金制度、これは仮称でありますが、創設をするということ、そしてまた、引き続き、今お話ございましたような建材メーカーの対応の在り方については、継続的に検討を行うということが示されているところでございます。
 国土交通省といたしましては、与党における今後のこうした取組を踏まえまして、建材メーカーを所管しているのは実は経済産業省でございますので、経産省と連携を取りながらサポートしつつ、適切にしっかりと対応してまいりたい、こう考えております。
○高橋(千)委員 これまでの時間がかかったことによって、最初にお話ししたように、亡くなった方も七割もいるという中で、やはり立法化は急がれる、だけれども課題も解決をしていかなきゃいけない。
 それで、検討という言葉の中に次の道が見えてくるというのがやはり大事だとは思うんですけれども、ただ、裁判の中でずっと積み重ねてきた議論でもあるわけですよね。そのことをやはり前に進めるために、今日ちょっと、イニシアを発揮してほしい、主導的な役割を発揮してほしいということをお話をしました。
 一人親方の問題も最高裁で今回判決が出たわけですけれども、今までは、言ってみれば認められてこなかったために、一般の、周辺の住民と同じ扱いで環境省の救済制度をいただいていた方もたくさんいらっしゃる。そうすると、余りにも補償の額が、桁違いに違うわけですよね。
 こうした問題もありますし、また、内と外の、屋内と屋外の違いというのも、現実には作業の違いはないのだということ、それを見て労災を出すわけではないのだということも今日答弁があったと思いますので、やはりそれは建設の現場をよく知っている国交省として、今後の議論をする中で、我々もそういう、どんどん発言をしていきますけれども、大いに役割を、イニシアを発揮していただければいいなということを期待をして、残念ながら時間が来ましたので、これで要望にして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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