(写真)質問する高橋千鶴子議員=4月21日、衆院国交委 |
日本共産党の高橋千鶴子議員は4月21日の衆院国土交通委員会で、コロナ禍での航空労働者に対する感染防止対策の徹底、雇用調整助成金給付など労働者支援を求めました。
新型コロナ変異株の流行国からの入国者には、出入国時の検査、3日間の検疫所待機、14日間の公共交通機関の不使用と自宅待機など対応しています。
高橋氏は、「乗員は乗客の感染防止対策に責任を持つなど、水際対策の一翼を担っている。感染対策について、不安の声が上がっている」と指摘。赤羽一嘉国交相は、「水際対策の要」と認めた上で、「ワクチンについては国際線パイロット等への優先接種を関係省庁に伝え、PCR検査では日本在住の乗員には国際線乗務の都度、検査するよう会社に求めている」と答えました。高橋氏は、「会社まかせにせず、検疫所が責任を持つべきだ」と指摘しました。
更生手続き中のタイ国際航空の日本支社は、就航を続け、雇用調整助成金を申請したものの、給付決定されていません。厚労省の達谷窟庸野審議官は「更生計画が決定すれば給付できるが、外国の法令に基づく手続きには適用されない」と述べ、高橋氏は「助成金給付の対象になるということだ。早急な救済を」と求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年5月3日付より)
タイ航空 日本支社に雇調金
高橋議員の質問が契機
審査保留となっていたタイ国際航空日本支社の雇用調整助成金について、申請分の一部が同支社に支給されたことが19日までに分かりました。同支社はコロナ禍で厚生労働省に雇調金を申請しましたが、タイ国本社の経営破綻を理由に審査が保留されてきました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員の質問(4月21日、国土交通委員会)を契機に、支給が実現しました。
タイ国際航空は、タイ国の本社が昨年5月19日に経営破綻し、現在は同国の会社再生手続き中です。しかし、この1年も航空機の運航は続いてきました。
高橋氏は、航空労働者からの訴えを受け、「就航の実態を評価して、雇用調整助成金を支払うべきだ」と指摘。厚労省は「助成金の支給申請日または支給決定日に倒産、または会社更生計画が認定されていない事業主に対しては助成金を支給しない」と述べつつ、「この取り扱いは外国法人が外国の法令に基づいて行う手続には適用されない」と答弁。タイ航空日本支社は、正当な雇調金の申請を行ったものであり、審査の対象となることが明らかとなりました。
高橋氏は「本当に待っていらっしゃるので、審査をし、早い結論を出していただきたい」と求めていました。
(「しんぶん赤旗」2021年5月20日付より)
ー議事録ー
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
大阪を始め東京、兵庫など三都府県で、要請を受け緊急事態宣言を出す方向と聞いております。国内で初めて新型コロナ変異株を確認したのは昨年十二月二十五日のことです。それが今や、国立感染研の調べでは、関西では既に八割を変異ウイルスが占めている、また、東京など首都圏の一都三県でも、来月初めには全体の八割以上が従来のウイルスから置き換わるとされております。変異株が発見され、一人一人とカウントをし始めたときの対策、きちんとルートをたどっていく、つかまえておくという対策が十分できていたのかということを改めて指摘をしたいなと思います。
そこで、まず水際対策ですが、今年に入っての外国人入国規制はどのような考え方で行っているのか、また、直近の数字で、新規、再入国及び日本人帰国者の、それぞれの数をお聞かせください。
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
法務省としましては、これまでも、国内外の感染状況を見極めつつ、関係省庁と連携し、必要な水際措置を講じてきたところでございます。
昨年末の変異株の発生を受け、昨年十二月二十六日には、予防的な措置として、全ての国、地域からの新規入国を認める措置を一時停止し、同措置による全ての外国人の入国を認めないこととしました。
さらに、本年一月十三日には、英国からの帰国者によるクラスターで変異株が確認された事例、ブラジルからの帰国者で新たな変異株が確認された事例などを受け、ビジネストラック及びレジデンストラックについて、緊急事態宣言が発令されている間、一時停止し、これらの措置による全ての外国人の入国を認めないこととしました。
また、三月十八日には、これらの措置の一時停止について、緊急事態解除宣言後も、当分の間、継続することとしました。
現在入国を認めておりますのは、公益性のある方、人道上の配慮の必要性のある方、再入国者などの特段の事情のある方のみでございます。
本年三月の外国人入国者数及び日本人帰国者数について取り急ぎ集計しましたところ、外国人入国者数は一万九千三百九十三人、一日当たり六百二十六人、そのうち新規入国者は二千十七人、一日当たり六十五人、再入国者は一万七千三百七十六人、一日当たり五百六十一人であり、日本人帰国者数は三万八千九百二十九人、一日当たり千二百五十六人となっております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
緊急事態宣言を解除したり、重点措置などが出たり入ったりした中でも、全体の国からの入国規制を続けてきたということは大事なことではなかったかなと思っております。
ただ、特段の事情のところが、やはり私、人道的な意味で、家族に会えない、病気とかあって、帰ったら戻れないとか、逆にどうしても帰れないということがないように、人道的措置というのは非常に大事なことだと思うんですが、特段の事情が余り広がってはまずいと。そこのことはちょっと気になっておりましたので、一言言っておきたいというふうに思います。ありがとうございました。
そこで、政府が変異株の流行国として指定しているのがどのような国で、また、検疫措置は、流行国ではない国からの入国よりも厳しいと聞いておりますが、どのように対応しているのか、簡潔にお願いします。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
現在、検疫におきましては、全ての入国者に対して、出国前七十二時間以内の検査証明の提出を求めるとともに、空港等において検査を実施し、入国後十四日間の待機等につきまして誓約書の提出を求めております。この誓約書に違反した場合は、氏名等の公表や検疫法上の停留、外国人の場合は、在留資格取消し手続及び退去強制手続等の対象となり得るものとしたところでございます。
また、国が民間委託した入国者健康確認センターが、入国後十四日間の日々の健康状態等を確認し、異常があった場合には保健所と連携し、対応しているところでございます。
さらに、今委員御指摘でございました変異株が流行している国、地域といたしまして、現在、英国、南アフリカ共和国等の二十九の国、地域を指定しておりまして、これらの国、地域からの入国者につきましては、出国前と入国時の二回の検査に加えまして、検疫所が確保した宿泊施設での待機を求め、入国後三日目に追加の検査を実施した上で、入国後十四日間の公共交通機関の不使用と自宅等待機を求めるなどの検疫強化措置を講じているところでございます。
水際対策につきましては、関係省庁が連携し、機動的に実施してきたところでございますが、今後とも、国内外の感染状況を見極めつつ、政府全体として必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 けさのニュースで、二人、成田の入国の際に、その出国のときの証明が正しくなかったということで送還されたという事例があったと報道されておりました。厳しい対応は当然かなとは思っております。
それで、水際の最前線である検疫官は、ワクチン優先接種の対象とすべきと思います。そうなっているのかということと、実際、今どの程度接種が終わっているのか、あるいは見込みなのかも含めて、お答えください。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
検疫所の職員につきましては、患者等からの検体採取を行う者や、患者等の移送等により患者と接する業務を行う者などは医療従事者等に含まれるため、優先接種の対象とされているところでございます。
検疫官の新型コロナワクチンの接種状況につきましては、四月二十日現在で把握できている範囲では、十五名が接種を受けております。
なお、今後の接種の見込みにつきましては、検疫所が所在する各地方公共団体におけるワクチン接種のスケジュールによることから、これがまちまちであるため一概にお答えすることは難しいと考えておりますが、いずれにいたしましても、医療従事者等に対する接種が終了するまでには検疫官の接種も終わると考えております。
○高橋(千)委員 最優先に位置づけてくださっている医療従事者と同じだということはありがたいなと思うんですが、まだ十五名ということで、各自治体の事情もあるとは思いますが、これはやはり、まさに水際の最前線だということでお願いをしたい、このように思います。
それで、今、その水際対策を言ってきたわけですが、同時に、国際線のパイロットや客室乗務員については、今、厳しいですねと言った検査や待機などについて、一般搭乗客とは違う対応をしていると聞いています。その内容と理由を伺います。
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
航空会社の乗員につきましては、国境を越えて頻繁に往来する者であり、我が国の人流、物流、双方の航空ネットワークを支える役割を継続的に果たせるようにしていく必要がございます。
こうしたことを踏まえまして、外国滞在時の行動制限や帰国後の健康観察等の感染防止対策を各航空会社が責任を持って実施することを前提に、空港検疫での検査や十四日間待機の対象外とする扱いが厚生労働省により認められております。
こうした考え方の下、昨年十二月以降の変異ウイルスへの警戒の高まり等を踏まえまして、各航空会社におけるこれらの感染防止対策の徹底を図るため、国土交通省から航空各社に対しまして、全ての国、地域から帰国する日本在住の乗員に検査を実施する等の対策強化を要請し、各社において実施されているところでございます。
引き続き、各航空会社や関係機関とよく連携し、対応に万全を期していきたいと考えております。
○高橋(千)委員 まず、確認をします。
昨年三月三十一日付の厚労省検疫所業務管理室から国交省航空局宛ての文書では、入管法上の外国人の入国制限対象とされている地域から、日本を往復する航空機に搭乗する客室乗務員又は運航乗務員については、PCR検査の実施、十四日間の待機、括弧して十四日間の経過を待たずに出国することは可能と書いております。公共交通機関を利用しないことなどの要請の対象となるが、業務上、日本に入国する必要があって、後日出国する乗員については、下記留意事項を満たしている場合に限り、PCR検査については対象から除外するとありました。
つまり、本来の搭乗客が課せられる義務を免除をしていたわけです。それは、次のフライトに支障があるからという会社側の要請によるものであること、それを厚労省によって認められている理由がどういうことか。
説明は、外国からの帰国といっても、実際には空港から専用車でホテルに行き、ホテルから一歩も出ないで、つまり、外国に行って、行っていないようなものだ、そういう解釈だということで認めてきた、これでよろしいですか。
○和田(浩)政府参考人 ちょっと今その文書が手元にございませんけれども、先生がおっしゃった御趣旨のような御理解で、一般旅客とは違う扱いをしてきたということだと思います。
○高橋(千)委員 一般とは違う扱いをしてきたわけであります。そのこと自体が、一歩も外に出ないんだから大丈夫だという考え方、とにかく、フライトを安全にするためには、それはある意味、理解できることでもあるんです。だけれども、やはり搭乗する人たちにしてみたら、どんなに不安か。だって、長時間、乗客と一緒にいるわけですから、乗員たちの不安を取り除く、感染対策を徹底する必要があるわけなんです。
ところが、昨年は、十二月十日には、帰国後の取扱いについてという文書が検疫所から航空局宛てにまた出ております。結果としては、先ほど答弁にもあったと思うんですが、航空会社の責任において検査を行っている。
つまり、検疫というのは国がやっていること、やっていることというのはお金も国が出しているわけですけれども、これは、ですから航空会社がお金も出し、航空会社が検査をやっている、そういう理解でよろしいでしょうか。
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
検査費用については、航空会社の負担によって実施をされております。
○高橋(千)委員 そこで、大臣に伺いたいんですが、これはやはりおかしいと思うんですよ。ダブルスタンダードなんです。これが許されるのは、特別な業務だからということなわけですよね。だけれども、だとすれば、一般の乗客よりも厳しい対策を取っていますよ、あるいは、検疫所での措置を会社の責任においてやっているんだけれども、その内容は、検疫所が、自分たちがやっているのと同じです、自分たちが責任を持ってやっていますと言えるものじゃなきゃいけないと思うんです。
基本的対処方針にも、航空会社の乗員は社会の安定の維持の観点から緊急事態宣言期間中であっても事業の継続が求められる、いわばエッセンシャルワーカーとして位置づけられています。とりわけ国際線は、長時間のフライトのために自ら感染のリスクもある中、乗客の感染防止対策に責任を持つ立場なんです。ある意味、水際対策の一翼を担っています。
こうした乗員に対する感染対策について、ワクチンの優先接種やPCR検査を会社任せにせず、国の責任において複数回きちんと行うなどの前向きな対応をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 おっしゃるように、航空会社は水際対策の要だというふうに、同じ認識でございます。同時に、これは同じ御質問、別の委員からもかつてあって、お答えしたと記憶しておりますが、航空会社とか公共交通機関というのは、やはり安全をつかさどるところだから、そこは航空会社としての矜持として、責任を持ってこの感染防止対策を果たしてもらわなければいけないし、果たしているものだということで、そういう前提でやっているということでございます。
ですから、先ほど局長の答弁もあったように、特に昨年十一月以降の変異ウイルス、警戒の高まり等を踏まえまして、現在は、全ての国、地域から帰国する日本在住の乗員につきましては国際線乗務の都度検査が実施されている、これは事実です。
他方、ワクチンの接種については、PCR検査とワクチン、ちょっと違うと思うんですが、PCR検査については、そういうことでちゃんと実施されている、また、してもらわなければ困るということを航空会社に求めているし、それが実施されている。
ワクチンにつきましては、国の方針としては、これも、医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する者という優先が示されたところでございますけれども、特に国際線のパイロット等については、やはりそうしたリスクも大きいので、優先接種をしていただきたいという航空業界からの御要望もありますので、それは関係省庁にも伝えているところでございますので、それはしっかり引き続き要望していきたい、こう思っております。
○高橋(千)委員 今、ワクチンのことは、要望も出ているし検討してくださるということだったので、言いません。
それで、さっき厚労省から、最初にまず一般の、変異株の国から帰ってきた搭乗客がまず検査を行って、検疫所の指定する宿泊所で待機をするわけですよね。そして、三日後に再度検査を行って、それから、公共交通機関を不使用で十四日間自宅待機をするわけですよね。
ですから、同じじゃなくても、これに匹敵する検査が確実にやられているかどうか、そのことを確認する必要があると思いますが、いかがですか。
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども御答弁させていただきましたが、航空会社の乗員は、国境を越えて頻繁に往来をするということでございます。現在は、全ての国、地域から帰国する日本在住の乗員に検査を実施しているため、乗員は国際線の乗務から帰国するたびに検査をしていただいているという状況でございます。
また、航空会社におきましても、現地滞在中の外出抑制等の行動制限、例えば外出は不可とか食事はルームサービスにするとか、そういった行動制限を強化したり、また、帰国後も、十四日間経過するまでの乗員の健康観察、検温を定時にやるとか、そういったことを徹底をしているところでありまして、こうした取組によりまして、乗員の感染防止対策の徹底を図っているところでございます。
○高橋(千)委員 済みません、厚労省にももう一度伺います。
ここは、頻繁に往来するからという、いろいろな事情があることを理解するだけではまずいんです。それが、やはり不安を抱えてしまうわけですから、わざわざ一回目検査をしても、三日後にもう一度検査をする、その意味があるわけですよね、一般の搭乗客に対しては。
だとすれば、それは、外国にいたときは外に出ないかもしれないけれども、その外にいた人たちと同じ飛行機に乗っているわけですよ。だとすれば、これに匹敵する検査を、帰国のたびに一回やりましたではなくて、きちんと会社においてやるべきである、このことを、もう一回、国交省と調整をしていただけますか。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
航空機の乗務員等につきましては、国土交通省の指導の下、公共交通機関として航空便の運航に支障が出ないよう、航空会社の責任におきまして、外国滞在時の行動制限や帰国時の検査、健康観察などの一定の条件を遵守することを前提に、空港検疫での検査の対象外とする取扱いをしているところでございます。
乗務員につきましては、諸外国におきましても、同様に検査免除等の取扱いがなされていることが一般的と伺っておりますが、議員御指摘のとおり、コロナ禍におきましては、コロナの検査あるいは健康観察などはしっかりしていただけるように、我々からもお願いをしたいと思います。
○高橋(千)委員 ここはよく調整をし合って、お互いに責任をなすりつけ合わないようにお願いしたいと思うんですね。乗務員のことは国交省だ、国交省は、検疫は厚労省だというふうなことにならないように、しっかりとお願いをしたいと思います。
ちょっと、時間の関係で、順番を変えたいと思います。
タイ国際航空のことなんですが、昨年五月十九日に、破産法に基づき、つまり向こうの国のです、に基づき、タイ中央破産裁判所に申請した会社更生手続をタイ政府が承認をしました。
現在、更生計画を策定中なんですが、この一年間も、これはもう再生するということで運航はずっと続いているんです。そして、日本の支社で運航しているわけですから、日本の政府に対して雇用調整助成金の申請も行っております。
ところが、審査が保留されているんですね。もう一年間も就航している実態を評価して、助成することはできないのかと思うんですけれども、一般論でよろしいですので、お答えをお願いします。
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
まず、一般論として申し上げます。
雇用調整助成金を含む雇用関係助成金の取扱いといたしまして、助成金の支給申請日又は支給決定日の時点で倒産している事業主に対しましては、助成金を支給しないとしているところでございます。しかしながら、更生手続開始等の申立てを行った事業主であって、事業活動を継続する見込みがある者は支給対象とすることとされてございまして、その確認は、更生計画等の認定の結果が確定したことを示す書類により行うこととしてございます。
ただし、今申し上げましたこの取扱いにつきましては、国内の事業所につきまして、国内の法令に基づいて行われる申立てや認可等の手続を指すものでございまして、外国の法人が外国の法令に基づきまして行う手続に適用されるものではございません。
いずれにいたしましても、今申し上げました取扱いに基づきまして、適正に対応してまいりたいと考えてございます。
○高橋(千)委員 確認ができました。
外国の更生手続が、今の読み上げた雇調金の対象、いわゆる申立てが、計画が認定されるまでは保留だということには当たらないという意味だったと思いますので、これは厳正な審査をして、早い結論を出していただきたい、本当に待っていらっしゃるので、お願いをしたい、このように思います。
そこで、質問をまた戻しますけれども、航空機の乗員始めワクチン輸送に関わる従事者も極めて重要な役割を担っていると思います。
ワクチンはマイナス七十度の凍結状態で運ぶ、保存するということがテレビなどでも報道されて、いや、これは大変なことだなと思ったんですが、手引書を見ますと、一度解けちゃったものを再凍結したら絶対駄目とか、揺らし過ぎては駄目などというふうに書いてあるわけであります。そうすると、これを最後の接種するその場所まで確実に届けるということは極めて重要なことであると思います。
そういう意味で、接種会場までこのワクチンの質を担保し続け、かつ、セキュリティーに万全を負うという意味で、安全、確実なワクチン輸送のために、日本ではどのような取組や取決めを行っているのか、厚労省と国交省にそれぞれ伺います。
○宮崎政府参考人 まず、厚労省からお答え申し上げます。
現在、承認を得て接種に使われておりますワクチン、ファイザー社のワクチンでございますけれども、こちらにつきましては、委員御指摘のように、メッセンジャーRNAワクチンということで分解されやすいという特質がございまして、低温での保存、衝撃・振動の回避、光・紫外線の遮断などが必要ということで、運送に当たっても注意が必要ということで取り扱っております。
厚生労働省におきましては、自治体からの要望も受けまして、ファイザー社から基本型接種施設への超低温での配送を原則としつつ、ファイザー社とも相談の上で、接種体制の構築に当たって、必要な場合には一定の要件の下で小分けして、基本型接種施設から連携型接種施設等への冷蔵や冷凍で移送できる旨を自治体にお示ししているところでございますが、こうしたワクチンの具体的な移送条件については、委員御指摘のございました自治体向けの手引や自治体向けの説明会等におきまして、移送温度ごとの移送可能時間、保管可能時間、移送の際の留意事項、これらを丁寧にお示しをしているところでございます。
手引では、二度から八度で移送する場合、マイナス十五度からマイナス十度で移送する場合、あるいはマイナス六十度からマイナス十度で移送する場合、かなり細かく分けてお示ししているところでございまして、こうした移送の条件を踏まえて、それぞれの地域の実情等に応じた接種体制の構築を進めていただけるようにお願いしているところでございます。
○秡川政府参考人 接種会場までのワクチンの輸送なんですけれども、具体的には、国内でもそうですね、トラックとか航空機、船舶等の事業者を活用して行っていくということでございます。
このため、製薬会社とか自治体が輸送に関して不安を抱えているような場合に、事業者を所管する立場から、関係省庁と連携して、きめ細やかな対応をしているところでございます。
例えばですけれども、トラック運送業であれば、地方運輸局や各県の運輸支局に窓口を設置しまして、いろいろな疑問等に御相談できる体制を整えてございます。
引き続き、関係省庁や運送事業者と連携を取りながら、輸送力の確保に万全を期していきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 細かな契約は、それはファイザーとの関係でお話しできないことが多いとは思うんですが、今のお話、厚労省と国交省それぞれ答えていただいたように、大変な、ワクチンを守り届けるということは極めて緊張を強いられる重要な仕事だと思いますので、それに従事する方たちをしっかりと支えていくということは国交省の役割かなと思いますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。