国会質問

質問日:2021年 3月 12日 第204国会 国土交通委員会

JR支援法案 不動産開発は過剰投資

高橋氏指摘 衆院本会議で全会一致可決

 衆院本会議は18日、JR二島貨物支援法案を全会一致で可決し、通過しました。これに先立つ12日の国土交通委員会で、日本共産党は、JR北海道、四国、貨物への経営支援は必要だと法案に賛成し、問題のある支援策も含まれているとして、修正案を提案しました。

 高橋千鶴子議員は12日の衆院国交委員会で、JR二島貨物への支援は、安全確保やローカル線存続など鉄道事業に行われるべきだとしたうえで、今回の支援策に事業費2千億~3千億円ともいう駅前再開発とセットで建設予定の新JRタワー建設など不動産開発事業が含まれていると指摘。「過剰投資の危険、公共性の欠如、負債を生む恐れがある」として、取りやめるよう求めました。

 赤羽一嘉国土交通相は「大きなプロジェクトリスクを踏まえたもの」と認めつつ、「札幌市などとJRグループが事業組合をつくり実施しており、新たな赤字を発生させないと取り組んでいる」と根拠もなく答弁しました。

 高橋氏は、輸送密度の少ない路線(黄色線区)のバス輸送への転換を促している問題や、転換したバス運賃が鉄道時代の2倍になっている実態を示し、「2031年経営自立」という国の監督命令が赤字路線切り捨てをよしとしていると指摘。赤羽国交相は「黄色線区は、むやみに廃線するのでなく、何とか路線維持できないか」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月19日付より)


ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 JR北海道、四国、貨物、いわゆる二島貨物への財政支援の根拠となる国鉄債務処理法が今年度末で期限を迎えることにより延長が必要となっていること、理解をしております。
 資料の1にあるように、令和十二年度、二〇三〇年度までの延長、JR北海道、千三百二億円に及ぶ各種支援策が示されております。また、二〇一八年七月二十七日の国土交通大臣の監督命令により、二〇三一年度経営自立を目指す第一期集中改革期間として、二〇一九年度からの二年間、同法に基づく四百十六億円の財政支援が行われております。至上命題となる二〇三一年度の経営自立にそもそも無理があるのではないか、このように思います。
 民営化当時、JR九州と併せ、三島会社に経営安定基金を配分し、七・三%の高利回りを前提として、その運用益で営業損失を補うこととされました。今や、超低金利で利子収入は見込めないということでの、高めの利率を設定するという改正も含まれております。
 二〇二〇年三月期の連結売上高に占める鉄道運輸収入の割合は、北海道が四二%、四国が四六%に対し、九州は三四%にすぎず、駅ビル開発など不動産事業で収益を上げ、株式上場を果たしました。鉄道会社の経営自立とは、結局、不採算の鉄路を切り捨て、駅ビル経営など不動産事業で果たしていくことしかないのか。国は本来、公共インフラとしての鉄路を守る立場に立つべきではないのか、こういう視点で質問したいと思います。
 二〇一六年十一月十八日、JR北海道は、当社単独では維持することが困難な線区を発表しました。道内の全路線の約半分に当たる千二百三十七キロ、十路線十三区間をその対象とするもので、その内訳は、急に飛んで申し訳ありませんが、資料の四にありますが、これはJR北海道のパンフレットそのものであります。
 輸送密度二百人未満の線区を赤、これは留萌線と根室線が当たりますが、二百人以上二千人未満を黄色、既に話合いを始めている路線を茶色で色分けし、これらのトータルの営業損失は百五十三億円に上ると示されております。
 本法案は、これまでのJR北海道に対する支援を延長また拡張するものでありますが、これらの路線が維持、復活することにつながるのか、お願いします。


○上原政府参考人 お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、今回の支援は、平成三十年七月、国土交通省から同社に対しまして、経営改善に向けた取組を着実に進めるよう発出いたしました監督命令に基づいて、徹底した経営努力がなされていることを前提としたものでございます。
 この監督命令におきましては、鉄道よりも他の交通手段が適しており、利便性、効率性の向上も期待できる線区につきましては、地域の足となる新たなサービスへの転換を進めること、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区につきましては、JR北海道と地域の関係者が一体となって、持続的な鉄道網の確立に向け、二次交通も含めたあるべき交通体系や事業の抜本的な改善方策につきまして、徹底的に検討を行うこととしております。
 特に、今回の支援におきましては、委員御指摘の十路線のうち八路線、いわゆる黄色線区につきましては、その観光需要を取り込むため、北海道の第三セクター会社、北海道高速鉄道開発株式会社を活用した観光列車の導入といった新たな取組を進めることとしておりまして、道と一体で黄色線区を含む地域の公共交通の在り方について、地域と結束した対応を図ってまいります。


○高橋(千)委員 答えているような答えていないような気がしますけれども、当初、これが発表されたときは、本当にこの黄色い部分も含めて、赤だけでなくて、みんななくなっちゃうんじゃないか、この黒と茶色の部分しか残らないんじゃないかという指摘がされたわけであります。それが、国交省としてどうするのかということをもう一回確認をしたいんですね。
 二〇一八年七月二十七日、国交省は、JR北海道に対して監督命令を発出しています。今の資料の下のところにそのポイントが示されておりますが、今局長がお答えになった、「他の交通手段が適しており、利便性・効率性の向上も期待できる線区において、地域の足となる新たなサービスへの転換を進める。」こういうふうにあるわけですよね。
 それで、これは、国としては、赤線区にはもう鉄道ではなくバス輸送に切り替えるという趣旨なのかが一つ。それから、黄色線区、黄色については、大臣が繰り返し、できるだけ死守ということをおっしゃっているわけなんですけれども、昨年十二月にJR北海道が国交省と道と三者の会議で示した支援のお願い、これは資料にもつけてありますけれども、二枚目だったかにつけてありますけれども、この中には、黄線区は維持と書いているんですね。北海道が、維持したい、そして、アクションプランもやって、地域と一体となった利用を深めるということをやっている。ここに、じゃ、ちゃんと応えるものになっているのか、確認をしたいと思います。


○赤羽国務大臣 今、前半部分、おっしゃられているのは、鉄道よりも他の交通手段が云々というところは、いわゆる赤線区というふうな位置づけで、これまで、先ほどの鵡川―様似間の日高線も含めて、バスへの転換が決まったというふうなことがございました。
 他方で、いわゆる監督命令の中で、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区については、地域と一体となって利用促進やコスト削減の取組を行い、持続的な鉄道網の確立に向け、あるべき交通体系について徹底的に検討を行うこととしており、いわゆる黄線区については、こうした考え方を踏まえた上で関係者に議論をしていただいて、取組が行われているというふうに承知をしております。
 黄線区について私も発言しておりますが、むやみに廃線するという姿勢ではなくて、何とか路線を維持することができないのかとの視点で、地域任せではなくて、国としても、地域と協力し、地域に寄り添って、知恵を出しながら支援を行っていきたい。
 今回の法案におきましても、国と北海道と地元自治体が協力をして、先ほど答弁もありましたけれども、道の三セク会社を活用した観光列車の導入などの支援も講じて、新たな観光需要の取組等々を図りながら、総合的に活性化を図っていくように頑張っていきたい、こう考えております。


○高橋(千)委員 次のお答えの中で少し否定をしていただければいいと思うんですが、二〇三一年度の経営自立という大命題をやるためには、それはやはり切り捨てることも必要なんだというふうな国の指導が理由になっては困るんです。そのことをはっきりさせていただきたいと思うんですね。
 さっき道下委員も駅の話をしておりましたけれども、二〇二〇年の十月に、JR北海道は十八駅程度の廃止を打ち出しておりますよね。こういう形でやはり迫られてくるわけなんです。
 あしたが実はダイヤ改正になりますけれども、JR北海道は留萌線の減便を発表して、高校生が部活帰りの列車がなくなってしまうと声を上げて、道議会でも我が党議員が問題提起をし、申入れを行っておりました。私も本社に行ってきましたけれども、代行バスの運行と、通勤と通学定期はこれまでと同じ額でこのバスの利用ができるということの回答を得ております。
 一方、資料の六を見ていただきたいんですけれども、これは、日高線のバス転換に向けた沿線自治体との協議会に出された資料であります。先ほど荒井委員が提出した資料の一部でもあるんですけれども、これを見ますと、富川―苫小牧、通学定期は、一月分ですが、代行バス時代は一万四千九百八十円だったものが、代行ではなくバス転換を果たしてしまうと二万六千四十円に跳ね上がる。一番下の浦河高校から様似では、九千四十円が代行バス時代、それが一万八千三百六十円と倍額になってしまうんですね。
 だから、切り替わる瞬間はほぼ鉄道時代と同額といっても、バス転換を果たして、それが当たり前になってしまうと倍額と。これでは、余りにも負担が大きいのではないでしょうか。
 今回の法案で、JR北海道は、年約百五十億円の助成金を受ける。これを対象とする事業には護岸壁の新設や改築が例示されておりますが、これが日高線を指すと聞いております。
 つまり、資料の五に戻って、日高線の経緯をJR北海道は書いているんですね。そうすると、丁寧に協議をしてきたと読めなくもないんですけれども、実際は、二〇一五年の一月の低気圧で盛土が流出し、翌二〇一六年の台風で被害が拡大しているんです。それをずっと改修をしないまま廃線を決めてしまった。六年間も改修せず、鉄路も復旧しないまま廃止、バス転換になってしまった。
 これは、二つ問題があるんですね。利用者負担が倍になるのはやむを得ないのか。災害があれば、それをよいことに廃線を進むというのは、やはりあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。


○上原政府参考人 お答えいたします。
 新たなバスの高校生の通学定期運賃につきましては、JR利用時、これはJRによる代行バスでございますが、最大で倍程度、一・七倍から二・一倍程度値上がりすると承知をいたしております。
 これに対する激変緩和措置といたしまして、在学期間中の学生につきましては、廃止前のJR定期券と新たなバスの定期券の差額をJRが補償することとなっております。
 また、今回、代替バス計画が、JR北海道と各自治体との間で協定が結ばれておりますが、この沿線自治体におきましても、通学定期の利用者の負担が増えないように、定期代に対する補助を独自に実施するところもあるというふうに伺っております。
 さらに、JR北海道は、沿線七町に対しまして、当面のバスの運行費等といたしまして、十八年間で二十五億円を支援金として支払うというふうに伺っております。
 国土交通省といたしましては、こうした赤線区等につきましては、公共交通の活性化が図られるように、JR北海道あるいは地域と一緒に検討をしてまいりたいというふうに考えております。


○高橋(千)委員 後段の質問に対してはどうですか。災害を契機に廃線というやり方はおかしいと思いますが。


○上原政府参考人 お答えいたします。
 元々地域の公共交通として、特に鉄道の輸送密度が低くなっている、そういった路線につきまして、災害がございますと、これを復旧する費用、さらにはその後の路線の維持ということが大きな問題となります。
 国土交通省といたしましては、そうした対策を講じていくために、例えば、上下分離を自治体とした場合には、その補助率のかさ上げを図る、また、上下分離をしていただければ、その後の路線収支に改善が見られるといった取組を進めてきているところでございます。
 今回の件は、災害があった後、各自治体との間で協議が行われて、最終的にはこうした地域との合意が形成されたものと認識しております。


○高橋(千)委員 やはり、災害が契機に、六年間結局放置をされたわけですからね。どちらもできていないんですよね、改修もできていなければ鉄路も動いていない、こういう状態がこれからも起こっていくのでは駄目なんだということを繰り返し指摘をさせていただきたいと思います。
 最初の利用者負担のところも、こう答弁があったように、激変緩和措置でしかないわけですよ。だから、今の生徒を守るというだけであって、結局、これからはやはり、負担が増えたのが当たり前になってしまうということもちゃんと見て、公共交通という役割を果たすということをおっしゃっているんですから、それにふさわしいことを考えていただきたい。
 つまり、桁違いの支援を一方ではしているわけですよ。それで、十数億の予算ができないのだということが本当にいいのかということを改めて指摘をしたい、このように思います。
 それで、資料の7に進みます。
 現行でも鉄運機構による無利子貸付制度というのはあるんですが、それを廃止して、今回は、JRに対して貸付けを行う金融機関に対して利子補給を行うと言っております。それを行うのがなぜなのかということと、併せて聞きますが、ここにあるように、その利子補給をする対象として札幌駅前の新JRタワーの建設を念頭に置いていると思いますが、その事業費は幾らと見込んでいるのか伺います。


○上原政府参考人 お答えいたします。
 JR北海道及びJR四国の鉄道事業につきましては、将来にわたって非常に厳しい経営環境が見込まれることから、鉄道事業以外の関連事業を充実させることによって経営を改善させることが不可欠であると考えております。
 こうしたことから、利子補給という形で、鉄道事業のみならず、関連事業も含めて支援することができるよう、今回の法案で措置することとしたいと考えております。
 関連事業に係る資金調達に当たって、これまで行ってまいりました鉄道・運輸機構の無利子貸付けではなく、市中の金融機関からの借入れに対する利子補給を行うことによりまして、各プロジェクトの採算性について民間の視点から適切な審査が行われ、事業の健全性を高めるものと期待いたしております。
 今回の法案で無利子貸付制度は廃止をいたしますけれども、鉄道施設等の整備の支援は、新設する出資という制度により行うこととしておりまして、経営基盤の強化につきましては、無利子貸付けよりもより充実した形で実施することが可能になると考えております。
 国土交通省といたしましては、関連事業も含めて必要な資金調達が図られて経営基盤が強化されるよう、今回の利子補給制度も活用して、しっかりと支援をしていきたいと考えております。
 また、第二の点でございますが、札幌駅前の新JRタワーの建設につきましては、JR北海道グループの長期経営ビジョンにおきましても、開発、関連事業の拡大による事業構造の変革の一つ目の戦略の柱として、委員御指摘の札幌駅前の新JRタワー建設につきまして検討が進められているところでございます。
 お尋ねの事業費につきましては、このプロジェクトは十年後の北海道新幹線の札幌延伸に合わせて開業を目指すものでございまして、事業主体を構成するJR北海道グループや札幌市及び外部のパートナー等の関係者で協議中の段階であるというふうに承知をいたしております。


○高橋(千)委員 全くお答えになりませんでしたが、協議中の段階であるということで。私、本社に聞いてまいりましたので、二千億から三千億の事業だとおっしゃっておりました。
 それで済むかもちょっと分からないんですが、資料の8に昨年の八月六日付北海道新聞がついておりますが、これは駅ビルに二案あるということで、二百五十五メートルの案と二百メートルの案だというので、今ある日航ホテルが入っているJRタワーは百七十三メートルですから、更に高くなるということは間違いない。
 今お話しされたように、北海道新幹線札幌延伸に合わせたJR札幌駅南口の再開発事業、いわゆるバスタプロジェクトが既に進行しておりますが、その中心だと思いますし、その規模、内容、特に、タワーの核となる国際水準ホテルという、これはJRの資料にあるんですが、外資系を想定しているんでしょうか。そこら辺は幾らか決まっているんでしょうか。


○上原政府参考人 お答えいたします。
 JR札幌駅南口の再開発事業につきましては、令和元年十一月に、札幌市、JR北海道、JR北海道グループで構成される札幌駅交流拠点北五西一・西二地区市街地再開発準備組合を設立し、十年後の北海道新幹線札幌開業や札幌冬季オリンピック・パラリンピックを見据え、世界へつながる札幌の新たな顔としてふさわしい開発の実現を目指すこととされております。
 本事業では、委員御指摘のとおり、交通結節点の特性を生かし、バスターミナルの再整備や新幹線駅との連携を図るとともに、にぎわい、交流機能としての商業機能、宿泊機能を備えたホテル、道外からの本社機能を誘導する高機能オフィスなどの複合施設を目指していると承知いたしております。
 新JRタワー建設を含むこの再開発事業につきましては、二〇二九年度の開業を目指し、各プロジェクトの関係者で協議を行っているところであり、ホテルも含め、現時点では具体的な規模や内容について検討中の段階と承知いたしております。


○高橋(千)委員 大臣に伺いたいんですけれども、さっき局長は、経営改善のために不可欠だ、この利子補給が、そういうふうにおっしゃいました。
 ただ、JR北海道は、この事業を、北海道新幹線札幌延伸と冬季オリンピック・パラリンピック招致ですよね、まだ決まってない、を見据えた収益最大化というふうに位置づけているわけなんですね。
 本当にそうなんだろうか。これは、一歩間違えば、今の情勢の中で新たな負債を抱え込むことになるんじゃないか。そういうことも考えなきゃいけないと思うんですが、いかがですか。


○赤羽国務大臣 結構大きなプロジェクトですから、そうしたプロジェクトリスクも踏まえての決断だというふうに承知をしております。
 やはり鉄道ですから、先ほども申し上げましたように、利用客の増強というのはやはり不可欠であると思いますし、現実、今JRタワーが生み出している利益というのは大変大きいというふうにも伺っております。
 加えて、今回、この札幌駅前再開発事業に関しましては、プロジェクト自体は札幌市、またJR北海道グループを併せた市街地再開発組合が実施するということにしておりますし、我々の今回の支援の範囲は、JR北海道及びその連結対象のグループが拠出する資金が対象となっておるということでございます。
 この計画自体、平成三十一年四月に策定したJR北海道グループ長期経営ビジョンにおいて、この効果は二〇三一年度には千二百億円の売上げ、二〇一八年度と比較すると一・五倍を確保して、グループ全体の連結での経常利益の黒字化を図っていき、新たな赤字事業を発生させないこととしているというふうに承知をしております。


○高橋(千)委員 大きなプロジェクトリスクを持っているから、だからこそ決まらないんですよ、なかなか。だから、規模をもう少し見直そうかということが今議論されている、そういうことだと思います。本当に私は、これは、これまで議論してきた、JR北海道を本当に維持しなければ、だからちゃんと支援するんだという議論とはまたちょっと異質のものだということで指摘をしておきたい、このように思います。
 もう一点、違う質問をしたいと思います。
 青函トンネル、本四連絡橋に関わる改修費用の負担見直しが提案されているんですけれども、その考え方ですね。青函トンネル、本四連絡橋の維持の責任は、JR二島会社ではなくて鉄運機構が果たすという考えなのか。やはり青函トンネルは老朽化が心配され、もう三十年以上たって、大規模改修も必要になってくると思うんですね。そのタイミング、費用負担割合、内容の見極め、いつ、どのように行っていくのか、お答えください。


○上原政府参考人 お答えいたします。
 青函トンネルは、鉄道・運輸機構が保有し、JR北海道が維持管理の費用を負担いたしております。しかしながら、このトンネルは、いずれも昭和六十三年の開通から三十年以上が経過をいたしまして、老朽化も進んでいる中で、今後、抜本的、大規模な改修工事になっていくことが予想されております。
 一方、こうした負担はJR北海道にとって過大なものであることから、国鉄分割・民営化時には国が資本費を負担したことを踏まえまして、今回、青函トンネルのこうした工事に伴う更新費用等につきましては、支援としまして、鉄道・運輸機構が会社に対して負担することといたしました。費用負担につきましては、鉄道・運輸機構が負担をするという形になりました。これは、国鉄改革時に国が資本費を負担したことに整合を取っているものでございます。
 また、今後の大規模改修のタイミングということでございますが、これは、ほかの橋梁などは、不連続的に、何年かたったらどおんと大きな改修費になるというようなことがございますが、青函トンネルにつきましては、施設を保有している鉄道施設整備機構が、専門家の意見を踏まえながら、トンネル本体を含む施設の維持管理方法、これは、更新が必要となる施設の種類や更新の頻度、費用等につきまして、毎年検討を行って、その検討に基づいて毎年の維持管理費が算定され、それによって維持管理が行われているという、どちらかというと連続的に行ってきているものでございます。
 この毎年の維持管理が行われていれば、専門家の皆さんからは、鉄道の安全な走行に支障を生じるようなことはないというふうに聞いているところでございます。


○高橋(千)委員 今回、負担の見直しということで、鉄運機構がこれを見るんだということが明確にされたということは、大変評価をしたいと思っております。
 私、青森県議会にいましたので、青函トンネル供用開始のときは、貨物のレールと新幹線のという、三線軌条というんですけれども、三本のレールを走る、片道は走る、そういうふうな特殊な構造になっていることや、何しろ、海底の下百メートル、全長五十三・八五キロ、海底部分二十三・三キロ、ここを車両が走るという点では、もちろん本坑のほかに避難誘導路なども設置をしているわけですけれども、極めて複雑な環境になっているわけで、当然のことながら、大規模改修、メンテナンスにも莫大な経費がかかる。ここを、人命優先で、絶対に事故はあってはならないし、それが費用を惜しむようなことがあってはならないという思いで確認をさせていただきました。
 ちょっと、もう時間がなくなってしまいましたので、ここで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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