国会質問

質問日:2021年 3月 10日 第204国会 国土交通委員会

鉄道・住宅の耐震化 大雪被害支援

高橋氏 福島沖地震対策ただす

 日本共産党の高橋千鶴子議員は10日の衆院国土交通委員会で、2月の福島県沖地震による東北新幹線や住居の被害に対する政府の対策をただしました。

 同地震で、東北新幹線は電柱20本倒壊など約940カ所の被害が発生。東日本大震災以来、JRは橋脚などの耐震強化を行ってきましたが、電柱の耐震化完了は1万4000本のうち2000本にすぎず、倒壊した電柱は未完了のものでした。

 高橋氏は「電柱耐震化状況を報告させ、耐震化を早めるべきだ」と要求。赤羽一嘉国交相は「耐震補強計画の進捗(しんちょく)をフォロー(確認)する」と述べました。

 高橋氏は、住居被害について、福島県での災害救助法の応急修理や被災者生活再建支援法の活用状況を質問。内閣府の内田欽也審議官は「応急修理は福島市などで受付を開始した。被災者生活再建支援法は県内1市2町で適用があり、支援対象が拡大された中規模半壊世帯も19件で適用」と答弁。宮城県で災害救助法適用がない点は「県の判断」だと述べ、「発災直後から複数回にわたり適用を助言した」と答えました。

 高橋氏は、屋根瓦の被害で、国が来年度予算案に恒久的な改修支援制度を盛り込んだと指摘。耐風性能が不十分な屋根瓦等は、自治体が「地域防災計画」で区域指定すれば改修対象とすることを確認し、自治体への周知・徹底を求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月20日付より)

雪被害 自治体支援を

高橋氏が交付金活用提案

 日本共産党の高橋千鶴子議員は10日の衆院国土交通委員会で、大雪災害対策で政府の対策をただしました。

 高橋氏は、今冬の大雪被害について、左官や大工など高い所を怖がらない職業の人を登録させ「雪下ろし協力員」として集落ごとに除雪する秋田県東成瀬村の取り組みを紹介。防災安全交付金の活用などで自治体を応援できないかと提案しました。赤羽一嘉国交相は「防災安全交付金の活用は検討するが、各省と連携し、政府としてやらないといけない」と答えました。

 高橋氏は、大雪で高速道路など大規模な滞留が相次いだとして、高速道路会社が「立ち往生を把握しながら通行止めせず車両をその中に送り込んだ」「背景に物量を止めたくないという意識があった」と指摘し、改善策を質問しました。

 東日本高速道路(ネクスコ東日本)の高橋知道管理事業本部長は、謝罪するとともに「再発防止の緊急措置を講じる」と答弁。赤羽氏は、大雪時の道路交通確保対策は、できるだけ通行止めしないとしてきたものから「人命を最優先に切り替えた」と述べ、運転者に大雪時に無理な運送をさせないよう「荷主団体に理解と協力の要請を行った」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月21日付より)


ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 明日で東日本大震災と原発事故から十年を迎えます。改めて、犠牲になられた皆さんへ心から哀悼の意を表するとともに、被災された皆さんへのお見舞いを申し上げます。
 二月十三日深夜に発生した福島県沖地震では、震度六強というのが十年ぶりの強さでもあり、また、長く続く揺れ方が大変似ていました。東日本大震災を思い出した方が多かったと思います。
 資料の一枚目ですけれども、東北新幹線の電柱が倒れ、全線が再開したのは二十四日でした。今まだ減速をしての運転をしておりますけれども。資料で見ますと、電柱被害が二十本、金具などの損傷が約五百五十か所、トータルで約九百四十か所も被害があったということに驚きました。
 東日本大震災以降進めてきた耐震化が未完了だったと聞いています。どのような計画だったのか。また、その計画どおりであれば、今回の倒れた電柱は、耐震化を完成させるのはいつであるのか、伺います。


○上原政府参考人 お答えいたします。
 今回の地震によりまして、東北新幹線では二十本の電柱が折れるなどの被害を受けたところでございます。
 東日本大震災を受けまして、国土交通省では耐震基準を強化し、これに基づき、JR東日本では、東北新幹線の高架橋、橋脚等の土木構造物の耐震補強を実施し、おおむね完了していたことから、今回の地震によって土木構造物に大きな被害は発生いたしませんでした。
 一方で、電柱につきましては、東日本大震災での被災地など、エリアを決めて重点的に耐震補強を進めており、令和二年末までに、東北新幹線高架橋のコンクリート製の電柱約一万四千本のうち、約二千か所の補強が完了していたと承知いたしております。これらにつきましては、今回の地震で被害は発生しておりませんが、折れた電柱二十本は補強工事が未着手のものでございました。
 なお、土木構造物につきましては、一たび被災をすれば人命や長時間に及ぶ輸送障害につながるものですから、耐震補強の進捗状況についても国も報告を受けておりましたが、電柱や車庫設備など、耐震補強の進捗状況は報告を受けておりませんでした。
 お尋ねの電柱の耐震補強計画につきましては、現在、JR東日本で、エリアを含めまして見直しをしている状況でございます。現段階では、完了時期についてお答えすることは差し控えたいと思います。


○高橋(千)委員 阪神・淡路大震災のときに、やはり橋脚などが大分壊れまして、そのときに耐震化の見直しを行ったことがありました。私もそのとき、よく記憶しているんですけれども。
 今回は、東日本大震災を受けて、また耐震化の強度を図ってきたと。ただ、今、御報告がありましたように、電気系統については未完のところが多過ぎるわけですよね。一万四千本のうち二千、完了しているということでありました。
 今、お答えにはなかったんですけれども、事前に聞いたときに、当該の今回倒れた電柱が、予定どおりやっていれば、耐震化が済んでいたのは二〇二八年だというふうに聞いておりました。そうすると、当然、それまでの間にまた大きな地震、ない方がいいに決まっていますけれども、あり得ることは予想しなければならない。しかも、報告を受けていないシステムになっていると。ここを変えなければならないんじゃないかと思っています。
 そこで、大臣に伺いますが、今、指摘をしたような、電気系については進捗状況の報告を受けるスキームになっていないと。この際、この点を見直しをして、全体計画と進捗状況を報告をさせて、早めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。


○赤羽国務大臣 電柱の補強というのは、工事ができる時間帯が極めて限られているという制約上があること、これはよく御承知だと思いますが、本来であれば、JR東日本という大会社ですから、そうしたことは、報告云々にかかわらず、ちゃんと早期の実現をしてもらいたいというふうに思いますが、今回のこともございますので、耐震補強計画の見直しについてしっかり指示をしたところでございます。
 国交省といたしましても、耐震補強の進捗状況をきちんとフォローするようにいたしまして、できるだけ早期に耐震補強を完了し、御利用の皆様に御不便をかけないように、JR東、しっかり指導してまいりたいと考えております。


○高橋(千)委員 今のはフォローという表現でしたけれども、報告を受けるようにするというふうに受け止めてよろしいということですよね。今、うなずいていらっしゃると思います。
 確かに、大会社だからというお話でありましたが、その大会社を支援する法案がこの後出てくるわけですから、そう簡単な話ではないと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、住居の被害でありますけれども、福島県では、全壊二十四棟を含む三千三百四十七棟が被害がありました。
 災害救助法を適用しましたので、応急修理の活用が期待されると思います。また、先般改正された被災者生活再建支援法では、中規模半壊という形で支援の対象が広がりました。これで救済範囲が広がれば喜ばしいことだと思っておるんですけれども、周知あるいは活用はどうか、内閣府に伺います。


○内田政府参考人 お答えいたします。
 現在、福島県内では、三月八日時点で約五千六百棟の住家の被害認定調査が完了するなど、順次、被害状況の把握が進められているところでございます。
 災害救助法に基づく応急修理や被災者生活再建支援金につきましては、既に福島市などにおいて受付が開始されているところでありまして、福島県において被災者支援制度ガイドブックを作成し、ホームページに掲載するとともに、福島県耐震化・リフォーム推進協議会において被災者からの相談体制を整備し、二月の十六日から相談受付を開始するなど、被災者への周知を行っていると聞いているところでございます。
 また、被災者生活再建支援法につきましては、現時点で三市町、福島市、桑折町、新地町でございますが、において適用されておりまして、昨年の改正により支援金の支給対象として追加されました中規模半壊世帯も、三月八日時点で十九世帯、福島市が十五世帯、桑折町が四世帯でございます、十九世帯あると聞いておりまして、これらの世帯も支援金の支給対象となると考えております。
 引き続き、これらの支援制度の周知に努め、被災者の生活再建に万全を期してまいります。


○高橋(千)委員 十九世帯だけれども、新しく対象になるところが出てきたという御報告でありました。周知を徹底していただきたいと思っております。
 ちょっと済みません、通告にないんですが、追加して伺いたいんですが、残念ながら、宮城県は災害救助法の適用がありませんでした。県に対して地元の議員たちは求めていたんですけれども、決断がされていないということで。ただ、実際には、福島県と宮城県は隣り合っているところもあって、被害の程度がほとんど同じなのに支援が分かれてしまうという残念なこともあるんですよね。
 そういうときに、自治体が今おっしゃった支援法と同様の制度をつくった場合には、交付金で支援をするということも、総務省の分野ですけれども、支援をすることもできるということでは、当然そうなっていますよね、確認だけ。


○内田政府参考人 お答えいたします。
 被災者再建支援制度につきましては、都道府県が相互に資金を出し合いまして、いわば相互扶助として行われている制度のところもございますので、あるいは災害救助法につきましても、一定の要件があって適用がされているところでございます。
 まず、災害救助法につきましては、私ども、地震の発災直後から、宮城県に対しましては複数回にわたりまして、災害が発生し、多数の者が生命又は身体に危害を受け又は受けるおそれが生じた場合であって、避難して継続的に救助を必要とする場合の災害救助法の適用について助言を行ってきたところでございますけれども、宮城県の方の判断として、救助法の適用をする状況には至っていないということだったと聞いております。
 また、支援金につきましては、委員御指摘のように、国の制度と同様の制度につきまして、自治体が独自に制度化した場合には、交付税の対象とされる制度があるところでございます。


○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 宮城県にも助言をいただいたということで、ちょっと残念なことではありますが、自治体が、県ではなく市町村が判断をして同様の制度を取り組んだときには、交付税という形で支援をできるということが確認をされたと思います。
 とはいえ、宮城も福島も一部損壊が圧倒的に多いわけです。災害救助法の適用されない宮城県でも、県南地方を中心に被害が大きく見られるんですが、そこで、一点、提案をしたいのは、二〇一九年の山形県沖地震や千葉などの台風十五号で、屋根瓦の被害に対する支援制度をつくりました。社会資本整備総合交付金の活用、資料の2でつけておりますが、これが来年度の予算から恒久的制度として提案をしていると承知をしております。その趣旨と補助率などの内容を説明してください。


○和田(信)政府参考人 令和元年の山形県沖を震源とする地震や、同じく房総半島台風では、住宅等の屋根に多数の被害が発生いたしました。
 特に多数の被害が発生しました房総半島台風の屋根被害につきまして、国土技術政策総合研究所等により実態調査を行い、調査結果を踏まえて、昨年十二月に、新築の建築物に対する屋根瓦の緊結、これは屋根瓦を家屋に固定することを緊結といいますが、緊結に関する基準を強化したところでございます。
 あわせて、既存の住宅・建築物の屋根を新基準に適合するような改修を促進するため、住宅・建築物の屋根の診断や、その診断結果を踏まえた改修に対して、新たに防災・安全交付金等により支援を行うこととしたところでございます。
 具体的には、住宅・建築物の所有者等が屋根を新基準に適合させるための改修等を実施する場合、改修に要する費用の二三%を国と地方で支援することとしてございます。


○高橋(千)委員 今お話あったように、国と地方で二三%。ただし、地方が更に上乗せするのは構わないと思うんですね。一一・五%の補助率というのは、もう少し頑張れないかなという気持ちもあるんですけれども、まずそれが制度化されたことを歓迎したいと思いますし、実際に、例えば山形県沖地震のときに、鶴岡市でやはりこの制度をつくったんですけれども、三十万円以上の修繕に対して二割の補助をする、これは社会資本整備交付金を使っているんですけれども、二〇%補助してマックスが四十万。これに対して、六百五十棟の屋根瓦などの被害があったのに対して、四百十二件の利用があったと聞いております。
 また、お隣の新潟県の村上市でも同様の制度をつくって、五百四十六件の被害があったのに対して百六件の適用があったということでは、やはり補助率が若干、もう少しと思いつつも、活用ができるんだということでは大いに宣伝をして、励ましていければいいかなというふうに思っています。今回も使えればいいなと思っています。
 あと、この資料の中にあるように、基準風速が三十二メートル毎秒ということで、結構ハードルが高いのかなという心配もあります。
 例えば、宮城、福島などは基準風速が三十メートルだということなので、その際も地域防災計画できちっと位置づければよいのだということで確認をしたいのと、周知徹底をお願いしたいと思いますが、もう一言。


○和田(信)政府参考人 お答えいたします。
 今回の福島県沖地震でも瓦の被害を受けている家屋、これが結構出てきているとお聞きしてございます。
 こうした瓦の被害を受けている住宅・建築物につきましても、新基準に適合していただくよう改修する際には、先ほど申しました事業を活用できることを地方公共団体に既に周知しているところでございますし、今後とも、お問合せ等ありましたら、丁寧に対応してまいりたいと思います。
 また、風速三十二メーター以上の区域、これだけだとなかなか厳しいんじゃないかというお話でございます。
 エリアの要件として、おっしゃられたように、地域防災計画等で公共団体が指定する区域というふうにつけてございますので、例えば今回の福島県沖地震で被害があった地域においても、自治体の方でしっかりと計画的に、こういったところは改修をしっかりすべきところである、危険なところであったということで指定していただければ、私どもの方で、先ほど申しました事業でしっかりと支援をさせていただきたいと思ってございます。


○高橋(千)委員 確認をしました。ありがとうございます。
 次に、大分落ち着いたとはいえ、今冬の大雪被害、大変大きかったです。一月七日からの大雪では、秋田、新潟、富山、福井県の二十二市町村に災害救助法が適用されました。党としても防災担当大臣を通してパッケージでの支援策を示すよう求めてきたところでありますが、赤羽国交大臣も、道路の除雪費補助ですとか特例措置、早期に指示をされた、もちろん現地に足を運んで指示されたこと、承知をしております。
 総務省での特別交付税の前倒しや、農水省のハウス被害などへのパッケージ支援など、それぞれ対応いただいたことは承知をしております。感謝しています。
 問題は、個々のお宅の屋根雪などが尋常でない量であったことや、生活道路の確保ですね。通学路が子供一人通る分しか道がないほど雪が積もっていたのも久々の光景でありました。雪下ろし中の死亡事故や雪の重みに潰されての建物倒壊なども起こっております。
 秋田県は今回、雪で災害救助法の適用になった。雪で適用になったのは、実は秋田県としては初めてのことでありました。菅総理の地元である県南地方が一番多かったんですが、自衛隊に出動を要請しました。
 人口二千五百一人の東成瀬村では、村長さんいわく、年越し前に雪下ろしを二回もやったのはまずなかったことであるとおっしゃっていました。自衛隊員が三日間屋根の雪下ろしをやってくださって大変感謝をしているということで、感謝状を持参したところ、連隊長が、自分たちが帰った後もまだ雪が降って大変気の毒に思ったと涙ぐんでくれたとおっしゃっていました。
 それで、何か村としても取り組んでいることはないかとお聞きしたんですが、村では、左官さんや大工さんなど高いところを怖がらない方に登録をしてもらって、雪下ろし協力員を集落ごとに配置をしています。協力員が班をつくって一斉に集落を除雪して回る、これに単独の助成をしているわけですけれども、高齢化もあって、七十人いた協力員が今二、三十名までなっているということであります。
 それで、実際に、全国、人手不足というのが大きな課題でして、高齢者や障害者などに対して支援策をやっている自治体も確かにあります。でも、人手が足りないので、頼んだけれども、青森の場合は一月待ってくれと言われて、それじゃ雪解けちゃうよみたいな、そういうことが実際に起こっているわけなんです。
 そうすると、今言ったように、元々高いところを得意とする仕事みたいな、そういう方たちを生かすことに自治体が活用した場合に、登録制度みたいにやった場合に、防災・安全交付金を活用するなどということで応援できないかということの質問です。


○赤羽国務大臣 今回のように短時間で急激に大雪になったところというのは、いわゆる豪雪地帯と比べると、やはり比較的弱くて大変だったというふうに現地でお話を聞かせていただきました。
 確かに、家が高齢者しかいないので誰もできないとか、我が党の井上副代表、実家が富山なんですけれども、誰も住んでいないのでおいっ子に頼んだとか、そうした状況がたくさんあるというのは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、工夫というのは、今国交省でできることは、この雪処理の担い手不足という課題に対して、除雪ボランティアセンターなどの組織づくりですとか、ボランティアと地域をつなぐコーディネーター育成による担い手確保、また、雪下ろしの安全対策等を促進するためのそうした取組に対して支援を行うという、こうしたことはやっているんですけれども、今ちょっと防安交付金ということは、多分その程度のことは、総務省の特別交付税での措置ですとか、あるいは過疎対策事業債を活用するということで対応しているというふうに承知をしております。
 いずれにしても、今回行ったときにたまたま、たまたまではないんですけれども、小此木防災担当大臣がその前に入りまして、私も現地を見ていて、これはやはり総務省と国交省と農林水産省と防災担当大臣とで、しっかり政府としてやらなければいけないということで、そうしたことはすぐ共有して、過不足ないように、予算面で、高橋さんの提案はちょっと検討しますけれども、いずれにしても、政府の中で対応をしっかりさせていただきたいと思います。


○高橋(千)委員 ありがたいと思っています。といいますのは、大臣がお答えの中にお話があったとおり、やはり屋根雪の重みで建物が倒壊しちゃうわけですよね。そういう意味では予防対策にもなるということで、考え方をやはり整理していく必要があるんだと思うんです。
 実は自治体では、今言った青森なんかでは社協が窓口になっているんですけれども、実際に厚労省と総務省と国交省に集まってもらって、その屋根の雪下ろし対策ね、何とかと言ったときに、どこも自分の所管じゃないとおっしゃったんですよ。そうすると、結局、問題意識はあるんだけれども制度としてできていかないということがありますので、是非、大臣おっしゃってくださったように、横連携で少し議論をまとめていってくださることを期待したいと思い、お願いいたします。
 さらに、今冬は高速道路などでの大規模な滞留が相次いで起きました。資料の三枚目ですが、十二月十六日から十九日まで、最大時約二千百台の車両が滞留した関越自動車道の状況であります。
 これは、右側から上り車線で千七百五十台、下り車線は三百五十台。このきっかけとなった大型車のスタック、これは赤のバッテンがそれぞれについています。実はもう一つ、紺のようなバッテンがついているんですが、これは国道十七号線でありました。
 時系列で見ていくと、十六日の日中のうちに国道十七号線で断続的に立ち往生がもう発生していた、日中に。十七時五十二分には上り車線で大型車がスタック。下り車線は二十二時三分なんですよね。実際に通行止めが開始されたのは翌朝の五時四十分です。あれっと思いますよね。
 とんでもない大雪だったのはよく分かりますが、だけれども、立ち往生を把握していながら、国道と自動車道と両方止めたくなかったのか、そのまま、立ち往生の中に車を新たに送り込んでいった状態が続いたわけです。
 資料の4が、事実関係、原因、今後の対応ということで整理をした資料ですけれども、真ん中のところを見ていただくと、当初NEXCOは自社のみで対応しようと考えていたために県防災局への支援要請が遅れた、整備局は備蓄食料をプッシュ型で送ったが、配布のための人員は要請がなかったため派遣しなかったと。これもちょっと驚く内容ですけれども、そういう対応だったということであります。
 そこで、本日はNEXCO東日本にも出席をいただいておりますが、率直に、なぜこうしたことが起こったのか、反省と再発防止について伺いたいと思います。


○高橋参考人 お答え申し上げます。
 昨年十二月の大雪に伴いまして、関越自動車道において約二千百台もの大規模な車両滞留が発生し、二日以上も通行止めとなりました。長時間にわたり車内で待機いただくなど、大変御迷惑をおかけしましたことを、改めておわび申し上げます。
 今回の関越道における事象は、関越道において立ち往生が発生していたものの、順次排除できるのではないかというふうに考えていたことに加えまして、先ほど先生からございましたように、並行する国道十七号が通行止めになっていたために、同時通行止めを避けようというふうに考えまして、関越道の通行止めのタイミングが遅れたということが大規模な渋滞の発生の要因の一つであると考えております。
 今回、大規模な立ち往生が発生したことを踏まえますと、以下のような課題があったと認識しております。まず一点目として、大雪が予想される際の事前の情報提供の在り方でございます。二点目が、早期通行止めと集中除雪の実施でございます。それから三点目といたしまして、車両滞留発生時の情報の正確な把握と関係機関との連携体制の構築でございます。そして四点目として、滞留に巻き込まれた方々への支援物資、それから情報提供の在り方でございます。
 このため、当社は、国土交通省北陸地方整備局、それから新潟県警とも連携いたしまして、緊急会議を開催いたしました。その結果、昨年十二月二十五日に、今後の対応について取りまとめたところでございます。
 取りまとめました内容には、まず、関係者が連携して、タイミングを逃さず予防的通行止め、集中除雪をちゅうちょなく行う、それからカメラの増設、巡回体制の強化、スノーモービルやドローンの活用による正確な状況把握を行う、自社の人員体制を確保するとともに、対応が難しい場合には速やかに判断して関係機関等への支援要請を行う、それから、あらゆるチャンネルを活用して外出自粛や滞留者への情報提供を強化するなどのことが盛り込まれたところでございます。
 当社といたしましては、この取りまとめを踏まえまして、再発防止を具体化して実施しておりますが、現在、国土交通省において検討されております、大雪時の道路交通確保対策中間取りまとめ、この改定も踏まえつつ、必要な改善を図ってまいる所存でございます。


○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 時間の関係で、大臣に残りの質問をまとめて伺おうかなと思います。
 私、青森ですので、もちろん、ホワイトアウト、何度も経験がございます。関越道の報道があったときに、本当は青森だったら高速道路をすぐに通行止めして一斉に除雪するから大丈夫なのよねとしゃべっていたんですよ。そうしたら、その後、宮城県大崎市の事故がありまして、あら、もはやそうではないのかというふうに非常に残念に思ったことがございました。
 今、答弁の中にありましたように、国交省の中で冬期道路交通確保対策検討委員会、これは二〇一八年の五月に中間取りまとめを公表されておりますが、その後もまた同じような事案が続いているということで、今冬の事案を受けて改定を行っていると承知をしています。その最大のポイントを伺いたいのと、私自身が思うのは、やはり滞留が起こりつつあることを認識してからもなかなか通行止めを行わない背景に、物流を止めたくないという意識があったのではないかと。やはり早期に判断して除雪作業を徹底することが、結果としては大事故を避け、早い解決につながると思います。ただ、そのためには、やはり荷主の協力が絶対なければ駄目だ、理解も必要だということで、その点についての国交省の決意も伺いたいと思います。


○赤羽国務大臣 荷主の協力がないと難しいというのは、もうおっしゃるとおりでありまして、無理して運んでいくということがトラブルの原因になっているということでございます。
 こうした観点から、一月二十八日に、経産省、農水省、これは荷主の所管省庁とともに、関係の荷主団体千以上につきまして、要請を行わせていただきました。大雪の緊急発表ですとか通行止めの情報というのを、事前にその情報を荷主の方々に迅速に周知をして、理解をしていただいて、適切な対応に御協力をいただく、こうした連絡体制を構築することといたしたところでございます。
 今の、大雪時の道路交通確保対策につきましては、これは改めてなんですけれども、人命を最優先にということと、幹線道路上で大規模な車両滞留を徹底的に回避するということを基本的な考え方として、やはり早め早めの判断をする、それは人命最優先、トラブルを回避するということに尽きるかと思います。
 ちょっといろいろ、大部でありますので、そうしたことをまとめているということでございます。


○高橋(千)委員 ありがとうございます。やはり物流のネットワークを維持するということが最優先であったことが、今、人命最優先だというふうに観点が変わったということが、やはり一番大事なことなのかなと思っております。
 いっぱいしゃべりたいことがあったんですが、時間の関係で、これで終わりたいと思います。
 続き、またお願いします。

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