国会質問

質問日:2020年 11月 27日 第203国会 国土交通委員会

GoTo一時停止を 気象庁HP広告問題

高橋氏に国交相「重く受け止め」

衆院国土交通委

 赤羽一嘉国土交通相は27日の衆院国土交通委員会で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が「Go To トラベル」をめぐって感染拡大地域からの出発分も含めて一時停止にするよう求めた提言について「重く受け止め、適時適切に対応するべく検討する」と答えました。日本共産党の高橋千鶴子議員への答弁。

 高橋氏は、新型コロナの重症者数が過去最高を記録するなど感染が急速に拡大し、コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家組織からは「このままの状況が続けば、通常の医療では助けられる命が助けられなくなる」との指摘も出ていることを強調。政府の分科会も踏み込んだ提言をだしたことをあげ、政府の対応をただしました。

 内閣府の赤澤亮正副大臣は「臨機応変に財政支援や総合方針を的確に出し、メリハリの利いたものをやる」と答弁。赤羽国交相は「(感染拡大地域を対象にした『トラベル』を)絶対に停止しないことはない」と答えました。

 高橋氏は、1・1兆円の「トラベル」給付金予算額のうち配分済みは約6割の7000億円ほどであることを明らかにさせた上で、「残りの予算は都道府県にトラベル交付金と位置づけて配分すべきだ」と主張。自粛を求める代わりの補償や県内旅行のための補助などに使えるようにすることを提案しました。
(「しんぶん赤旗」2020年11月28日付より)


気象庁HP 広告やめよ

高橋氏 予算を増やすべきだ

 日本共産党の高橋千鶴子議員は27日の衆院国土交通委員会で、気象庁が9月15日にホームページ(HP)への広告を掲載したものの、翌日に基準違反の広告が発覚し、掲載中断に追い込まれた問題で、広告掲載をやめるよう求めました。

 高橋氏は「10カ月のHPアクセス数は、国交省の13億回に対し、気象庁は68億回もある。災害時などアクセス数が集中する際にHPが重くなる支障もある。気象庁の年間予算は600億円前後で、アベノマスク配布の予算を若干上回るにすぎない。広告掲載はやめ、気象庁予算を増やすべきだ」と求めました。

 赤羽一嘉国土交通相は「広告掲載でアクセスできなくなるのは本末転倒で、あってはならない。予算を潤沢にしたいという思いは強い」と応じました。

 また高橋氏は、気象庁が1953年から続けてきた、植物の開花や生物の初鳴き等を観測する「生物季節観測」を大幅に縮小する問題について、「生物多様性や気候変動が問題となる中、動植物のデータを残し、人間の五感でとらえる微妙な変化の観測は残すべきだ」とただしました。

 赤羽氏は「地域の歴史的特性に人がかかわるのは非常に重要だ。予報官の人的知見も活用したい」と答弁しました。
(「しんぶん赤旗」2020年12月1日付より)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 気象庁のホームページを開きますと、トップページの右肩に広告枠という表示がありまして、広告が表示される場合があります、ふぐあいではございませんと不思議な書き込みがあります。ことし九月十五日からウエブ広告の掲載が始まりましたが、翌日に基準違反の広告が発覚したとして掲載を取りやめてから二カ月、この空白の枠のままであります。
 七月六日に発表された広告募集を見ますと、見る人によって掲載の内容が違う、いわゆるカスタマイズ広告であること、虚偽又は過大広告、宗教団体や政党の宣伝などを除けば何でもありという印象を受けました。それでも不適切、基準違反というのはよほどの事態だなと思ったわけであります。
 一体、具体的にどのような点で不適切となったのか、今後どうする考えか、端的にお答えください。

○関田政府参考人 お答えいたします。
 気象庁のホームページへのウエブ広告掲載の取組につきましては、一定程度の広告料収入が見込むことができ、これをホームページの運用経費に充当することで行政コストの軽減が期待できるということから実施するということをさせていただいたものでございます。
 実施に当たりましては、ホームページへの適切なウエブ広告掲載のため、広告掲載基準を定めまして運用することといたしました。具体的には、法令違反、虚偽や誤認、誇大広告や有利誤認等のおそれがない広告に限り掲載することができるとしたところでございます。
 この広告掲載基準に基づき、ただいま委員から御指摘ありましたとおり、本年九月十五日十四時からウエブ広告の掲載を開始したところでございますが、広告掲載開始後に、一部ウエブサイトにおきまして、誇大広告のおそれがあるなど、広告掲載基準に沿わない広告が掲載されました。このため、広告運用委託事業者が該当する広告を個別に掲載停止するなどの対応を行いましたが、このような基準に沿わない広告が掲載された原因についてしっかりと調査する必要があると判断いたしまして、掲載開始翌日の九月十六日十時にホームページへのウエブ広告の掲載を全て停止したところでございます。
 気象庁といたしましては、今般のような事案が二度と発生することがないよう、現在、不適切な広告掲載に至った原因の究明や、それから再発防止策について調査、検討を行っているところでございます。

○高橋(千)委員 十分予想された事態ではあると思うんですね。だけれども、翌日にこうした問題が発覚するということ、そのこと自体が本当に問われるんじゃないかと思います。
 気象庁のホームページは、省庁が運営するホームページの中でもとりわけアクセス数が多いと思われます。それを具体例と比較してお答えください。また、その理由をどう捉えていますか。

○関田政府参考人 お答えいたします。
 気象庁ホームページのアクセス数でございますが、平成三十一年三月、これは昨年の三月でございます、昨年の三月から昨年末までの十カ月間で約六十八億回のページビューがございました。
 それから、比較としまして、国土交通省のホームページでございます。これには、観光庁、海難審判所、運輸安全委員会、国土交通政策研究所が含まれておりまして、海上保安庁と気象庁は含まれていないものでございますが、この国土交通省のホームページについて、同様の期間、昨年の三月から昨年末の十カ月間で約十三億回のページビューがあったというふうに伺っております。
 気象庁ホームページのアクセス数が多い理由につきましてですが、これについての客観的なデータはございませんので、はっきりしたことをお答えするのは難しいところでございますが、気象庁ホームページでは、日々の生活に御利用いただいている天気予報や週間天気予報、あるいは地震や大雨などの防災情報などを掲載しておりますので、日常的にアクセスしていただいているためというふうに推測しているところでございます。

○高橋(千)委員 国交省の全体の窓口が十三億回に対して、気象庁は六十八億回。一日、約一千八百万ページビューになるわけですね。それだけやはり天気予報というのは身近に、国民が誰でもアクセスできると同時に、やはり防災情報というのが非常に貴重な役割を果たしている。だからこそ、気象庁が広告を募集すれば、その効果があるということで、いろいろな人たちが、いろいろな媒体がこれを狙ってくるというのは当然予測される事態でもあった。しかし、本当にそれでいいのかということをやはり考えるべきだと思うんです。
 交通政策審議会の気象分科会の議論の中では、広告という点では民業圧迫にならないかという指摘もありました。文脈としては、これは受益者負担を提起してそのセットで議論されているので、民間気象会社から批判が出るのも無理からぬ話だと思います。
 また、避難情報などアクセスが集中する際にホームページ自体が重くなる。今だってアクセスできなくなるという事態が起こっているわけですよね。そういう意味でも、やはりどうなのかということが問われると思います。
 運営費、大体二億四千万円、これは広告収入で賄うという計画でありましたけれども、それをわざわざ広告収入でやらなきゃいけないことなんだろうか。気象庁の年間予算は六百億円前後なんですね。アベノマスクを一回配付した分で年間予算が賄えるわけです。これはちょっと節約し過ぎじゃないですか。
 大臣、広告掲載はやめて気象庁の予算をもっとふやすべきだと思いますが、いかがですか。

○赤羽国務大臣 なかなかふやせない過程があったからこういうことをやっていたのではないかというふうに、行政コストの軽減が期待できることは何でも、こういうことだったと思います。私も、これを最初聞いたときに、一応いろいろ確認して非常に責めたんですけれども、官房長が見るに見かねて、余り、ちょっと背景があるのでという、まあここで言うような話じゃありませんが。気象予報じゃなくて、そうした予見性がちょっと足りなかったんじゃないかと。
 ですから、答弁として申し上げたいのは、まず肝心なことは、ウエブ広告の掲載によって何か重くなってアクセスできないというのはまさに本末転倒ですから、そんなことがあってはならない、これはもう明確にしておきたいと思いますし、このことで、交通政策審議会気象分科会の御指摘、民業圧迫にならないかという、そうした懸念が提示されたことについてはしっかりとクリアしなきゃいけない、これも申し上げたとおりです。
 同時に、今、これだけ激甚災害が頻発化する、また線状降水帯の予報というのは非常に難しいという中で、高齢者の皆さんが安全に避難していただくためには、やはり気象の予報の精度を上げるというのは非常に重要なことだというのは、これはもう省内でも指摘しているところでございまして、今、令和三年度の概算要求に向けて、線状降水帯の予測精度を向上するための必要な予算を要求しております。
 その中で、例えば線状降水帯の原因となる洋上の水蒸気の観測能力を高めるために、画期的なんですけれども、省庁というか役所を超えて、海上保安庁の測量船四隻に高度な観測機器を設置するための予算を盛り込んだり、これはもちろん気象庁の観測船も二隻ございますので、そうしたオペレーションもするというようなことも今要求をしているところでございます。
 いずれにしても、私も、気象庁の予算をもう少し潤沢にしたいというふうな思いは強くしておりますので、与野党を超えて皆さんからの御支援もいただければ大変ありがたいと思っております。

○高橋(千)委員 精度を上げるということは必要なことだと思います。ただ、今大臣おっしゃったように、激甚災害などの最中あるいはおそれがある、そういう緊迫したときに、開いてみたら全然関係ないコマーシャルが載っている、それがどうなのかということも含めてやはり検討していただきたいと思います。
 資料の1を見ていただきたいんですが、今月十日、気象庁は、一九五三年から半世紀以上続けてきた生物季節観察について、動物は全廃、桜の開花など六種目九現象に絞るということを発表しました。
 資料の2は日経新聞の二十二日付社説ですが、「気象庁の動物観測は無意味か」という見出しは、これは関田長官の意味がなくなったというコメントに応じた見出しと思われます。三段目の七行目から読みますけれども、「ホタルやカエルなど、都市部で観測しづらいものは多い。 だが、動植物を見かけなくなったり出現時期がずれたりする記録自体が重要」なんだと指摘をしていること、「生物多様性の喪失や気候変動の影響が問題となるなか、データを残す意義は小さくない」と述べています。最後のくだりで「人間でなければとらえきれない微妙な変化もあるはずだ。気象業務の担い手には五感も大切にしてほしい。」と結んでいるのは全く共感できます。
 テレビでおなじみの気象予報士の森田正光さんや日本自然保護協会なども声を上げています。人によって行う観測など、気象庁の存在そのものが問われる問題ではないでしょうか。

○赤羽国務大臣 私が聞いているのは、この生物季節観測というのは昭和二十八年から実施してきていると言っておりますが、私が今回の答弁で説明を受けたのは、生物の生態環境の変化が著しくて、なかなか目的に沿った観測ができにくくなっていると。具体例はどうなんだという話の中で、例えば水戸の地方気象台では、トノサマガエルが初めて見つかった日を、以前は三月の平均気温と意味のある相関が見られたことからそれを使っていたんですが、最近は、そもそもこのトノサマガエルの個体数が減少して、これを観測することができなくなったというような事情があり、そうしたことから、目的に適した六種目九現象に絞ることとしたというふうに承知をしております。
 ただ、私は、気象の科学的な技術を進めていくということと同時に、その地域地域の歴史的な特性というか、そうしたことというのは、やはり人がかかわるというのは非常に重要だというふうに思っておりまして、今回も、特段に、地域特有の気象情報に精通をされている全国の気象台のOB、OGの皆さんに、まだまだ元気な方がたくさんいらっしゃいますので、新たに気象防災アドバイザーとして、今回改めて私から委嘱をして、市町村の防災対策の支援について、市町村と連携をして一層御活躍をいただくというようなことも取り組んでまいりたい、こう思っております。
 機械には頼らないで、コンピューターの予測結果についても、必要な修正は予報官の人的な知見もしっかりと活用していきたい、こう考えております。

○高橋(千)委員 機械に頼らず人がかかわることの重要性を述べていただきました。大変ありがたいと思います。
 二〇〇六年六月に全国百五カ所の測候所の無人化方針が閣議決定され、二〇一〇年までに帯広と鹿児島の名瀬測候所を残して全廃されました。私は、当時、チリ津波の警報を軽視して五十三名の犠牲を出した経験から測候所をつくったという岩手県大船渡の歴史や、漁業者や農家にとって測候所の情報がかけがえのない情報であるということを、青森県深浦町を訪ねて学びました。全国各地からたくさんの意見書もありました。生の人間が目で見る、触れる、山、海、風、雪の様子、そうした情報の意味を強調したところでありました。
 結局、広告の問題しかり、気象庁は、少ない予算と人員削減の中で、効率化という名目で、気象庁本来の仕事、人による観測をほぼ手放すという。重大な問題であります。くしくも、今月、気象庁は百三十八年ぶりに、明治政府のもと、気象、地震観測を始めた原点の地である虎ノ門へ新築移転をされました。やはり、この原点を忘れずにやっていただきたいということを強く望みますということを指摘をして、次に進みたいと思います。
 それで、資料の三枚目を見ていただきたいんですが、これは二十五日付の日経ですが、厚労省のアドバイザリーボードが二十四日、「「このままの状況が続けば、通常の医療では助けられる命が助けられなくなる」と指摘した。」と報じています。三段目にあるように、入院者数や重症者も増加が続いて、手術や救急患者の受入れ制限などの事例も出始めていると分析している。また、中川俊男全国医師会長は、二十五日、全国で医療提供体制が崩壊の危機という懸念を表明しました。
 資料の4を見てください。十七日の委員会のときは青のグラフだけを示しました。陽性者の数なんですが、これは第三の波と指摘したわけですが、その直後に二千人台まで上がって、まだピークではありません。これに、赤のグラフ、重症者の数を重ねました。昨日、全国で四百十人、過去最高を記録したわけです。第二波、第三波は、陽性者の数は、最初の、緊急事態宣言を行った四月、五月に比べれば猛烈に山が高かったわけですが、重症者の数はやはり最初の第一波のときの方が高かったわけですね、ついこの間まで。ここが政府の一つの安心材料だったのではないか、そう思うんです。しかし、今は明確に、第二波から第三波へ、下がることなく上がり続けているわけです。
 ECMOなどの機器の不足によって命の選別が起こり得ること、重症者受入れにかかわる体制のためにコロナではない病気の方にも命の危険が迫るという状態ではないか、この認識を伺いたいと思います、厚労省に。

○間政府参考人 お答えいたします。
 まず、感染状況につきましては、今委員御指摘のありましたように、十月以降に増加傾向が強まっておりまして、地域によって多少差異はございますけれども、全体としましては二週間で二倍を超える伸びとなりまして、過去最多の水準となっております。その意味で、医療提供体制への負荷が高まっておりまして、地域により厳しい状況になっているというふうに認識をしております。
 今委員御指摘のありましたように、新型コロナ感染症の患者さんへの治療、そしてそれ以外の一般医療の患者さんの治療、これは両立することが非常に重要でございまして、委員御案内のように、これは都道府県が主体となりまして病床確保計画を策定していただいているところでございます。
 それはいろいろな段階があるわけですけれども、この現下の厳しい情勢を踏まえまして、フェーズを早目に上げて、要するに、病床の確保を早目早目に行うようにお願いをしてございますし、また、入院患者さんについて、医師が入院が必要がないと判断して、かつ宿泊療養施設において丁寧な健康観察を行うことができるような場合には、必ずしも入院を要しないというような運用に見直しをいたしまして、また、そういう運用を徹底することなどについて都道府県にも依頼をし、対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、委員から、ECMOの話、医療機器などの話が、足りないんじゃないかということの御指摘もよくいただくのですけれども、ECMOという呼吸管理をする機械に関して言いますと、十一月二十五日時点で私どもが把握している範囲では、全国で千五百台余りあるわけでございますが、そのうち、二十五日時点では千二百台が使用可能であるというふうに聞いております。
 その意味では、そういったものが直ちに不足するという状況にはないと考えておりますけれども、これも、重症者は感染がふえ始めてからおくれて出てくるという傾向がございますので、各地のECMOの状況については引き続き把握をしながら、緊張感を持って注視していきたいというふうに考えてございます。

○高橋(千)委員 第一波の緊急事態宣言のときから見て陽性者がふえているにもかかわらず同様の対応をしなかった、その背景には、やはり最初の、医療提供体制が本当に逼迫したあの危機を一旦脱したという認識があったんだと思うんですね。
 ベッド数を把握するようになって、一定、要するに、カバー率がどのくらいですかということを全部把握するようになりました。それは大事なことだと思うんです。ただ、そこにステージを合わせておりますと、結局、いつまでたっても医療関係者は息をつけないんですよ。逼迫して本当に緊急なときにやっとの思いで乗り切ったと思ったら、乗り切ったから、またある程度、全体、移動してもいいですよとか、そういうふうになってきたことがやはり問題だったんじゃないか。息をつけるときにちゃんとした対応をしなければ、あっという間に、またこの重症者に対して対応し切れなくなる、そこをやはり今医師会を始め専門家の皆さんが訴えているんだと思うんですよ。その認識をやはり聞きたかったなと思って、ちょっと指摘をさせていただきたい、このように思います。
 それで、資料の5は、第十七回新型コロナウイルス感染症対策分科会で出された政府への提言であります。この二十五日の分科会の提言は、ステージ3相当の強い対策を求めております。
 答弁、申しわけないんですが、副大臣、中身は読まないで、時間がないですので、政府への提言ですから、国自身が判断して実際にやることは何でしょうか。

○赤澤副大臣 今、短目にという御注文がありましたので、多少はしょりながらいきますが、先生御案内のとおり、法令上は、国は、全体方針を定め、総合調整、指示の権限を留保しているということです。方針を定めるに当たっては学識経験者の意見を聞くとなっています。
 そのフレームの中で私がやはり非常に大事だと思うのは、これまで、国民の御努力、あるいは最前線で働く方たちの御努力、全ての関係者の御努力で科学的知見をすごく積んできているので、全体方針の精度が上がってきているということだと思います。
 総合調整の中でも、例えば緊急事態時は、よく覚えておられると思いますが、接触は最低七割、極力八割程度減らしてくれというような広く大きく構える方針でしたが、今回は、エリアや業種を絞るなど、めり張りのある対策を講じるというようなことで、やはり方針の中身が、科学的知見に基づいて、総合調整の中身が、ある意味、言い方としては精度が上がってきている。それは、国として、分科会などの有識者の意見を聞きながらしっかり取り組んできたことの成果だろうというふうに私は思っています。
 あわせて、当然財政的支援などもやっておりまして、営業時間の短縮要請が提言されました。これに応じる自治体については、国の一定の関与のもとで、五百億円の協力要請推進枠をつくり、また、二十四日には、総理からの指示で、配分対象となる酒類を提供する飲食店等の店舗数、各都道府県の店舗数に対して当初二割としていた上限も撤廃したりといったことで、いろいろな事態を踏まえながら、臨機応変に総合調整の中身を変えながら、財政支援とか、あるいは総合方針を的確に出す、めり張りのきいたものをやるというようなことで対策の実を上げ、感染拡大防止とそれから社会経済活動の両立を図り、国民の命と暮らしを守り抜きたい、そういうことでございます。

○高橋(千)委員 最初に知事の意見を留保とおっしゃいましたよね、留保でいいんですよね。それで、総合調整を行っていく。そのときの精度が上がってきているということをおっしゃったと思います。アドバイザリーボードが頻繁に開かれて、かなりの詳細なデータをとった上で提言をしているということは注目すべきことだと思っております。
 それで、済みません、今度は大臣に伺いますけれども、下段の一の4に、「Go To Travel事業の一時停止を行うこと。その際、今後の状況に応じて、当該地域からの出発分についても検討すること。」とあります。既に尾身会長は出発も対象にすべきだとコメントしておりますし、大阪、北海道だけではなく、愛知、東京もステージ3に相当とも述べておられます。
 国交省は、駆け込み需要とも言える三連休を見送ってから、大阪、札幌着に限って十二月十五日までのGoTo停止を発表しましたが、それは二十四日ですので、二十五日に更に踏み込んだ提言が出された、これを受けて追加の見直しはされますか。

○赤羽国務大臣 まず、三連休を見送ったということは、これは別に恣意的なことではなくて、ちょっと誤解があるので訂正をしておきたいと思います。
 あと、この二十五日の提言がございます。「今後の状況に応じて、当該地域からの出発分についても検討すること。」という提言はやはり重く受けとめますので、西村担当大臣と、関係閣僚を含めて、適時適切に対応するべく、検討することになるかと思います。

○高橋(千)委員 ただいま赤澤副大臣も、臨機応変にとお答えをいただいたわけですよね。それで、大臣は、重く受けとめるというお話をされました。
 この二十五日の提言の前の二十三日に全国知事会の緊急提言がありまして、やはりこれも、機動的な対応を求めるということがあったわけであります。やはり、こういう問題というのは様子見じゃだめだと思うんですね。
 この提言をよく見ますと、GoToトラベルの見直しにばかり注目が集まって、最も重要なステージ3相当の対策が十分に共有をされていないとあるんですね。要するに、GoToトラベルが感染に関係するかしないかという議論を随分やっていたわけですけれども、これが言っているのは、やはり「営業時間の短縮及び人の往来や接触の機会を減らすことが必要」だと言っている。だからイートも見直すべきだと言っているんですね。
 だから、人の往来を減らす、接触の機会を減らす、なるべくテレワークで、ここまで言っていて、緊急事態宣言の前に似た状況になってきているわけですよ、その中で、政府が補助金を出して人の移動を促進するという、トラベルだけは別格、これは若干やはりおかしいんじゃないでしょうか。

○赤羽国務大臣 ですから、事実、プロセスを踏んで札幌市と大阪市に対することは停止をしたわけですから、絶対にそれは停止をしないなんということはもちろんございません。今後もそれは変わらないということです。

○高橋(千)委員 菅総理は、暮らしを守れなければ命を守れないと述べてGoToの継続を強調されておりましたが、守れる命が守れない、そこまで言われている中ですから、本当に機敏な対応を望みたい、このように思います。
 それで、約一兆一千億円のトラベル事業費のうち既に旅行事業者に配分されたのはどのくらいなんでしょうか。

○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点におきましては、給付金の予算額約一・一兆円のうち約七千億円程度、これは約六割程度になりますが、その予算枠を配分しているところでございます。

○高橋(千)委員 この配分を聞くのに何週間もかかったわけですけれども、約六割、七千億円ほどだということでありました。ですから、四千億円と事務費の一部がまだ残っているんじゃないかと思うんです。
 私は、提案したいと思うんですが、残りの予算は都道府県にトラベル交付金と位置づけて配分すべきだと思うんです。自治体はもともと観光業に対してもさまざまな補助をやっています。ただ、予算が少なくて規模が小さいんですね。すぐ枠がいっぱいになっちゃう。それこそ自治体の判断で、感染拡大がちょっとここの地域は大変だなというところは、むしろ自粛するかわりの補償策として、自治体がちゃんと支援をしてあげる。
 だけれども、県内の旅行を大いに応援するとか、修学旅行などで密を避けるためのかかり増し経費、これは北海道であっという間に枠がなくなっちゃったんですけれども、要するに、六人部屋を三人部屋にするとか、大型バスを一定チャーターするとか、そういう三密対策ということでやっているかかり増し経費を補助するとか、そういうところはやはり自治体に支援を、今やっているものを膨らましていくということで応援すればいいんじゃないか。そうすれば、別に、トラベルの事務局は、もともと旅行社の集合体ですから、本来業務なんですよ。なので、事務局の仕事を、一旦なくなったからといって、本来業務そのものは残るわけですから、そこに応援することには結果としてなるわけですから、私はこういう見直しも思い切ってすべきだと思うんです。大臣、いかがでしょうか。

○赤羽国務大臣 私は、このGoToトラベルを開始して、現状、全国で二十四カ所、さまざまな観光地に行って、関係者の皆さんと二時間以上ずっと丁寧に懇談をしておりますが、この中で、それぞれの県独自の県民割引とあわせて使うということについて、それは私たちは奨励をしておりますし、そうしたことについても高い評価を得ておりますが、もうGoToトラベル事業も相当すごく、年末年始、一月いっぱい、相当数予約が入っております。これをしっかりと実行したいというのが関係者の皆様の強い意向であって、これを全部今この時点でなしにして県民割引に特化するというようなことは、ちょっと物理的に、そういうことはちょっと私からすると非現実的なのではないかなというふうに思っております。
 加えて、よく中小とかそうしたところにもその手が届くようにということで、それはもう当然そう思っておりますし、現実、高級店とか何か大手だけが潤っているみたいな話がございますが、宿泊の代金も平均して一万三千円程度、レンジでいきますと一万円未満の部屋が六割か七割、ちょっと今正確ではありませんが、そうしたことを占めているということであって、いわゆる報道で出ているような、大手や高級店しか潤っていないみたいな報道というのは、かなり正確さを欠いているというふうに思っております。

○高橋(千)委員 一昨日のリモートの視察の中でも、本当にGoToで助かっている、進めてほしいとおっしゃっていた城崎温泉の旅館組合の芹沢会長が最後におっしゃったことは、やはり、そうはいっても、オンラインについていけない施設があったりとか、直販システムのステイナビという予約サイトがございますけれども、申請を手伝って説明したんだけれども、難しくてとうとう心が折れてしまって、結局手数料を払って普通のOTAに申し込むしかなかった、そういう人たちを取り残さないでほしいという要望があったのも事実なんですね。
 だから、やはり、大手だけじゃないんだと大臣は一生懸命おっしゃいますけれども、現実にはまだまだそうしたことが残っているわけですから、命を守ること最優先ということでは、そこもやはりもう一度考えていただきたいと要望して、終わります。

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