国会質問

質問日:2019年 11月 27日 第200国会 国土交通委員会

台風19号 堤防決壊 大半が対象外

緊急対策/高橋議員に国交省示す

 国土交通省は27日、台風19号の大雨により決壊した堤防のうち、国が管理する河川の全て、都道府県が管理する河川の大多数が、昨年の西日本豪雨を受け実施されていた政府の「防災・減災のための3カ年緊急対策」による緊急点検の対象外だったことを明らかにしました。衆院国交委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員に対する国交省の提出資料で判明しました。

 同省によると、台風19号で決壊した71河川140カ所のうち、国が管理する7河川12カ所全てが緊急対策の対象外。都道府県が管理する67河川128カ所のうち緊急対策の対象だったのは3河川8カ所です。

 さらに同省は、河川氾濫を防ぐ樹木伐採や河道掘削等の緊急対策について、国が管理する12カ所のうち5カ所、都道府県管理の128カ所のうち11カ所が対象だったと初めて明らかにしました。

 高橋氏は、千曲川など緊急対策対象外の完成堤防が決壊し、甚大な被害が生じたとして、「原形復旧にとどまらない対策が必要」「緊急対策そのものも十分な期間と財政が必要だ」と要求。赤羽一嘉国交相は「そう言っていただけるのは大変心強い。精いっぱい頑張りたい」と応じました。

 高橋氏は、災害対策を現場で担う同省の地方整備局では「決壊箇所が多く、仕事量が増えているのに人手不足になっている」と人員増を要求。赤羽国交相は「100人以上の人員増を必ず実現する思いで要求する」と答弁しました。
(「しんぶん赤旗」 2019年11月28日 付より)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 台風十九号では、七十一河川百四十カ所が決壊し、中小河川の内水氾濫も広範囲で起きました。資料の1にあるように、政府は、昨年の西日本豪雨を受け、全国の河川を対象に危険箇所を緊急点検し、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を実施、予算づけをして、整備を進めてきたところだと承知をしています。
 まず、今回の決壊箇所がこの緊急点検の対象になっていたのか、国管理、県管理、それぞれどうなっていたのか、お答えください。

○五道政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の台風第十九号では、国管理河川において十二カ所、県管理河川において百二十八カ所の堤防が決壊し、甚大な浸水被害が発生したところでございます。
 これらの堤防決壊箇所については、国管理河川十二カ所中五カ所、県管理河川百二十八カ所中十一カ所で、樹木伐採や河道掘削の三カ年緊急対策の対象となっていたところでございます。

○高橋(千)委員 今の答弁だと、樹木伐採の対象になっていたというのが国管理河川が五カ所、それから県管理河川が十一カ所だと。余りにも少ないなと思いますが、実は、この数字は今初めてお答えいただきました。ずうっと資料要求をしていたんですが出ておらなかったということなので、ああ、その程度なんだということがまずわかったわけです。
 それで、資料の二枚目に、堤防の方の緊急対策がどうなっているのかという資料をまとめてつけております。完成堤防あるいは暫定堤防というふうにあって、そして、全て対象外というのは、これは三カ年緊急対策のところですね。
 これを見ていただくとわかりますけれども、国管理河川は、堤防の方は、完成しているという形なのか、一つも対象になっておらない。そして、都道府県管理河川の方も、青印をつけておきましたけれども、本当に少ないですね、八カ所くらいですかね、その程度であった。しかも、樹木伐採などについても十一カ所であった。これが今の到達であるということがわかったわけです。また、言ってみれば、緊急対策になっていなかったので、そもそも緊急対策が今回の台風災害に対して貢献はしなかったということもまた言えるのかなと思っております。
 そこで、例えば、先週、委員会として視察に行った千曲川の穂保地区は、堤防に並行して桜堤を盛土で造成し、幅を計画より広げ、かつ高くした、完成堤防でありました。既に緊急工事は終わっていたわけですけれども、どこにその桜があったのかなとわからないくらい大きな壊れ方に大変衝撃を受けました。
 しかし、完成堤防で緊急対策の対象外となれば今後はどういう扱いになるのか、このような対象外だった河川は原形復旧にとどまるわけにはいかないと思うんですが、どうでしょうか。

○五道政府参考人 お答え申し上げます。
 台風第十九号により堤防が決壊した国管理河川については、現在、決壊要因の究明に向け、専門家から成る堤防調査委員会等で検討しているところでございます。
 国土交通省といたしましては、これらの結果を踏まえ、完成堤防の区間も含め、原形復旧ではなく、堤防強化や河道掘削などの必要な対策を加え復旧することが必要だというふうに考えてございます。
 台風第十九号で決壊や越水等による甚大な被害が生じた河川については、今後、洪水時の水位を下げ、安全かつ確実に洪水を流すことを最優先に、堤防強化、河道掘削、遊水地整備など、どのように組み合わせて、水系全体で適切かどうかを検討した上で、抜本的な治水計画の立案をし、流域全体での治水対策に取り組んでまいります。

○高橋(千)委員 原形復旧ではなく強化を行うこと、そして、掘削や遊水地など水系全体で対策をとっていくと答弁があったと思います。そのとおりだと思います。
 それで、改めて、緊急点検というのをどのように行って、つまり、どうやって対策箇所を決めてやったのか、簡単にお答えください。

○五道政府参考人 お答え申し上げます。
 重要インフラの緊急点検については、平成三十年七月豪雨、平成三十年台風第二十一号、平成三十年北海道胆振東部地震など、直近の災害でインフラの機能確保に関して問題点が明らかになった事象に対して、国民経済、生活を支え、国民の生命を守る重要インフラがあらゆる災害に際してその機能を発揮できるように、全国で実施したところでございます。
 河川に関する三カ年緊急対策の実施箇所については、樹木伐採、河道掘削、堤防強化など対策項目ごとに河川整備計画で位置づけられているものから一定の基準と照らし合わせて選定しており、例えば、樹木伐採、河道掘削については、氾濫した場合に二千戸以上の家屋が浸水するおそれがある箇所、また、氾濫した場合に市役所などの重要施設が浸水するおそれのある箇所等、上下流バランス等を考えながら、速やかに実施できる箇所から選定をしているところでございます。

○高橋(千)委員 その二千戸のところで、先ほど岡本委員からも指摘があったというのはそのとおりかなと思っております。
 今お話があったように、実際に被害があって急がれるところをまず重点的に選んだ、そういう意味では、都道府県も、選ぶに当たって、本当にもっともっと必要なものがある中で絞られてきたのかなというふうなこともあるかなと思っております。
 それで、少し具体の話をしていきたいと思うんですが、まずおさらいですけれども、今の堤防の緊急対策が二種類、これは資料の3につけてあります。
 一つ目は、氾濫水の深い水深による人命への危険性等に対応した堤防強化対策などを実施すると。もう一つの、下の方は、逃げおくれに対応した危機管理型ハード対策等の実施をする。この二つの堤防強化策が、まず緊急対策の中に入っているということであります。
 もう一つが、4を見ていただきたいと思うんですけれども、河道等というふうに書いておりますが、樹木繁茂、土砂堆積及び橋梁等による洪水氾濫の危険箇所等の緊急点検、流下阻害や局所洗掘によって洪水氾濫による著しい被害が生ずるそうした河川約二千三百四十河川について、樹木伐採、掘削及び橋梁かけかえなどの緊急対策を実施するということで、国が百四十河川で、都道府県が二千二百河川ということになっているわけです。
 ただ、やはりここの部分ですよね、要望が一番大きいのはここではないかと、ずっと前から言ってきたよと、河床のしゅんせつをするべきだというふうな声は、もうどこに行っても聞くわけであります。
 そこで、この写真にある、樹木が生い茂っており川幅が狭くなっている、千曲川でもそういう光景を見ましたけれども、そっくりだと思うのが、先週私が行った福島県いわき市の県管理河川夏井川であります。全長六十七キロ、流域面積は七百五十平方キロメートル、福島県内で流域面積が最も広いと言われております。この河川で七カ所決壊し、二千七百戸が浸水被害を受けました。完成堤防なんですけれども、河道掘削等の整備を、やはり緊急対策をつけていました、やると決めていました。それで、上流と下流で行うことにしていたんですが、上流は、洪水期が終わってからやるんだということで、十月末着手の予定だったので間に合わなくて、台風が来ちゃった。下流の方は、何と入札が不調に終わりました。
 こうした緊急対策が着手できていないところ、あるいはほとんど始まったばかりのところも多いです。なのに、期間は、ここにあるように二〇二〇年までというのは、現実的ではありません。
 大臣、十分な期間と財政が必要と考えますが、答弁をお願いします。

○赤羽国務大臣 高橋さんにそう言っていただけるのを大変心強く思います。
 三カ年の緊急対策というのは、先ほど局長の答弁にありましたように、近年の激甚災害を総括しながら、再度災害防止ということで、また、かつ三年間で決着がつくところということで選ばれた。その選び方にいろいろな御意見があるのはそれはしっかり受けとめたいと思いますが、それだけでは終わらないというのはもう今回の一連の災害で明らかでありまして、中長期的に気候変動に対応できるような抜本的な防災・減災対策をとっていかなければいけない。
 以前からもこうした課題というのはあったんですけれども、公共事業に対する否定的な意見も大変世の中的にもあった中でなかなかそうしたことが制限があった、だから財源が限られていてなかなか手がつけられなかったというのも事実としてありますが、今やはり世の中全般に、もう一度、国土強靱化ということは大事だ、国民の命と暮らしを守るための対策をとらなければいけないという強い世論の追い風も感じておりますので、しっかりとしたデータを出して、これは財政当局ともいろいろやらなければいけませんが、しっかりと来年以降、中長期的に対応がとれるように精いっぱい頑張りたいと思っております。

○高橋(千)委員 公共事業を一くくりには当然できないわけで、私たち、生活密着の、地に足ついた、またコストも当たり前の値段のそうしたもので、必要なものはどんどん進めていくべきだという立場に立っているわけです。
 それで、資料の5を見ていただきたいと思うんですね。これは宮城県の登米市津山町横山地区といいますけれども、台風十九号で橋桁に流木が詰まり、土砂が詰まっております。これだけ橋が低いと、当然詰まるし、被害を大きくするなというのは一目瞭然かと思うんですね。この橋が国道四十五号線なんです。一級河川南沢川、北沢川、見えないですけれども、川と平行して走っているのは県道北上津山線であります。ことし八月にも、横山地区災害から人命財産を守る会から要望書が出されたばかりでありました。
 私が伺ったときに、国道を高くすることはできるんだけれども、ただ、ここだけ高くしても、結局、河川どうする、県道どうするということと一体でなければできないよねというお話なわけですね。それは県道も同じなんです。一定程度進めてきたんだけれども、じゃ、河川どうするということになるので。お互いににらめっこ、譲り合いしていても進まないわけですね。
 このような箇所というのはきっとほかにもあると思います。国交省が調整力を発揮して進めるべきと考えますが、大臣の認識を伺います。

○赤羽国務大臣 こうした事例というのは、この国道だけではなくて、例えば鉄道の橋脚なんかも同じような話がございます。どうしても、鉄道にかかる橋脚については、国交省の中でありますけれども鉄道局の予算で、河川と別々にということだとなかなか前に進まないというのが現実でありますので。
 こうしたことは、再三答弁でも申し上げておりますが、国、県、市、また関係省庁が連携をとりながら一体としてやっていこうということで、この箇所につきましても、十一月二十二日に、国と宮城県と登米市など関係の市町村が参画する形で、減災対策協議会というものの中に大規模浸水被害対策分科会を設置して議論を開始したところでございますので、しっかり、今の趣旨を受けながら、前に進めるようにしていきたいと思っております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 私が行った日に、この後、国交省が来ますと言っていましたので、動くということには確信を持っておりましたが、更に心強い答弁をいただいたかと思っております。
 それで、今月二十二日に国交省は、台風十九号による被害に対する緊急的な対策の推進に向けて、東北、関東、北陸の三つの地方整備局に六ケ所、河川でいうと四カ所の緊急治水対策出張所を設置しました。
 資料の6が、そのうち吉田川の緊急治水対策出張所の流域を示したものでありますけれども、宮城県の、地元、大崎タイムスがこれを報じまして、東北地方整備局の河川計画課が、より安全度を高めるため、対策メニューなどを検討しているというコメントを載せております。うちの地元議員も、国交省が本気でやる気になったのかと期待を寄せているわけであります。
 そこで、例えば、右側の鹿島台の方なんですけれども、ここは、前にも私、少しここで紹介したかもしれませんけれども、排水機場の能力強化、勾配が少なく水が流れないところであって、それで洪水の原因になってきた、そこでもう一本排水路をつくってほしいということが要望として強く出されております。また、左側の大郷町では、堤防のかさ上げをしてほしいと住民が以前から要望していたところでありました。
 本格復旧に当たっては、せっかくこうやって出張所をつくって本格復旧を目指す、そういうときには前々からの住民の声が反映されるようにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○五道政府参考人 お答え申し上げます。
 今月の二十二日、台風第十九号により甚大な被害を受けた吉田川において、災害復旧工事等を専属で担当し迅速な工事監督や関係機関調整等を行う、吉田川緊急治水対策出張所を設置したところでございます。
 また、同日でございますが、先ほど大臣から御答弁いただきました分科会を設置したところでございます。この分科会の中には、国、県、自治体が連携して進めていくということで、地域の意見も反映できるようになっているということでございます。
 今後、被災現場に近い出張所の利点を生かし、地域の要望も伺いつつ、災害復旧工事等を迅速に進めていくとともに、国、県、自治体等が適切な役割分担をしながら、水害に強いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 近さを生かしということで、大変ありがたいなと思って聞いておりましたが、心配なのは人員体制でありますね。午前の部でも簗委員において、出張所の体制が減っているんじゃないかということが指摘をされておりました。
 今回は、これまでになく決壊箇所が多く、求められる仕事量はふえているわけです。地方整備局自体が人手不足になっているのではないでしょうか。思い切ってふやすべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。

○赤羽国務大臣 これまでも行政改革という名のもとで随分削減されてきたというのは、午前中ですか、局長の答弁からも具体的な数字を申し上げたとおりでございます。
 今回、私も、東北地整、関東地整、北陸地整、全て回りましたが、出張所では、本当に限界の中で二十四時間体制で対応してきたというのが現実でございまして、今後のことを考えると、この体制ではやはり持続的にはできないということは強く感じておりますので、別の委員の方にも答弁しましたが、来年は、前年度に加えて百人以上、上の人員要求をしているところでございますし、そのことが必ず実現するように、これはやはり例外として扱っていただかなければ国民の皆様の命と暮らしを守ることができないという思いで取り組んでいきたいと思っております。

○高橋(千)委員 来年はプラス百人以上ということで、先ほども答弁を聞いておりましたけれども、建設にかかわる地方整備局の定員数は、予算ベースでいいますと、二〇一〇年度は一万八千三百五人から二〇一九年度は一万六千四百人、一割減らされているんですね。ですから、百人ふやしても、そのペースからいくと間尺に合いません。そして、若い人が耐えられなくてやめていっているという現状もございます。
 そうしたことをしっかり踏まえて、それは十年分を一年で取り戻すのはなかなか難しいかもしれませんけれども、そのことをしっかり踏まえて、大臣、頑張っていただきたいと思っております。ここは、再度の答弁はいいですよね。

○赤羽国務大臣 百人で要求したわけじゃなくて、前年度比、プラス百名ということです。

○高橋(千)委員 プラス百人でも、計算からいうと足りませんよというお話をしました。もう一回、数字を後で見ていただければと思います。でも、そういう決意を伺いましたので、ぜひお願いしたいと思います。
 台風十五号の前に、油の流出や順天堂病院の孤立などが大きく報道され、甚大な被害があった佐賀県の六角川流域に行ってまいりました。
 国交省の九州地方整備局のホームページによれば、六角川についてこのように述べています。「佐賀平野の水害常襲地帯である低平地を蛇行する六角川。安全で豊かな六角川に変えようと、今日も軟弱地盤と闘っています。」この「軟弱地盤と闘っています。」という表現にはっとしたわけですけれども、有明海の六メートルに及ぶ干満差のために、満潮時には海面より低くなり、水はけも悪く、地下水のくみ上げによる地盤沈下もあって、水害が起こりやすく、かつ、水分を多く含んだ軟弱地盤が改修の障害になっているということです。建物をつくるときにも地盤改良が非常に困難である、そういう本当に特殊な事情がありました。
 そのために、潟土と呼ばれている泥がたまって、掘削、掘っても掘ってもまたすぐもとに戻ってしまう、そういうハンディを持っています。ずっと平野で水の流れが悪いことや、河道を狭くしている潟土を私もこの目で見て、本当にこれは大変だなと思いました。
 そういう中で、資料の7の緊急治水対策は、ハード、ソフト、そして遊水地など、総合的な対策をやっているということは全くそのとおりだなと思うんです。
 それで、資料の8です。
 大変申しわけありませんが手で直していますが、十一月十五日に私は行きまして、下の方が行ったときの写真でありまして、牟田辺遊水地というんですが、田んぼです、ちょっと見にくいんですけれども、水門が立っております。それが、八月の豪雨のときには、水門の頭だけが見える、明かりがちらっと見えておりますが、水がたまっておりまして、遊水地の機能を果たしたということを伺ってまいりました。ほかにも今、採石場を活用して貯水池をつくる予定であるということも聞きました。
 遊水地は、当委員会でも横浜市の鶴見川の多目的遊水地を拝見をしてきたところでありますけれども、あそこまで大々的でなくても、何しろ期間も財政もかかるわけでありますので、もっとこうした身近なところにつくることが可能なのではないか。遊水地などについては緊急対策の中には入っておりませんが、こうしたメニューの充実が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○赤羽国務大臣 この六角川水系、私も就任直後に足を運びまして、ここも物すごい広大な浸水と、また油が流れて大変な状況の中で、水門を閉め切らずに、上に浮いた油をすくい取って、そして下から水を出すというすごい大変な技術で、結構きっちりやれたというふうに思って、現場力のすごさを改めて感心したところでありますが。
 この中で、牟田辺遊水地が今回の洪水に対して貯留した機能を発揮したということでありましたけれども、内水が随分出て、約三千戸に上る大規模な浸水被害が発生してしまったわけでございます。
 ですから、ここの六角川、おっしゃるように地盤も大変難しいところでもございますが、御指摘の遊水地等の洪水調節施設の整備をしなければいけないということと、当然でありますけれども、堤防の整備や強化、河道掘削、さまざまな手段を組み合わせながら洪水時の水位を下げて、これまで洪水多発地域でありましたけれども、安全かつ確実に洪水を流すことができるようにすることが最も重要だと考えております。
 この緊急対策のメニューにないということではありませんで、これからしっかりつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 今の最後のところ、ほかの県からも要望が出ておりますので、メニューにないところだけれどもしっかりやっていきたいということだったので、確認をさせていただきたいと思います。
 やはり、都道府県管理河川というのは、非常に総延長が長く、また多く、そういう中で、河川改修や水位計がまだまだであるとかハザードマップなどとか、技術的、専門的分野が求められていると思います。そして、そういう中で予算を、やはりなかなか間に合わないんだということを理由に、長いこと、先ほど言った堤防のかさ上げができないであるとか、しゅんせつの要望が出されておりながら手をつけられずにいたことも多いかなと思っております。
 私自身も水害の現場に行って、すぐそこまで工事は進んでいるんだけれども間に合わなかったということなどに随分遭遇をいたしました。水門をつける予定になっていたんだけれども間に合わなかったねと残念がっていた声なども聞きました。
 そういうことをやはり突破するためには、都道府県の河川に関する予算、やはり増額が必要だと思いますけれども、まず、この十年間での増減とかはどのようになっているのか、伺いたいと思うんです。

○五道政府参考人 お答え申し上げます。
 都道府県が実施する河川事業に対する補助事業としては、平成二十二年以前から実施している再度災害防止対策に係る補助事業と今年度新たに創設した個別補助事業があります。
 御質問の都道府県の河川に関する予算につきましては、再度災害防止に係る補助事業の事業費は各年度の水害の発生状況によるため年度による増減はございますけれども、平成二十二年度で約二百三十億、令和元年度で約三百億でございます。また、今年度新たに創設した個別補助事業の事業費は、令和元年度で約五百九十億となっているところでございます。
 このほか、社会資本総合整備計画に基づく都道府県の河川事業については、防災・安全交付金により支援しているところでございます。

○高橋(千)委員 大臣にもう一回伺いたいと思うんですが、比較ができないとおっしゃるんですよね。それで今説明をいただいた再度災害のところと個別事業のところで比較した。
 でも、令和元年を比較してしまうと、令和元年というのは、先ほどから言っている緊急対策が入っているんですから、通常の予算の一・五倍になっているんですよ。そこで比較しちゃうと、すごくふえたじゃんという話になっちゃって、それじゃだめだというのと、やはり、災害が起きたところに対処している予算だけではなくて、ずっと議論してきて、予防のために、防災のために、減災のためにと言ってきたところをどう見るのかという点では、やはり交付金が、社会資本整備交付金だとか、今は防災・安全交付金になってきているけれども、その中でどれだけ河川に、都道府県に支えになっているのかということをきちんと調査をして、そして必要な予算を確保していくという必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○赤羽国務大臣 そういう御指摘を受けて、しっかりやっていきたいと思います。
 ただ、ちょっと、以前、我が党は防災・減災ニューディールというのを何年か前に発表したんですが、当時はやはり予算の裏づけがついてこなくて、なかなか、地方を回っていてもそうしたものに対する反応というのが余りよくなかったわけでありますが、この緊急三カ年というのは、いろいろな制約はあるものの、やはり防災・減災対策、明らかに国の予算だけではなくて地方の予算についても反映しておりますので、ようやく、全国の地方自治体も挙げて防災・減災対策をやっていこうということになっておりますので、私が申し上げたいのは、この三カ年で終わらずに、やるべきこと、中長期的なことも、しっかりと予算の裏づけをとりながら進めていきたいと決意をしております。

○高橋(千)委員 時間になりましたので、一言だけお話をして終わりたいと思うんですが、被災者はきっと来年もまた来るんじゃないかというふうに思っています。だから、自分の身の振りをどうしようかというのも悩んでいらっしゃいます。
 そういう中で、この間はどうしても、何十年もかかるダムの計画だとか、それ自体をいい悪いと言う前に、そこだけになっていたとか、頼っていたとか、そういう計画がやはり今までは一定あったわけですね。そこをやはり、まず、今すぐできること、お金がなくてもできることというのはたくさんあるんだ、それを住民が指摘をしてきたんだということの立場に立ってしっかりと対応していただきたいなということを指摘して、終わります。
 ありがとうございました。

ー資料ー

2019年11月27日衆議院国土交通委員会配布資料

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