国会質問

質問日:2004年 1月 27日 第159国会 農林水産委員会

BSE問題 米に全頭検査で譲歩するな

日本共産党の高橋千鶴子議員は二十七日、衆院農水委員会で当選後初めての質問に立ち、BSE(牛海綿状脳症)問題で、食の安全の確保と関連業者の支援について政府をただしました。

高橋議員は「アメリカが検査牛のサンプリング数を四万頭に増やしても安全性は確保できない」と指摘。農水省の中川坦消費安全局長は「安全確保の点で不十分だ」と認めました。

高橋議員は、EU(欧州連合)が一九九九年以来、危険部位を除いた牛肉しか輸入していないことや、BSE汚染に関するアメリカの回答を、危険性を調査する農水省の技術検討委員会に報告していないことなどをあげ、「輸入を認めてきた責任をどう感じているのか」と質問しました。亀井善之農水相は「(報告がなかったことについて)承知していない」と無責任な答弁をしました。

高橋議員は「発生の恐れは認識していたはずだ。そうした責任を明確にしてアメリカに全頭検査と危険部位の完全除去を求めるべきだ」と要求。亀井農水相は「アメリカに全頭検査と危険部位の除去を強く主張している」と答えました。

高橋議員は仙台の牛タン飲食店などの窮状を紹介しながら、大手商社が関連中小業者に対し値上げや売り惜しみをしていることを指摘し、「営業を続けることができるように指導すべきだ」と要求。亀井農水相は「便乗値上げがないよう指導していきたい」と答えました。

(「しんぶん赤旗」03.1.28付より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

限られた時間ですので、答弁者の皆さんは簡潔に御答弁くださるようお願いいたします。

先ほど、午前の審議で、海外調査団の報告について説明がありました。「今後、米国においてBSEが発生しないという保証はない。」この結論を出していることの根拠についての具体的な説明があったと思います。一つには、同居牛あるいは肉骨粉が米国にも輸出された可能性があること、アメリカとカナダが一体となっている問題、あるいは肉骨粉など給与の禁止など、この遵守状況に問題がある、交差汚染のおそれがあるということをきちんと述べられたと思うんですね。

そこで、その関連から伺いたいと思います。

最初に、先ほどの松下委員に対する答弁の中で、米国が二万頭から四万頭に検査を引き上げると言っている点について、四万頭でも極めて不十分だと日本側は伝えたと答えました。二十三日の日米合同の協議の後の会見で、中川局長が、米国側から全頭検査は必要ないという発言があったと説明をしております。

きょうの日経新聞の夕刊にも、改めて、九億ドルのお金がかかるし、全頭検査は必要ないというようなことが載っておりますが、伺いたいのは、これまでダウナー牛や神経症状のある牛に限ってのサーベイランスだった、つまり百万頭に一頭のサンプリングでしかなかったわけですね。ですから、これを仮に五十万頭に一頭、十万頭に一頭という形でふやしたとしても安全性は担保できないと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○中川政府参考人 アメリカが二万頭から四万頭にBSEの検査の頭数をふやすということは言っておりますけれども、全体の年間の屠殺頭数三千五百万頭からいたしますと〇・一%ということでありますし、また、このサンプリングの基本的な考え方は、歩行困難牛あるいは死亡牛といったところを中心にして、いわゆる高リスクのところを対象にしてやるということでありまして、アメリカにおいてどの程度BSEの牛がいるかという、いわゆるサーベイランス目的でこの検査が行われているという趣旨でございます。

そういう目的からいたしますと、安全性の確保、安全、安心のための検査という視点から見ると不十分だというふうに思っております。
○高橋委員 今御答弁いただいたように、どの程度いるかという観点だと。ですから、日本における、一頭であってもあってはならないという考え方とは大きく違うと思うんですね。この点について、やはり日本としては強く言っていただきたい。

先ほど来お話にあるように、ダウナー牛あるいは高リスクというところだけを検査すると。では、今回の新しい提案で、ダウナー牛は屠畜に回さないということになったわけですよね。どのように処分され、あるいはBSEの検査がそれに対してどのようにやられるのか、簡単にお答えください。
○中川政府参考人 歩行困難牛等は年間十五万から二十万頭発生するというふうに聞いておりますけれども、こういったものはレンダリングの施設に回されるというように承知をいたしております。その中で、一部についてBSEの検査が行われるというふうに承知をいたしております。
○高橋委員 レンダリングに回される、しかも、そのうち一部についてはBSEの検査、あくまでも一部、しかも屠畜場での検査ではないと。この点でも非常に不十分だと思いますね。

日本で発生した九例のうち、ダウナー牛だからということで発覚したのは最初の千葉県の例だけだったと思います。そのことから見ても、何らかの異常のある牛しか検査をしない、あるいはその中でもわずかしかしないということでは、本当に重大な欠陥があると思います。私は、今こうして不十分であるというお答えをいただいているわけですよね。

そういう立場に立つならば、この間、アメリカは清浄国だという説明で、例えばこの一年間で、脳が四十キロ、背骨の混入のおそれのある加工品が七百二十六トンも入って、ほとんどが消費されている。こうしたことについて政府の責任を認めるのか、大臣の見解を伺います。
○亀井国務大臣 我が国は従来から、家畜伝染病予防法に基づきまして、BSE発生国からの牛肉等の輸入を停止し、一方、未発生国からの輸入は認めてきたわけでもあります。

そういう面で、昨年五月、カナダでBSEが確認されたことを受けまして、米国を経由してカナダ産の牛肉等が我が国に輸出されることのないよう措置もいたしたわけであります。また、米国に対しましても、食品衛生法の観点から、特定危険部位の輸出の自粛等を要請した。これは厚生労働省におきまして輸出の自粛等を要請された、このように承知をしておるわけでありまして、未発生、こういうことで輸入を認めてきておったというのが経緯であります。
○高橋委員 未発生だと。今ちょっと答えだけを言ってほしかったんですけれども、責任を感じているのかどうかということを聞きたかったんです。もう一度お願いします。
○亀井国務大臣 これはやはり、未発生、こういうことにつきましては輸入を認めてきたわけでありますから。

しかし、私は、昨年当委員会でいろいろ議論になりましたときにべーカー大使を呼びまして、我が国ではBSEの問題につきまして全頭検査、特定部位の除去、このことをいたしておる、そしてさらに、アメリカもそのようなことをおやりになるようにいろいろお話も申し上げたようなわけであります。
○高橋委員 要するに、責任を言えないということなのかなと思いますので、ちょっと角度を変えますけれども、私は、この問題で、やはり政府は米国にもBSE発生のおそれがあるともっと早い時期に認識していたと思うんですね。そのことを確認したいと思うんです。

二〇〇一年の九月に日本で初めて感染牛が発生したわけですが、同じ年の四月には、BSE汚染の危険性を評価するステータス評価に取りかかるべく、日本が米国に対しても質問票を送っています。米国からの回答が返ってきたのはいつですか。農水省は、この米国の回答の扱いについて技術検討委員会に報告をされましたか。この点、お伺いします。
○中川政府参考人 ステータス評価の作業は十三年の三月から行ってきておりますけれども、我が国に畜産物等を輸出している国のうちBSEの未発生国を対象といたしまして、これは六十六カ国ございましたが、調査票を送っているわけであります。

その後、昨年の五月にカナダでBSEが発生をしたことを受けまして、こういったステータス評価のあり方自身を再度検討する必要があるということが生じてまいりました。この点は、日本だけではなくてEUにおきましても、そういったような新たな事態を踏まえましてその評価のあり方自体を再検討しているという状況でございますので、現在はこの作業はストップいたしておるところでございます。
○高橋委員 昨年の五月にもあり方自身が、それはいいです、わかっております。問題は、十三年の三月にステータス評価を未発生国に送った、その回答の扱いですね。当然、米国からも来ているわけですね。どのようになっていますか。
○中川政府参考人 私自身、今の先生のお問いに対して具体的に申し上げるデータを持ち合わせておりません。
○高橋委員 データを持ち合わせていないというのはどういうことですか。回答がなかったということですか。
○中川政府参考人 アメリカからの回答は来ておりますけれども、申しわけありませんが、今の時点で、いつそれが来たのかというそのデータは持ち合わせておりません。
○高橋委員 では、私の方で説明を受けたことを言いますね。

答えが返ってきたのは二〇〇一年の七月、日本側が再質問をして最終回答は二〇〇二年の五月に来ているということを聞いています。ですから、この詳しい内容について今お答えができないというのであれば、やはり別な機会に委員会にきちんと報告されることを、委員長、要請いたします。お願いいたします。

このことが、やはりこの間ずっと日本の感染ルートの問題やステータス評価について検討していた技術検討委員会にも報告されなかったということでは、非常に問題があると思うんですね。大臣は承知されていましたでしょうか。
○亀井国務大臣 承知をいたしておりません。
○高橋委員 こういう状態でありますので、本当はそのほかにも、アメリカの会計検査院のさまざまな指摘、あるいはアメリカの農務省のリスク評価センターに委託した結果だとか、さまざまなデータがこの間に出ているわけですね。その点についてはちょっと触れる時間がありませんけれども、そういうデータを持ち合わせていたということは、当然、発生のおそれがあるということを認識していた。つまりは、今回の海外調査団の報告書でまとめられたような程度のものは当然認識していたと私は思います。

 ですから、その点で改めて、政府はもっと未然に、例えばEUであれば危険部位の輸入をきっちり禁止しているわけですね、そういう態度をとることができたはずだ。そういう責任に立って、改めてアメリカに対して、今全頭検査は必要ないとアメリカは言っているけれども、きちんと、これまで言っているように、全頭検査、危険部位の完全除去を求めていく、そういう強い決意をお願いしたいと思います。

 これは、大臣とそれから厚労省、それぞれからお願いします。
○亀井国務大臣 私は、先般、ベネマン農務長官と電話で一時間ほど会談をいたしました際にも、日本で行っておりますいわゆるBSEの全頭検査並びに特定部位の除去、このことにつきましては強く主張しておるわけでありますし、日本の食の安全、安心、このことを考えますときに、やはり日本の消費者が安心してそれを消費することのできるものでなければならない、こう申しておるわけであります。
○森副大臣 厚生労働省といたしましても、農水大臣から御答弁があったとおりでございます。
○高橋委員 この点は確認したいと思います。先ほどのステータス評価の問題は、資料を求めて、継続してお願いしたいと思います。

次に、やはりこの問題で影響を受けた関連業者の問題について、やはり救済をぜひやってほしいということを質問したいと思います。

仙台は牛タンがまさに文化とも言えるような状況でありますが、この牛タンが今在庫切れに追い込まれるという窮地に立たされております。二年前のBSEの発生のときには、閉店に追い込まれた店もあり、売り上げが半減する、そういう中からやっと立ち上がってきて、今回またこの問題が起きた。確かに、八割以上米国産に頼っているわけですが、代替策は、今どうやっても、オーストラリア産や和牛が少しあったとしても足りるものではないわけです。

ただ、問題は、在庫が、個人商店だとあと一カ月しかもたない、大型店でも三カ月しかもたないと言っている。だけれども、ここで関係者の話ではありますけれども、卸元、日本ハムだと言われていますが、その商社が、発生後たった一週間でキロ八百五十円を二千円に値上げした。倍の価格で売るわけにいかないから、これ以上はもう仕入れできないという状況に追い込まれているわけです。

私は、政府が今言ったようなきっぱりとした態度をとれば、当然、再開のめどもつくわけだし、めどさえつけば、今ある在庫をしっかり活用して、中小業者に問題がないようにできるはずだと思うんです。そういう点で、卸元に対してきちんと指導していくべきと思いますが、見解を伺います。
○亀井国務大臣 米国産牛肉等の輸入停止に伴いまして、牛タンなどの内臓類を含む牛肉製品につきましても、便乗値上げが起こることのないよう、いろいろの措置をいたしております。

昨年十二月二十五日には、便乗値上げの防止につきましての要請を関係団体に文書で通知いたし、あるいはまた、価格に関する相談窓口を設置したりしておりますし、これらの価格の動向監視、また、不当な便乗値上げを防止しておるところでもございまして、仮に不当な便乗値上げが認められた場合には適切に指導する、こういうようなことをいたしております。
○高橋委員 時間が来ましたので、しっかりよろしくお願いします。

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