国会質問

質問日:2004年 3月 2日 第159国会 予算委員会

小児医療体制の拡充を要求 ―分科会

 日本共産党の高橋ちづ子議員は二日の衆院予算委員会の第五分科会で、東北地方の医師不足による深刻な医療空白の実態をとりあげ、国の責任で地域医療を守り小児医療体制を拡充していくよう求めました。

 高橋氏は、東北地方では、小児救急拠点病院がゼロ、常勤当番医がいる医療圏が青森県でゼロなどの実態を示し、「現状をどう認識しているか」とただしました。坂口力厚労相は「北海道、東北は医師そのものの数、特に小児科医が足りない」と答え、「医師の数は地域的な偏りがあり、専門科目にも偏りがあるのでどう是正するかが課題だ」とのべました。

 高橋氏は、「春から常勤医師が二人だけになり仙台に行かざるをえない」というメールが宮城県古川市の男性から届いたことを紹介。国の責任で、地域医療を拡充するよう求め、国立病院の統廃合で国立療養所の常勤小児科医が減っている問題をただしました。

 坂口厚労相は「(国立療養所は)地域医療の大きな柱。(医師を引き揚げた)大学病院とよく話し合ってほしい」とのべました。

 再編が進む自治体病院の問題で高橋氏は、青森県五所川原市の周辺地域で「産婦人科(の医師)がいなくなり五所川原市まで自分で車を運転してきている」などの声があがっていることを紹介。地域医療を後退させないために、国として強力な支援が必要だとのべました。坂口厚労相は「地域の政策医療を担当しているので一般の病院と違った側面があり、すべて採算性にのっとってやればいいわけではない」と答えました。

(2004年3月4日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、小児救急の問題について質問します。

 小児科の当直医師が不在だったために小さい命が犠牲になった、二〇〇二年九月の一関市、佐藤頼ちゃんの事件は記憶に新しいところです。御両親と支援する会の方たちが、小児救急体制を拡充してほしいという三万六千人もの署名を国に提出、国会でも話題になりました。また、朝日新聞が二月十五日付で報道した全国自治体病院の調査を見ても、小児科の医師確保が最も困難と答えているように、全国的にも大きな課題となっております小児救急、小児科の医師確保の取り組みを、国としてもこれを踏まえて進めてきたことだと思われます。

 そこで、まず小児救急医療体制の確立について、どのような実施状況になっているかについて伺います。

○竹本大臣政務官 お答えさせていただきます。

 昨年九月一日時点での小児救急患者を受け入れる病院の整備状況を見ますと、全国で四百六医療圏のうち百八十医療圏が整備済みであるのに対しまして、先生の御地元の東北六県に限った場合は、五十一医療圏のうち六医療圏に整備がとどまっている、こういうことでございます。これらの背景には小児科医の地域偏在がありまして、地方において小児科専門医の確保が難しい等の理由があると考えております。

 厚生労働省としましては、特に小児科医が少ない地域も含めまして、ITを活用して救急担当医と小児科専門医が情報及び意見を交換しながら治療に当たることができるような小児救急医療ネットワークの構築等の事業に対する補助を行ってきたところでございます。

 さらに、平成十六年度には、約二億円の予算を用意いたしまして、医療関係者が積極的に小児救急医療に従事できるように、地域の内科医等を対象としました小児救急に関する医師研修等の事業を盛り込み、都道府県と密接な連携を保ちながら積極的に実施に取り組んでいく予定をいたしております。

 今後とも、地域における医療関係者等の御意見を十分聞きながら、小児救急医療体制の整備を図り、国民が安心できる医療を提供できるよう努力をしてまいりたいと思っております。

 ただ、先生が御指摘のとおり、人口十万人に対して小児科医が、全国平均で二十六・五人でございますけれども、東北地方では二十二・二人と、大きい差があるのが現実でございます。

○高橋分科員 ずっと先までお話をしてくれたようなところでもありますけれども、こうした中で、東北の小児科医師の不足が全国から見ても非常に厳しいという御認識かと思います。

 そうした中で、例えば国庫事業としてやってきた小児救急拠点病院が東北ではゼロであること、支援事業も岩手、宮城、福島に一カ所、秋田に二カ所という状態であります。また、いただいた資料によりますと、常勤当番医がいる医療圏が青森ではゼロ、岩手、秋田、山形が一、宮城五、福島三という状態であります。医療圏別に見ると、当直体制すらないという状態が残されていますが、その点についての御認識を伺いたいと思います。

○坂口国務大臣 各地域におきまして、小児科医が非常に不足してきていることは事実でございます。その中でも、今御指摘になりましたように、北海道、東北という地域から、非常に小児科医が足りない、小児科医だけではなくて医師そのものが足りないというお声が届いておりまして、中でも小児科医が不足をしているというお話がございます。ここをこれからどうしていくかということなんだろうというふうに思います。

 先ほど政務官からお答えがありましたとおり、当面の課題としては、内科の先生にでもお手伝いをいただいて、少し小児科の研修を受けていただいて、そして小児科のことをおやりいただくといったようなことをやっていかなければなりませんけれども、将来本格的に小児科の先生をどう確保していくかということをやらないといけないわけでございます。

 国全体として見ますと、もう医師の数は足りているのではないかというふうに言われているわけでございますが、しかし、地域的な偏りがある、あるいはまた、いわゆる専門科、科別の偏りがあるということでございまして、そこをどのように是正していくかということが今後の大きな課題になると思います。ですから、今までトータルでの医師の数ということで、もうこの辺が頭打ちではないかというふうに言われてまいりましたけれども、もう少しきめ細かく、足りない科の先生をどうふやすかということに少し方向転換をしていかないといけないと思っております。

 そうしたことで今後我々も取り組んでまいりますが、それぞれ各都道府県に医学部は存在するわけでございますので、それぞれの地域におきましても、少ない科の先生方をどう確保していくかということについてお取り組みをいただくことができれば大変ありがたいというふうに思っております。

○高橋分科員 国立成育医療センター総合診療部救急診療科の阪井裕一先生は、日本小児科学会への提言の中で、現在の小児救急医療の危機を乗り切るための方法は、診療依頼に対して、それが患者からであれ、救急車からであれ、ほかの医療機関からであれ、必ず受けるという基幹病院をつくることであると提言をし、その後なんですけれども、先ほど話をした一関の例について、盛岡や仙台に必ず小児の救急患者を受け付けるという基幹病院があり、直ちにいずれかに搬送できればよかったのではないかと述べております。盛岡も仙台も一関から約百キロ離れておるが、救急車で搬送すると一時間余りだという指摘であります。

 私は、実はそれできょう皆さんに地図を配らせていただいたんです。百キロというのは、この阪井先生がお話をしたわけでありますけれども、仙台市から百キロで、これはちょっと単純な図でありますけれども、円を引いてみましたけれども、東京に照らし合わせてみると房総半島から熱海の先まで入る、中にはさまざまな山脈もある。

 こういうことを、まさかそれは国の認識ではないと思っておりますけれども、百キロ離れていても救急車で搬送する、それだけの距離で拠点病院があればいいという認識ではないですよね。確認をしたいと思います。

○坂口国務大臣 今進めておりますのは、いわゆる二次医療圏に一つずつ小児救急ができるような体制をどう確立するかというので進めております。特に大きい病院がないときには開業医の先生方に交代でひとつお引き受けをいただきまして、そして小児救急の担当をしていただくといったようなことを各地域で行っているわけでございまして、医師会の先生方にもかなり御協力をいただいているところでございます。

○高橋分科員 医療圏に民間の先生、医師会の先生などいろいろ踏まえて御協力をいただくというお話だったと思うんです。それが、実際、今私が、ちょっとオーバーに見えたかもしれないけれども、この百キロの空白に近いことが起こりつつあるんではないかということでお話をしています。

 二月二十四日付の河北新報で、「小児医療「空白」の危機」という記事が出ました。宮城県県北の三つの医療圏、気仙沼、気仙沼はちょうど仙台から百キロのところにありますが、登米、栗原にある公立病院のうち、小児科医師の常勤医が三人しかいないが、四月からたった一人になるということであります。

 この記事を見て、すぐその日のうちにこの三医療圏の隣にある古川市の男性からメールが来まして、ここでやっている民間の病院が小児科が廃止になって、全体として市民病院の二人の常勤の医師しかいなくなるという訴えでありました。ですから、一斉に仙台に行かざるを得ない、あるいは盛岡に行かざるを得ない、こういう状況が生まれてくると思うんですね。第二の頼ちゃん事件が起こってもおかしくはない、そういう事態ではないかと思うんです。

 ですから、このことをやはりどのように認識するのかということと、国がやっている補助事業、支援事業や、初期救急医療推進事業など今十五地区にとどまっておりますが、箇所を思い切ってふやすなどの対策を考えるつもりはないか、もう一度伺います。大臣にお願いします。

○坂口国務大臣 私が答えるということになりますと、余り具体的なことは答えることができませんから大枠の話になりますから、お許しをいただきたいというふうに思いますが。

 先ほど申しましたように、二次医療圏に一つずつはつくっていくという前提のもとに今進めているわけです。ところが、正直言ってなかなか進んでいかない地域がある。そこを一体どうするかということで、余り少ないところにつきましては、隣同士の二次医療圏の二つに寄っていただいて、そこで一つつくるようなことをまずやっていくといったことも今行っているところでございます。

 それぞれの都道府県におきまして、やはり、自分の県、あるいはまたその隣の県とあわせて、あるいは東北全体でいいんですけれども、東北として一体どういうふうに今後していくかというようなお話も多分していただいていると私は思うんですね。自分たちの地域の中で小児科をいかにふやしていくかということも、私はお話をしていただいているというふうに思うんです。これはかなり積極的に取り組んでいただかなければいけない問題でございまして、地域によりましては、自分たちの地域にいかにして小児科医をつくるかといったことについて積極的な対策をお考えになっている地域もございますから、そうしたことを今後しっかりおやりいただかないといけないと思っております。

 国全体として行いますことは国全体としてどうするかという問題になりますので、地域別の問題につきましては地域でもお取り組みをいただかなければいけないというふうに思っております。

○高橋分科員 何か次の質問にかかわることが出てきたなと思うんですが、その前に聞きたいことがあります。国としてやるべきことの問題ですけれども、指摘されてきた国立病院の小児救急への参加についてです。

 十四年の十二月四日付で、「小児救急医療提供体制の確立に向けた支援・協力について」ということで、厚生労働省として国立病院にも依頼をしているようですけれども、東北における進捗状況はどのようになっておるでしょうか。

○冨岡政府参考人 国立病院・療養所といたしましては、小児科医師の常時当直、それから地域の小児救急医療支援事業などへの参加、こういったことを通じまして地域の小児救急事業にできるだけ協力してきておるところでございます。

 御指摘のございました平成十四年十二月の通知前後の進捗状況を申し上げますと、平成十四年十月時点では全国で五十四の病院・療養所がこのような事業を実施しておりましたが、通知が出ましてから半年後の十五年四月には五十九施設に実施施設がふえてございます。

 しかしながら、東北地方における状況を見てみますと、先ほど来の議論で、小児科医の確保が非常に困難である、それから、地域における小児救急医療体制の整備に向けた取り組みが必ずしも進んでいないという状況があるわけでございまして、こういった背景の中で先ほどの数字を東北地方について見ますと、十四年十月には一、仙台病院で実施しておりましたが、十五年四月時点では福島病院一病院がふえております。

 以上でございます。

○高橋分科員 要するに、仙台の病院と福島の療養所一つずつという到達でありますよね。東北においてはやはり非常におくれている。

 一方では国立病院の統廃合を進めている。国立療養所盛岡病院を初め国立療養所の小児科常勤医師そのものが減っているわけですよね。せめてここをしっかりと確保する、こういう点での国の責任というのを発揮するべきではないかと思いますが、もう一度伺います。

○冨岡政府参考人 ただいま具体的にお話ございました盛岡病院につきましては、小児科医師の不足の中で、特にそれまで四名おりました小児科医が、大学から派遣という形でお願いしておりましたが、そういったことがままならなくなりまして、小児医療につきまして非常に思うようにいかないという実態があるということは事実でございます。

 そういった中で、全国的には、小児医療の振興ということにつきましては、国立病院・療養所として、先ほど通知の話が出ましたが、取り組みを進めてきておりますが、これから、四月から、国立病院・療養所は国立病院機構ということで独立行政法人になることになっておりますが、今後国立病院機構がどのような医療を推進するかということが議論になっておりまして、そういった中でも、この小児医療の振興ということにつきましては重要な課題として検討しておるところでございます。

○高橋分科員 今あえて独法化のお話をされたということは、小児救急のおくれがある、特に東北においては医師不足が非常に深刻である、しかし四月からは独法化だしという点では、国はそういう中でどう責任を果たしていくのか。独法化なんだから責任ないと言っているように聞こえますが、そうではありませんよね。もう一度確認したいと思います。

○坂口国務大臣 これは地域の大学病院も含めていろいろお話し合いをいただかなければならないことだと思います。

 大学病院というのは、教育、研究、そして医療、その三つをよく言われますけれども、それにもう一つ、私は地域医療というものが大学病院の抱えております柱だと思っております。地域医療というのが一つの大きな柱だと思っている。しかし、ややもいたしますと、大学病院というところは地域医療のことを忘れてしまう可能性がございまして、それではやはりぐあいが悪いと思うんですね。これは文部科学省の管轄でございますから、私が余り余分なことを言うとしかられるわけでございますけれども、しかし、それは私はかねてからそう思っております。

 ですから、それぞれの地域で、例えば四人も国立病院におみえになった小児科の先生が全部引き揚げられたのか、中には開業された人があるのか、よくわかりませんけれども、やはりそこは大学病院等ともよくお話しをいただいて、そして拠点病院に対しましてはやはり配置をしていただくような話し合いというものがそれぞれの地域でなければならないというふうに思うわけです。

 もちろん国の責任もありますけれども、地域地域でのそうした責任というものも私はあるというふうに思います。

○高橋分科員 ぜひ、この小児科医の問題については、大臣おっしゃったように、大学病院、文部科学省とも大いに相談をされて、医師の派遣ができる体制をお願いをしていただきたいと思います。

 それで、次の話題に移りたいと思うんですが、今大臣が大きな柱だとおっしゃった地域医療の問題で、今私は地域医療が後退するのではないかと非常に心配をしていますので、その点でお話を伺いたいと思います。

 そのかなめとなる自治体病院の問題であります。昨年十月に青森市で開いた、全国自治体病院開設者協議会等が開いた自治体病院改革サミットでは、全国、特に地方の自治体病院は今医師不足と経営難で存立の危機に立たされていると訴えています。また、東北の各県にとっては大変羨望のまなざしだった岩手県、県立病院を二十七も持ち、地域医療の先進例として言われてきた岩手県が、今、サテライトシステムの導入などを生かして県立病院の再編を進めるとうたっており、この点について地域から診療所化では対応できないという非常に悲痛な声が上がっています。

 十五年の八月、医療提供体制の改革のビジョン、厚生労働省が発表したこのビジョンでは、「医療計画において、二次医療圏における公的病院等の特定の役割や医療機関相互の連携方策等を定め、地域の実情に則して公的病院等の在り方を根本的に見直し、必要に応じ病床数を削減する。」としておりますが、自治体病院の役割について、また今後の方向性についてどのように考えていらっしゃるのか伺います。

○竹本大臣政務官 御指摘の医療提供体制の改革のビジョンでございますが、この中で、自治体病院を含みます公的病院のあり方について、今先生おっしゃったとおり、地域の実情に即して根本的に見直す、必要があれば病床数の削減も行う、また会計基準を見直すことによりまして運営の効率化を促進します、こういったことを盛り込んでおりますが、中でも、公的病院につきましては、地域における医療提供体制の整備を図る観点から、僻地医療、救急医療等の確保において重要な役割を期待しているところでございます。これまでも必要な支援を政府としては行ってきたところでございます。

 また、平成十四年十二月から、中央省庁レベルで公的病院等に関する関係省庁連絡会議を開催しておりまして、この中で、都道府県等の単位で公的病院等や民間医療機関の関係者、医療行政担当者などを構成員とした協議の場を設置いたしまして、地域の実情に応じた公的病院等の役割やあり方の見直し、あるいは民間医療機関との連携の確保、こういったものを図るよう関係者に要請しております。

 要は、病院側と市町村側だけじゃなくて、第三者機関といいますか、民間医院等も含めまして、より総合的な立場で地域の医療はどうあるべきかということを皆さんで話し合おう、こういうことにしております。

 今後とも、関係の省庁とも十分連絡をとりまして、地域における質の高い医療を効率的に提供できる体制が整備できるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

 先ほど先生御質問の小児救急医療におきましても、親というのは子供が病気になるといても立ってもたまらないから、できるだけ専門医に見せたいという御要望がございます。ところが、東北のような遠隔の地ではなかなか専門医が近くにおられない。そこで、その問題をどうするかということでございますけれども、小児科医を適切に配置することが一番ベストな形でございますが、それが十分いかない現状の中で、ITを活用したいろいろな方法を使いまして、小児の専門医から現地における専門外のお医者さんに小児への対応の仕方を教えたり、あるいは研修を実施したり、そういったことでできるだけ現実的にこういった救急医療の体制を組んでいこう、そういうことで政府も予算面でも努力をいたしておるところでございます。

 以上です。

○高橋分科員 例えば、青森県の下北地域保健医療圏の再編計画を見ますと、むつ市の総合病院を中核病院として、大畑町と川内町の二つの病院を診療所にするというものであります。この川内町というところでは、病床数が三十で、利用率が半分くらいだということで、ベッド数が削減ということが言われておりますが、いずれは、診療所になれば、一人の医師、あるいは無床化になるのではと住民が不安の声を上げているんです。民間の医師が一人もおりません。中核病院と位置づけるむつ市まで車で一時間、中心部に出るまで三十分、合わせて往復で四時間かかるという状態であります。そうしたところで声が上がっています。

 あるいは、西北五という津軽半島の地域の方になりますけれども、そちらの方では二つの町立病院の縮小、一つ廃止、一つは無床の診療所化などが決まっています。「車のない私たち年寄りには、五所川原は遠過ぎて行けない」という声、「四月から急に産婦人科がなくなると言われた。西郡ではもう産婦人科がないので、仕方なく五所川原にまで検診に来ている。自分で車を運転しているのですごく疲れる。出産が近くなり陣痛が始まったときのことを考えるととても心配になる」、そういう女性の声などが聞かれています。

 このように、今地域医療が本当に危うい状態になっていると思われますが、もう一度大臣の認識を伺いたいと思います。

 それから、総務省に対しては、自治体病院の経営についてどのように指導されているのか伺います。

○山口政府参考人 お答えを申し上げます。

 自治体病院に対する支援ということでございます。

 まず、財政的な支援について申し上げますと、自治体病院の財政運営につきましては、経費を経営に伴う収入によって賄う独立採算を原則としておりますけれども、その性質上、すべての経費を料金収入でカバーすることが困難なものもございます。したがいまして、その部分につきましては、一般会計から繰り出すというような措置も行われているところでございます。

 例えば、保健衛生等の一般行政経費、あるいは僻地医療等不採算経費などにつきましては、そういった繰り出しが行われておりますけれども、地方公共団体がそのような繰り出しを行うための所要額につきましては、毎年度、地方財政計画に計上して、地方交付税等による措置を講じているところでございます。

 このような財政的な支援をしておりますけれども、自治体病院につきましては、いろいろお話がございましたように、離島、山間等の僻地医療や救急医療、高度医療といった、他の医療機関では果たすことが困難な分野における役割を担っておりまして、採算面では非常に厳しい状況に置かれているわけでございます。そのため、先ほどの繰り出しとか、そのための所要の財政措置を講じているわけでございますけれども、現下の厳しい経営環境の中では、より効率的な経営に努めていただく、経営の健全化を図っていただくということが必要でありますし、また、経営基盤を強化するという観点から、再編、ネットワーク、そういったような見直しというものも必要なことであろうというふうに考えているところでございます。

○坂口国務大臣 総務省からお答えのあったとおりでございますし、もう私の方から余り言うことはございませんが、地方自治体病院というのは、それなりにそれぞれの地域の政策医療というものを担当していただかなければならないわけでありますから、普通の一般病院と違った側面も私はあるというふうに思っております。

 したがいまして、すべて採算性にのっとってやっていけるかといえば、そうした政策医療を持っているがゆえにやっていけない側面もありますから、そこは理解をしなければならないところだと思っておりますが、しかし、自治体病院だけではなくて、公的な病院がすべて赤字というのでは、これはやはりいけないわけでありまして、それぞれの病院も御努力をいただかなければならないというふうに思っている次第でございます。

○高橋分科員 今の大臣のお言葉、やはり地域医療を担っている自治体病院が民間の病院とは違った側面を持っている、すべて採算性だけでははかれないということを、本当に大事なお言葉なのかなと思っております。赤字がどんどん進んで再編しなくちゃいけないというふうな話にはなっているけれども、しかし、地域の医療で本当に空白のところがあってはいけない、あるいは、経営を何とかするために極端なサービスの後退があってはいけないということは、指摘をしておきたいと思います。

 最後に一言だけ。二十六日に、三省によって地域医療に関する関係省庁連絡会議が行われて、「へき地を含む地域における医師の確保等の推進について」というのがまとめられました。この中で、都道府県を主体として、医師確保体制など地域における医師採用、確保のための新たなシステムの検討を行うということが盛り込まれておりますが、この中身について一言伺いたいと思います。

○坂口国務大臣 そんなに詳しいことはここで決まっているわけではございませんが、今お話がありましたように、総務省、文部科学省そして厚生労働省の間で連絡会議が開かれまして、地域における医師確保のための新たなシステムの検討ということがそこで議論をされ、そしてそこが位置づけられたところでございます。

 大学によります医師の配置システムが大きく変わろうとしております中で、幾つかの都道府県において、都道府県を主体とした医師の採用だとか僻地への配置等を実施、検討しているところがあるということでございます。大学病院がすべて派遣をするのではなくて、そうではない、自分たちで医師をある程度確保しておいて、さまざまなところにそれを配置すると申しますか、そうしたことを自分たちでやろうという試みが、かなりの都道府県におきましてもうでき上がりつつあるということでございますので、そうしたことをこれから進めていくことについて、国の方としてもバックアップをしていかなければならない、そうしたことでございます。

○高橋分科員 自分たちでやるということだけが強調されると、また自治体の負担がふえるということになりますので、それに対して国が支援をしていって新たな医師確保のシステムができていくということにぜひ期待をしたいと思いますので、強く要望しておきます。

 ありがとうございました。

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