国会質問

質問日:2004年 3月 4日 第159国会 農林水産委員会

鳥インフルエンザ問題

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 予算委員会でも議論をされてきたと思いますが、まさに今回、本当に最悪のケースだと思います。移動制限を最初から超えてしまった、想定を最初からもうはみ出していた、そういう意味では、まさに取り返しのつかない極めて悪質なケースであります。しかし、匿名の電話によってこの発生が確認されたわけですが、その後も次々と初動の対応の問題点が指摘をされています。

 その中で、まず最初にお伺いしたいのは、この浅田農産の社長が、最初に発生が疑われたときに、獣医に見せたら腸炎だと診断されたと、そのことが実は虚偽だった、見せてもいないし、社長とかあるいは会社の中に獣医の資格を持った人はいないということが確認されたわけですよね。

 そもそも、何で今になってそれが判明するのかなと率直に疑問に思うわけです。では、そのことを、獣医に見せたんだという言い分を聞いた時点で、例えばその獣医とはだれかと特定をするとか、事実関係を確認するということがあってしかるべきだったのではないかと思うんですが、一体、実際そのときの対応がどうだったのかをまず伺いたいと思います。

○中川政府参考人 二月の二十八日ですけれども、京都府の方から私どもが受け取った情報としましては、この発生農場では、日常的に診察、診療を依頼している獣医師はいない、異常があれば飼料会社の研究所に検査を依頼しているというふうなこと。それからもう一つは、二月の二十二日に実施した解剖では、病変は腸管に限定されており、腸炎を引き起こす細菌のクロストリジウムを疑ったというふうな記載がございました。これは、京都府の方から私どもの方にファクスで情報提供があった中にそういうことが書いてあったわけでございます。

 そこで、このようなクロストリジウムという特定の疾病を疑ったとの記述があったことから、獣医師の関与があると考えまして、京都府の方にさらなる事実関係の確認を行ったわけです。

 その後、三月の一日でありますけれども、同じ京都府の農林水産部畜産課の方から、農場主からの聞き取りによる情報として、本病発生前に獣医師の関与がなかった旨の連絡があったということで、最初の情報であります二月の二十八日のことが必ずしも正確でなかったということもわかったということでございます。

○高橋委員 では、日常的にいないということはもう二十八日の時点でわかっていたと。ですから、これは、腸炎だとは言ったけれども、医師の関与はないということは、農水省の判断として、京都府から連絡を受けた時点ですぐに疑った、関与はないということを疑ったというふうに確認してよろしいですか。

○中川政府参考人 二十八日の時点で、情報を受け取ったその中身から判断して、そういう報告の内容から見ると専門的なことが書いてありますので、これは獣医師の関与があるのではないか、そうであるとすればそれはどうかということで京都府に照会をした。これは二十八日の情報を受け取った時点でございます。その結果、京都の方から、さっき申し上げましたような獣医師の関与がなかったという情報を得たのが三月の一日ということでございます。

○高橋委員 事情はよくわかりました。最初は、やはり、社長が言ったとおりだと思ったということですよね。

 そのこともまた非常に、これが家伝法の改正などが問われる一つの理由にもなると思いますが、初動での指導が徹底できない、業者の義務が明確にされていないということの不備がまたここでも明らかになったのかなと思うんです。

 私は、この初動のおくれということでさまざまな問題があると思うんですが、ただ、これを京都府だけの責任にするわけにはやはりどうしてもいかないなと思っております。

 最初の山口で事件が起こったときに、本当に関係者の皆さん、まず防疫マニュアル、これだけが頼りだということで、それにすがって必死の対応をしているという感じがいたしました。そのときは、県の本部の中に、国から直接派遣をされて陣頭指揮をとっていたわけですね。ところが、大分に行ったら、関係農家の皆さんなどが自主的に出荷自粛をしたり、役場の皆さんは、県の指導を待たずに立ち入りをしようということで自主的に動いていたり、そして、国の人は来ていますかと言ったら、国からは来ていないと。私は、チャボ一羽ということで、この時点でもう既に国の方に緊張感が欠けていたのではないか、国が乗り込んでいってやってもよかったんじゃないかと思うんです。

 何で、京都になったらまた振り出しに戻って、さっき大臣は、防護服を着て大変な苦労をされたお話をされましたけれども、感染が確定するまでは、防護服は着ないで、やはり京都府の職員の皆さんが立ち入りをしているわけですね。極端な話、そして次の農家にも行く、検査もする。消毒の体制は、靴の消毒とか一切やらない状態が何日か続いたわけですよね。そうすると、これは非常に残念なことだけれども、ウイルスを人が運んだということを避けられないわけですよね。

 何でこういうミスがまた繰り返されるのかといったときに、まず、山口、大分と重ねてきた経験がしっかり各県に徹底されて、初動の対応はこうだということが市町村の段階までおりている、そうでなければならなかったと思いますが、その点、御認識を伺います。

○中川政府参考人 初動の防疫対応の重要さというのは、先生おっしゃったとおりでありますし、また、そういった対応というのは、全国どこであっても同じような意識を持ってやるべきだというのも、そのとおりだというふうに思います。

 これまでも、各都道府県に対しましては、数次にわたって通知を出したりしながら、こういったことの意識の徹底ということをお願いしてきたわけでありますが、本日三例目の発生ということも受けまして、本日の午後に各県の主務部長さんに集まっていただきまして、山口なり大分なりの例、それからまた今回の京都の例も踏まえまして、山口や大分からはそれぞれの県の経験なりを踏まえた御意見もいただくことにしておりまして、こういった会合などを通じまして、関係の都道府県すべてが同じような問題意識でもって対応できるように努めているところでございます。

○高橋委員 発生県じゃないところが本当にどうしたらいいのかという不安を抱えておりますので、今お認めくださったとおりに、徹底した各県に対する指導援助をされるよう強く要望しておきたいと思います。

 次に、死亡鶏の問題なんですが、この点についても、私たちは、ルートの確定ということとも絡んで、死亡鶏の調査をきちんとするべきだということを求めてきたわけです。

 それで、マニュアルを見ますと、「家きんの死亡率の上昇、産卵率の低下又は呼吸器症状等の臨床症状から本病が疑われる臨床症状を示す異常家きんを発見した場合には、直ちに」報告する云々、こうなっているわけですね。でも、これで本当に済むのかということなんです。

 三月一日に、社団法人日本養鶏協会あるいは日本鶏卵生産者協会のそれぞれの事務局が、関係団体に対して、「鶏病の基礎知識について」という情報を出しております。その中に、一般には、その病勢に応じた病変が見られることとなりますけれども、「特に、極めて重度の急性伝染病においては必ずしもこの分類とは異なり、殆んど病変がみられない、急性の場合よりも病勢が厳しい甚急性とするタイプがあります。」と。

 要するに、異常だということが見た目で判断できない、自然に死亡していく場合もあるんだということをこの中で指摘されておりますが、この点でも、国の認識はどうだったのかということを伺いたいと思います。

○中川政府参考人 マニュアルにおきましては、先生がおっしゃったような、例示として幾つかの症例を挙げておったわけでありますけれども、いざ日本で、第一例、第二例というふうな形、あるいは今回の第三例というふうなことで、高病原性鳥インフルエンザの実際の症状を見てみますと、必ずそれだけではないということがわかってきたわけであります。

 そこで、これは本日出した通知でありますけれども、羽数の多少やそういったことではなくて、あるいは症状の一定のものではなくて、いろいろな高病原性鳥インフルエンザの症状というのはあるということで、何らかの異変があった場合には、すぐに家畜保健衛生所の方に相談をするように、届けるようにというふうなことについての注意喚起もいたしたところでございます。

 それぞれ、知見がだんだんと集まってくるに従って、そこは、そういった事実に立脚をしてまた適切な指導をしているところでございます。

○高橋委員 それだけではないということがわかったというお答えだったと思います。

 この死亡鶏の問題は、BSEの問題でも、亡くなった牛の調査ということをやろうということが話し合いの中で決まったわけですよね。そのことからも学んで、大事なことだということを、私たちずっと問題意識を持ってきました。

 説明に来られた職員の方の中で、なぜ死亡鶏の調査をしないのかという話をしたときに、死に方でわかるという言い方をされたんですよ。そういう認識だから、やはりこれから、何らかの異常なという言い方ではなくて、本当にそこまで、異常がない部分についても一定の調査をしなければ、本当の原因はわからないんじゃないか。そのことを改めて伺いたいと思いますが、もう一度お願いします。

○中川政府参考人 今回の京都の事例も踏まえまして、先ほど申しましたが、きょう出しました都道府県あての通知によりまして、定期的に各養鶏の事業者の方から家畜保健衛生所の方に報告をいただく。それは、飼養羽数とその一週間の間に死亡した羽数を報告をいただくということでございます。そういう定期的な報告、しかもこの報告は家畜伝染病予防法に基づきます報告徴求ということでありますので、きちっと実施をしていただきませんと、罰則も後ろにはあるというものであります。

 そういったきちっとした義務を伴うものとして報告をお願いする、そのことによって、現場でどういう変化が起こっているかということをきちっとつかんでいきたいというふうに思っております。

○高橋委員 よろしくお願いいたします。

 次に、関連業者に対する支援についてお伺いをしたいと思うんです。中小企業庁の考えを聞きたいと思います。

 前にも、大分県の発生のときに、この三十キロ圏内にはさまざまな温泉など観光産業もある、加工業者も含めて地域経済に与える影響が大きい、そういう点での支援も検討してほしいということをお願いしてきた経緯がございます。農家というだけでなく、関連業者、中小業者に対する支援について具体的にどのように検討されたか、伺います。

○福下政府参考人 今回の国内三例目の鳥インフルエンザ発生に伴いまして、全国的に鶏肉、鶏卵等の取引関係に影響が出始めているということで、昨日、農林水産省から経済産業省に対しまして、鶏肉等の卸、小売業者、飲食店等の関連中小企業者に対する対策実施について要請がございました。

 これを受けまして、経済産業省におきまして、直ちに、関係中小企業者に対する支援といたしまして、次の二点の措置を講ずることといたしまして、昨日中に関係機関に指示をしたところでございます。

 第一点目は、特別相談窓口の設置でございます。政府系中小企業金融三機関でございます中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、商工組合中央金庫のほか、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会等に特別相談窓口を設置いたしまして、関連中小企業者の相談に応じる体制を整えたところでございます。

 第二点目は、運転資金の貸し付けでございます。政府系中小企業金融三機関が、関連中小企業者に対して、セーフティーネット貸し付けといたしまして、運転資金を一般貸し付けとは別枠で貸し付けるという特例措置を講じたところでございます。

 今後とも、農林水産省等関係機関と緊密に連携をとりながら、対策の実施に当たってまいりたいと考えております。

○高橋委員 残念ながら時間がないので、指摘だけにとどめますけれども、今、答弁の中に、昨日要請があったとおっしゃいましたよね。要するに、今まで、山口で発生をし、大分で発生をしたけれども、農水省から要請がなかったということなんです。だから、関連業者に対しての支援について、そもそも検討の議題に上ったのがきのうだった、ここが非常に問題だと思うんですね。

 BSEのときは、十二月二十四日にアメリカで発生したら、翌日に農水省からすぐ中小企業庁に要請しているんですよ。それなのに、今回はきのうまで何の要請もなかった。今回の問題が関連業者に与える影響、地域経済に与える影響、どれだけ大きいかということを農水省がやはり意識していなかったのかと、非常に残念でなりません。

 そういう立場で、これまでの発生した関連業者も含めて十分な支援をしてくださるよう要望して、終わりたいと思います。

▲ このページの先頭にもどる

高橋ちづ子のムービーチャンネルへ
街宣予定
お便り紹介
お問い合わせ
旧ウェブサイト
日本共産党中央委員会
しんぶん赤旗
© 2003 - 2020 CHIDUKO TAKAHASHI