国会質問

質問日:2004年 4月 20日 第159国会 本会議

イラクでの邦人人質事件

 日本共産党の高橋千鶴子議員は二十日の衆院本会議で、イラクでの人質事件にかんする川口順子外相の報告を受け、質問に立ちました。

 高橋氏は冒頭、「無事解放された人質の皆さんとご家族の皆さんに心からお喜び申し上げます」と表明しました。

 イラク中部のファルージャでは女性、子ども、老人など六百人以上が犠牲になっていること、米軍はさらに二万人を増強して、抵抗勢力を「せん滅」しようとしていることを指摘。「これでは事態は沈静化するどころか、いっそうの流血と憎悪の悪循環に陥る」とのべ、米軍による無差別の殺りく中止を要請するよう、政府に強く求めました。

 また、占領軍に参加している国々が米軍の掃討作戦を批判し、距離を置く姿勢をとっていることを紹介。日本人の人質解放に協力したイスラム聖職者たちが「人道復興支援であっても外国軍隊はいらない」と繰り返し述べていることを挙げ、「今こそ自衛隊の撤退を検討すべきだ」と迫りました。

 福田康夫官房長官はあくまで自衛隊のイラク派兵に固執する姿勢を示しました。

(2004年4月21日(水)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表し、まず、無事解放された人質の皆さんと御家族の皆さんに心からお喜び申し上げます。

 政府のイラク報告に関して質問します。(拍手)

 今、イラク全土で、占領軍とイラク国民の衝突が広がっています。この極めて深刻な事態をつくり出しているのは、米軍によるイラク国民に対する鎮圧・掃討作戦ではないでしょうか。ファルージャでは、米軍が町を包囲し、クラスター爆弾まで使用し、モスクを空爆し、六百人以上の命を奪いました。罪のない市民、女性や子供たち、そして老人が犠牲になっているのです。

 小泉総理は、治安悪化の原因が一部の武装勢力にあるかのように言いますが、米英による国際法違反の侵略戦争と不法な占領支配のもとで、国際人道法にも違反する無差別の殺りく行為がイラクの広範な人々の怒りを呼んでいるのではありませんか。

 米国政府は、米兵を二万人増強して、抵抗勢力をせん滅し、力で抑え込もうとしていますが、これでは事態は鎮静化するどころか、一層の流血と憎悪の悪循環に陥るのではないでしょうか。

 小泉内閣は、アメリカに無差別の殺りく行為の中止を求めるべきではありませんか。答弁を求めます。(拍手)

 こうした中で、イラクに軍隊を派兵しているスペインのサパテロ首相は十八日、千三百名の部隊をできるだけ早く撤退させるよう命じました。きょうは、ホンジュラスも撤退を表明しました。さらに、ポーランド、ウクライナ、ポルトガルなど、米国のイラク占領体制を支えてきた有志連合の国々が米軍の掃討作戦を批判し、米軍の作戦行動に距離を置く姿勢を強め、軍隊撤退をも検討し始めていることを政府はどう受けとめていますか。この状況のもとでも、なお自衛隊のイラク派兵に固執する理由は何でしょうか。

 小泉総理は、自衛隊は人道支援のためと強調しますが、今回、日本人の人質解放に努力していただいたイスラム聖職者たちは、人道復興支援であっても外国軍隊は要らないと繰り返し述べています。今こそ自衛隊の撤退を真剣に検討すべきではありませんか。

 自衛隊が撤退してこそ、日本がイラク国民の信頼のもとにイラクの平和と真の人道復興に貢献する道が開かれるということを申し上げ、質問を終わります。(拍手)

   

 〔国務大臣川口順子君登壇〕

○国務大臣(川口順子君) 高橋議員から、三問の御質問がございました。

 まず、イラクにおける治安の悪化の原因についてお尋ねがありました。

 現在、イラクにおいては、民主的な政府の樹立を通じた民生安定の取り組みが進んでいる中、イラク社会を不安定化し、政治プロセスの進展を妨げること等を目的とした攻撃が繰り返されています。駐留連合軍はイラクの治安安定のために最大限努力しており、また、大多数のイラク国民は平和を希求していると承知しています。治安を安定させ、六月三十日の統治権限の移譲につなげることが今重要な課題であると認識をしています。

 次に、イラクの治安の安定化に向け、米国へ働きかけるべきではないかとのお尋ねがありました。

 我が国は、イラクにおける治安の回復は政治プロセスの進展にとって不可欠であると認識しており、治安回復の重要性について、累次機会に米側とも意見の交換等を行っているところです。我が国は、治安安定化に向けた関係者の努力を支持しており、できる限り早急に秩序と治安の回復が図られ、事態が鎮静化することを希望しています。

 最後に、イラクに駐留する各国部隊に関するお尋ねですが、イラク復興支援のあり方については各国が主体的に判断すべきものと考えており、さまざまな事情から部隊の派遣の見直しを表明した国も一部ありますが、派遣継続を明確にしている国も多いと承知しています。

 なお、ポーランド、ウクライナ、ポルトガルが部隊の撤退を表明したとは承知しておりません。

 いずれにせよ、我が国としては、統治権限のイラク人への移譲を六月三十日に控え、国際社会による一層の支援が重要であると考えております。(拍手)

   

 〔国務大臣福田康夫君登壇〕

○国務大臣(福田康夫君) 高橋議員にお答えします。

 自衛隊の撤退を検討すべきではないかとのお尋ねがございました。

 統治権限のイラク人への移譲を円滑に進展させるためにも、国際社会がイラクをこれまで以上に支援することが重要になっております。

 イラク復興支援のあり方については、各国が主体的に判断すべきものであり、我が国は、国際社会の責任ある一員として、資金協力と人的貢献を車の両輪として、我が国にふさわしい人道復興支援を続けていくべきであると考えております。

 また、自衛隊の行う人道復興支援活動は、米軍の占領行為に加担する性格のものではございません。自衛隊がイラクの復興のために行う医療、給水や公共施設の修理などの人道復興支援は、地元イラク人からも高い評価を得られるものと確信しており、政府の考え方に変わりはございません。(拍手)

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