国会質問

質問日:2004年 6月 4日 第159国会 農林水産委員会

乳幼児医療費問題

 高橋ちづ子議員は四日の衆議院厚生労働委員会で、乳幼児医療費の無料化を国の制度として導入するよう求めるとともに、独自に医療費助成制度をしている自治体に対し国が科しているペナルティー(国庫負担金カット)の中止を要求しました。

 高橋氏は委員会冒頭で、年金法案の強行に厳しく抗議しました。

 高橋氏は、国が窓口での負担減免を行う自治体に対するペナルティーとして国庫負担金を「減額調整」として削減し、総額が145億円にのぼることを指摘しました。

 坂口力厚生労働相は、「(ペナルティーは)今後考えていかなければならない時期に来ている」とのべ、自治体独自の助成制度について「努力していることをどう評価するかの検討をしている」と答えました。

 日本共産党は、乳幼児医療費助成を国の制度にすることについて自治体の負担軽減を要求。参院では八田ひろ子議員が交付税に算定すべきだと主張したことに対し、麻生太郎総務相は「賛成ともまるまるダメとも言えない」と答弁していました(3月18日)。

(2004年6月9日(水)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 児童手当法の質疑に入る前に、坂口大臣にお聞きしたいと思います。

 きのうの参議院厚生労働委員会、私も目の当たりに見て、本当に驚きました。総理出席のもとでの野党の質問ができなかった。そういう中で、強行採決が行われました。大臣が、この法案の提案者として、このような事態をどのように受けとめているのかということなんです。

 言ってみれば、国民の将来の暮らしぶりを決める、これからずっと先までかかわる重大な法案であります。本来なら、十分な審議と、国民にも理解され、歓迎されてこそ決めるべきではないのか、このような異常な事態が起きた以上、本来なら、振り出しに戻って審議をし直す性格のものではないのかなと思われますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

○坂口国務大臣 衆議院におきましても共産党の皆さんには熱心に御質問いただきまして、また、参議院におきましてもさまざまな角度から御質問をいただいたことに感謝をいたしております。

 御承知のとおり、国会の運営というものは議運委員会、そしてまた、委員会の運営というのは委員長並びに理事の皆さん方の御指示に従って私たちは動いているわけでございますので、その委員会の行い方等につきまして私がいろいろと申し上げるのは立場が少し違うというふうに思っております。

 しかし、かなりの時間御議論をいただいたわけでございますし、参議院におきましては時間数も衆議院における以上に御議論をいただきましたし、また、衆議院ではなかなかできなかった部分につきましても、参議院ではまたいろいろの角度からお取り上げをいただいたというふうに考えている次第でございます。

○高橋委員 いろいろの角度からということで、実は、審議が衆議院で終わってしまってから、二〇一七年以降は上がらないよと言っていた保険料が上がったり、下がらないよと言っていた給付が下がったり、そういう問題が出てきたという点で、国民の皆さんが本当に、未納問題も含めて、このままでいいのか、廃案にするべきだという声が世論調査でも大きかった、そう思うんですね。そういう点では、今、十分な審議時間をいただいたということで済ませていいのかな、とても国民にそれを言えるものではないなと私は思います。このようなやり方は、やはりこの制度、年金という大事な性格からいっても許せるものではないということを厳しく指摘して、質問に入りたいと思います。

 さて、今回の児童手当法も重大な役割を持つわけでありますが、年金法案の質疑の中でも、負担と給付のバランスということを大臣は繰り返し言われました。日本共産党は、国の責任を明確にして、憲法で保障された人間らしく生きる権利をしっかり守る立場で、月五万円からスタートする最低保障年金制度を中心とした年金改革を提案してきたところであります。財源は、むだを見直すなど、さまざま提案をしておりますが、その中の大事な柱の一つが少子化の問題であります。

 国は、少子高齢化が進み、これを支える力がどんどん弱くなっていく、そういう立場でお話をしていると思います。政府の見通しでは、一・三二まで低下した出生率について、二〇五〇年の時点で一・三九にするというものでありますが、少子化の急激な進行は避けられない、そういう立場に立ったものだと思われます。

 少子化社会を克服し、年金財政の上でも支え手をふやす、そういう立場には立たないのか、そのことをまず大臣に確認したいと思います。

○坂口国務大臣 この少子化問題こそ日本の将来を左右する一番大きな問題だ、私もそう考えております。皆さんがそういう御主張をしていただくというのであれば、そこは私も共有しているというふうに思っております。

 ただ、今回の年金制度のときに、二〇五〇年に一・三九という数字を挙げましたのは、本当はもう少し、一・五〇以上ぐらいに何とか上げたいという気持ちはございますけれども、しかし、それにはいろいろの施策が必要でございますし、この少子化が回復をしていきますためにはかなり時間がかかるということも事実でございまして、少し抑え目の数字にしたつもりでおりますけれども、しかし、皆さん方の方からは、そんなに上がるわけがない、こう御指摘をいただいているわけでございます。

 しかし、一・三九という数字は、おじいちゃん、おばあちゃんの時代と孫の時代とを比較しますと人口が半分になるというのがこの一・三九の数字でございますから、大変なことだと思うわけでございます。だから、そうなりますと日本の国の経済は一体どうなるんだろう、こういうふうに考えるわけでございまして、そうしたことを念頭に置いて考えますと、どういたしましても、やはり少子化対策というのは今後の日本のさまざまな政策の中で中心的な課題でなければならないと私も思っているところでございます。

○高橋委員 中心的な課題ということで、少子化を克服するという立場には立っていらっしゃるんだろうというふうに確認したいと思うんですね。その立場でぜひ頑張ってほしい。

 フランスなどは、国が率先して社会全体で子育てを支える体制を整備して、一・八八まで出生率を回復させております。欧州を見ると、女性の就業率が高い国、男女の賃金格差が小さい国ほど子供が多いという傾向がはっきりしております。こういう国の教訓に学び、少子化対策に本格的に取り組んでいただきたい、このことをまず要望しておきたいと思うんです。

 それで、児童手当法、前回は我が党としては反対をしました。その理由は、対象年齢の引き上げで就学前までに引き上げられた、それ自体はもちろんいいんですね。ただ、問題は、増税とセットであった。十六歳までの子供を対象にした年少扶養控除の廃止とセットであった。つまり、三百万人には児童手当をふやすよといいますけれども、一方では一千六百万人に増税、年収四百万、五百万の世帯でも増税になった。これはとても子育て支援とは呼べないものだったと思うわけであります。

 そのことを考えると、今回対象児童が六百五十万人から九百四十万人にふえたと言われておりますが、さらに今後対象年齢を引き上げる考えはあるのか、伺います。

○坂口国務大臣 先ほどからも議論になっておりますように、一体どこまで児童手当というものをするのが一番いいのかといういろいろの御意見があるわけでございます。中には、余り児童手当というものばかりに偏らずに、もっと他の子育てのサービスに財源を使うべきだという御主張も、専門家の中にもいろいろございまして、ここは若干意見の分かれるところでございます。

 先ほどからも申し上げておりますように、今後の少子化対策、何が最も望ましいかということにつきましては、少し科学的な検討が必要だというふうに思っております。スウェーデン等も、この政策を導入したらこれだけ少子化が回復をするといった数字を出しまして、それに従って施策をやっている。

 日本もやはりそうしたことを行う時期にぼつぼつ来ているのではないかというふうに思っている次第でございます。もう少し日本の国もそうしたことを考えて、そして最もふさわしい児童手当なら児童手当というものをつくっていかなければなりませんし、また、ほかの施策も行っていかなければならない。その辺のところを、より科学的にひとつ私たちも取り組みをしたいというふうに思っているところでございます。

○高橋委員 科学的な検討をされるというお話でありましたが、もちろん今回の児童手当の拡充がその一歩であり、検討されて、さらに必要になれば、当然それも考えるということで確認してよろしいですね。

○坂口国務大臣 確認されれば、そういうふうにしていきたいと思います。

○高橋委員 それで、次に進みたいと思うんです。

 やはり少子化克服の中でたくさんの大きな課題がある、そう思いますけれども、私は、児童手当の拡充とあわせてやっていかなきゃいけないのが、乳幼児医療費の無料化の拡充、国の責任による無料化制度をきちんとやっていくことではないかと思っているんですね。これこそ、まさに科学的だと言えるわけです。

 なぜかというと、乳児医療費を国庫負担で制度として持ってほしいという採択をした自治体、意見書を上げた自治体、二〇〇四年の四月一日の時点で、都道府県でいうと四十七のうち八五・一%、市町村でいうと三千百二十のうち四四・六%、このように圧倒的多くの自治体から、国の責任でやってほしいという声が挙がっております。また、御案内のように、すべての市町村で、幅はあるけれども、何らかの医療費無料化の制度をやっておりますよね。こういうことをどのように受けとめますか。国として必要だと思われませんか。

○坂口国務大臣 一昨年の医療制度改革、いわゆる医療保険改革のときにもいろいろの議論をさせていただいたところでございます。国といたしましては、三割負担をお願いする中で、三歳未満のところにつきましては二割負担ということを導入させていただいたところでございます。

 今お話がありましたように、すべての市町村、それぞれの市町村によりまして取り組みの形は違いますけれども、何らかの形で乳幼児医療というものにそれぞれお取り組みをいただいているということを私もよく承知いたしております。この皆さん方に私は大変敬意を表しているわけでございますが、そうした皆さん方の御努力と相まって、今後もやっていかなければならないんだろうというふうに思います。

 いわゆる医療費の方も、財政的に、特に高齢者医療費が非常に大きなウエートになってきているものでございますから、その辺のところもあわせてこれは検討をしなければならないところでございます。今後、医療制度の改革、抜本的な医療制度改革に再び取り組みをさせていただいているところでございまして、そうした全体の中でも、今後どうしていくかということの検討の一つになるのではないかというふうに思っております。

○高橋委員 高齢者のせいにされるとちょっと悲しいですよね。本当に、諸外国と比べても、国民医療費が決して高いわけではないわけですね。

 それで、ちょっと続けますけれども、何らかの形ですべての市町村が無料化の制度に取り組んでいるということは大臣もよく御承知だというお話でありましたけれども、私は、今すぐ拡充するにはお金がどうのこうのという以前に、自治体が自分たちの努力で無料化制度をやっている、それに対して、ペナルティーと私たちは言います、皆さんはおっしゃらないかもしれないけれども、をかけている。このこと自体はどうなのか。

 例えば、窓口で現金を払って、後で返ってくるという制度だと、お金がないから病院に行けないんだ、だから、それをいわゆる窓口払いなしにしよう、そういう自治体に対して、市町村国保への国庫負担金を調整対象として減額するという措置をしていますよね。平成十三年度だと百四十五億円です。取り組んでいる自治体がふえてきていますので、もし御存じでしたら、交付金、このペナルティーがどの程度になっているのかをまず伺いたいのと、なぜこういうことをするのか、伺いたいと思います。

○坂口国務大臣 申しわけありませんが、きょうは保険局が来ていないものですから、具体的な数字、ちょっときょうはお答えすることはでき得ません。調べまして、お届けをしたいと思います。

○高橋委員 数字はいいですよ、今急に聞いたので。なぜペナルティー措置をするのかを聞いています。

○坂口国務大臣 これは、私も初めわからなくて、そして聞いたわけでございますが、国費を導入しておるものですから、各市町村のバランスをどう見ていくかということが非常に大事になっております。それで、各市町村でどういうふうに今健康保険を維持していただいているかという内容によりまして、そして非常に効率的におやりをいただいておりますところにはさらにプラスして配分をしている、その配分をしている金にそれが回っているわけであります。

 これは、乳幼児だけではございませんで、高齢者に対しましても、他の分野に対しましても同じでございますが、都道府県でそういうふうにおやりをいただいているところ、決してペナルティーではございませんで、その皆さん方のそういうふうにやっていただいているところに対して、全体のバランスを考えてどういうふうに配分をするかということになっております。

 そうしたことで皆さん方にお願いをしているところでございますが、今後、こうしたこともひとつ考えていかなければならない時期に来ているというふうに私も思っておりまして、いろいろ今検討をしてもらっているところでございます。

○高橋委員 ごめんなさい、今の、検討しているというのは、どっちの意味ですか。いい意味なのか悪い意味なのか、ちょっとわからなかったんですけれども。

○坂口国務大臣 いい意味と申しますか、乳幼児に対しましていろいろと御努力をいただいていることをどう評価するかという方面からの検討を行っているということでございます。

○高橋委員 私は、いい意味と受け取りたいなと思っております。

 全体のバランス、要するに、やっているところとやっていないところで国庫の入りぐあいが違ったら不公平なんだという言い方は、これまでも何度か説明の中で言われてきたわけです。それからもう一つは、医療費がそのことによってふえるのが困ると。抑制機能なんですね、実際のこのペナルティー。だから、私たちはペナルティーと言うわけですよ。これは、ぜひ国として調査をしてもらいたいと思うんですね。

 私は、青森で県議をやっていたときに、現物給付をやっている市とそうじゃない市の医療費の伸びを比較してもらったことがあるんですが、確かに、現物給付にしたところの医療費がふえました。しかし、それが一時的に確かにふえたとしても、それは喜ぶべきじゃないかと。つまり、そのことによって、医者にかかりたいと思っていたのを我慢していたのが解消されたということになるわけですし、長い目で見ると予防にもなるわけですよね。重度になってから駆け込まなくていいという意味もあるわけです。

 そういう点で、ぜひ調査をして、実態調査、どちらがよろしいのかと。そして、ペナルティーがたとえあっても、それでもやはり、この時期は医者にかかりやすい、病気になりやすい時期だからこそ、頑張ってこの制度をやるんだ、そういう気持ちで制度をやっている市町村の皆さんの気持ちをよく酌んでいただいて、少なくともこれは、ペナルティーはやめるという立場に立っていただきたい。そのことを強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

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