国会質問

質問日:2020年 5月 21日 第201国会 東日本大震災復興特別委員会

復興庁設置法等改定案 衆院委可決

汚染水濃度今以上も/福島第1廃炉ただす/海洋放出やめよ

 高橋千鶴子議員は21日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東電福島第1原発の汚染水や廃炉について質問しました。

 汚染水の処分方法について、政府の小委員会で提言された「大気放出」と「海洋放出」の2案を受け、東京電力は具体的手順や影響を示した検討素案を公表しています。高橋氏は、海洋放出の場合、国のトリチウム告示濃度限度である1リットルあたり6万ベクレルに対して、地下水バイパスなど現在運用している1500ベクレルを基準に放出と報道されていることに触れ、「1500ベクレルは決まっていないのではないか」と質問。東京電力の小早川智明社長は「現時点で決まっているものではない」と答弁し、今以上の濃度で放出される可能性を否定しませんでした。
(「しんぶん赤旗」2020年5月26日付より)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日は東電の小早川社長に御出席をいただきました。よろしくお願いいたします。
 三月十二日、東電第一原発事故で双葉町や楢葉町から避難した住民ら二百十六人の原告が東電に損害賠償を求めた訴訟の仙台高裁判決が、ふるさとの喪失を認め、賠償額の上乗せを命じました。
 資料の一、三月十三日付福島民報、当時の報道を載せております。真ん中に裁判長のコメントを紹介していますが、東電は原発の安全性について地域住民の信頼の上に福島第一原発を立地してきたと踏み込んだ上で、東電の過失を事実上認めた、こうした企業の態度が賠償を算定する上で重要な要素になるとの判断も示したと書かれております。表にあるように、残り十五の地裁も全て東電の責任を認めているということは重要かと思います。
 残念ながら上告をされたわけですけれども、判決要旨を見れば、争いのない事実、必ずこういうのはありますけれども、本件事故により放射性物質が拡散したことにより生じた原告らの損害について、被告の過失の有無にかかわりなく、原子力損害の賠償に関する法律三条一項に基づく損害賠償責任があるとした上で、原賠法十八条二項の二号に基づき、中間指針に従いということが書かれてあるんですね。つまり、中間指針に従って賠償しているということは東電はお認めになっていると思います。
 伺いたいのは、ということは、中間指針の見直しがされれば、それに従うという意味でしょうか。

○小早川参考人 ただいまの先生からの御質問にお答えいたします。
 当社といたしましては、原子力損害賠償制度の枠組みのもとで、紛争審査会による中間指針等を踏まえ、被害を受けられた方々への迅速かつ公正な賠償金のお支払いに取り組んでまいりました。
 今後も引き続き、中間指針や紛争審査会の議論を踏まえ、被害を受けられた方々の個別の御事情を丁寧にお伺いし、きめ細かな賠償に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。

○高橋(千)委員 中間指針の第四次追補が二〇一三年十二月二十六日に発表されて以来、実質の見直しがされておりません。きょうは時間の関係で文科省を呼んでおりませんが、やはり今こそ中間指針の見直しをするべきだと思います。
 そもそも、東電は、中間指針に基づき、相当程度因果関係があればという前提を口実に賠償を拒み続けてきました。原子力損害賠償・廃炉等支援機構法によって、国が東電救済のために資金交付する仕組みをつくったからなんですね。逆にこれを逆手にとって、税金で支援されているんだから、相当程度因果関係がなければ賠償できない、大切な税金だから、よっぽど因果関係がなければできないといって、被災者に対してできないできないと繰り返してきたという経過があったと思うんですね。
 今回も、中間貯蔵施設にかかわる経費一兆六千億円ですが、資料の二にあるように、エネルギー特会、今も議論されておりましたけれども、電源開発促進税を原資とする電源開発促進勘定から拠出をしておるところを、左側の、目的税である石油石炭税を原資とするエネルギー需給勘定から繰入れをする。これは、その背景には、三枚目の資料を見ていただければわかるんですけれども、国が肩がわりをしている、資金交付という形で肩がわりをしている、その仕組みからくるものなんですよね。
 それで、エネ庁に伺います。
 条文上、繰入れについては当分の間とあります。繰戻しについては後日とあります。これは返さなくていいということじゃないでしょうか。その意味するところをお聞かせください。

○平井政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の繰入れ規定の創設は、先ほど来の御議論にもありますように、万一の場合に備えまして、福島の復興再生のために行っている施策の安定的な財源の確保に万全を期すための措置でございます。福島原発事故以降、電源開発促進勘定の財政状況が逼迫していることから、将来、仮に電源開発促進勘定の財源が一時的に不足する場合に備えて、今回の繰入れ規定を設けるものでございます。
 御質問の、当分の間、後日というところにつきましては、本措置が万一の場合に備えるためのものでございまして、また、現時点で将来の財政状況等を正確に見通すことが困難であることから、具体的な時期、そして期間ということは申し上げることはできませんが、その上で申し上げれば、財政状況が逼迫している間は備えが必要だということでございますし、また、仮に繰入れを行った場合には、しかるべき後に必ず繰り戻すという意味だというふうに理解してございます。

○高橋(千)委員 条文に繰戻しを必ず書いているからそれが担保になっているということが、本会議でもこの委員会でも何度も答弁をされました。だけれども、後日なんですよね。いつというのが決まっていない。繰り入れるときは当分の間で、返すときは後日である。
 これは、では、借りるとき、繰り入れるときに、ちゃんと期限を切って決めるんですか。それから、そのときの財源はどこから来ますか。

○平井政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの御答弁の後半部分と繰り返しになってしまいますけれども、これが、現時点での将来の財政状況等というところを正確に見通すことが困難であるということを申し上げました。それは恐らく、将来的にそうした事態に至ったときでも、具体的な期間、時期を確定するということが難しい状況ではないかというふうに考えます。
 そうしたことで考えると、財政状況が逼迫している間はこの当分の間ということが必要だということであると思いますし、また、仮に繰入れを行った場合には、しかるべき後に必ず繰り戻すというところについて、この条文に基づいてお話をさせていただくということになろうかと思います。(高橋(千)委員「財源を聞いた」と呼ぶ)財源については、当然、条文上出てくるところのエネルギー需給勘定からの繰入れということになりますので、エネルギー需給勘定の前提になっている石石税というところになるということになります。

○高橋(千)委員 返す財源を聞いています。電気料金しかないでしょう。

○平井政府参考人 失礼いたしました。返す財源はまさにおっしゃるとおりでございました。
 失礼いたしました。

○高橋(千)委員 そういうことなんです。だから私たちは賛成できません。
 進めます。トリチウム等汚染水の問題です。
 東電は、三月二十四日、小委員会報告を受けての検討素案を発表しました。そもそも、小委員会は二つの案を発表したものの、水蒸気放出の方は、スリーマイル島での実績があるとはいえ、わずか八千七百立方、二年八カ月の規模であって、全く参考にならないと思うんですね。
 東電は海洋放出しかないと考えているのか、まず一点、お聞きします。
 その際、報道はもう決まったかのように書いているんですけれども、地下水バイパスやサブドレーンの基準にした一リットル当たり千五百ベクレルを基準にするということでしょうか。

○小早川参考人 御質問にお答えいたします。
 先日、三月二十四日、当社より検討素案をお示ししたとおり、国の小委員会の報告書で現実的とされた水蒸気放出と海洋放出につきましては、いずれも現実的であると考えております。
 また、先生が御指摘の海洋放出の場合に、海水中のトリチウム告示濃度限度である水一リットル当たり六万ベクレルに対して、福島第一における地下水バイパス及びサブドレーンの運用基準である一リットル当たり千五百ベクレルを参考に希釈することを検討していることをここの報告書の中に記載させていただいておりますが、あわせて、水蒸気放出の場合においても、大気中のトリチウムの告示濃度限度である空気一リットル当たり五ベクレルに対して、海洋放出の場合と同程度の希釈ということを検討している旨を記載させていただいております。
 以上でございます。

○高橋(千)委員 ですから、確認したいんですけれども、当時の報道は、要するに国の基準は六万ベクレルである、その四十分の一の千五百ベクレルを基準にやっていくんだというふうに、まるで決まったかのように書いているんですね。でも、これは私も、今社長おっしゃったように、参考にとしか書いておりませんから、決まってはいないと、一言でお願いします。

○小早川参考人 先生が御指摘のとおり、現時点で決まっているものではございませんが、このときは、経産省さんの方から、小委員会の報告に基づいて計画するとしたらどういうものが実現できるかということを問われたので、こういった、希釈をして放出することも可能だということも含めて、検討したものを報告させていただいているものでございます。

○高橋(千)委員 確認をしました。
 それで、私が言いたいのは、いずれにしても、住民の帰還が進んでいるから早くタンクを処理したいんだとおっしゃる気持ちはよくわかるんですよ。だけれども、いずれにしても、膨大な時間がかかるということは間違いないと思うんですね。
 資料の四に、今のタンクの貯蔵状況を、東電の資料をつけておりますけれども、九百七十九基今あって、ただし、毎日更にふえているわけですよね。今は百七十立方、いずれは、二〇二五年までには百立方まで減らそうとしているわけですが、その毎日ふえる分を希釈していって、だから、それを何倍に希釈するかというのが今の、何を基準にするかというところに来るわけですけれども、それだけでも大変な計算になるわけですよね。
 仮に千五百ベクレルで計算しますと、このタンクは大体千トン入りますから、このタンク一つの処理をするだけで五百個分の海水が必要になる、そういう計算になると思うんですよね。そうすると、どちらにしても膨大な時間がかかるし、早めようとすると濃度が高まる、そういうことになると思いますが、いかがですか。

○小早川参考人 先生の御指摘のとおりですけれども、現実、今、高い濃度でタンクに貯留されている状態でございますので、これを合理的に海水等で希釈して、環境に最大限影響を与えないような形で、例えば、水蒸気の場合は真水で希釈しますし、海の場合は海水で希釈するということになるんですけれども、それは技術的にはまず可能でございます。
 濃度が高い状態から薄くするということなので、これ以上濃度が高くなることではございません。

○高橋(千)委員 もちろんですよ。わかって言っています。一定、湾内の南北三十キロ、最大でも、その範囲におさまると言っているので、逆に、一気に出すと、その湾内におさまる分だけ濃くなりますよねと言っただけであって、基準を超えるという意味ではありません。
 ただ、いずれにしても、そういう意味なんだと。水蒸気のことも、確かに実績があると言いますが、気体で薄めるためには結局ボイルをしなくちゃいけないわけですから、CO2を出すということもあり、なかなかこれは現実的な議論ではないのではないか、スリーマイルの実績とは莫大に桁が違うということも指摘をしたい。
 だから、これだけの時間がかかるんだからこそ、今すぐ解決するということではないんだよという覚悟をした上できちっと議論をしていく必要があると思うんですね。
 資料の五に中長期ロードマップのポイントが書いてあります。青字のところが新しい方針として強調されているところなんですけれども、復興と廃炉の両立を大原則として打ち出すと書いてあります。小委員会の報告では、汚染水処理も廃炉と一体として第一原発の廃止措置終了までに終了するということを明らかにしています。後ろの方にそのロードマップ自体が書いてあるんですけれども、やはり、使用済み燃料の取り出しが二〇三一年までに完了、燃料デブリの取り出しは二〇二一年以内に開始ですよね。こういうレベルである。
 そこで伺いますが、一Fの廃止措置計画はまだ出されておりません。一体、廃止措置終了というのはどういう状態を考えているのか、お答えください。同じ質問を規制庁にもいたします。

○小早川参考人 お答えいたします。
 福島第一原子力発電所の廃炉の最終的な姿については、地元の方々始め、関係者の皆様、国、関係機関と相談させていただきながら検討を進めていくことになると考えております。
 一方、三十年から四十年かかる廃炉というのは、こういった枠内でしっかりと進めていくことが重要だというふうな我々としての目標観を持って取り組む時間軸としております。
 こうした観点から、当社は、中長期ロードマップに示されたものを足元で着実に進めつつ、引き続きしっかりとこの中身の精度を高めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 以上です。

○金子政府参考人 規制庁からお答え申し上げます。
 原子炉等規制法上、特定原子力施設に指定されております東京電力福島第一原子力発電所は、これを廃止しようとするときに、施設の解体、保有する核燃料物質の譲渡し、核燃料物質による汚染の除去、核燃料物質によって汚染されたものの廃棄等の措置を講じなければならないこととされております。
 こうした措置が終了して、敷地内の土壌や施設が放射線による障害の防止の措置を必要としない状況になるということが、現在、廃止措置の終了を確認する基準としては設けられております。
 その具体的な姿を現在の段階で見通すことは大変困難でありますけれども、今後の使用済み燃料の取り出しなどの廃炉作業の進捗状況を踏まえて検討していくものというふうに認識をしてございます。

○高橋(千)委員 どちらに聞こうかなと思いますが、一応規制庁に伺います。
 今の廃止措置の一般的な基準をお話しされたと思うんですね。今、燃料デブリも、あるいは使用済み燃料も、これは受入れ先が決まっておりません。ですから、四十年でそれも含めて終了という意味なんでしょうか。

○金子政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点で四十年という目標の期限が設けられていることは規制当局としても承知をしております。
 ただ、まだ、ここまでの具体的な道のり、あるいはその最終的な姿というのが具体的に描ける状況にはございませんので、まずは目の前にある汚染水の処理でありますとか使用済み燃料の取り出し、こういったものをしっかりとやっていく、こういったことを私ども規制当局としてはしっかり監視、指導していくということで、一歩一歩前に進めていきたいと考えております。

○高橋(千)委員 実際は四十年では済まないだろうと思っております。
 それで、この点で規制庁がどういう役割を果たしていくのかということであります。二月十四日の廃炉・事故調査に係る連絡・調整会議、きょう答弁をいただいている金子審議官自身がこんなふうに答弁をされております。東電の作業の一環としてできるのかできないのかというのは当然あると思いますので、必要な場合には、我々が作業そのものを請け負うというか、実際にやるということも含めて考えていきますし、資金的な手当てが必要であれば、それについても考えていきますと述べております。
 これは、エネ庁が出席をされて、ロードマップの策定に規制庁が協力いただいたと感謝をされた後の発言でもあり、また、廃炉等機構から、これはアディショナル、追加費用が必要になった場合に誰が出すんでしょうかという発言があって、それに呼応して、我々が必要であれば考えていきますということで答弁をされているんですよね。
 規制庁の役割ってそういうことなんでしょうか。伺います。

○金子政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘いただきました私の発言の趣旨は、規制委員会が事故調査の仕事を進めていく上で必要な調査の作業、現場に入りまして、例えば放射線量率を測定しますでありますとか、サンプルをとりましてそれの性質を分析する、そういったようなことに係る作業についてのことを念頭に置いたものでございますので、廃炉作業そのものに対して原子力規制庁が具体的な作業を担当する、あるいはそれに対して資金を出すというようなことを念頭に置いたものではございません。

○高橋(千)委員 念頭に置いたものではございませんといっても、言っちゃっているんですよ、公式に。議事録に残っているんです、資金的な手当てが必要であればと。
 規制庁がなぜそこに踏み込むんですか。推進と規制を分けた意味がないじゃありませんか。

○金子政府参考人 繰り返しになりますけれども、私が申し上げました念頭に置いていないというのは、廃炉作業そのものを規制庁が実施するという趣旨ではないということですので、そのようなことを原子力規制委員会が担うということはございません。

○高橋(千)委員 趣旨ではございませんといっても、だったら撤回するなり、改めてしっかりとした立場を表明してくださいよ。
 今の規制庁のあり方が推進側に偏っているんです。どんなに国が推進しても、きちんと審査をする、そういう独立した立場にならなければ、本当にこれは将来の見方を誤るということになると思います。
 時間が過ぎてしまいましたので、これで終わります。

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