国会質問

質問日:2020年 5月 14日 第201国会 本会議

復興庁設置法等改定案 本会議質問

復興庁設置法改定案 住宅確保の支援要求

衆院本会議 高橋氏が迫る

 日本共産党の高橋千鶴子議員は14日の衆院本会議で、復興庁設置法等の改定案について質疑し、東日本大震災の被災者が安心して住み続けられる支援を求めました。

 改定案では復興庁の設置期間を10年延長する一方、復興交付金は廃止します。高橋氏は、復興交付金による復興公営住宅の10年間の家賃特別低減事業について、住宅供用開始から5年未満であり、最低でも開始から10年は同じ枠組みでの支援を要求。同居の子どもの就職等で収入基準を超え、退去を余儀なくされる事例もあり、「住み続けられる支援を」と迫りました。

 田中和徳復興相は、引き続き支援するとしつつ被災自治体の今後の財政状況などをふまえ「国交省とともに検討している」と答弁。公営住宅の収入基準は「自治体が柔軟に設定可能」などと自治体任せの姿勢を示しました。福島第1原発事故被災者への仮設住宅の無償提供が終了し、「国が最後まで住まい確保に責任を」と高橋氏が求めたのに対しても、国としての支援策は示しませんでした。

 高橋氏は、中間貯蔵施設費用などに拠出する電源開発促進勘定の財源逼迫(ひっぱく)のため、再生可能エネルギー普及等に使い道が限られるエネルギー需給勘定から繰り入れ可能としたことも追及。電促勘定の財源は電気料金に上乗せされる電源開発促進税であり、繰入金を返す際、「電気料金に転嫁するのか。東電救済ありきは認められない」とただしました。

 梶山弘志経済産業相は「電気料金に影響を与えるものではない」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2020年5月15日付より)

ー議事録ー

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、復興庁設置法等の一部改正案について質問します。(拍手)
 冒頭、コロナウイルス感染で亡くなった方々、闘病中の方々に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 本日、全国を対象にした緊急事態宣言を、一部地域を残して解除すると聞いています。
 そもそも、政府は、未知のウイルスである新型コロナウイルスに対して楽観的な説明を繰り返してきました。検査を絞ってきたことで正確な感染の実態がつかめなかったこと、時々の政府の判断が国民を混乱させ、深刻な被害にもつながったと言えませんか。きちんと修正する勇気も必要です。
 二次補正が急がれます。その際、この間の災害で被災した中小企業・業者は、もともと売上げが落ち込んでいて条件に合わないとか、滞納を理由に融資を断られることがあります。特別な配慮が必要ではありませんか。
 東日本大震災から九年余がたちました。インフラ整備は一定のめどがついても、被災者は十年で区切りをつけることはできません。一生被災者だという声をどう受けとめますか。復興庁の設置期間を延長するのは当然ですが、被災者にとっての復興をどう考えているのか伺います。
 復興公営住宅は、復興交付金によって、十年間の特別家賃低減事業が行われています。今年度末で復興交付金は廃止されるといいます。まだ復興公営住宅の供用開始から五年かそれ未満。どうなるのか。少なくとも開始から十年は今のスキームと同じだとお答えください。
 一方、公営住宅の収入基準を超えるため、退去を余儀なくされた方たちがいます。中には、同居の子供が働き始めたことで、家賃が大幅に上がった方もいます。こうした世帯は地域の大切な担い手です。陸前高田市が行っているみなし特定公共賃貸住宅のように、住み続けられる支援を行うべきではありませんか。
 次に、原発被災地の問題です。
 ことし三月、双葉町の帰還困難区域の一部が初めて解除され、これで全町避難はなくなりました。政府は、たとえ長い年月を要しても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除すると繰り返してきました。そのために全域の除染を終えるのはいつなのか、お答えください。
 三月末で、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村の仮設住宅の無償提供が終了しました。もとの住居が帰還困難区域のままの人もいるのに、見切り発車は断じて許されません。国は最後まで住まい確保に責任を果たすべきです。
 トリチウム等汚染水の処分について、海洋放出が現実味を帯びてきました。政府の小委員会報告では、汚染水の処分も廃炉の一環であるとしています。第一原発の廃止措置終了までは三十年から四十年といいますが、廃炉の後の処分先も決まっていない中、四十年もゴールではありません。結論を急ぐ必要はないのです。幅広く意見を聞き、研究の進捗を見て、当面は現地保管をすべきではありませんか。
 法案では、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構へ国の職員を派遣できるとし、税制特例も設けて推進を図ります。
 県民の八割以上が同構想を知らないと答えています。国、県合わせて三千二百億円もの税金が投入される、呼び込み型の巨大開発が県民にどのように還元されるのか、お答えください。
 さらに、中間貯蔵施設費用などを拠出する電源開発促進勘定にエネルギー需給勘定からの繰入れを可能としました。中間貯蔵に係る費用は約一兆六千億円、国が年四百七十億円を最大三十五年間も資金交付すると閣議決定しました。今回は、その財源が逼迫したからと、別勘定から繰り入れるというものです。その原資は電気料金に転嫁するのですか。どこまでも東電救済ありきであり、到底認められません。
 国は、原発事故によるふるさとの喪失を認めた仙台高裁判決を受け、今こそ東電の責任を全うさせるべきです。
 終わりに、昨日、原子力規制委員会が、青森県六ケ所村の再処理工場の安全審査で、事実上の合格を決めました。核燃料サイクルは、危険なプルトニウムと行き場のない核のごみを生み出す悪魔のサイクルというべきものです。既に破綻した核燃料サイクルはやめ、原発推進政策を転換することを求め、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣西村康稔君登壇〕

○国務大臣(西村康稔君) 高橋千鶴子議員より、新型コロナウイルス感染症に対する政府の判断についてお尋ねがございました。
 政府といたしましては、強い危機感のもと、経験したことのないこのウイルスの感染拡大リスクを十分に認識し、専門家の御意見も伺いながら、丁寧な説明に努めてまいりました。楽観的な説明を繰り返してきたとの御指摘は当たりません。
 PCR検査につきましては、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられることが重要であり、我が国におきましては、検査資源を重症化のおそれがある方に集中させ、国民の命を守り抜いてきました。そうした中でも、検査陽性率は主要各国よりも十分に低く、潜在的な感染者をより捕捉できていないわけではありません。
 イタリアなどでは、オーバーシュートが発生してからロックダウンを実施しましたが、日本では、オーバーシュートの軌道に乗る前に専門家の御意見を聞いて緊急事態宣言を発出し、最低七割、極力八割の接触機会低減の取組など、国民の皆様と一体となって取り組んでまいりました。
 こうした取組の結果、現在、事態は収束への道筋に乗っていると考えております。引き続き、気を緩めることなく、感染拡大の防止に万全を期しつつ、社会経済の活動を段階的に引き上げていくことで、国民の皆様の命と暮らしの双方を全力で守ってまいります。(拍手)
    〔国務大臣田中和徳君登壇〕

○国務大臣(田中和徳君) 高橋千鶴子議員のお尋ねの件にお答えをいたします。
 被災者にとっての復興についてお尋ねがございました。
 東日本大震災からの復興においては、住まいの再建やまちづくりとあわせて、被災された方々にとっては、生活の再建、心身のケア、コミュニティー形成、生きがいづくりなどが重要と認識をしているところであります。
 こうした観点から、復興のステージに応じ、切れ目のないきめ細かな対応に取り組んでまいりました。
 復興・創生期間後も、年末に閣議決定をいたしました基本方針に基づき、心のケア等の被災者支援など必要な施策を継続することとしており、引き続き、被災された方々に寄り添いながら、関係省庁、被災自治体、関係団体とも連携し、取り組んでまいります。
 災害公営住宅の特別家賃低減事業についてお尋ねがありました。
 東日本大震災の地震、津波被災地域における災害公営住宅の特別家賃低減事業については、昨年十二月に閣議決定いたしました復興の基本方針において、引き続き支援するとされております。
 その際、各被災地方公共団体の災害公営住宅に係る今後の財政運営状況、過去の大規模災害における取組事例、国と地方の適切な役割分担、管理開始時期が異なる被災地方公共団体間の公平性等を踏まえながら、適切に支援水準の見直しを行うこととされております。
 復興庁では、基本方針に示されたこのような考え方に基づいた検討を国交省とともに現在進めているところであります。
 災害公営住宅の入居収入基準についてお尋ねがございました。
 災害公営住宅の入居収入基準や家賃については、地域の実情に応じて各自治体が一定の範囲内で条例で柔軟に設定することが可能な仕組みとなっております。
 また、自治体の判断により、災害公営住宅の一部をみなし特定公共賃貸住宅として活用し、公営住宅の入居収入基準を超える収入がある世帯の入居を可能にする方法もございます。
 入居者の居住の安定が図られるよう、各自治体において、地域の実情を踏まえ、適切に対応されていると認識をしておるところでございます。
 帰還困難区域の除染についてお尋ねがございました。
 帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、まずは特定復興再生拠点区域の整備を進めてまいります。
 特定復興再生拠点区域外の帰還困難区域については、それぞれの地域の実情や自治体の要望等をしっかりと踏まえ、関係省庁と連携して、今後の政策の方向性について検討してまいります。
 応急仮設住宅の供与終了についてお尋ねがありました。
 応急仮設住宅の供与の終了は、市町村の意向や復興公営住宅の整備状況などを踏まえ、福島県が適切に判断し、内閣府への協議を経て決定されたものでございます。
 応急仮設住宅は仮の住まいであり、帰還困難区域であるか否かにかかわらず、なるべく早期に恒久住宅に移転していただくことが望ましいと認識をいたしております。
 復興庁としては、今後とも、県や市町村と連携して、被災者の方々の生活再建に全力で取り組んでまいります。
 福島イノベーション・コースト構想の県民への還元についてお尋ねがございました。
 福島イノベーション・コースト構想は、福島浜通り地域に新たな産業基盤を構築し、自立的、持続的な産業発展を目指す、福島復興の切り札でございます。
 この三月に福島ロボットテストフィールドや福島水素エネルギー研究フィールドが全面開所するなど、拠点整備が進み、実用化開発の推進や企業誘致等の実績も上げてきております。
 さらに、経済産業省、福島県とともに昨年十二月に取りまとめた、同構想を基軸とした産業発展の青写真の中では、幅広い業種において、地域的な産業の集積を図り、経済効果が浜通り地域等において着実に広がった上で、県全体にも波及することを目指すことといたしております。
 こうした取組を通じ、浜通り地域等が、あらゆるチャレンジが可能であり、地域の企業が主役となって、構想を支える人材育成が進む、先導的な地域となり、産業が集積し、自立的、持続的な経済発展につなげていくことを目指しておるところでございます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣梶山弘志君登壇〕

○国務大臣(梶山弘志君) まず最初に、先ほど金子議員からALPS処理水についてのお尋ねがありました。これに対しての答弁をさせていただきます。
 本年二月に公表された小委員会の報告書を踏まえ、その取扱いについて引き続き検討を進めていくべきと考えております。
 現在、地元を始めとした関係者から御意見をお伺いしているところです。今後も、更に幅広い関係者の御意見をお伺いし、風評被害対策を含めて、政府として責任を持って結論を出してまいります。
 高橋議員からの御質問にお答えをいたします。
 中小企業への融資についてお尋ねがありました。
 経済産業省としては、関係省庁と連携しつつ、政府系金融機関等に対し、融資・保証審査に際して、赤字や債務超過、貸出条件の変更、税金の滞納といった形式的な事象のみで判断するのではなく、事業者の実情に応じて最大限の配慮を行うよう、累次にわたって要請をしているところであります。
 政府系金融機関等においてこうした要請の趣旨が徹底されるよう、引き続きしっかりと指導してまいります。
 ALPS処理水の処分についてお尋ねがありました。
 福島の復興は経済産業省の最重要課題であり、そのためには、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉、汚染水対策を着実に進めていくことが必要です。引き続き、三十年から四十年後の廃止措置終了を目指し、国が前面に立って、安全かつ着実に作業を進めてまいります。
 ALPS処理水については、本年二月に公表された小委員会の報告書を踏まえ、引き続きしっかりと検討を進めていくべきと考えております。今後、更に幅広い関係者から御意見をお伺いしながら、政府として、ALPS処理水の取扱いについて、責任を持って結論を出してまいります。
 エネルギー対策特別会計についてお尋ねがありました。
 今般の措置は、国として行う福島の復興再生に関する施策の財源確保に万全を期すために一時的な融通を可能とするものであり、これにより電気料金に影響を与えるものではなく、東電救済との御指摘も当たりません。
 東京電力の賠償責任についてお尋ねがありました。
 東京電力の賠償責任については、東京電力が基本的考え方としてみずから掲げた「三つの誓い」の原点に立ち返って、被災者に寄り添い、迅速かつ適切な賠償を行うよう、東京電力を指導してまいります。(拍手)

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