国会質問

質問日:2020年 2月 27日 第201国会 予算委員会

新型コロナ 思い切った予算を

衆院予算委/高橋議員が要求/クルーズ船入港拒否問題

 日本共産党の高橋千鶴子議員は27日の衆院予算委員会で、感染が広がる新型コロナウイルス感染症対策が2020年度予算案に盛り込まれていないことを批判し、検査体制強化やマスクなど感染防護具の提供、医療・介護労働者らを守るために「あらゆる面で思い切った予算措置をすべきだ」と主張しました。

 高橋氏は、院内感染対策として、マスク・防護服などの医療資機材の備蓄状況をただしました。加藤勝信厚生労働相が、直近の5年でマスクなどの防護具を約25万人分備蓄したと答弁したのに対し、高橋氏は08年に新型インフルエンザについて質問した際、東京都だけでも50万セット備蓄していることをあげて、備蓄基準の設置とそれにみあった予算増を求めたことを紹介。それから12年たつのに「あまりにも少ない」と指摘しました。加藤氏は一般病院が感染者を受け入れるための補助制度にもふれて「予算面でも対応していきたい」と答弁しました。

 高橋氏は、介護などの入所施設での感染予防について、今でも人手不足で困難と指摘。厚労省が職員確保について、施設を運営する法人同士の応援を求めるだけで予算措置がないと批判し、「人件費をしっかり保障すべきだ」と提起しました。

 高橋氏は、厚労省がコロナ感染症で「子どもは重症化しない」として、相談・受診の目安を「発熱が4日以上続く方」と記述していることに対して、新型インフルエンザでは1歳から小学3年生までワクチンの優先接種の対象としていたと指摘。ワクチンもない中、学校閉鎖などで不安の声が大きいなかで“発熱しても4日待て”との記述は見直すように求めました。
(「しんぶん赤旗」2020年2月28日付より)

クルーズ船入港拒否 政府の対応をただす

 日本共産党の高橋千鶴子議員は27日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症をめぐり、クルーズ船ウエステルダム号(オランダ船籍)の上陸を認めなかった政府の対応をただしました。

 同船は日本への入港を予定していましたが政府は「船舶内でコロナ感染症の発生のおそれがある」と上陸拒否を閣議で了解(6日)。森雅子法相は27日、入国拒否の根拠としては出入国管理法5条1項14号(日本の利益又は公安を害する行為を行うおそれがある者)に該当したと説明しました。

 高橋氏は「入管法5条1項14号の適用はほとんど前例のないものだ」と強調。同船で体調を崩した人がいるだけで、2千人超の乗客乗員を漂流させたことは重大な決定であり、解釈で法を超える安倍政権の手法だとして厳しく批判しました。
(「しんぶん赤旗」2020年2月28日付より)

 

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 冒頭、今の委員長の一方的な運営に強く抗議をいたします。
 私の質問時間が始まる前だからいいとかという問題じゃないんです。これはしっかりと理事会で協議をして、予定外の発言は理事会で認めたときに認めるべきだ。委員長の対応に抗議をいたします。

○棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

○高橋(千)委員 では、きょうは新型コロナウイルス肺炎について質問をします。
 昨日までで七名の死亡者が出て、国内感染者も九百人に迫る勢いであります。この世界的な感染拡大の中で、日本も、中国を除けば、韓国やイタリアに並んで感染者が多い国になっています。専門家会議がここ一、二週間が勝負と指摘しているように、重大な局面を迎えているのは間違いないと思います。
 まず、二十五日に発表した政府の基本方針が、一般の医療機関でも対応と見出しが大きく報道されたために、読んで誤解をするなと率直に思いました。確かに、本文を読みますと、診療時間や出入り口を区分した上でと断り書きがあるんですけれども、やはりこの見出しを見て、一般の医療機関が、パニックになって押し寄せるようなことがあってはならないし、受け入れる医療従事者の方も大変不安に思っております。
 条件がきちっと整ったところに限るんだということ、誤解がないようにということ、まず一言お願いします。

○加藤国務大臣 医療提供体制を現行と今後と分けさせていただいて、現行では、そうした方々は帰国者・接触者外来で受けさせていただいている、こういう整理をさせていただいております。
 ただ、今後、地域で患者数が大幅にふえた状況では、そこだけの対応というのはいかなくなり、一般の医療機関、いわゆるクリニックとか、それぞれのまさに外来を受ける機関でお願いをする。
 しかし、当然、そのときに、例えば新型コロナウイルスの疑いがある方々とそうでない患者さんが一緒になるというのは、これはまたある意味で感染拡大ということでありますから、そういった意味で、一番望ましいのは、動線を分けるという環境が整う。そうでなければ、例えば、午前中は新型コロナウイルス、午後は一般にするとか。あるいは、地域によっては、ここは新型コロナウイルスの医療機関、ここはそれ以外に分けるとか、これは地域地域でいろいろな取組があると思いますけれども、そういった地域でお決めになったことをしっかりと、まさに地域の方々にお示しをしていく必要があると思っておりますので、医師会等ともよく調整をとりながら、今委員御指摘のような状況が起きないように努めていきたいと思います。

○高橋(千)委員 それこそ、前回公的病院の質問をいたしましたけれども、医療が崩壊してはもうどうにもならないわけですから、ここは本当にしっかりとお願いしたいと思います。
 そこで、確認なんですけれども、一言でお願いします。
 検査で、もう受診の目安というのが厚労省から出されているわけですけれども、どう考えてもそれに対応するよねという人でも、まだ、武漢に渡航経験もないし、接触経験もないしということで、断られているケースがあるということが聞かれています。いわゆる武漢縛りはもうないと徹底してほしい。明確にお答えください。

○加藤国務大臣 これまでも、そうしたこと、弾力的にということをお願いし、何度も出させていただいておりますけれども、委員始め、この委員会でもいろいろな方々からそうしたことを指摘を受けておりますので、もう一回、そうではないんだということをしっかりと徹底をさせていただくとともに、PCR検査の体制の拡充、これにしっかり取り組みたいと思います。

○高橋(千)委員 現在、四十七都道府県、五百三十七施設に帰国者・接触者相談センターが設置されて、帰国者・接触者外来は八百九施設で設置されたと承知をしています。
 参考にすべき新型インフルエンザ行動計画では、国内発生の初期であれば、全ての感染者にPCR検査をやると書いているんですよね。それで、蔓延してしまえば、もうそれすらできない、重症者に限ると書いてある。ですから、今が大事なんですよ、今が大事。
 ですから、これだけの体制を組んだと、十分ではないと思いますが、そう言っているのに、今検査キットがないとか、そういうことが議論されていること自体が本来あり得ないということで、ここは、皆さんが繰り返し指摘をしている検査のキットをしっかり備えることは、これは重ねて要望しておきたい、そう思います。
 そこで、資料の一枚目が、今私がちょっと話で触れました相談・受診の目安なんですね。
 それで、御相談いただく場合というのは、二のところに書いているんですけれども、以下のいずれかに該当する方は、帰国者・接触者センターに御相談くださいと。三十七度五分以上の発熱が四日以上続く方ということで、なお、以下の方は重症化しやすいので、二日それが続いたら相談してくれということで、高齢者とか、糖尿病、心不全、呼吸器疾患の基礎疾患がある方などを、もちろん透析がある方などを指摘をしているんですね。
 それで、私が気になるのは、お子様をお持ちの方へということで、小児については、現時点で重症化しやすいとの報告はないというふうに書いている。
 だけれども、新型インフルエンザ対策のときは、一歳から小三までの子供はワクチンの優先接種に充てる、まして基礎疾患を持つ子供なら最優先接種ということを言っていたわけなんですね。
 だけれども、今はワクチンさえないわけでしょう。そういうときに、子供は普通でいいよ、四日待てよというのは、これはやはり見直すべきじゃないでしょうか。

○加藤国務大臣 これは、それぞれの、小児とか、あるいは高齢者とか、あるいは妊婦の方とか、それぞれごとにやはりどういうリスクがあるのかということを専門家の方々に判断をいただき、中国の事例等々を踏まえると、ここに書いてありますように、現時点で特段重症化しやすいということではないということで、一般と同じということで書いてあります。ただ、もっとも、インフルエンザの場合もありますから、そこはなお書きで記載をしてくれ、これは医師会からも指摘をされておったということであります。

○高橋(千)委員 やはり、今、学校閉鎖というような事態まで追い込まれていて、保護者の中の不安というのは本当に大きいと思うんですね。ここの対策は、高熱が続いたのに四日待てというのはやはりやり過ぎだと指摘をしておきたいと思うんですね。
 それで、もともと風邪も引けない方がいますよね。免疫抑制剤を服用している方々。こうした方がマスクがなかったら絶対まずいわけですよね。そして、病院に行って感染しちゃってもまずい。それはもう特別な対策が必要だと思いますが、いかがですか。

○加藤国務大臣 御指摘の免疫抑制剤を用いている方については、この目安においても、二日程度ということで、一般に比べて早くに対応していただきたいということでお願いをしているところであります。
 また、マスクについては、今、増産の要請等、あるいは輸入の再開等をそれぞれお願いをし、確保すべく努力をさせていただいております。
 ということで対応させていただきたいということで、まさに、免疫抑制剤等を使っている方は十分に、今申し上げたような目安もお示しをさせていただく中で、注意をしていただいて対応していただきたいというふうに思いますし、また、受入れ側においても、そうした方については、相談があったり、外来があったり、またPCRも含めてそうでありますけれども、しっかりその事情を踏まえた対応をお願いしていきたいと思います。

○高橋(千)委員 相談したけれども気をつけてと言われただけだというコメントがネットに載っていましたよ。本当に、絶対に風邪を引いちゃいけないという方たちがいるんだとわかっていらっしゃると思うので、そうした対応をしっかりお願いしたいと思うんですね。
 先ほど来の、動線を分けるとか、いろいろな話の中で、やはり、だけれども、普通に病院にかからなきゃいけない人たち、つまり、コロナじゃない人たち、だけれども必要な人たちというのはいるわけで、その方たちが逆に感染をしてしまったり治療ができないというふうなこともあってはならないわけですよね。
 新型インフルエンザ行動計画には、季節型インフルエンザは同時流行というシナリオがあります。今アメリカでもかなり蔓延をしているということがあるわけですよね。そうすると、コロナ対策でも当然そういうことを考慮しなければいけない。もうコロナかどうかということだけが気になって、症状があるのにインフルエンザの検査もしないみたいなことが現場で行われていて、いや、それはまずいでしょうということになるわけで、しかし、関係なければ熱があっても四日間待て、それもまた大変なことになるわけですね。
 やはり、これは治療が必要な人にはちゃんと受けられることはやっていかなきゃいけない、これはいかがですか。

○加藤国務大臣 先ほどの目安の中でも、なお、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医に御相談くださいということをまずは申し上げさせていただいているところであります。
 現在は、委員御承知のとおり、例年に比べてインフルエンザの流行が少ないといいますか、患者の方が少ないという状況ではありますけれども、これから患者が増加していくということも当然想定に置くし、インフルエンザだけではなくてさまざまな患者の方がいらっしゃるわけでありますから、その患者の方も十分踏まえた対応。
 ですから、中には、もう病院ごと、これは新型コロナじゃない方のみを扱う病院、そういった対応もあり得ますよということはこの基本方針の中に書かせていただいておりますけれども、具体的にそれぞれの地域であらかじめ検討していかなきゃなりませんから、我々厚労省としても、それぞれの地域とよく御相談をしていきたいと思います。

○高橋(千)委員 基本方針には、「院内感染対策の更なる徹底を図る。医療機関における感染制御に必要な物品を確保する。」こう書いてあるわけなんですね。当たり前のことで、院内感染は絶対に避けなければならないし、しかし、残念なことに、既に出ているわけですよね。
 それで、もともと、二〇一三年六月の新型インフルエンザ行動計画には、「国及び都道府県等は、必要となる医療資器材」、これは個人防護具とか人工呼吸器などを指すわけですけれども、「あらかじめ備蓄・整備する。」ということを書いています。国は都道府県に、必要な量とか、あるいは増床とまで書いているんですね、の余地を調査をして、十分な量を確保するように要請するとあるわけです。
 これは一般の医療機関も、今議論してきたように紛れ込むおそれがある、そういうこともあって、絶対院内感染をさせないために、個人防護具を備えておくというのが必要だと書かれているわけなんですよね。
 これが一体どうなっているか。つまり、私が言いたいのは、とっくに備わっていなきゃいけないはずなんです。それが今どうなっているのか、伺います。

○加藤国務大臣 今、防護服、防護具といった場合にはマスクとか手袋とか一式というふうに考えているんですけれども、一つは、新型インフルエンザ患者入院医療機関整備事業ということで、この直近五年間で整備してきた累計をさせていただきますと、十六万八千百五十六名分がそれぞれのところで備蓄をされている。また、感染症外来協力医療機関整備事業ということも別途行われておりまして、これでは直近五年間で七万八千五百九十一名分の防護具が備蓄をされているということであります。

○高橋(千)委員 何名分ということで数字を出してくれたのは初めてなので、正直驚きました。十六万八千百五十六名分、七万八千、全然足りないです。これは二〇〇八年、十二年前ですよ。
 感染症予防法並びに検疫法改正案のときに、私、この質問をしています。東京都が独自に市区町村に補助して、感染防護具、東京都だけで五十万セットですよ、これを備蓄している。なのに、国は何の基準もなくて、財政措置もないということを指摘しているんです。それからようやっと二分の一補助がついて、まだ全国でこのレベルですか。全く足りない。これを備えるための思い切った措置をするべきじゃないですか。(発言する者あり)

○棚橋委員長 ちょっとお静かにお願いできますか。高橋君の質疑時間です。

○加藤国務大臣 今委員御指摘のように、これは国の事業として、もちろん地方公共団体の負担も求めているわけでありますけれども、それ以外に、各都道府県独自に、あるいは病院独自に当然備蓄を持っておられるというふうに思います。
 それから、今回、新たに専用外来、あるいは一般病院等でもこうした感染症を新たに受けていただく、これに対する補助制度も用意をしておりますので、そういったことを含めて対応がしっかりなされていけるように、我々としても、環境というんですか、予算面での対応もしていきたいと思っています。

○高橋(千)委員 消極的な言いぶりではありましたが、予算面でも対応とおっしゃいましたことをしっかりと記憶したいと思います。
 そこで、学校や企業活動が一定制限されるような事態に進行した場合でも、介護などの入所施設は、リスクを抱えながらケアを続けなければなりません。入所施設ですから、お宅に戻ってくださいというわけにはいかないわけです。
 もともと介護施設は慢性的な人手不足です。要介護の方たちの感染症予防を今の人員で行うことは極めて厳しいです。特別な支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤国務大臣 まず、二月十七日の段階では、全国の介護施設、事業所等に対して、職員の不足する介護施設から応援の派遣要請があった場合には積極的に対応していただきたいとお願いいたしました。
 また、今回の新型コロナウイルスで、例えば職員の方については、朝、しっかり検温する等、体調確認して、体調が悪い方についてはもう施設に通勤しない、要するに勤務しない等々の措置を講じているわけでありますから、一時的に不足することというのは十分あり得ると思っておりますが、そういった場合においても介護報酬を減額しない等の柔軟な取扱いは可能だということを各自治体に周知をさせていただいているところであります。

○高橋(千)委員 資料の二枚目を見ていただきたいと思うんですけれども、事務連絡という形で、「社会福祉施設等における職員の確保について」、たった六行の事務連絡で、発出元がこれだけ長く書いているわけですけれども、要するに、法人間で連携をしたりして、協力要請、応援派遣ということを言っているわけですよね。一定、グループ企業のような法人であれば、当然、応援を出したりして確保しようとするのは当たり前のことなんですよ。でも、これは言うだけ。言うだけで何の予算措置もないんですね。
 もう一つ今おっしゃいました。結局、感染したりとかいろいろな形で職員を休ませなきゃいけないときに、配置基準をもしかして割ることがあったとしても報酬は下げない、当たり前のことですよ。当たり前のことだけれども、これは全然解決にならない。つまり、忙しさが増すだけで解決にはならないんです。
 ですから、これは思い切った手当てをしなければ、例えば、一定、退職された方にも応援もお願いする、そうしたときにやはり人件費をちゃんと保障しますよ、そのくらいのことを言わなければ、もう本当に介護の受皿はパンクですよ。どうしますか。

○加藤国務大臣 基本的に、今一つの例示として申し上げましたけれども、令和元年台風十九号に伴う災害における介護報酬等の取扱い、これは災害のときではありますけれども、いろいろなパターンについて、こういうことが可能です、こういうことができますということを書かせていただいておりました。それに準じた弾力的な取扱いということをお願いをしているところであります。
 また、逐次、それぞれのところから御相談があれば、それに対してまた私どもとして対応を考えていきたいと思っております。

○高橋(千)委員 順次、御相談があれば、当然手当ても含めて検討するということでよろしいですか。

○加藤国務大臣 それはもちろん相談の中身によりますし、今の制度というのがありますから、その中で対応の可能なものということになろうかと思いますけれども、できるだけ弾力的に対応していきたいと思っています。

○高橋(千)委員 これまで、感染症をやはり封じ込めるのが最優先の課題である、また、一定の広がりができたもとでは、次はなるべくふやすスピードをおくらせる、こういう視点で議論をしてきました。やはり、感染症を封じ込めることが経済対策としても一番大事なことだ、私はそう思っています。だからこれまでそういう議論をしてきましたけれども、ただ、そうはいっても、そのために必要な、今、医療や介護の面だけをとりあえず紹介をしましたけれども、必要な予算をやはり設けるということはやらなきゃいけないわけです。
 何度も指摘をされてきたと思いますが、来年度予算にコロナ対策が盛られていないのはやはりおかしい。今まで述べてきた、検査、医療資器材、医療、介護にかかわる人たちを守る、あらゆる面で思い切った予算措置をすべきです。
 同時に、今後は経済的な影響、既に、ホテルも含め、倒産の話が報道されております。企業だけでなく、労働者の休業補償、学校、自治体支援、観光産業、さまざまに影響は広がりつつあります。もう既に起こっています。
 基本方針には、自粛せよと、不要な外出はやめるように、集まりはやめるように、自粛せよということを書いていますが、その補填策は全く示されていません。この点でも政府の対応が求められると思いますが、いかがですか。

○加藤国務大臣 ちょっと幅広い分野なので。
 私の担当するところにおいては、まず既に予備費等で、あるいは予備費並びに既存予算の活用ということでまずは対応させていただきたいというふうに思っておりますけれども、もちろん、委員御指摘のように、やるべきことはしっかりやる、総理もやれることはしっかりやるということでありますから、その方針にのっとってこれからも対応させていただきたいと思います。

○高橋(千)委員 やはりこれについては思い切った予算対策、野党としても、みんなで、組み替えを出していく必要があるんじゃないか、コロナに絞ってもやる必要があるんじゃないかという議論がされています。政府としてもその姿勢を示していただきたいということを重ねて指摘をしたいと思います。
 それで、あと、資料の三。残り時間が余りないんですが、せっかく法務大臣に来ていただいておりますので。
 クルーズ船に係る、見出しは国交省の対応ということになっておりますが、ダイヤモンド・プリンセスが、全ての乗客が下船したものの、集団感染と死亡者を四名も出すという最悪のクルーズとなってしまいました。この検証については、改めてしっかりやるべきだと思っています。今、それをあれこれは言えないですけれども。
 ただ、一方、この後に来る予定だったウエステルダム号は、二月六日の閣議了解で上陸を認めないとされて、最終的にカンボジアで受入れとなったわけです。しかし、船内で感染者が出たわけでもない、しかも武漢由来でもない、二千二百名もの乗客乗員を、言ってみれば受入れが決まらないで漂流させるような重大な決定をしたわけですよね。その根拠はどこにありますか。

○森国務大臣 お尋ねの香港発の船舶ウエステルダム号については、新型コロナウイルス感染症の症状がある者が乗船しているとの関係機関からの情報等があり、二月六日、政府として、同船舶内で感染症が発生しているおそれがあるものと判断したものでございます。
 そこで、同日、ウエステルダム号に乗船している外国人について、特段の事情がない限り、入管法五条一項十四号に該当する外国人であるとして、上陸を拒否するものとしたところでございます。

○高橋(千)委員 今大臣が読み上げた出入国管理及び難民認定法、資料の四につけてあります、第五条一項十四号。十四号だけ読みますけれども、「法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」。これは前例がほとんどない、これが発動された前例はほとんどないと聞いています。
 二十五日付の日経新聞では、湖北省からの入国を制限する、これも飛行機のときの話ですけれども、政務秘書官の今井尚哉が、失礼します、記事を読むのでそのまま呼び捨てになりますが、内閣法制局長官の近藤正春や法務大臣の森まさこらに電話をして、立法の趣旨を踏まえると解釈できるはずだと訴えたと。
 つまり、本来は法を超えているんだけれども、解釈でやれと、どこかで聞いたような話ですけれども、それを総理の秘書官が電話で、大臣と本来中立であるべき法制局長官に合意を求める。こういうふうな形で、今回は、まして、感染のおそれがあるというだけで、感染者も出ていない中でやった。これは重大な、やり過ぎじゃありませんか。

○森国務大臣 入管庁において、那覇検疫所から福岡入管那覇支局に感染の情報提供があったものでございます。
 なお、その後、同号が、マレーシアにおいてウエステルダム号から下船したアメリカ国籍の乗客一名が、帰国の途中、マレーシアの空港で受けたPCR検査の結果、陽性が確認されたと発表しております。

○高橋(千)委員 今の答弁、何を言っているんだろうなと思ったんですけれども。
 おそれの中身を多分おっしゃっているんだと思うんですけれども、これまでもさまざまな感染症があったにもかかわらず、これは発動されたことがないんですよ、おそれだけでは。そうでしょう。それを指摘しています。
 この後、閣議了解ではなくて、対策本部の、メンバー、閣議、全部そろっていますけれども、欠席する人もいますけれども、その場で、中国の中だったら省をふやしてもいいとか、そういう議論になっているんですよ。これは絶対に法律を踏み越えていると指摘をしなければならないんです。
 残念ながら、時間が来ましたので、国交大臣には委員会でまた質問したいと思いますので、これで終わります。

 

ー資料ー

2020年2月27日衆議院予算委員会配布資料

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