国会質問

質問日:2019年 11月 26日 第200国会 東日本大震災復興特別委員会

浸水判定は柔軟に

2次調査の意義周知を/高橋議員/衆院復興特委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は26日の東日本大震災復興特別委員会で、台風で浸水した住宅の被害認定調査について、浸水深で機械的に判定したり、再調査の意味をゆがめて説明する事例の是正を求めました。

 高橋氏は「床上1・8メートル以上の浸水は全壊」など認定の目安を示した内閣府の指針を挙げ、4センチ足りずに全壊ではなく「大規模半壊」とされた事例を紹介。被害の実情に応じて柔軟に対応するよう求めました。

 また、ある自治体では、被害認定を通知する際、同封書類で“再判定をすると認定が軽くなる可能性がある”旨が強調されていると指摘。21日付の内閣府の事務連絡では、調査結果が「被災者支援の内容に大きな影響を与える」として2次調査の意義や住民への広報を促しているとして、再度、自治体への周知徹底を求めました。

 内閣府の村手聡大臣官房審議官は「浸水深による判定は、あくまで罹災(りさい)証明書を早く出すための簡易な方法だ。判定に疑問があれば2次調査で正確に判定していく」と、柔軟に対応する姿勢を示しました。

 高橋氏は、福島第1原発事故の避難者で今回の台風でも被災した人が300世帯以上あるとの報道を示し、支援を要請。田中和徳復興相は「(そうした避難者は)復興公営住宅への入居も可能だ」と述べるだけでした。

 高橋氏は、富岡町では避難先の住居が浸水してやむなく帰還した人も、町内の元の住居を解体して自宅が無い人も、どちらも大変だとして、避難者の実態把握を求めました。
( 「しんぶん赤旗」2019年11月27日 付より)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 時間の関係で、早速質問に入ります。
 資料の一番目を見ていただきたいと思います。原発事故の避難者が避難先で台風十九号や二十一号により浸水被害を受けたことが少なくとも三百十五世帯あることがわかったという、十一月十日付の河北新報の記事であります。
 記事によりますと、ことし四月に一部で避難指示が解除された大熊町と、浪江町、富岡町、楢葉町、葛尾村、飯舘村の少なくとも七町村が実態を調べての数字だと言っております。もともと、避難者が多いのは、役場機能が仮の事務所を置いていたいわき市や郡山市などがあると思うんですが、これらはいずれも台風十九号で最も被害を受けた地域でもあると思います。
 国としても、早急に実態把握をし、避難先、避難元の自治体、両方と連携を図りながら、復興公営住宅の住みかえなどさまざまな配慮を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○田中国務大臣 お答えをいたします。
 福島第一原子力発電所事故による避難者の方々が避難先でも安心して生活ができるよう環境を整えることは、極めて重要であります。しかしながら、台風第十九号等により、福島県において八百人を超える方々が避難をされている状況と承知をしておるところでございます。
 これらの方々に対しては、各自治体において意向等の確認をしていただき、順次、災害公営住宅の空き家や応急仮設住宅への入居等が行われていくこととなると承知をしておるところでございます。その際、避難指示区域や避難解除区域からの避難者で住宅に困窮された方は、復興公営住宅への入居も可能でございます。
 今後とも、被災者の方々の一日も早い生活再建に向けて、被災者の方々の声に耳を傾け、関係省庁や自治体とも連携をしながら進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

○高橋(千)委員 今の答弁について、参考人でも構いませんけれども、八百人を超える方々がとお話をいただきました。実態把握をしてほしいということを私は質問をしておりまして、この記事にもあるように、県ではまだつかんでいないということがあったわけです。なので、これはつかんだ上でこうなんだというお話なのか、その途中なのか、そこをはっきりしていただければありがたいと思います。

○石田政府参考人 済みません、お答えさせていただきます。
 さっきの八百人を超えると申し上げましたのは、今現在、福島県内での避難者数、全体数でございます。その中で、先生御指摘のとおり、どういう方々かというのは、今避難をされている、現在避難されているところの市町村において、その把握等はまだ途中段階であるかと思っております。

○高橋(千)委員 確認しました。そこは曖昧になっておりましたので、実態調査をお願いしたいと思うんですね。
 富岡町の区長さんに伺ったんです。二年前に富岡の自宅にいわきから戻った方です。このたびの台風で、富岡町に辛うじて家が残っている方は、避難先のお宅が、例えば中古住宅とかを買っていて、でもそこが浸水したので戻ってこざるを得なかった。ただ、車が水没して、足がない人もいるわけですよね。また、そもそも、解体除染をしていて家がない人は、もう戻るにも戻れない、しようがないから公営住宅を申し込むしかない、こういうふうな状態になっているんだと。
 そもそも、今避難者と言いましたけれども、その今の住みかにたどり着くまで、何度も、首都圏など、親戚のところなど、何回も避難をして今ここにいて、そしてまた被災をしているんだ、そういう特別な事情。戻った人も戻らない人も、心折れそうな状態の中で今頑張っているんだと。そこをよく踏まえていただいて、今答弁をいただきましたので、体制をしっかりとっていただいて、実態に合わせて対応していただきたい。重ねて指摘をさせていただきたいと思います。
 そこで、次に、資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、そうした人たちの被災の実態のことなんですけれども、浸水被害の認定について。
 これは、東日本に限らず、どこでも言われることで、長野でも言われることではあるんですけれども、この左のちょっと上の方の図ですね、床上一メートル未満であれば半壊だ、一メートル八十センチ未満であれば大規模半壊である、それ以上であれば全壊であるという、この目安が内閣府から示されました。
 聞きたいのは、それが厳密に、つまり、一メートル八十センチならよくて、七十九センチだとだめだみたいな、実際にそういう話があるんですよ。畳の厚さで一メートル七十六センチだった、それでもう大規模半壊にされてしまった、そういう方たちが現実にいるわけなんですね。どこに違いがあるんだという声が上がっています。
 そういう、かっちりやるのが本当の目的ではないと思うし、被害の実情に応じて柔軟に対応すべきだと思いますが、お答えをお願いします。

○村手政府参考人 お答え申し上げます。
 内閣府では、市町村が被害認定調査を迅速かつ的確に実施できるように、災害に係る住家の被害認定基準運用指針を定めております。
 御指摘の浸水深による判定は、罹災証明書を早期に交付するという目的で、第一次調査として実施する簡易な判定方法だというようなものでございます。被災者からの申請により、先生の資料にもございますように、第二次調査というものを、第二次調査等として実施する、家屋内へ立ち入って詳細な調査を行うことで、被害の実情に応じた、より正確な判定を行うことを可能としておるところでございます。
 なお、この点につきましては、被災自治体を対象とした説明会や、累次にわたる事務連絡により周知してきたところでございますが、直近では、資料にもございますように、十一月二十一日にも、具体的な広報の方法等も含めまして再度周知を図ったところでございます。
 今後も引き続き、被災者に寄り添いながら災害対応に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

○高橋(千)委員 資料の今見たところの右側の方に、今お答えいただいた十一月二十一日の事務連絡をつけておきました。三行目のところから、調査結果がその後の被災者支援の内容に大きな影響を与えるものであることに鑑みと書いてありますので、やはり前向きな意味で捉えたいと思うわけなんですね。
 当然、それは被災者生活再建支援法の支援金だけではなくて、義援金の配分ですとか、あるいは市の見舞金ですとか、いろいろな減免制度ですとか、全部に響いてくるわけなんですから、本当に、さっき言ったように、四センチの違いって物すごく、何十万も違いがあったということは、やはり本来あってはいけないことだと思うんですね。
 実はこれ、この間、国土交通委員会で赤羽大臣も、一メートル八十センチと、その一センチ違うのと、やはり違ってはおかしいんじゃないかというようなこともありました。やはりそういう意味を含んでいただきたいと思うんです。
 ただ、現実には、現場で、あそこのうちは全壊なのに、うちは半壊よと、同じ町の中で同じ被害を受けておきながら住民が分断されている、そういうことが起こっています。なので、そこをよく踏まえて、千曲川でやったような一括認定ということもありますので、できるだけそういうことをやっていただきたいと思うんです。
 その上で、もう一度伺いますけれども、再調査をちゃんとやるんだよと通知を出していただきました。ところが、これは名誉のために、どこの町とは言いませんけれども、ある自治体で、罹災証明書が届きました、半壊と書いてありました。ところが、それに同封されてきたお手紙がありまして、そのお手紙の中に、再調査をすると認定が軽くなる可能性もあります、例えば半壊が一部損壊になるかもしれませんとわざわざ書いて、それに黄色でアンダーラインを引いて、こっち側じゃないんですよ、そうやって来た。それを見たら、しかもそれが最後の結果になりますからね、一次調査の方がいい結果だったからそっちにするわというのはもうだめよというのもちゃんと書いてあるんです。
 そうしたら、やはり怖くて頼めないじゃないですか。現実に、それで再調査を頼んで窓口に行って、同じことを言われて、再調整をやると専門家がいるから逆に低くなるかもしれませんよと言われて、本当にがっかりして、傷ついて帰ってきた方もいるんです。そんな意味じゃないんだよということを徹底していただけますか。

○村手政府参考人 被害認定調査は、経済的損失がその財産価値に対してどのような割合で被災をこうむっているかどうか、損害割合を正確に見ていこうというものでございます。
 その中で、先生からもお話ありましたように、第一次調査というのはやはり簡易に迅速にと、罹災証明を出すことが一番いろいろな支援策のもとになるものですから、そのもととなる罹災証明を早く出すために、迅速かつ効率的にということで第一次調査をやっているということでございます。
 それによって、判定しなかった方とか、また、それにちょっとという方については、第二次調査で正確に、損害割合を住居内に立ち入ってきちんと判断していく、正確な判定をしていくという趣旨でございまして、そういった趣旨を適切にきちんと住民の方々に、被災者の方々に伝えるべきだというように考えてございます。

○高橋(千)委員 ぜひ徹底をしていただきたい。せっかく、再調査できるんだよ、影響あるからね、ちゃんとやれるんだよということを通知を出しておきながら、やれば大変なことになるよみたいなことになっては困るわけ。そこを重ねてお願いをしたいと思います。
 それで、本当は内閣府にもう一問お願いをしていたんですけれども、時間の関係で、残り、エネ庁にお願いをしたいと思います。
 資料の3を見ていただきたいと思います。ちょっと見出しがなかなかセンセーショナルな感じで、「第一原発処理水の海洋放出 年間線量三千三百分の一」、減りますよというのが、これは福島民報の十一月十九日付。それから、「トリチウム年最大百六兆ベクレル減」というのが河北新報の十一月十九日付。同じことを言っているんだけれども、いずれにしても、かなり減りますよという印象を与える見出しであります。
 これは、福島第一原発のトリチウム処理水について、一年間で全量放出したとしても影響は小さいとの試算をエネ庁が発表をしたものであります、小委員会で。
 そもそも、最初のトリチウム水タスクフォースでは、前処理なしなら海洋放出は実現困難だ、要するに、基準を超えてしまうということで実現困難としていたのに、なぜそれが可能になり、しかも影響が少なくなるのでしょうか。

○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 トリチウム水タスクフォースにおきましては、規制基準を遵守することを前提に検討を行っております。この中で、前処理なしでの海洋放出は、トリチウム濃度が告示濃度限度を下回ることが難しいため、実現困難と評価したものでございます。
 今月十八日に開催した政府の小委員会においても、規制基準を満たす、すなわち、希釈等の前処理を実施する前提でタンクに貯蔵しているALPS処理水を一年間で全て処分した場合の被曝線量を評価し、お示しをしたものでございます。
 その結果、評価を行った海洋放出と大気放出につきましては、いずれであっても、自然被曝による影響である年間約二・一ミリシーベルトと比較して、千分の一以下の影響でございました。
 ALPS処理水の取扱いにつきましては、政府の小委員会において、生活圏への科学的影響が出ないことを前提として検討を行っており、丁寧な検討、議論の上に、政府として結論を出していく所存でございます。

○高橋(千)委員 小委員会の議論の中で、トリチウム処理水の話をしているはずだったのに何か放出の話ばかりしているんじゃないかというような趣旨の発言がございました。この記事を見ても、海洋放出若しくは大気放出、これはスリーマイルの事故原発で実績があると。というか、五つの案があったけれども、実績があるのはこれだけなんですね。
 そのことだけに今議論がされているように思っているんですが、そのほかにも、本当は地層処分などがありましたよね、二千五百メートルの地層の中にはめ込むんだと。ただし、その地層は、まだ世界じゅうどこにも見つかっていないということで、全く現実的じゃないことを幾つも並べて議論を始めたわけです。
 結局これは、海洋放出と大気放出に絞られているというふうな理解でよろしいんでしょうか。

○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 トリチウム水タスクフォースにおきましては、御指摘のように、五つの方法につきまして検討しております。地層注入、海洋放出、水蒸気放出、水素放出、それから地下埋設の五つでございます。これに加えまして、貯蔵のあり方、貯蔵継続のあり方という点につきましても検討を進めております。
 いかなる方法でこのALPS処理水を取り扱うかということにつきまして、ALPS小委員会におきまして、現在、慎重に検討していただいているところでございます。

○高橋(千)委員 今のはどういう意味ですか。絞っているんじゃないということですか。

○新川政府参考人 御指摘のとおりでございます。

○高橋(千)委員 だとすれば、一つ一つがいかに非現実的かというのを議論しなくちゃいけないんです。ただ、時間がないので、きょうは海洋放出の話だけをさせていただきたいと思います。
 四ページの、資料の4のところに海洋放出のイメージ図があるわけですけれども、これは、海水を取り込んで希釈をして、そしてまた戻すんですね。どう考えても理解できないんです。薄めても結局海に戻すんだから、何が違うのかというのはどうしても理解ができないんですね。その薄め方に一定の、七十倍だとかいろいろな割合があって、幾つかのパターンがあるんですけれども、次のページに、途中で何かがあればアラームが鳴るよとか、サンプルタンクで比較をしますよというふうなことをやると言っているんですけれども、最初に実現困難と言ったところから始まって、希釈するという案が出てきたわけですよね。
 だけれども、後の小委員会にはこう書いてあります。この図を見ながら聞いていただきたい。放流水が直接取水されることのないよう取水ピットと放流口の間を岸壁等で間仕切る場合には、費用が増加する。つまり、出したけれども、また取り込んじゃうかもしれないという。
 これ、間に岸壁、やるんですか。それこそ費用が増加どころの話じゃないですよね。現実的じゃないですよね。だって、どこまで岸壁をつくるんですかということなんですよ。やはりそういう非現実的なことを議論しているんだと言わなければならない。それだけの、今回の原発事故の処理の重みということが言えるんじゃないのかなと思います。
 きょうは時間がないので指摘にとどめます。続きをやりたいと思いますが。
 例えば、漁協の皆さんが前に言っていたことを私は忘れられないんですよ。福島の漁協が決めたと言われるのがつらいと。例えばサブドレーンのときに、あれだって、別に、処理する前の水だからきれいだと言われて、苦渋の決断でしたよ。でも、その決断をしようとしたときに、実はデータが間違っていたということがわかったりとか、そういうことが繰り返し行われて、受け入れたとしても、それはあんたたちが受け入れたと言われる。でも、拒否すれば、あんたたちのせいでできないと言われる。なぜ自分たちの県だけの問題とするのか、余りにも背負う荷は重過ぎるとおっしゃっていた。私はそのとおりだと思うんです。だって、海はつながっているんですもの。ちょっと行けば、すぐ宮城に着きますよ。
 それに対して、一部の漁協の皆さんに判断を仰ぐということではなくて、もっと関係の方たち、いろいろな立場の方たちに説明をして、わかってもらう。その上で判断をしていくのでなければ、到底納得できません。こんな、岸壁どうのなんて話では、誰も納得できないと思います。
 そのことを指摘して、きょうは終わりたいと思います。ありがとうございます。

 

ー資料ー

2019年11月26日衆議院東日本大震災復興特別委員会配布資料

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