国会質問

質問日:2019年 10月 30日 第200国会 国土交通委員会

被害に即した支援法こそ

高橋氏「国交相は改正の先頭に」/ 衆院国交委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は30日の衆院国土交通委員会で、台風19号など一連の災害の被災者救援のため被災者生活再建支援法見直しに国交相が先頭に立つよう迫りました。

 高橋氏は、近年の豪雨災害で被害に遭った住宅のうち、被災者生活再建支援金の支援対象は2割未満だと指摘。現場の被害に即した同法の見直しを求めました。

 高橋氏は、2004年の同法改正を後押しした国交省の報告では、大規模災害時の住宅再建支援は「公共の利益が認められる」としていると強調。「この報告があったから個人の住宅再建を支援する改正に踏み出した。支援法改正へ国交大臣こそイニシアチブの発揮を」と迫りました。

 赤羽一嘉国交相は、災害関連の法案は「被災者の側に立って、常に現場に即したものをつくらないと」と発言。例として、現在は屋根が飛ぶと15%の被害と認定しているが、雨が降りこんで住めなくなることを考慮し、対応を「工夫しなければ」と答弁し、床上1・8メートル浸水した区域一帯を「全壊」判定することは「必要なこと」だと認めました。

 高橋氏は、一連の台風で自宅や車内での死亡が多かったとして「あれほど呼びかけたのに、なぜ命を守れなかったのか」と指摘。15年と17年に改正した水防法に基づき、個人の避難行動を記した災害避難カードの活用促進や、洪水の被害軽減を促進する協議会に流域の住民が参加する仕組みの検討を求めました。赤羽氏は「地元の住民から意見をうかがうことは大変有益」だと述べました。
( しんぶん赤旗 2019年10月31日付より)

―議事録ー

 

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日初めて国土交通委員として質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 私からも、死者九十一名に及ぶ台風十九号、十二名を数えました二十一号など、この間の連続した災害でお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。また、救援捜索活動を始め災害に対応している全ての関係者の方に敬意を表したいと思います。
 今般の台風十九号の浸水面積は、把握できている国道直轄河川だけでも約二万四千六百八十ヘクタール、昨年七月の西日本豪雨の一・三倍であり、過去十年間の平均で一年分の浸水面積を一度の災害で上回ったと、十八日付の読売が報じました。また、災害救助法が十四都県、三百九十一市区町村で適用されて、東日本大震災を大きく上回っております。
 政府が昨日、激甚災害の指定とともに、大規模災害復興法に基づく非常災害に指定をいたしましたが、何から手をつけてよいかわからないと途方に暮れた被災者を励まし、暮らしとなりわいの再建が果たせるように期待するものであります。
 大臣が、所信挨拶でも、気候変動による水害等の自然災害の頻発、激甚化を、大規模地震や火山活動とあわせて我々の脅威である、こういう指摘をしておられますが、まさに同感であります。
 そこで、国交省は今月十八日に、気候変動を踏まえた治水計画のあり方という提言を発表しておりますが、その考え方の基本について、簡潔にお願いいたします。

○赤羽国務大臣 今御指摘のありましたように、近年の続く激甚災害が一連の気候変動によるもので、災害が激甚化、頻発化し、被害が甚大化している、私もそう思っております。
 そうしたことも踏まえまして、昨年の四月に国交省内に、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を設置しまして、将来の降雨量や河川の流量、洪水の発生頻度がどの程度増加するかについて御検討いただいたところでございます。定量的に治水計画に反映させなければいけないという思いからでございまして、今月十八日に提言が取りまとめられたところでございます。
 この提言では、気温が二度上昇した場合に、降雨量が全国平均で一・一倍、河川の流量が全国平均で一・二倍、洪水の発生頻度が全国平均で二倍になると示されております。
 こうした提言等を踏まえまして、将来の気候変動の影響による降雨量の増加などを考慮した新たな治水計画への転換を進めまして、国、県、市のみならず、これは官民が連携した治水対策を検討するため、同じ日に社会資本整備審議会に諮問をしたところでございます。
 審議会では、降雨量の増加などを考慮した治水施設の整備に加えまして、自助、共助の取組として、実効性のあるマイ・タイムラインなどの避難体制づくりですとか、企業の方々の御協力による、建物内にもう既に雨水の貯留施設の整備などを進めてもいただいておりますので、まさにハード、ソフト一体となった、流域全体で備える水害対策の議論を進めていただきまして、防災・減災が主流となる安全、安心な社会づくりに全力を傾けてまいりたい、こう考えておるところでございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 この間、異常気象とか気候変動ということが随分指摘をされてきたわけでありますけれども、国交省として、それをしっかり受けとめながら、今後もこうした甚大な災害が繰り返し起こるであろうという前提に立って、社会全体で水災害リスクを低減するという取組を明記をしたことや、それを考慮した土地利用や流域が一体となった治水対策を進めていくということが考え方の中にも示されているということで、私は、その点に沿ってやはり議論を進めていきたいな、みんなで知恵を出し合っていきたいな、そういう思いできょうは指摘をさせていただきました。
 そこで、毎日新聞の十八日付によれば、台風十九号で亡くなった、その時点で七十七名だったんですが、どこで亡くなったかという調査によりますと、自宅内が四割、車での移動中が三割とありました。先週末の台風二十一号でも、半日で一月分という記録的な大雨の降る中、車ごと水没して亡くなった方が多いと報じられております。
 気になっているのは、あれほど気象庁が繰り返し緊迫して命を守る行動を呼びかけていたのに、結果として逃げおくれているのはなぜかということなんです。経験ある高齢者ほどここまでは来ないと思い込んだりとか、水の速さが尋常でないことは当然理解できます。でも、だからこそ、二〇一五年及び二〇一七年の水防法改正で、想定し得る最大規模の降雨、高潮に対応した浸水想定を実施してハザードマップを作成することや、ハード、ソフトを組み合わせた対策を進めてきたはずだと考えています。
 そこで、まず内閣府に伺いますが、政府として、このような、どこで亡くなったのか、いつ、どのタイミングか、こういうことを把握しているのか、またその要因についてどう認識しているのか、お答えください。

○小平政府参考人 お答えいたします。
 台風第十九号及び低気圧によりまして、十月三十日の七時現在ですけれども、死者九十名と、大きな被害が生じたと理解をしてございます。
 今回の災害では、自宅で被害に遭われた高齢者が多かったこと、自動車で移動中に被災された方も多かったというふうに聞いております。数字については必ずしも全貌を把握しておりませんけれども、毎日新聞の数字の比率にかなり近いものだと思ってございます。
 雨や風が強い中での避難は危険を伴います。早目早目に安全な場所に避難していただくことが重要であると考えているほか、日ごろから地域で助け合って避難する仕組みをつくっておくことなどが重要だと考えてございます。
 災害対策は、不断の見直しが必要です。被災された状況や住民の避難行動などを踏まえ、今回の災害から学べる教訓を今後の対策に生かしていけるように努めてまいりたいと思ってございます。

○高橋(千)委員 具体の数字はまだないということであったんですけれども、今、新聞でも指摘された、自宅内や自動車の中での死亡が多かったという認識は一致されていたのかなと思っております。
 福島県は、県の被害状況即報の中で、亡くなった方の市町村名、地区名、年齢、性別、発生時刻、原因並びに被害の状況を全部細かく報告をしております。例えばいわき市は、百歳の方がお二人亡くなっておりますし、九十七歳、九十一歳の方がいらっしゃって、ケアマネさんが自宅を訪問したときにうつ伏せで亡くなっていたとか、隣組の方が様子を見に行ったらもう既に倒れていらっしゃったとか、何ともつらくなる状況でありますけれども。
 ただ、これを、単に高齢者、要配慮者だからというだけではなくて、実は結構若い方も多い、車で移動中に亡くなった方はむしろ若い方が多い、こういう指摘もあるわけで、やはり、いつ、どこでを把握していくことは今後の治水対策にとっても重要だと考えています。
 そこで、水防法の改正を受けて、二〇一六年の四月にハザードマップ作成の手引きも改定されました。垂直避難では命を守れない区域を早期の立ち退き避難が必要として明記することや、地域の特性を十分に分析して、住民目線で作成すると指摘をされました。
 今回の一連の台風でも、このハザードマップと浸水域がほぼ一致していたということが少なくなかったと思うんですね。だからこそ非常に残念に思うわけですが。
 ちょっと飛ばしてもらって、資料の三番を見ていただければ、ハザードマップ検討委員会の中で出された資料ですけれども、平成二十七年の関東・東北豪雨における活用状況で、ハザードマップを見たことはありますかという質問に対して、見たことがあるという方が三割なんですね。三割にとどまっている。だけれども、そのうち一八%は、見たことはあるがどこにしまってあるかわからないとか、四%は、しまってある場所はわかっているけれども見ていない、要するに、見ていないに等しいわけですよね。
 そして、実際に災害発生時にハザードマップを見ましたかと聞くと、見て確認をしたという方は五%にとどまっているということで、実際には九三%が見ていないと答えているわけであります。ハザードマップをなぜつくるかというときのせっかくの趣旨が、やはり生かされていない現実があると思います。
 二〇一七年四月十九日の国交委員会で、当時の石井国交大臣は、水防法改正によりまして、これらの取組を加速いたしまして、逃げおくれゼロと社会経済被害の最小化の実現を目指してまいりたいと答弁されています。逃げおくれゼロ、これは大事だと思うんですね。たとえ河川改修が未完成でも、頑張るんだけれども、時間がかかります。そういうことを考えて、想定以上の大雨でも、でも命を守るためにできることがあるはずなんだ、特に雨の場合は警報も早目に出されているわけですから。
 大臣に伺います。ハザードマップの住民への周知、活用について、どのように進めるでしょうか。

○赤羽国務大臣 私も、近年の激甚災害の現場に足を運んで思うことは、ハザードマップのレッドゾーンにそのまま浸水がなされてしまって大変な被害が起きたということでございます。ですから、なかなかすぐにとはまいらないかと思いますが、こうした被害を教訓として、ハザードマップのレッドゾーンについて、宅地をどうするのかというようなことも中長期的に検討しなければいけないと思います。これが一つ。
 もう一つは、やはりそれと同時に、というよりそれより前に、国民の防災意識を本当に高めていくということが大事だというふうに思います。
 ハザードマップは、一生懸命これまでやっていただいて、九八%の市町村でそれを作成して、それぞれの市町村のホームページに発表しておりますが、なかなか、私が見ても結構難しいんですね。これはどうしたらいいのかちょっとよくわからないんですけれども、見てもぴんとこないところもあって。その辺のことの伝え方の工夫も要るのかなということ。
 先ほど申し上げましたが、ハード面の整備だけではなかなか限界もあると思いますので、やはりソフト面をどうしていくのかということをしっかりやっていくのと同時に、公助だけじゃなくて、自助、共助、みずからの命をどう守るのかということとか、共助は地域でどう助け合うのかというようなことも含めて、自助、共助、公助、ハード、ソフト、官民を挙げての、そういうことを進めていくことが、結局、国民の皆さんの防災意識を高めることになるのではないか、そう考えているところでございます。

○高橋(千)委員 大臣おっしゃったとおり、私も十何年も前に、ハザードマップと浸水域がぴたり賞のところを見て、九州でしたけれども、でも、結局水没している、避難所自体が水没している、そういう状況で、ずっと問題意識を持っておりました。
 立派なハザードマップはできたんだけれども、それを我が身に置きかえて、どうすればいいのか、いつどうすればいいのかというのをちゃんと理解できることがやはり大事だと思うんですね。台風十九号のときは、県単位で避難勧告がテレビに出ましたので、多分、誰も、それじゃどうしようもないなと思ったのではないかと思っています。
 そこで、資料の一枚目、内閣府の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの中で、まさに今指摘をした、住民自身が災害・避難カードを導入して、自分にとって命の危険に何があるのか、そしてそのときにどうすればよいのかを書くべきなんだということを推奨しているわけなんですね。
 冷蔵庫に張っておけばいいよというので、なるほどなと思って、サンプルを取り寄せたんですけれども、それが二枚目にあります。切取り線で切っていただいて、折っていただいて、パスケースとかに入るくらいのサイズになっているんですね。
 そして、土砂災害の場合は何々警報が出たらどこに、水害の場合はどこにというのをあらかじめ書いておき、かつ、声をかけるお隣さんは誰かというチェックを入れておく。そのほかに、いろいろ自分自身の、例えば血液型だとか、そういう情報を書くものをセットしておくということがあるんです。
 やはり、我が身に置きかえてどうすればよいのかを常に意識しておく上でとてもいい取組だと思うんですが、これがどのくらい広がっているのか、またどう広めていくのか、これは内閣府に伺います。

○小平政府参考人 お答えいたします。
 災害対策におきましては、いわゆる自助、共助、公助が非常に重要であるということは大臣も今おっしゃったところでございますけれども、内閣府におきましては、住民の皆様方が、それぞれのお住まいの地域の災害リスクを把握して、避難計画を立てるなどの地区防災計画というものを策定する取組を進めてございます。
 このときに、この実効性を高めるため、避難場所などをあらかじめ認識しておく、今先生がおっしゃいました災害・避難カード、これを作成することについて、ガイドラインの作成や優良事例の紹介などにより推進をしているところでございます。
 一例を申し上げますと、愛媛県の大洲市に三善地区というのがございますけれども、平成二十七年に、浸水予想区域であるとか地域における高齢者等の避難行動支援について、地区防災計画というのを定めまして、翌二十八年に、具体的な避難促進対策として、地域住民各自の避難場所や避難行動を確認し、高齢者と避難支援者とをひもづけした災害・避難カードを作成してございます。
 これが実際に地域の中で浸透しておりまして、昨年の三十年七月の豪雨のときにこのカードが活用されまして、地域住民全員が無事に避難することが……(高橋(千)委員「簡潔にお願いします」と呼ぶ)はい。
 これについては、今幾つできているかについてはまだ詳細に把握してございませんけれども、この作成も含め、地区防災計画の策定によって地域力の向上に引き続き努めてまいりたいと思ってございます。

○高橋(千)委員 実例を話してくださいと言ったんじゃないんです。どの程度広がっているか。つまり、一つを具体的に話す以上にないということなんですよ。だから広めてくださいということを指摘をして、それをどうするかということを伺いました。ぜひお願いをしたいと思います。
 そこで、大規模氾濫によって多数の逃げおくれが生じた二〇一五年の関東・東北豪雨を契機に、水防法が先ほど来言ったように改正されて、多様な関係者が連携して、被害を軽減するための大規模氾濫減災協議会制度が創設されました。この協議会がどの程度動いているのかをまず伺います。
 私は、東北中心ですけれども、被災地を歩いて必ず会うのが、その川の氾濫の歴史をみずから体験し、原因と対策について具体的な提案を言い続けている方というのは必ずいるんですね。そういう方たちの経験を本当に尊重して、地域の流域の住民が参加できる仕組みをやはり検討すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○赤羽国務大臣 今御指摘の平成二十九年の大規模氾濫減災協議会の制度を創設して、現時点でどうなっているかといいますと、令和元年九月末時点で、国管理また都道府県管理、それぞれの対象河川全てに協議会は設置をされております。
 ただ、今、その中をどう充実させていくかということでは、高橋委員おっしゃっていただいたように、水害に関する豊富な知識や経験をお持ちの地元の住民からの意見をお伺いするということは大変有益なことだというふうに考えております。
 昨年の岡山の倉敷の真備町なんかも、あそこもハザードマップのレッドゾーンに家が張りついたわけでありますが、私の聞いているところですと、昔からいる方はそこには住まなかった、やはり危ない地点だというようなことが、それは真備町だけではなくてよく聞いているところでございまして、昔からのそうした知恵ということを反映させていくということは賢明だというふうに私も思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 今、住まなかったと。本当に最悪の場合はそういう選択も含めて今回示していくということが議論されてきたのかなと思っておりますので、貴重な答弁ではなかったかなと思います。
 ちなみに、大臣が宮城県大崎市を視察された日、私、ちょうど同じ日に時間がかぶっておりまして、あそこ鹿島台は三十三年ぶりの同じ水害があって、かさ上げ、宅地をみずからの力で高くしているんですけれども、それでも一階まで浸水をしたというところでありました。そういう方たちは、やはり、水門のあり方ですとか流域が平たくて流れていかないとか、そういう知恵をたくさんおっしゃっておりましたので、そういうのを生かしていただきたいなと思っております。
 そこで、次のテーマに移りますけれども、大臣は所信挨拶で、阪神・淡路大震災でみずから被災したことがやはり原点であるということを踏まえて発言をされました。大臣就任直後から、台風被害、またこの間の被災地にも足を運んでおるということで、本当に大臣の思いとか意気込みを感じるところです。
 二〇〇七年に被災者生活再建支援法改正に取り組んだときには、大臣自身が与党案の提出者でありました。私も質問させていただいたわけですが。個人の財産に税金を入れることはできないという壁を破った改正でもあり、また、そのときの地震に対して遡及適用するというような仕組みでも画期的な取組であったのではないかと思います。
 ただ、そのときに四年後の見直しを私たちは決議で書いたわけですけれども、あれから十二年たって、着手をできておりません。ちょうど四年目が東日本大震災だったということで、すぐにはできなかった事情があるわけですが、それにしても時間がたちました。
 資料の四枚目にあるように、被災者生活再建支援制度の充実と安定を図るための提言ということで、全国知事会からも、半壊まで支給対象とすることなどの提言も出されております。
 この見直しの必要性について、大臣の認識を伺いたいと思います。

○赤羽国務大臣 よく御存じだと思いますが、私の所掌じゃないので、大臣としての発言はしにくいんです。
 というのは、こうした全国知事会の申入れを受けて、今、内閣府防災の中でさまざまな検討がなされているというふうに聞いております。ですから、そこの検討の場に影響を与えるようなことは言えないと思っているんですが、私がこの法律をつくった当時何を思ったかということなら差しさわりないと思いますので答えさせていただきますが。
 阪神・淡路大震災のときというのは、要するに、国から現金支給みたいなことは全く認められておりませんでした。私有財産の形成につながるようなことはあってはならないという厚い壁がございました。
 私は、みずからも被災者でありましたが、真面目な国民として仕事をし、税金を払い、家族を養った国民が、ある日、突然、自然災害を受けて家族を失ったり、仕事を失ったり、住宅を失った、それに対して国として何の誠意も見せられないというのは余りにもおかしいというふうに思いました。そうした意味で、ある意味では見舞金みたいな形でありますが、見舞金の百万円と、家を建てると頑張った人に、これで家が建つわけじゃありませんが、プラス二百万円という制度をつくったわけでございます。
 そのときになぜ半壊を入れなかったのかという、入れるか入れないかという議論がありましたが、それはひとえに、ある意味では財源の問題であって、この仕組みは、国が半分、全国の都道府県知事会が半分という状況になっておりますので、そのときに、半壊というと相当対象が広がってしまうというようなこともあり、それはなかなかしにくいだろうということで、まず大きな第一歩ということで今の制度になったというふうに思っております。
 その当時と今と随分違うと思うのは、当時、地震に関する保険が全く存在していない状況で、しかし、当時と今と比べるとそうしたことは随分改善されているのではないかと。ですから、当時は何もなかったところで被災者生活再建支援法の大改正を行ったわけでありますが、今はそうしたさまざまな、自助、共助、公助に資するような制度の改善もなされていると思いますし、災害救助法等々の中身も随分改善をされておりますので、私から今言えますことは、今の状況でそうしたさまざまなことを踏まえながら、内閣府防災のところでしかるべき結論が出されるのではないかというふうに思っております。
 以上です。

○高橋(千)委員 当然、所管が違うというお答えをされることを前提に、そう言われるだろうと思って質問いたしました。
 でも、なぜそう言ったかといいますと、それはもちろん、改正に大臣自身がかかわっていただいた思いがあるであろうということと、今回、災害救助法の世界では応急修理を、一部損壊、一部認めるということになり、防災・安全交付金で一部損壊を救うということも一定あったのも、やはり大臣はそこに思いがあったんじゃないのか、一部損壊が余りにも対象にならないということに対する思いがあったんじゃないのかというのが一つ言いたかったことなんですね。後でもう一回答弁いただきたいと思うんですが。
 資料の最後に、今の浸水の、何メートル来れば半壊になるのかといった図面がございます。右側は、一括判定で、見てすぐわかるからというので、これは千曲川などが今回適用になったと思います。
 それから、その前の六ページの資料では、本当にこれはピックアップしました、もっといっぱいあるんですけれども、この間の災害で、実際の住家被害があった棟数に比べて、支援金でカバーできているものは二割をいかない、二割未満なんですね。
 大臣がおっしゃるように、基金というのは、都道府県が拠出して、国も拠出しています。だけれども、拠出している都道府県が、全く支援金のお世話にならないんだけれどもたくさん被害を受けているというところも現実にあるんです。財政的な意味といえば、そこもよく加味する必要がある。だから知事会が繰り返し要望してきたんだと思います。
 二〇〇〇年に国土交通省の被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会という報告が出されて、住宅再建の支援というのは、やはり、公共の利益があること、社会の安定の維持に著しい支障を生じるなどの公益が明確に認められるために、その限りにおいて公的支援を行うことが妥当である。つまり、国交省の報告書が出て、最初の、二〇〇四年の法律のきっかけになったと思うんですね。
 つまり、支援ができなくて空き家がふえて町が壊れちゃう、コミュニティーが壊れちゃう、これじゃだめだよと国交省の提言があったからこそ、個人の再建に支援をすると踏み出してきたと思うんです。
 だから、国交大臣として一定のイニシアを発揮してほしいと思って伺いました。もう一言いかがですか。

○赤羽国務大臣 ちょっと今、済みません、質問が定かじゃなかったんですが。
 私も当時、まず、家の瓦れきの処理、当時は、阪神大震災のときは個人がやるという話だったんですけれども、それは、一軒ずつは私有財産だけれども、十軒、二十軒集まればそれは町そのものではないかということで、公共性ということで、瓦れき処理は全額公費負担になったと思います。
 そうしたことは、住宅の再建についても多分同様になされたのではないかと思いますし、先ほど一部損壊の話がありましたが、罹災証明の基準を何か決めなければいけないということで、今、屋根は一五%と、これは固定資産税に合わせてやっているんですけれども、現場に行っていると、屋根が飛ぶと一五%の被害という認定で本当に被災者の立場に立ってどうなのかと考えたときに、やはり、屋根から雨が降り込んで住めなくなるというようなことに思いを寄せれば、何か工夫しなければいけない。
 ですから、私は、災害に関連する法案というのは、やはり被災者の側に立って、常に現場に即したものにつくらないと、下手するとそれがバリアになってはねちゃうようなことになりかねないんですね。だから、床上一メートル以上云々と言うと、現場の役人さんは真面目だから、九十九センチでだめでしたみたいな話があるので。
 私は、今回、長野県のその一帯を全壊判定するというようなことは本来あるべき姿だと、それはちょっと大臣の発言としては不適当かもしれないけれども、個人的にはそういう思いでございます。

○高橋(千)委員 大変踏み込んでいただいたと思います。ありがとうございます。
 あと、ちょっと内閣府に伺いたいんですが、台風十五号で屋根を飛ばされ、十九号で浸水し、二十一号で更に浸水した被災者もいるわけです。
 実は、これまでも秋田や山形で、同じ地域に二年連続とか、一年間に二回とか集中して、被害の認定にやはりそこを加味をしてほしいということを求めてきたんですね。
 認定に対して、やはり、短い期間で災害が重なっている、そこを反映したものにするべきと思いますが、考えを伺います。

○小平政府参考人 お答えいたします。
 家屋の被害認定調査は、基本的には災害ごとに実施すべきものでありますけれども、今回の台風十九号による被害は、十五号による長期停電であるとか、台風十五号の強風を伴う大雨、十七号による強風、屋根の修理が進捗していない段階で発生しています。一つ一つの災害の切り分けが非常に難しい場合が多々あろうかと思いますので、十五号からの一連の災害として被害認定調査を実施しても差し支えない旨、通知をしてございます。
 さらに、二十一号につきましてもまた、いずれの原因によるものか判別できない場合につきましては、十五号からの一連の災害として被害認定調査を実施して差し支えないというふうに考えてございます。

○高橋(千)委員 十月十四日の内閣府の通知の中でそれが書かれておりますので、周知徹底をお願いしたいと思います。
 同時に、一生懸命になって直しちゃった、修理しちゃった、そこにまた来ちゃって、どっちも一部損壊よという方たちは、本当に大変な目に遭っております。私、千葉でも、自分の作業場も全部潰れちゃっているのに、毎日出動して修理に頑張っている事業者の方に会ってまいりましたけれども、そういうことも加味してほしいなという思いで述べましたので、これは芽出しということで、要望にとどめたいと思います。
 終わります。

 

ー資料ー

2019年10月30日衆議院国土交通委員会配布資料

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