国会質問

質問日:2005年 2月 28日 第162国会 予算委員会

六ヶ所村ガラス固化貯蔵施設の冷却装置設計ミス問題 ―分科会

日本共産党の高橋千鶴子議員は2月28日、衆院予算委員会分科会で青森県六ヶ所村に建設中のガラス固体化貯蔵施設の冷却装置の設計ミス問題を質問しました。

 ガラス固体化は、使用済み核燃料を再処理した後の高レベル放射性廃棄物をガラスで固めるものです。

原子力安全基盤機構からガラス固体化貯蔵施設の設計ミスの可能性があると国の原子力安全・保安院に通知があったのが昨年12月17日。保安院が日本原燃にその件を照会したのが5日後の22日。その前日の21日にウラン試験が開始されました。高橋議員は、ウラン試験の開始が遅れるのを保安院が嫌って照会を遅らせたとみられてもやむを得ないと追求しました。

原子力安全・保安院の井田久夫審議官は「(ミスのあった施設は)ウラン試験とは関係がない」「クロスチェックのために時間がかかった」という説明に終始しました。

高橋議員は、東電のトラブル隠しも原発が停止するのを恐れて公表をためらったという事実を指摘。「このような繰り返しが、原子力行政に対する不信感を増長している」と国の安全に対する規制の強化を求めました。

原子力安全委員会の松浦祥次郎委員長は「独立した立場で、規制の実効性を高めるため最大の努力をしたい」と答弁しました。

(2005年3月2日(水)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、核燃料サイクル問題を中心に質問させていただきたいと思います。

 青森県は、今、来年七月の再処理工場稼働に向けて、ウラン燃料を用いてのウラン試験が開始されております。むつ市が立地要請をした中間貯蔵施設、プルサーマルの燃料となるMOX燃料加工施設など、原子力施設の集中立地が進められようとしていることに強い危惧を持っております。県民は、この間の相次ぐ事故やトラブル隠しなどで、原子力行政に対する一層の不信感を募らせています。

 こうした中で、注目されていた新原子力長計の中間取りまとめが昨年十一月に発表されましたが、結果として、使用済み燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とする、いわば従来の全量再処理路線を改めて基本方針とすることとされました。

 しかし、これは、高速増殖炉の破綻やプルサーマル路線の行き詰まりを反映し、再処理能力を超えた使用済み燃料は中間貯蔵をするということで、当面の矛盾をすべて棚上げにしただけにすぎず、到底納得できるものではありません。再処理ありき、その前提には原発増設ありきの国策が、出口のない苦しみを県民に押しつけているということを、まず強く指摘しておきたいと思います。

 そこで、初めに原子力委員会に伺いますが、原子力長計の改定作業に当たっては、昨年一月からご意見を聴く会などが重ねられてまいりましたが、こうした国民から出された意見をどのように計画の中に反映させる努力があったのか、まず伺いたいと思います。

○塩沢政府参考人 ただいま先生から御質問のありましたように、原子力委員会におきましては、昨年六月から新計画の策定会議というのを行っております。この審議はすべて公開で行っておりまして、先生御指摘の核燃料サイクルについての中間取りまとめを行うに際しても、すべての資料、すべての議論を公開して、十八回、延べ四十五時間余にわたる審議を経まして、中間取りまとめを行った次第でございます。

 核燃料サイクル政策についての評価を行うに当たりましては、極力、政策選択の根拠の明確化を図るという観点から、使用済み燃料の直接処分も含め四つの基本的なシナリオを設定し、エネルギーセキュリティー、高レベル放射性廃棄物の発生量等の環境適合性、経済性等の十個の視点からできるだけ定量的に評価をし、これを総合評価した上で中間取りまとめに至った次第でございます。

 これも先生御指摘ございましたが、この間、ご意見を聴く会等の開催により国民各層の意見を幅広く聴取させていただきまして、その結果については、新計画策定会議で紹介し、中間的取りまとめの審議に反映をいたした次第でございます。

 いずれにいたしましても、今後、中間取りまとめ、あるいは各議論の節目節目に行っています論点の整理をもとにさらに議論を深め、適宜国民の意見を伺いつつ、新計画策定についての議論を深めてまいりたいというふうに考えております。

○高橋分科員 すべて公開のもとで行われているし、意見を反映されているというお話だったと思います。公開でやってきているということはもう十分承知をしておるんですけれども、ただ、意見を聞きおくだけではなかったのか、それが反映されたかという点では、まだまだ危惧が残っております。

 例えば福島県の佐藤知事は、十二月二十一日付朝日新聞の「私の視点」というコーナーの中で、「これまでいわばタブーとされてきた、使用済み燃料を再処理せずに廃棄物として処理する「直接処分」を含めた複数のシナリオに基づく検討が七月末、原子力委員会の策定会議でようやく始まった。 ところが検討開始後わずか四カ月もたたない十一月十二日、再処理路線継続の結論が出されてしまった。」とし、「委員の主張が異なっている点を丁寧に拾い上げ、明らかにしながら議論すべきところを、半ば多数決で決めてしまった。」「市民から寄せられた要請や疑問について検討を行うべきだという声は無視された。」こういう指摘をしています。

 これをどう受けとめるのかが問われているのではないでしょうか。

 私は、今回の長計の改定を非常に注目していた一人として、同じ気持ちであります。今回お話があったように、使用済み燃料の処分の方策について四つのシナリオが想定され、直接処分が初めて一つの選択肢として検討項目の中に入りました。また、その検討の過程で、直接処分に対する費用については、平成六年に総合エネルギー調査会原子力部会のワーキンググループの中で試算をした経緯があった、しかし、それを試算がなかったと答弁してきたことを大臣が陳謝するという事案もございました。

 私は、この問題を考える上で、コスト論のみで比較をするべきではない、そういう立場にもちろん立っております。ただ、直接処分の可能性についても早い時期に検討していた、選択肢としてあったということに着目をしたいと思っております。

 しかし、示されたのは、全量再処理あるいは部分再処理に比べ、直接処分は政策変更コストがかかる、電気料金について約〇・九円ないし一・五円が必要になるので、処分費用だけの比較で見ると確かに安いかもしれないけれども、政策変更コストを加えると、むしろ同じか高いというふうに描かれているわけであります。

 私は、この政策変更コストなるものが、何か、もう戻るのは無理だからと政策誘導的に使われている印象も否めないと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

○塩沢政府参考人 お答えいたします。

 核燃料サイクル政策の中間取りまとめに当たりましては、政策変更コストの問題だけではなく、先生も御指摘になられましたが、エネルギーセキュリティー、環境適合性、将来の不確実性への対応能力の面、それに加えまして、国、民間事業者が核燃料サイクルの実現を目指してこれまで行ってきた活動と長年かけて蓄積してきた社会的財産、これは具体的には技術あるいは立地地域との信頼関係、あるいは我が国において再処理を行うことに関して獲得してきたさまざまな国際合意等、これらについて維持すべき大きな価値を有しているということが、政策変更の問題のみならず、それらの問題も総合的に判断をして核燃料サイクル政策の継続が適当というふうに取りまとめられた次第でございます。

○高橋分科員 私が言いたかったのは、それだけを指摘しているということではなくて、総合的だとは言うけれども、この部分が異質だということが言いたいわけです。そこが突出しないということは、今お話ししたとおりでよろしいですね。

 それで、殊さらここが強調されると、例えば公共事業の再評価制度、こうしたものの意義がやはり問われてくると思うんですね。政策変更は当然あり得るのだ、まして、コスト試算そのものが明確な基準もない、もっともっと多方面から時間をかけて議論、そして研究を積み上げる必要があります。そして、国民がその上で選択した場合には、政策変更も当然あるんだということを了解するべきだということを指摘しておきたい。

 そのことを踏まえて、次に行きたいんですけれども、今回の中間取りまとめで、では、国民の疑問に答え、明らかになったことがあるのかということであります。むしろ矛盾が深まったのではないか。その最たるものが中間貯蔵の問題です。中間貯蔵なければサイクル成り立たずという抜き差しならない事態になっております。

 御案内のとおり、中間貯蔵については、むつ市が一方的に名乗りを上げたこと、また、この見直しを求めた住民投票条例案を議会が否決するという、二重の意味で住民が無視された事態が進んでおります。

 最大の関心は、言うまでもなく、使用済み燃料がこのまま永久的に置かれるのではないかということでありますが、これに対する答えは中間取りまとめの中でどう書かれているでしょうか。二〇一〇年ごろから検討を開始するということでしかありません。しかも、「中間貯蔵された使用済燃料の処理の方策は、六ケ所再処理工場の運転実績、高速増殖炉及び再処理にかかる研究開発の進捗状況、核不拡散を巡る国際的な動向等を踏まえて」検討するものであり、「その処理に必要な施設の建設・操業が六ケ所再処理工場の操業終了に十分に間に合う時期までに結論を得る」とされております。つまりは、二〇一〇年からということすらあやふやではないか、単なる先送りではないか、この点についていかがでしょうか。

○塩沢政府参考人 中間貯蔵された使用済み燃料の処理につきましては、今回取りまとめられました中間取りまとめにおきましては、その中間貯蔵された使用済み燃料の処理も含め、これは再処理をするということが基本方針として確認をされたわけでございます。

 それから、先生のおっしゃられた二〇一〇年の件でございますが、これは、二〇一〇年ごろから検討を開始する、それで、六ケ所再処理工場の操業終了に十分間に合うように、中間貯蔵された使用済み核燃料の処理に必要な施設の建設、操業について検討を進め結論を得るということでございますので、十分に、中間貯蔵された使用済み燃料についての方策は国が責任を持って考えるということではないかと思います。

○高橋分科員 国が責任を持って考える、このことはまず大事なことですから確認をしておきたいと思います。その上で、検討を始めるのが二〇一〇年からですから、そして、さまざまな環境がある、検討しなくちゃいけない。そうなると、一体見通しがついてくるのは何年ごろになるんだろうか。これについてはまだ答えることができませんよね。

 それで、そのことと、しかし操業は急がれている、方針は急がれている。なぜかというと、原発サイト側の都合がある。ここを優先させて、やはり、方針の決まらない中間貯蔵施設を稼働するべきではないと思います。少なくとも、中間貯蔵後の処分方針が決定されるまで動かすべきではないと思うが、この点いかがでしょうか。

○塩沢政府参考人 核燃料サイクルの考え方につきましては、先ほど申し上げましたように、我が国のエネルギーセキュリティーに資する、さらには高レベル放射性廃棄物に関する環境適合性にすぐれている、あるいは、我が国のその技術蓄積等の面からも核燃料サイクル政策を進めることがより他の選択肢に比べて有効であるというふうに評価をされたわけでございます。

 そういった視点から、核燃料サイクル政策を進めることが、あるいは基本方針とすることが適当だというふうに評価をされたわけでございます。

○高橋分科員 動かすべきではないと言われてそうだとは言わないのは当然であるでしょうけれども、国の立場にしてみれば。ただ、この間の原子力長計の見直し作業においては、プルトニウムバランスも含めて、明確な目標がどんどんできなくなっている、明確化、数字の目標ができなくなっている。そうした中で、今回のさらに先送りがあったということをやはり言わなければならないのかなと思っております。

 そういう意味でも今回の基本方針決定が拙速であったということは指摘しておきたいと思いますが、結局、再処理工場のウラン試験を開始しなければならない。その前には、再処理は確実にやる、このお墨つきを与える必要があったからではないか、県と国のそういう事情があった。私は、しかし、明確な担保がない、お墨つきだけをもらっても矛盾は拡大するばかりなんだ、このことを強く指摘しておきたいと思います。

 次に、原子力政策を決めるに当たって欠かすことができないもう一つの要件である安全問題について質問をしたいと思います。

 ことしの一月十四日、原子力安全・保安院は、日本原燃に対し、ガラス固化貯蔵建屋B棟における崩壊熱の除去解析の再評価、さらには類似の冷却構造を有する設備における崩壊熱の除去解析の再評価を要請しました。これを受けて日本原燃は、十五、十六日にウラン試験を一時休止させて、二十八日には再評価結果報告書を提出、保安院はこれを了承しました。

 私は、ガラス固化の冷却にかかわるトラブルでありますから、これは非常に重要な問題だと思います。保安院は、まず、このトラブルについてその原因をどう考えているのか、伺いたいと思います。

○井田政府参考人 お答えいたします。

 日本原燃の特定廃棄物管理施設のガラス固化体貯蔵建屋B棟、これにつきましては、設計及び工事方法の審査を行っておりまして、その過程で、原子力安全・保安院が、冷却性能に関するクロスチェック解析を行いましたところ、同社の解析の一部に疑義を生じた。そのために、本年一月十四日に、類似の冷却構造を有する設備を含めて解析の再評価を指示いたしました。

 その結果、一月二十八日に、日本原燃から、解析の誤りのため所期の性能目標を満足できず、構造の設計を一部変更する旨の報告がありました。したがいまして、今後、これらの建屋の設計及び工事方法の変更認可申請等がなされた場合には、厳正に私ども審査を行うこととしております。

 以上でございます。

○高橋分科員 もう少し具体的に伺いたいと思うんですけれども、この問題について、では、最初にだれが発見し、保安院に報告されたのはいつですか。

○井田政府参考人 お答えします。

 原子力安全・保安院といたしましては、この工事の設計及び工事方法の申請を受けまして、独立法人に対しましてクロスチェック解析を指示いたしました。その結果を聞いたところ疑義が生じたために、このような指示を行ったということでございます。

○高橋分科員 いつというお答えがなかったので、こちらから確認をさせていただきますと、報道によれば、貯蔵施設の原子力安全基盤機構からミスの可能性があるとの一報があったのは昨年の十二月十七日だということを報道されております。原燃側にそれを照会したのは二十二日だと。この点いかがですか。

○井田政府参考人 お答えします。

 十二月十七日に口頭にてそのような連絡を受けまして、十二月二十二日に、そういうことについての確証をとるための確認を開始しました。

 以上でございます。

○高橋分科員 そうすると、なぜこの間に五日間も間があくのかということなんです。ウラン試験が始まったのは二十一日であります。私は、この報道を見て、やはりウランテストの開始がおくれるのを嫌って事故公表をおくらせたと見られてもやむを得ないのではないか、このように思いますが、いかがですか。

○井田政府参考人 お答えいたします。

 本件、ウラン試験とは全く関係のない施設だということがまず一点ございます。ウラン試験を行っているグループが今ありまして、第一グループと第二グループというところでウラン試験を開始しているんですけれども、それは使用前検査が終わり、保安規定が認可されたところでだけできるというような試験でございます。この関係していますガラス固化体の貯蔵建屋というものは、私どもとしてまだ使用前検査も終わっておりませんし、保安規定も認可していないということで、ここでウラン試験ができないということが法的にも担保されているということでございます。

 それから、十二月十七日からの日にちの関係でございますけれども、クロスチェック解析という、コンピューターの二つの異なったコードで行うものです。そうしますと、答えが、二つが全く一致するということはそもそもあり得ないことでございますので、それにつきまして技術的に確証を得るという必要がございまして、一月の十四日に指示を行ったという経緯でございます。

 以上でございます。

○高橋分科員 私が聞いているのは、別にそれがあったからといってウランテストをやめろと言っているんじゃないんですよ。ウランテストとは関係がない施設だと。だったら、影響するわけはないんですから、淡々と報告すればよかっただけのことです。この間の事故の経験というのは、まず、事業者からの報告あるいは保安院からの報告が遅かった、そこが国民の不信を買っているということではなかったんですか。もう一度、お願いします。

○井田政府参考人 お答えします。

 原子力安全・保安院として、おっしゃるようなことは断じてなかったということをまず申し上げたいと思います。

 先ほども申しましたとおり、クロスチェック解析というものの性格上、我々もきっちりした心証を得てからでなければ動けないということがございます。そういったこともございまして、必要な期間を消費したということでございます。

○高橋分科員 この点については一致できない問題でございますので、何度も何度もこうした問題が繰り返されてきて原子力行政に対する不信感が増長してきたという点からいって、それは、今は断じて関係がない、ウランテストと関係ないと言うかもしれないけれども、到底納得できるものではございません。

 私は、東電のトラブル隠しがあったときも、そのときは県議会に籍を置いておりましたので、保安院や事業者、またエネ庁に直接質問する機会がありましたけれども、そのときに、やはり事故調査報告書を読ませていただいて、損傷隠しが発覚し、しかし、そのことが世間に出ることで原発がとまる、それを恐れて黙っていたという生々しい記述があるんですね。

 そういうことをやはり克服しなくちゃいけないということで、この間、反省するという事業者の言葉もあったし、信頼回復のために努めるということをやってきたと思うんだけれども、やはり同じことが繰り返されているんじゃないのかなというふうに思っております。

 電気事業法の改正など、国はいろいろやってきたとこれまでも言っています。しかし、基本は、自主保安、事業者任せであります。国は、事業者を信頼して逆に国民の不信を買っているということが言えるのではないでしょうか。

 昨年の九月に、党国会調査団が再処理工場を視察した際、案内してくれた平田副社長、プールの不良溶接問題についてこんなふうにおっしゃっていました。

 放射能や濃硝酸を扱うところはきちんと対応したが、それ以外のところは、一般産業と同じだという思いがあり、目配りが不足したと反省の弁を述べられていました。事業者ゆえの惰性からくる事故について、防ぐすべが現在ありますか。

○井田政府参考人 お答え申し上げます。

 日本原燃株式会社の使用済み燃料受け入れ貯蔵施設のプール水の漏えいにつきましては、お話のありましたとおり、建設時の不適切な溶接施工に起因するものでございました。ただ、これは、同社の品質保証体制、これにかかわる問題を提起するものだったというふうに私ども考えております。

 このため、私ども原子力安全・保安院としましては、平成十五年六月に、同社に対しまして、再処理施設の健全性確認、それと同時に品質保証体制に関する点検、これを行って報告するように指示しました。その結果、平成十六年三月にその報告と改善策の報告を受けております。

 この報告を受けまして、私ども原子力安全・保安院としましては、厳格な審査、検査を行っていくと同時に、専門家の意見を聞きながら、日本原燃の品質保証体制の改善の状況を監視していくこととしております。

 以上でございます。

○高橋分科員 改善の状況を監視して、また、しかし、今の体制では、事故が起こってからわかるということが繰り返されてきたのではないのかなと思うんですね。

 平田副社長はこうも言っています。今の再処理工場が原発より六倍の仕事量だ、だけれども、監督業務につく方は残念ながら二倍前後しか配置できていない、こういう現状がありますけれども、その点についてはいかがですか。

○井田政府参考人 お答えします。

 青森県の六ケ所再処理施設につきましては、私どもの保安検査官事務所に八名の者がおります。さらに、それに加えまして、一昨年の十月に、原子力の安全体制の強化を行いましたとき、独立行政法人の原子力基盤機構をつくったんですけれども、それのサイクル事業本部、それも六ケ所村に設置することによりまして、そこに十名の者を配置しております。非常に手厚い体制をとっております。

 以上でございます。

○高橋分科員 手厚い体制じゃなくて、今言っている、仕事量の六倍に対して監督業務が不足しているという現場の指摘、現場のいわゆる事業者の体制、それはお認めになりますか。

○井田政府参考人 お答えします。

 事業者におかれましては、先ほど言いました品質保証体制といったときには、必要な要員を確保して必要な資格の者をやるという、それも含めまして品質保証体制と申しております。そういったものがきっちり働くように監視しているところでございます。

○高橋分科員 全く答えにならない、堂々めぐりになっちゃうんですね、これだと。やはり再処理工場そのものが、私たちは、技術がまだ未確立な施設だというふうに指摘をしてきました。この間、やはり設計変更を繰り返してきたわけですよね。施設は非常に複雑になっている。そして、そういう中で、いわゆる管理が厳格にされなければならない重要施設は集中している。だけれども、現場はこういう体制だと。同時に、日程は詰まっている。そういう形で、スピードを上げなきゃいけない、合理化を図らなきゃいけないという実態があるわけです。

 これでどうして国民の信頼を得ながら安全操業できるのかということを率直に見なければならないと思うんですね。このことをまず指摘して、その上で、きょうは、私、原子力安全委員長にせっかくおいでいただいていますので、伺いたいと思います。

 原子力安全委員会も、平成十四年の原子炉等規制法に基づき、チェック機能の強化を図ってまいりました。率直に、その役割を果たされてきたのか、六ケ所の事案と関連させてその感想を委員長に伺いたいと思います。

    〔主査退席、佐藤(茂)主査代理着席〕

○松浦参考人 お答えいたします。

 今御指摘の平成十四年八月に、原子力発電施設における自主点検の不正の問題が発覚いたしました。この問題を原子力安全委員会は非常に重く受けとめまして、平成十四年十月に、内閣総理大臣を経由して経済産業大臣に勧告を出しております。

 この勧告では、一つ、事業者による自主点検のあり方をうんと明確にすること、二つ目に、検査実施体制を見直して実効的な規制体制を確立すること、そして、安全に関する情報公開を推進して透明性の向上を図ることを求めているわけでございます。

 この勧告を踏まえまして、平成十四年十二月に、原子炉等規制法、電気事業法、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法が改正されました。そして、それによりまして、原子力安全委員会の役割が強化されたわけでございます。

 具体的には、それまでの原子力安全委員会の規制活動の中心は、原子炉施設を設置するときの設置許可時のダブルチェックが中心でございました。法改正によりまして、その後、原子力施設の建設、運転段階における規制行政庁の安全確保活動についても、四半期ごとに報告を受けまして、その活動内容を適時に監視、監査するという、いわゆるこれを我々は規制調査活動と言っておりますが、これを始めたわけでございます。これまでのところ、三十一件の規制調査活動を実施しておりまして、現在も三件を実施しております。

 また、この規制調査活動を行います場合には、現場におきます実地の調査が重要であります。こういう現場における調査をするということについて、事業者が協力しなければならないという協力義務が原子炉等規制法によって明確化されておりまして、この規定に基づきまして、例えば昨年一年間ですと、十四回の現地調査を行っております。

 今後とも、設置許可段階のみならず、建設、運転段階全般を通じまして、規制行政庁が行います安全確保活動を独立した立場で監視、監査いたしまして、規制の実効性を高めるように最大限の努力をいたしたいと存じております。

○高橋分科員 時間が参りましたので、要望を一言だけ述べておきたいと思います。

 今、実効性を持ちたいということで委員長の決意が述べられたと思うんですが、今回の事故に当たっての安全委員会の取り組みなどを伺っても、やはり安全委員会という性格上、事後報告を書類を中心に検証するとか、あるいは保安院の報告を追認しているだとか、さまざまな限界があるということを率直に指摘をしなければならないと思っております。

 やはり推進と規制の分離ということを、いわゆる保安院の役割ですね、明確に独立させるということをしっかりとやるべきだということを言っておきたいし、それから、こうした問題を踏まえて、最初に述べた原子力長計の改定に当たっては、やはり国会で十分審議をするべきだということを要望して、終わりたいと思います。

 以上です。

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