国会質問

質問日:2019年 5月 22日 第198国会 厚生労働委員会

児相設置へ体制確保を

児童虐待防止法改正案/高橋氏が要求/衆院厚労委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は22日の衆院厚生労働委員会で、児童虐待防止法等改正案に関し、中核市での児童相談所(児相)設置に向けた支援や、きめ細やかな体制の確保を求めました。
 改正案は付則で、施行後5年間をめどに中核市、特別区が児相を設置できるよう国が支援するとしています。高橋氏は、「全ての中核市・特別区」での設置を掲げた2016年の改正児童福祉法付則から後退したのかと質問。厚労省の浜谷浩樹子ども家庭局長は、「希望する」全ての中核市・特別区が設置できるようにするとして「趣旨は変わらない」と答えました。
 高橋氏は、児相を新設する市区に対し、都道府県のノウハウの活用や支援機能が必要だと指摘。代替職員などへの財政補助では、単年度予算となっているが、5年間、予算が途切れず確実に確保されるかとただし、根本匠厚労相は、集中的に取り組む期間であり「そのような趣旨だ」と答弁。高橋氏は、児童福祉司は向こう3年間で約2000人増、児童心理司は倍加が必要だとし、確保・養成はどうかと質問。浜谷氏は「中途採用やOB再任用を図る」と答え、高橋氏は、学生が志したいと思える仕事にすべきだと求めました。
 厚労省の16年の研究で、「子ども間の暴力は施設全体の管理的で支配的な文化の中で起こりやすい」と指摘しており、性暴力などが起こる背景の把握が未然防止に必要だと主張しました。
( しんぶん赤旗 2019年05月23日付より)

―議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 昨日の参考人質疑で、泉房穂明石市長は、中核市に児童相談所設置は、国がやると言えばやれると話しました。
 ことし一月の中核市長会の緊急要請においては、一時保護所、児童相談所(事務所部分)の整備費への適切な財政措置や専門的人材の育成、確保について提言などを行ってきたが、政府において十分な対応がなされなかった、こういう指摘をされています。これについてどのような検討を行ってきたのかをまず伺いたいと思います。
 続けて二つ聞きますので。
 また、条文の附則第六条には、政府は、この法律の施行後五年間を目途として、児童相談所等の整備の状況、児童福祉司その他の児童相談所の職員の確保の状況等を勘案し、中略します、中核市及び特別区が児童相談所を設置することができるよう、児童相談所等の整備並びに職員の確保及び育成の支援その他必要な措置を講ずる、こうあるわけなんです。
 聞きたいのは、五年後、どのような姿を政府は考えているのか。つまり、五年後には全ての中核市及び特別区で児相が設置されているということなんでしょうか。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

○根本国務大臣 児童虐待防止対策においては、身近な地域で子育て支援から虐待への対応までの切れ目ない一貫した対応が重要だと考えています。このような対応を可能にするため、中核市、特別区における児童相談所の設置を促進してまいりました。
 具体的には、平成二十八年児童福祉法改正において、特別区も含め児童相談所を設置できるようにする、同法の附則において、政府は、施行後五年を目途に、中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう必要な措置を講ずることといたしました。
 その上で、今年度予算においても、人材確保、育成や施設整備に関する支援を拡充するなど、順次取り組んでいるところであります。
 中核市からは、国と中核市の間で丁寧な議論を積み重ねるとともに、継続的かつ安定的な支援措置を講じること、一時保護所、児童相談所の整備費への適切な財政措置や専門的人材の育成、確保といった要望が寄せられております。
 このような状況を踏まえて、本法案については、施行後五年間を目途として、中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、児童相談所の整備並びに職員の確保、育成の支援その他の必要な措置を講ずること、この支援を行うに当たっては地方団体等と連携を図ること、これは十分に協議するということでありますが、施行後五年を目途として、児童相談所等の整備並びに職員の確保及び育成の支援のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。
 施行の五年後どうなるかというお話でしたが、地方団体との協議を行いながら、当然、これは、支援の抜本的な拡充あるいは協議の場の設置ということもやりながら、施行後五年をめどとして、希望する全ての中核市及び特別区が児童相談所を設置できるように必要な対応を行ってまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 条文が大変回りくどくなっているのを何度も読むとまた更にわかりにくくなってしまうんですけれども、今、最後に希望する全てのというふうにおっしゃったので、希望しないところはいいんだ、そういうふうな意味なんだと思うんですね。だけれども、二〇一六年、平成二十八年の児童福祉法の附則第三条では、「政府は、この法律の施行後五年を目途として、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市及び特別区が児童相談所を設置することができるよう、その設置に係る支援その他の必要な措置を講ずるものとする。」と、今の条文よりも、五年は一緒なんですけれども、もっとシンプルな条文でありました。
 この条文について、ことしの三月一日に、中核市における児童相談所設置に向けた打合せ会議に資料を出しておりますけれども、これは要領がありまして、都道府県社会的養育推進計画策定要領、昨年の七月六日です、基本的考え方の中で、平成二十八年の今の附則第三条の趣旨は、全ての中核市、特別区が児童相談所を設置できるようにすることであるからと。趣旨は、全ての中核市、特別区が設置できるようにすることであるということを要領にちゃんと明記して説明しているわけです。ということは、考え方が後退したということになりますね。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 結論から申しますと、趣旨は変わらないと考えております。
 全ての中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、できるということでございますので、そういう意味では、義務ではございませんので、希望する全てのという趣旨、もとからもそういう趣旨だというふうに理解しております。

○高橋(千)委員 趣旨が変わらないのであれば、今回、回りくどい表現をする必要はなかったと思います。違いますか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 条文上は、そういう意味では、集中的に五年間という意味合いをしっかりするということ、それから、支援の内容が、人材とか施設整備とかそういう内容が具体的にわかるようにということで条文を少し具体的に書いておりますけれども、趣旨は変わらないということでございます。

○高橋(千)委員 では、義務づけはしないけれども、全てが設置することを目標とするんだということでお話を進めていきたい、このように思います。
 資料の3に検討状況をつけました。
 これは、中核市五十二市のうち、設置する方向は、昨日いらっしゃった四月開設の明石市、それと奈良市。設置の方向が、旭川、船橋、柏、豊橋、鹿児島市、五カ所であります。そのほかには、設置の有無を含めて検討中は二十六カ所、設置しないは十二カ所、未検討は七カ所となっている。
 そうすると、要するに、さっきの、希望するの部分が微妙になってくるわけです。この十二カ所と七カ所はやらなくてもいいことになるのかなというのが気になるのと、その理由、設置しない、未検討の理由はどうなんでしょうか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 中核市のうち児童相談所を設置する方向で検討を行っていない自治体につきまして、その理由の全てを把握しているわけではございませんけれども、地方団体からは三つ言われております。
 一つは、児童福祉法上の都道府県と市町村の役割分担を踏まえれば、市町村、市区は地域に根差したきめ細やかな支援に特化し、都道府県は専門的、広域的な観点での支援等に特化すべきではないかといった意見。
 それから二つ目には、限られた福祉人材につきまして、都道府県と市区で分散させることについては、それぞれの体制を弱くするのではないか。
 それから三つ目といたしましては、中核市は人口二十万人程度から六十万人程度とばらつきがあること、あるいはその都道府県の体制、近隣自治体の状況、地理的条件など、その置かれた状況もさまざまであることから、一律の義務づけはどうか、こういった意見が寄せられております。
 また、個別の中核市におきましてでありますけれども、我々が個別に把握している幾つかの意見の中では、児童相談所を設置している中核市への国からの財政措置が著しく不足しているということ、もう一つといたしましては、県との役割分担のもとで良好な関係で児童虐待の対応に当たっており、設置のメリットが感じられない、こういった理由を挙げる市もあると認識をいたしております。

○高橋(千)委員 メリットが感じられないというのは、多分、きょう午前に高木委員が紹介をされた、そういう自治体も中にはあるのかもしれません。ただ、そこに対しても、よく議論をしていって、今、児相の果たす役割、それから限られた人材や都道府県と中核市との関係というのをやはり相乗効果に持っていかなければ、児相だけで解決できる問題だとは誰も思っていません。だけれども、やはり相乗効果を出すためにも必要なんだということで国がイニシアチブを発揮してほしい、このように思うんですね。
 それで、ちょっと順番があれで申しわけないんですが、戻っていただいて、資料の2なんですけれども、中核市を管轄する児童相談所の管轄人口とあります。
 きょうも少し議論がありましたけれども、二〇一〇年までは、児童相談所設置基準において、人口五十万人に最低一カ所が望ましいとされていたわけです。ですが、現実の今のこの人口を見ておりますと、かなり多いということなんですよね。全国でならすと六十万人に一カ所くらいだという答弁が前にありましたけれども、これはならす意味は全然ないわけで、話題になっている柏が百三十五万六千九百九十六人。だけれども、その上の市川も百三十七万七千五百六十三人というように極めて多くて、これではとても対応は難しかろうと誰もが想像できることだと思います。
 それで、これから児相をつくるという旭川の場合は、一番上を見ていただきますと、管轄区域の人口が六十一万八千八百七十三人、うち中核市の人口が三十三万九千六百五人。ここの部分は、新たに児相ができますと結構バランスがよいことになりますよね。
 同時に、我が青森市は、中央児相、県がやっている児相と中核市の人口が余り変わらなくて、差が二万三千人ほどしかないんですね。そうすると、県都に児相ができて、中核市に対応する人が移っただけで、県の責任はどうなんでしょうというふうな話にもなっていくわけなので、そこを逆に、都道府県のノウハウをうまく生かして、移行した中核市児相への支援機能を持たせるなど工夫をして相乗効果につなげていく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 今回の政府の法案におきましては、都道府県が市町村に対しまして体制の整備その他の措置について必要な助言を行うことを規定しております。中核市が児童相談所の設置を検討する場合等におきまして、都道府県は市町村に対しまして必要な助言を行うことができることになります。
 また、今年度予算におきましては、人材確保あるいは育成に対する支援といたしまして、児童相談所の実務経験のある職員を市区に派遣する場合等の代替職員の配置費用の補助を行うなど、支援の拡充に順次取り組んでいるところでございます。
 加えまして、三月十九日に関係閣僚会議で決定した抜本的強化についての中では、中核市、特別区の児童相談所の設置に向けまして、都道府県を含めた関係団体が参画する協議の場を設置することなどを盛り込んでおります。設置が進めば、地方公共団体と丁寧な意見交換を行いながら、必要な支援を講じてまいりたいと思います。
 また、この際、子育て支援から虐待対応までの切れ目のない一貫した対応を行っている事例など、中核市、特別区の特色を生かした取組についても把握いたしまして、先行事例として共有するなど、そういった取組にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 先行事例も生かし、助言もし、人材確保もし、五年後には、三年たって五年ということですから、八年になってしまったということになるわけですけれども、全ての中核市、特別区を目標にするのだということで、国としてもいろいろな指摘をされた課題に応えていくのだということを確認したいと思います。今のは質問です。もう一回答えていただきます。
 それから、先ほど稲富委員の質問に対して、管轄区域における人口において都道府県が定めると。その参酌の基準に対して、五十万人に一カ所といった基準も踏まえという答弁がございましたけれども、それは私にしてみれば最低ラインだなと思って、それ以上はないなと思っているんですが、そのことも確認したいと思います。
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 今回の法案における児童相談所の管轄区域における基準でございますけれども、具体的な基準設定につきましては、過去におきまして人口五十万人に一カ所程度といった基準があったことも踏まえまして、虐待予防、早期発見から虐待発生時の迅速的確な対応を切れ目なく行う、あるいは一つ一つのケースに対しまして一層きめ細やかな対応をとることが可能となるようなこと、こういった観点から、今後、地方団体とも協議しながら検討していく予定でございます。
 いずれにいたしましても、各地方公共団体におきましては、新プランに基づく人員増とあわせまして、児童相談所の配置等についても計画的に準備を進めていただく必要がございます。したがいまして、法案を成立させていただいた暁には、国と中核市及び都道府県等の関係団体が参画する協議の場を速やかに設置、活用しながら、速やかに準備を進めていきたいと考えております。

○高橋(千)委員 先ほどの答弁の中であったんですけれども、中核市に児相を設置するための財政支援ということで、例えば市から県に研修に行く、そのときのその人がいたポストの代替職員の補助ですとか、その逆、県から派遣をされるときの代替補助ですとか、あるいは補助職員、設置準備のために直接かかわる職員の補助など、そういうさまざまな補助をつけているというのは承知をしています。ただ、五年という目標を設定した以上、やはり単年度予算ではなくて、毎年毎年確保していって、ことしは大丈夫かななんということがないように、確実にやるというふうに表明されたらいかがでしょうか。これは大臣にお願いします。

○根本国務大臣 今回の改正案では、施行後五年間を目途として、中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう、児童相談所の整備並びに職員の確保、育成の支援その他の必要な措置を講ずること、そして、施行後五年を目途として、児童相談所の整備並びに職員の確保及び育成の支援のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。
 この規定は、施行後五年間は、いわば集中支援期間として、児童相談所が設置できるように必要な支援を講ずること、こういうことを意図したものであります。
 厚生労働省としては、このため、この五年間、地方団体等の意見を踏まえつつ、集中的かつ継続的に必要な支援を講じてまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 ですから、予算も集中で、途切れることはないということでよろしいですね。一言で答えてください、時間がないので。

○根本国務大臣 そのような趣旨であります。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 政府は、緊急対策として児童福祉司を向こう三年間で約二千人ふやすと言い、また、児童心理司は、児童福祉司二人につき一人以上配置するということが標準で、現在千三百六十人だそうですが、これを二〇二四年には二千五百人、倍近くにしなければならないという目標があります。大変な課題でございます。
 資料の一枚目に児童福祉司の任用要件というのをつけておきました。いろいろな場合があるんですよね。医師とか社会福祉士、精神保健福祉士などの資格があれば一年目から児童福祉司として任用できるわけで、その方たちが今、千四百十七人で一番多いわけなんですけれども、ただ、行政職員の場合は、社会福祉主事というのが多いと思うんですけれども、児童福祉事業を二年以上の勤務経験と講習会の受講を要件とするわけです。
 児童福祉司は、もうこれまで何度も指摘をされているように、経験年数三年未満が圧倒的に多い。なので、本当に経験を蓄積していって、新しい人としっかりつなぎながら、連携しながらというふうな体制をつくっていかなければならないわけですね。そうすると、この任用要件を満たすために、まず、まだ福祉司とは呼べないけれども、そういう職員も採用していかなきゃいけない。絶えずそうやってふやしていかなければならないわけですよね。
 そうすると、率直に伺いますが、大学で心理学を学ぶ学生の動向や、社会福祉、児童福祉などを学ぶ者という、いわば未来の児童福祉司という点で、人材養成の見通しはどうなっているでしょうか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、これまで何回も答弁させていただいておりますけれども、昨年十二月の新プランにおきましては、児童福祉司五千人体制、児童心理司も二〇二二年度に八百人程度増員等の、児童相談所の体制の抜本的拡充を図ることといたしております。
 自治体における専門的な人材の確保については、国としてもしっかり支援しなければいけないというふうに思います。御指摘のような新卒につきまして、自治体の採用活動を支援するための補助を行います。
 また、採用のみならず、児童相談所における組織としての専門性を確保することが重要だと思います。
 これも何度か答弁いたしましたけれども、例えばということでございますけれども、積極的に児童相談所の配属経験者の再配置をしていく、それから児童相談所のOBの職員の再任用等を行うといったこと。
 それから、これは人事のことでございますけれども、個々の児童福祉司等が必要な専門性を確保できるような人事異動サイクルで人材配置を行う、こういったことについて自治体での工夫が進むように周知をしております。
 また、これは新卒関係でございますけれども、新卒といいましょうか、中途採用などもあると思いますが、日本社会福祉会等の専門職団体に対する採用に関する働きかけなども行っております。
 また、今年度予算におきましては、児童福祉法により義務づけられました児童福祉司の任用後の研修等の実施費用の補助、あるいは、昨日参考人からもお話がございましたけれども、研修センターについて、全国二カ所に拡充する、そういった措置も講じておりまして、全般的に、人の確保それから資質の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 中途採用や再配置といった可能性を追求するのも当然必要なことなんですけれども、新しい人たちがこの児童福祉司という仕事を選択できるように、やはりカリキュラムの分野でも文科省ともよく議論をしていただきたいと思いますし、やはり仕事の魅力というんですか、そこを本当に、待遇改善だとか、そうしたことも議論していただきたいなと思います。
 実際は、現場からは、そもそも児相でそんなに人がふえても机を置くスペースさえない、そのくらい大変なんだという声も聞こえているんです。どうなっているでしょうか。
 だからこそ、人をふやせというのは、児相にぎゅうぎゅう詰めにしろとか、無理やり児相を建て増ししろとか、そういう議論では本当はなくて、身近なところに、児相や分所でもいいんです、そうやってふやしていくということとセットでやはり人の確保というのは必要なんじゃないかなと思います。いかがでしょうか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 児童相談所あるいはその一時保護所の整備につきましては、地方から、児童相談所設置に当たりまして、国と中核市との間で丁寧な議論を積み重ねるとともに、継続的かつ安定的な支援措置を講ずることといったこと、それから、一時保護所、児童相談所の整備への適切な財政措置、あるいは専門的人材育成、確保といった要望が寄せられております。
 このため、今年度予算におきましては、施設整備に関する支援の拡充に順次取り組んでおります。
 具体的にということでございますけれども、児童相談所整備に係る地方債の元利償還金に対する地方交付税措置を行っております。また、一時保護所を設置する際に、子供の特性に配慮した処遇を可能とするような施設整備を行う場合に補助単価の加算の拡充などを行っております。
 また、これは先ほどの議論でございますけれども、今回の改正では、児童相談所の管轄区域が大き過ぎるといった御指摘があることも踏まえまして、児童相談所の管轄区域に関する参酌基準を定めることとしたところでございます。
 こうした取組によりまして、児童相談所自体の設置が適切に促されるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 引き続き、実態を見て、あわせて対応していただきたいと思います。
 児相をふやせという議論をしてきたのは、子供たち一人一人にやはり本当に目が行き届く、そういう環境がつくれるのかな、十分な対応ができるのかな、そういう思いから話を進めてまいりました。
 介入と支援の機能分化について、昨日の参考人質疑で、萬屋参考人は、一時保護を、深刻になってしまってからではなかなかおうちに帰すことができないので、早目に保護をしているとお話をされました。一回たたいて学校で通報があって顔にあざがついていた、すぐ保護して、親を呼んで、暴力を振るわないと約束させて帰すんだと。だから、早い段階で、深刻な事態になるのを防いでいるということなんですよね。
 泉市長は、親御さんを殴った子供さん一人のケースで、あとの兄弟も保護しました、そして親御さんには、逆にこの機会にゆっくりしてもらいたい、そして話し合うというふうなことを紹介されたんですけれども、私は我が意を得たりという気持ちだったんです。
 つまり、今の状態は、通報されて児相が駆けつければ、虐待親と言われたと親が泣き出したり、児相が来たら子供を連れていかれる、そう警戒することが多いんですね。だから、介入と保護の支援の分離ということがすごく議論されてきたと思うんです。
 やはり、介入あるいは一時保護、それがイコール即親子分離ではないんだ、むしろ親子関係を改善するプロセスでもあるんだという位置づけが重要だと思いますが、いかがでしょうか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 児童相談所におきましては、必要がある場合にはちゅうちょなく一時保護を行うわけでございますけれども、その後につきましては、施設入所が必要な場合もございますけれども、保護者の個々の状況に応じまして、保護者支援プログラムを含め、家庭環境の改善のため、関係機関とのネットワークのもとに継続した支援を行うことにより、円滑な家庭復帰を図っていくことが重要だというふうに考えております。
 具体的には、保護者支援プログラムに加えまして、家庭環境の改善のための訪問サービスあるいは一時預かりサービス、それから児童福祉司が家庭へ通いまして、家庭環境を踏まえた上での助言、指導などにつきましても、保護者の特性に合わせた支援に取り組むこと、こういったことによりまして、家庭における養育環境や状況の改善を図り、その上で円滑な家庭復帰に取り組むこととなるものと考えております。
 こうした取組によりまして、子育て等に悩み、孤立しがちな家庭を発見し、適切な支援につなげることで児童虐待の予防を図ってまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 そこで、きのうもきょうも話題に上った、子供間の性的な問題の厚労省の初の調査のことなんですけれども、七百三十二件、千三百七十一人の子供が、加害者であったり被害者であったり、そのどっちでもある場合もあるわけです。そういう調査のきっかけは、三重県の母親が、施設に預けた七歳の長女が同じ施設の少年からわいせつ行為を受けたことで提訴をしたというのがきっかけで、三重県だけで調べていただいたら、九年間で百十一件、二百七十四人が施設内での性被害、加害に加わっていたということが判明し、国としても調べてほしいということを受けての調査でありました。
 そこで、この調査を今後どうするかということなんですね。やはり、子供たちが、親からの性虐待や暴力を受けたとか、DVを見てきたなどの背景もあるだろうし、そういう子供たちがいっぱいいて共同生活しているという困難さもあるということがいろいろ見えてくると思うんですが、その成果をどのように生かしていくのか、伺いたいと思います。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 今回、御指摘の調査結果を発表したわけでございますけれども、この調査結果の発表、先月二十六日でございますけれども、これに合わせまして、都道府県、児童養護施設等に対しまして、取り組むべき事項を通知いたしました。
 具体的にでございますけれども、定期的な面接あるいは性教育の実施など、今回の調査で聞き取った施設のいわば先進的な取組事例を参考にいたしまして、未然防止や早期把握を徹底すべきこと、あるいは、事案を把握した場合の児童相談所との連携、被害児に対する安全確保や専門的ケアを確実に実施すべきことを求めたところでございます。
 今後でございますけれども、今年度、引き続きまして、この調査で得られたデータを活用いたしまして、御指摘いただいた、子供たちの背景事情、あるいは施設での生活状況、あるいは施設の問題発生防止に向けた取組内容などが性的な問題とどのような関連性があるのか、そういった分析等を行いまして、個々の現場で取り組むことのできるマニュアルあるいはチェックリスト等の作成を行いたいと考えております。
 今回の調査結果を生かした取組によりまして、このような問題の未然防止を図っていきたいと考えております。

○高橋(千)委員 未然防止は当然なんです。絶対あってはなりません。
 同時に、私が言いたかったのは、その背景を本当につかんでいただきたいということなんですね。
 この報告書の前に、二〇一六年の被措置児童等虐待事例の分析に関する報告というものが出されています。これは、施設職員による虐待事例、毎年とっているものを、そのうち特徴的な事例を分析して研究したものであります。中には、性虐待で職員が逮捕され、八年の懲役を受けたという事案もありました。その被害者になった子供の後のケアというのは本当に深刻だと。まして、暴力の父親のところに連絡を返しているわけですから、そういう後々のことも非常に問題なわけです。
 ただ、私は、この報告書の中身で非常に興味深いなというか大事だなと思ったのは、「子ども間暴力は、職員集団を含めた施設全体の管理的で支配的な文化の中で起こりやすいため、予防には個を尊重する文化の醸成が必要ではないか。」と書かれている。また、「性的加害行動や性的問題行動の背景には、性的被害歴や性を介した力の支配やその継承が存在することが多いとの認識に立って、対策と予防とケアを実施する必要がある」、こう指摘しているんですね。
 施設内の支配的な関係に踏み込んだ記述は大変重要だと思います。親との間でもそういう関係だったからこそ、自己肯定感が持てない。なので、性イコール生、それを生教育と呼んでいるようですが、を通して、職員も児童も自他ともに大切な存在だという共通認識を持つことによって、入所前の被害を、今までなかなか語れなかったものを言うようになったり、施設の中で起こっているトラブルをみずから訴えやすくなる、そういうことを指摘しています。
 子供の権利擁護を考える上で本当に大事な指摘だと思うし、今後、今度の子供間の性的な問題に関する調査研究が、やはりそういう子供たちの背景に、それは親たちの背景でもあると思うんですが、切り込んでほしいなと思いますが、最後に一言、いかがでしょうか。

○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 若干繰り返しになりますけれども、今回の調査で得られたデータを活用いたしまして、御指摘のような子供たちの背景事情等々についても深掘りをして分析いたしまして、個々の現場で取り組むことのできるようなマニュアルやチェックリスト等の作成を行ってまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 あと、時間がないので、要望だけにとどめておきたいと思います。
 これから、児童相談所の第三者評価が位置づけられたわけですけれども、それに先立って、一時保護所の第三者評価のためのガイドラインを準備しているんですね。
 それで、資料の中にお手紙を、子供たちにみずから、保護所の中の食事はおいしかったですかとか、そういうのを書かせるアンケートをとり、そして今、それに先立っての調査をしているんですけれども、後で見ていただきたいんです。
 資料の6と7を見ますと、LGBT等配慮が必要な子供を受け入れた経験があって、対応を行った保護所が二七・六%もあるんです。受け入れたけれども対応できなかったが七・六%。これだけの子供たちに直面しているんだということや、妊娠している子供への対応というのが、受入れ経験があって対応を行ったのが三九%、受け入れたことはあるが対応はできなかったが六・七%。
 だから、子供が子供を産んでいる、そういう状況に、一時保護所が、健康状態から、母子手帳の交付についていったり、中絶の手術につき合って、お寺の供養までつき合ったとこれに書いているわけですよ。それだけのことを一時保護所はやらなきゃいけない。
 これは本当に大変だなと思うし、だけれども、それだけの多様な複雑な子供たちが集まっているという中での、本当に、さっきから言っている、いかに子供の権利を守れるかというのは極めて重大な問題で、そういう意味でも、実効性ある第三者評価にしていただきたいということを一言述べて、終わりたいと思います。

―資料ー

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