国会質問

質問日:2019年 5月 7日 第198国会 厚生労働委員会

障害者雇用促進法改正案-参考人質疑

障害者活躍の職場に/改正法案めぐり参考人

 衆院厚生労働委員会は7日、障害者雇用促進法改正案について参考人質疑を行いました。参考人からは、中央省庁の障害者雇用水増しの再発防止や、雇用促進に向けた課題などが指摘されました。
 全日本視覚障害者協議会の田中章治代表理事は、障害者雇用の水増しの根底には「国による障害者差別、排除の考え方がある」として、徹底した検証の必要性を強調。問題発覚後の中央省庁の採用も「単なる数合わせになってはいけない」として、今後も障害者権利条約にそった抜本的な見直しを行うよう求めました。
 DPI日本会議の西村正樹副議長は、障害者団体が公共交通機関に求めてきたエレベーターやホームドアなどの設置が障害のない人々にも安全・安心を提供していることをあげ、「障害者が活躍できる職場は、公共交通機関と同様に、誰もが活躍できる職場につながると確信している」と強調。「質が確保された障害者雇用が大きく前進することを願う」と訴えました。
 全国手をつなぐ育成会連合会の小出隆司副会長は「知的障害は体験ができない障害で、この障害を理解するには触れ合うしかない」と強調。障害者を対象とした国家公務員の採用試験では高卒程度の知識が問われ、知的障害者には難しいとして「もう少し配慮が必要ではないか」と述べました。
 日本共産党の高橋千鶴子議員は、障害者が働きやすい職場づくりのための合理的配慮のポイントについて質問。西村氏は「障害者を特別扱いするのではなく、障害がない人と同じ機会を提供するために合理的配慮があるとの理解が広まることが重要だ」と指摘。田中氏は、点字試験による採用率の引き上げなどとともに障害の特徴に応じた職場環境整備の重要性をあげ、「せっかく入った人が途中で辞めたりすることのないようにしてもらいたい」と述べました。
( しんぶん赤旗 2019年05月08日付より)

―議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日は、五人の参考人の皆さん、御出席をいただきまして、本当に貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
 早速質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、眞保参考人に伺います。
 厚労省の在り方研究会の委員を務められました。報告書が出されたのは七月三十日であって、今回の水増し問題の公表は八月でした。ただ、五月には、本来、財務省からの指摘があって、厚労省として各省庁に点検を行っていたことがわかっております。研究会での報告がなかったのかということをぜひ伺いたいと思うんですね。
 本来であれば、それを受けての補充というのが必要だったんじゃないのかなと私は思うんですけれども、逆に、先ほどちょっと答弁がありましたように、課題をたくさん残しましたということをおっしゃっていたと思うんですが、水増し問題を受けて今回の法案をちょっと急いでしまったということがあって、研究会の報告そのものがかなり薄まったといいましょうか、まだ具体化されていないということが多いのかなと率直に思うんですけれども、伺いたいと思います。

○眞保参考人 御質問ありがとうございます。
 報告会で水増しのことについて報告があったかという御質問でよろしいでしょうか。報告会では、それに関しましては全く議論はされておりませんし、報告も受けてはいないということでございます。
 以上です。

○高橋(千)委員 それはわかりました。それを受けて、今回の研究会の報告の具体化としてはまだ課題が残っていたということで、実は昨年も水増し問題を受けての参考人質疑をやっているんです。むしろ、この問題を契機に、障害者雇用のあり方についてもっと全般的な議論をすべきだというふうな提案が多くの参考人の方からもありました。そうした点でどうだったのかなという率直な感想を伺いたかったんです。もう一度お願いします。

○眞保参考人 御質問いただきましてありがとうございます。
 報告会では、七月でしたので、さまざまな積み残されている議論につきましてはもちろん議論を進めて報告書をお出しはしたんですけれども、時間的に全て書き込むことはできませんでしたし、また、法案に全て反映することは、今回水増しのこともございましたでしょうから、できなかったということはあるとは思いますけれども、今後議論が続いていくかと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。なかなかお答えにくかったかなと思っております。そういう意味で、今後ももっと総合的な議論をやはり一つの契機としてやっていく必要があるのではないかなと私自身が考えて、質問をさせていただきました。
 次に、西村参考人に伺いたいんですが、合理的配慮についてなんですが、DPIは、障害のある人もない人も、ともに生きる社会の実現を目指して活動されております。重度の方でも国会に来て、さまざまな介助を伴いながらも自立して生きるという意味、提言を積極的に発言されてきたと思っております。
 伺いたいのは、これは障害者に対する差別ではなく合理的配慮なんだということを本当に理解すること、一人の障害者として尊重することの意味を理解してもらうというのは実はとても難しいと思うんですけれども、受け入れる側の企業や従業員にもこのことをよく知ってもらう必要があると思いますが、最もポイントと思われることは何でしょうか。

○西村参考人 質問ありがとうございます。
 差別禁止指針にしても、合理的配慮指針にしても、障害者権利条約にしても、障害者は、障害のない方が持っていない新しい権利を付与されているものではありません。
 例えば先ほど、点字試験の実施だとか手話通訳の配置だとか介助者ということを申し上げましたけれども、視覚障害があると墨字は読めません。かわりに、点字というもの、あるいは別の形での情報入手をする。聴覚障害者についても、耳からの情報ではなくて目から情報を受けることで、障害のない方たちと機会が均等になるということをやはり知っていただきたいというふうに思っています。
 障害者だから特別扱いをする、特別な権利を与えるのではなくて、障害があっても障害のない人と同じような機会を均等にするためのものが合理的配慮であるということの理解が広まることが重要かなと思っています。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 今の質問と同じ趣旨で、田中参考人にも伺いたいと思います。
 点字試験は、今回の統一試験で八十三名の利用があったと聞いています。実際には大変狭き門であったということなんですけれども、採用試験時の合理的配慮、まだまだ不十分とは思いますが、先ほどお話のあったパソコンの問題ですとか、一定の人事院の配慮がされたと思っています。
 問題は、それをこれからももっと工夫していくことや、採用後も同じように定着していくために合理的配慮をしなければならないんですけれども、そういう点で重視すべきことは何かということを伺いたいと思います。

○田中参考人 今回の人事院の統一試験ですけれども、先ほども申しましたように、七百五十四人のうち、これは正式な発表ではないんですが、未公表の部分なんですが、四十三人の視覚障害者が合格して、ただし、点字使用者、点字で受験した人は二人ということで、これはバランス的にも非常に低い数字だと思うんです。点字使用者の率から申しまして、これは七、八人ぐらいいてもいい数字なんですよね。そういう意味で、ちょっとその辺は非常に、点字使用者が何か冷遇されているような、そういう印象を持っております。
 それで、私たちの観点でいいますと、やはり合理的配慮ということで視覚障害者に不可欠なのは、職場内でパソコンを使うということ。これには必ずスクリーンリーダーとかそういうものをつけないと、私たちは仕事になりません。
 そのことと、あと職場介助者制度も、今民間では制度化されておりますが、これも必要なことなんですね。ところが、これは今のところ十年、そして最長十五年まで認められているわけですが、そういうことで、十五年たってもやはり視覚障害者は視覚障害者で、障害を完全に克服することはできないわけです。ですから、私たちは、雇用期間全てにこの職場介助者制度を適用すべきじゃないかというような主張をずっと持っております。
 そういうことで、何といいましても、私たちが働くのは、合理的配慮がちゃんとされているかどうか。弱視の方のためには、拡大読書器という、テレビ型の文字を大きくするものがあります。そういうものがちゃんと職場で個人の希望に応じて配置されているかどうか、その辺が私たちとしては大変ポイントになるんじゃないかと思います。
 せっかく入った人が途中でやめたりすることのないように、そういう職場環境を整備していくことをあわせてやっていただきたい、このように思います。
 以上です。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 問題になった今だけ頑張ったということではないように、継続した配慮の取組が必要だなと改めて考えました。ありがとうございました。
 次に、川島参考人に伺いたいと思うんですが、御自身が障害があり、さまざまなハンディキャップを乗り越えて、今日、多くの障害者を雇用する側に立っているということで、貴重な御意見をいただいたと思います。
 特例子会社制度は、もともと障害者が多い職場で、互いのよさを引き出すという工夫もしやすいメリットがあると思っております。その工夫の一端が紹介されたと思うんです。
 伺いたいのは、障害者を包摂した社会を目指してきたこと、義務ではない中小企業でも雇用を積極的に行っている企業がある、そういうことからいっても、もっともっと当たり前に障害者雇用が進む社会をつくっていくためには、力のある大企業が特例子会社を持つことで、雇用者数がちゃんとクリアできていますよというだけではなくて、特例子会社のノウハウが一般化されて、親企業そのものが障害者が働ける職場を目指していくのがいいんじゃないかと思うんですけれども、御意見を伺いたいと思います。

○川島参考人 ありがとうございます。
 まさにそのとおりだと思っています。弊社の場合も、やはり特例子会社がしっかりしていないと、親企業もなかなか理解は得られないんですね。
 十二年たちまして、私たち特例がきちんと障害者雇用を推進し、障害者の方々が活躍するようになり、やっと親会社の楽天でも障害者雇用をやっていこうというふうな気持ちになりました。やはり実績がないと、親会社の方でも、どういうふうに障害者の人たちに仕事を用意したらいいんだろうか、どのような配慮が必要なんだろうかというのがわからないので、こういう実績を特例子会社がどんどんつくっていって、親会社の方の理解促進に努めていってほしいなというふうに考えております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。親企業が大いに進んでいくということを期待したいと思います。
 次に、小出参考人に伺いますけれども、私は、手をつなぐ育成会の青森県の大会に毎年参加をしております。本人の会の報告ですとか、スポーツ大会での活躍を表彰する場をいつも見せていただいて、本当に貴重だなと思って御挨拶をさせていただいているんですけれども、今回の統一試験の結果というのは、非常に、知的障害の方がもともと困難な試験だということがわかっていた、それを指摘したにもかかわらず、そのまま実施をされて、三名だけだったということは残念だなと思っております。
 ただ、先ほど御紹介があったように、川島参考人の企業でも、知的の方が得意とする野菜の水耕栽培も取り入れられているですとか、コーディネートする人がいれば、職場に理解が広がれば、もっと雇用して活躍してもらえると逆に思うんですよね。
 今回の水増し問題を契機として活躍の場がもっと広がればよいなと思っているんですけれども、御意見を伺いたいと思います。

○小出参考人 ありがとうございます。
 育成会の方にも参加していただきまして、ありがとうございます。
 一般企業で働く、それから福祉的就労ということで福祉施設で働く、そういうケースがありますけれども、実はうちの娘はB型の作業所で働いておりますけれども、時々、施設外就労ということで、一般企業に行って仕事をしてきます。
 そうすると、そのときだけは、うちに帰ってくると、胸を張って、鼻の下が伸びております。胸を張ってこうやって来るんですよね。何が起こったのかなと思ったら、一般企業では、そんな大きなところではありませんけれども、仕事が終わった後、社長さんが出てきて、ありがとうね、助かったよ、そういうことを心から言ってくれるんです。でも、福祉施設で働いても、うちの娘たちが幾ら働いていろいろな生産性を上げても、それはそこに働いている職員の人たちの給与にはならない。うちの娘がそこに行って初めて個別給付が出るというその仕組みですね。一般企業で働くことの本来の意義というものはそこにあるんじゃないかなと思います。
 またよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

○高橋(千)委員 とてもいいお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。
 今回の問題を契機として、障害者の皆さんが本当に活躍できる、そのことが、企業にとっても、受け入れる側にとっても、社会にとっても、もっと理解が進んで、全体が共生社会に進んでいくような方向に向かって、そのためには公的部門がもっと、範を垂れるというか、頑張らなければいけないという思いでありますけれども、そういう思いを今後に生かしていくという決意を述べまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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