国会質問

質問日:2019年 4月 10日 第198国会 厚生労働委員会

日本共産党議員の国会質問/在留外国人、保険平等に

現場の声届け政治を変える論戦
 高橋千鶴子議員は10日の衆院厚生労働委員会で、健康保険法等改定案に関わって、在留外国人の健康保険加入について厚労省の対応などをただしました。
 同改定案は、新たに健康保険の被扶養者を原則日本国内に居住する者に限ります。高橋氏は、1986年から「国際化の進展等の観点」を理由に在留外国人の国保加入が適用され、健保にはそもそも国籍条項がないことを紹介。法務省は東京五輪の準備のため、日本を訪れる海外の関係者に特定活動「在留資格」を認め、配偶者と子も認める方向です。一方、今月施行の改定入管法による特定技能1号には家族の帯同が認められておらず、高橋氏は同じ保険料を払いながら不平等が生じているとして国内居住要件を見直すよう求めました。
 高橋氏は、同法案の高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について、国保データや介護データが高齢者の個人のデータとして名寄せされて「医療費適正化」「自立支援」として、介護保険支給の対象から外される危険性について質問。厚労省の樽見英樹保険局長は、ただちに医療費適正化を目的としてはいないが、データの扱いについては、個人に着目したものであることを認め、過去からさかのぼって健診データ等をまとめることで、リスクの気づきに資すると説明しました。
( しんぶん赤旗 2019年04月25日付より)

―議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 改正入管法が今月施行となり、日本で働きたいという外国人の希望者は政府の想定を超えていると報道されていました。今日、既に二百五十万人を超える外国人が在留をしておりますが、私たちと同じように公的医療保険に強制的に加入することが求められており、負担をする義務があると同時に給付を受ける権利もあります。そこに差別があってはならない、こう思います。
 そこで、けさのNHKのニュースで報道がありましたけれども、東京オリパラの準備を円滑に進めるために、海外の大会関係者に特定活動の新たな在留資格を与えることを調整しているということです。九十日以上の滞在を予定している、大会組織委員会が認めた関係者及びその配偶者と子供を認めると。これは本当は法務省に質問したかったんですけれども、間に合いませんで、さっき確認をしましたところ、四月二十六日までパブコメを現在実施中ということです。
 オリンピックという意味では確かに初なんだけれども、国際的なスポーツ大会や万博のようなイベントの際は、こうした活動をやっていると在留資格を認めている。そして、確認できたイベントとしては、二〇〇五年の愛・地球博のときに配偶者と子供も認めている、こういうことであります。
 そうすると、厚労省とも協議を行ったということを確認しています、やはり九十日以上ということでの同じ条件で在留し、同じ外国人である、まして日本の労働力不足に対応するという目的でやってくる外国人のうち特定技能一号は家族の帯同を認められない。これはやはり差別になると思うんです。ここに国内居住要件というのがかぶさっていくわけですから、どうしても納得がいかない。
 こうした、在留資格に条件をつけることによって、いろいろなことが起こったときに条件をつける。そうすると、この資格はいいけれども、この資格はだめとなったときに、同じ保険料を払っていて、しかも一家の大黒柱である外国人が被扶養者の分は認められないというのはやはりおかしいのではないでしょうか。

○樽見政府参考人 まず、オリンピック、パラリンピックの関係でございます。
 これについて在留資格を与えるかどうか、そこの整理につきましては法務省の方になりますので、私の方からのコメントは差し控えたいと思いますけれども、しかし、そういうことも含めまして、三カ月以上の滞在が見込まれるということになりますと、住民票の対象になって、国保の取扱いの対象となるという考え方で私どもとしても関係省庁と調整をしているというのは事実でございます。
 その上で、被扶養者の考え方というものについて、私どもとして、今回の制度、外国人と日本人ということで国籍による区別というのはしてはおらないわけでございますので、まさに保険の考え方という中で、被扶養者の範囲というものについて、最近のグローバル化でありますとか、手続上、なかなか外国にいると困難である、そういったような状況も踏まえまして、今回のような提案をさせていただいているというところでございます。

○高橋(千)委員 全く説明になっていないと思います。
 グローバル化によって最初の国保の国籍条件が取られたのも、昭和六十一年、一九八七年のアクションプログラムですよね。これは、やはり市場開放のために被扶養という、国籍条件も取るという考え方ができたと思うんですね。でも、これは、言ってみれば国の都合といいましょうか、それはオリンピックに来る方たちと何が違うんだということは、やはり説明になっていないと思うんですよ。
 これはやはり、私、さっき聞くよと言いましたから、できれば整理をしていただいて、この法案は本当にこのまま通していいんだろうかということを疑問に思いますので、もしそれ以上の具体的な説明があれば伺いますけれども、なければ整理していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○樽見政府参考人 国籍ということでいいますと、まさに健康保険制度は、被用者の疾病リスクについて、それをみんなで分担するという考え方でございますので、これは国籍や居住地を問わず被保険者として適用しているという考え方でございます。
 それで、国民健康保険。先ほどもお話がありましたように、例えばオリンピックの関係で日本に来て、それで三カ月以上滞在して住民票を得るという形になりますと、これは、雇用がどうなるかというのはありますけれども、恐らく国民健康保険の対象になるということだろうと思いますけれども、国民健康保険の方につきましても先生御指摘のように国籍要件というものを撤廃しまして、それで同じように適用しているということでございまして、そういう考え方で、今回のオリンピック、パラリンピックの関係者が来日する、そこで三カ月以上の滞在になれば国保の適用になるということで関係省庁で調整をしておるということを申し上げましたけれども、これはまさに国籍要件がない、内外無差別という考え方の帰結ということでございます。

○高橋(千)委員 国籍要件がないからと。それはわかっています。
 だけれども、逆に言うと、では、どうしてかな。外国人だからということで差をつけていないのに、なぜ特定技能の場合は限定されて、そうじゃないところは認められて、そこに波及してくるわけですよね、考え方によって。特定技能だって、後から質問するつもりでしたけれども、国保になる可能性があるわけですよね。やはりそこは、被扶養者という考え方をどこで、では、何のために今回つけたのかという、結局そこに戻っていくことになりますけれども、説明がちょっとわからないです。

○樽見政府参考人 恐縮でございます。
 私も今、先生の御指摘にちょっと言葉足らずだったかなというふうに思いましたけれども、その特定一号、二号という、いわば家族帯同ができるかどうかというのが入国管理上の問題ということになるわけでございます。
 私どもの方としては、結局、国内にいらっしゃる方に適用することを原則にするということでございまして、そういうことで、家族帯同ができるかできないかということについて私どもの方でどうこう言っているということではなくて、あくまでそういう在留資格の結果として国内にいらっしゃるかどうかということが私どもの今回の考え方で、国内に居住するということを原則的な要件にするということとを組み合わせた結果として、外れてくる方が出るということでございます。

○高橋(千)委員 要するに、私が言いたいのは、健康保険にはもともと国籍条件がなかったわけですよね。そういう中で、何らかの事情によって、つまり、外国人は、今回の入管法は移民政策ではないということをわざわざ断りを入れているわけですよ。
 そういうことの中で、健康保険のいわゆる不正使用だとか、本来はほとんど実績がないのに、実態がないにもかかわらずそれを殊さらに大きく言って、問題があるかのような議論をしてやる。そうやって、同じ条件で、同じ滞在期間であるにもかかわらず、条件をつけたら、一家の大黒柱だけれども認められないということがあるのはやはりおかしくないかという問題提起をしているんです。
 これはやはりもう一回整理をしていただいて、理事会でも議論したいと思います。これは最初の問題提起です。
 委員長、お願いします。

○冨岡委員長 はい。理事会で諮らせていただきます。

○高橋(千)委員 その上で、国保について、今、オリパラの場合は三カ月ということで、国保の対象になるだろうと。なるだろうですよね、あくまでも。国内の企業との関係で、被用者保険の場合もあるかもしれない。
 ただ、そういう状況もあるんです。つまり、短期の雇用契約を繰り返している、非正規の形で外国人が来る場合や離職した場合、そういう場合にやはり国保というのがきちっと対応できなきゃいけないと思うので、そこはしっかりお願いしたいと思います。
 これは実は質問のつもりだったんですが、ちょっと時間がもったいないので、要望にとどめます。
 それで、次の質問に入りたいと思います。
 資料の3なんですけれども、市町村における高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施についてということです。
 特定健診・保健指導は、七十四歳まで義務で、七十五歳以上は努力義務とされてきました。なので、実施者も市町村と広域連合というふうに分かれているわけです。
 有識者会議の報告では、「七十四歳まで実施してきた特定健診・保健指導の情報も七十五歳以降には共有されていないようなケースも多く、健診結果を踏まえた個別の支援も十分には行われていない状況にある。」と指摘をしています。
 改めて、何で後期高齢者制度をつくったんだろう、これは言っておきたいなと思います。これはわかっていたことですのでね。メタボ対策に特化した特定健診に対し、後期高齢者は、病気になるならもう既になっている、いわゆる決着がついている、そういう説明が当時あったんです。同時に、医療費適正化対策が位置づけられたということがあったと思います。
 そこで、ポンチ絵にある、人の絵がある上の囲みなんですけれども、医療・介護データ解析というところに、医療レセプト、特定健診、介護レセプト、要介護認定、フレイルチェックなどという、データの集積しているイメージの絵があります。
 これは、問題は、それぞれのデータは、高齢者一人一人の個人の総合的なデータとして名寄せし、活用するという意味でしょうか。具体的に、そのデータをどのように集約し、誰が、どのように活用するのか、お答えください。

○樽見政府参考人 この説明の資料で御指摘の医療・介護データ解析というふうに書いてあるわけでございますけれども、市町村におきまして、国保のデータベースというものを活用しまして、市町村が保有しておられます、国保の被保険者であった当時の特定健診や医療レセプトの情報、それから後期高齢者医療制度に移行した後の健診や医療レセプトの情報、それから介護レセプトの情報というものを一体的に把握できるようにするという考えでございます。
 ですので、市町村におきまして、高齢者の保健事業を実施する際にも、国保の被保険者であった当時の特定健診や医療レセプトの情報というものも一体的に把握する、介護も一体的に把握するということで、過去からの継続したデータ分析に基づきます効果的な保健事業の対象者の抽出、保健指導の効果的な実施、医療サービスへの適切な接続、あるいは、既往歴などを活用したフレイル予備軍の抽出といったような取組が進むことを期待しているということでございます。
 また、こういういわば個人に着目したハイリスク者へのアプローチというだけでなくて、市町村におきましては、地域の健康課題の把握ということで、保健事業の実施地区の重点化あるいは支援内容の検討、あるいは、介護情報もあわせて把握することによって介護を受けておられる方にアウトリーチをかけていって、個別訪問等による実態把握あるいは保健指導の実施といったようなところにも役立てていただくということが考えられるというふうに思っております。

○高橋(千)委員 これまでも、データの問題を議論していた際に、やはりそれを利用するときは匿名化情報であるという議論があって、傾向だとかそういうのを見るんだということだったんですが、これは明らかに個人に着目したものであるというので、ハイリスクな人を見つけ出すとかそういう理由があるんだろうけれども、今御説明いただいたように、過去からの健診データは全部個人にひもづかれちゃって、わかっちゃう。だから、物すごく重大な個人情報なわけですよね。それをまずどうするのか。要するに、とても欲しがる人もいるわけですけれども、その対策がまず求められると思う。
 ナショナルデータベースの場合は、医療費適正化計画という目的があります。だけれども、介護の場合は、介護保険事業計画に生かすんだという意味でデータを集積してきたわけで、もともと目的が違うよねという議論はされてきたと思うんですね。やはりそういう意味では、目的が、ほかにもいろいろあるかもしれないけれども、結局、一体化によって医療費適正化のやはりツールとなりましょうか、そういうことになるんじゃないでしょうか。
 そして、その財源は特別調整交付金を使うということを言っておりますので、当然、それは評価の指標が必要ですよね。そういうときに、やはり自立支援、つまり介護保険からの卒業、そういったことが評価の対象になっていくんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○樽見政府参考人 御指摘の、NDBと介護DBの一体的な名寄せとか解析ということも今回の法律案の中に入っておりますけれども、それはまさにビッグデータとしてのデータの分析であり活用ということになります。
 先ほど申し上げた、市町村がいわば高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する、また、そこで地域のニーズを洗い出したりハイリスク者を洗い出したりする。そういうための医療・介護データ解析、国保データベースを活用してのデータ解析は、先生御指摘のとおり、これはいわば名前つきの情報という形になりますので、同時に、これはしかし、一つの市町村の中の情報ということになりますから、日本全国で突き合わせて解析というような性質のものではございません。
 そういう意味で、市町村には情報の管理をしっかりとやっていただきたいと思いますし、そういう情報の管理の安全性というところについては気をつけていく必要があるというふうに私どもも思いますけれども、情報についてはそういうことになっております。その上で、特別調整交付金というもので一体的な実施というところについて支援をしていくということを考えております。
 ただ、これは、いわば、今、市町村において一体的な実施ということに向けた体制が必ずしも十分ではないところが多いと思います。そこをしっかりとした体制を組んで一体的な実施をやっていただくということが主たる目的でございますので、何か、医療費適正化効果があるから特別調整交付金をつけるというようなことを今の段階で考えているということではなくて、まさに地域でどういう体制をつくっていただくかということに着目をしてつけていきたいというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 そうすると、まず、今、データは個人にひもづくものだから非常に重要であり、それは市町村の中の話ですよということ、全国ではないですよという御説明がありました。
 そうすると、ちょっとまた問いを飛ばすんですが、一番最後の資料を見ていただきたいんですが、これは、検討中ということで、昨年の四月十九日の社会保障ワーキング・グループの見える化の検討会の中に厚労省が出した資料ですけれども、マイナポータルを活用した特定健診データの個人向け提供サービスというふうなことで、やはり個人にどんどん過去のデータがひもづいていくんだなということがまずわかる。そういう議論をまずしてきた、一方では。
 それと、昨年の七月の社保審の介護保険部会で総務課長は、新たな要請といたしまして、経済財政諮問会議におきまして、医療と介護のレセプトデータを全国的に連結すること、又は、健康、医療、介護のビッグデータを連結し、医療機関や保険者、研究者、民間等が活用できるようにすることが期待されていると。
 なので、これはまだ検討中ですけれども、結局、そういう準備を今しているということではないですか。それは事実ですよね。時間なので、一言。

○樽見政府参考人 おっしゃいました後半の全国規模のビッグデータということは、先刻来御説明しております、NDBと介護DBの連結で第三者への提供ということではないかなというふうに思います。
 資料の、マイナポータルを活用した特定健診データの個人向け提供サービスということになりますと、これはまさに、マイナポータルを活用してこういうものを御本人に提供することを検討しているということでございますが、これは、加入者がマイナポータル上で健診データを閲覧する際には、まず御本人がマイナポータルというものを開設することが基本になるわけでございます。そのほか、個人認証の仕組みというものを組み合わせて活用することができますので、漏えいのリスクはかなり低くなるように、そこを非常に意識しながらこの検討ということについては進めているというふうに考えております。

○高橋(千)委員 やはりこの法案は、まだ時間が足りません、継続してやっていただきたいことを望んで、終わります。

―資料ー

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