国会質問

質問日:2005年 6月 8日 第162国会 農林水産委員会

ダム建設設計情報漏洩問題--厳正な調査を要求

 入札前に受注ゼネコンがコンサルタント会社から設計資料などを入手していたことが問題となっている農水省発注の荒瀬ダム工事(鹿児島県)の入札で、事前に6件もの談合情報が寄せられ、公正取引委員会にも通報していたことが8日、わかりました。同日の衆院農水委員会での日本共産党の高橋千鶴子議員の追及で判明したもの。

荒瀬ダム工事をめぐっては本紙報道を受け農水省が調査。同ダム工事のコンサルタント業務を請け負った三祐コンサルタンツ(名古屋市)が同ダム工事入札前、受注した共同企業体の一社、大手ゼネコン・清水建設(東京・港区)に、荒瀬ダム実施設計その二業務の報告書を渡していたことなどが判明しています。報告書は同省あてのもので、資材単価なども記載されていました。

高橋議員は「入札参加業者に配布される設計図書には(単価の)金額は入っていない。入札の根幹にかかわる問題だ」と強調。同ダム入札にあたって談合情報があったかをただしました。農水省の川村秀三郎農村振興局長は、談合情報は6件あり、公取委にも通報したと答弁しました。

公取委の楢崎憲安審査局長は「疑いのあるような事実、端緒に接した場合は、必要な調査をする」とのべました。

(2005年6月8日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 五月十七日の本委員会質疑におきまして、九州農政局発注のダム工事において、コンサルタント会社が入札前に成果品を受注者側に譲渡していた問題を取り上げました。

 大臣はその際、再度この問題をもう少し調べて、いかにあるべきか、場合によっては、契約当事者でなくても、発注の会社の方に対して何らかの方法をとるかもしれませんと答弁をされました。これに基づいて再調査がされたのか、再発防止に向けてその後取り組まれた内容は何か、お答えいただきたいと思います。

○川村政府参考人 今回の事件でございますが、これまでの九州農政局の調査、累次にわたって行ってまいりまして、その中で、荒瀬ダムの設計業務に関する成果品等が、国の承諾を得ることなく、請負業者の社員から施工業者の社員に対しまして、複数年かつまた複数回にわたり譲渡されていたという事実を把握したところでございます。

 その後、この委員会での審議また大臣の指示を受けまして、関係者を呼びまして、九州農政局におきまして、具体的な再発防止策を早急に検討して報告せよということで検討を依頼しました。そして、それを誓約書という形で、委託を受けておりましたコンサルタント、それからまた施工業者でございます清水建設に対しましても、再発防止策を定めた誓約書を提出させたというところでございます。

 そして、この再発防止策につきましては、今後もフォローをするということで、その実施状況を報告させるということで、関係業者から報告を受けてその取り組み状況を監視し、確認していきたいということでございます。

○高橋委員 先般の委員会で指摘をしましたけれども、今回の問題が入札制度そのものをゆがめているという問題意識を私述べましたけれども、その点に関してはいかがですか。

○川村政府参考人 今回の事態でございますが、まさに、発注者との信頼関係を損なうだけでなく、また公平性、透明性の確保についての疑問を生じさせるというもので、まことに遺憾でございまして、重く受けとめているところでございます。

 請負契約に当たって、今後このようなことが生じることのないよう、請負業者、施工業者等に対しまして指導を徹底してまいりたい、こういうふうに思っております。

○高橋委員 入札をゆがめているとは思われませんか。もう一度伺います。

○川村政府参考人 委託しました成果品が渡っていることはまさに事実でございますが、この成果品は、全体的な入札との関係でいきますと一部の部分でございます。それからまた、その使われている単価とかそういうものは、一般的な公表した資料でございまして、その後、これをベースに、国としては、まず現場の事業所が積算をもう一回やり直します、そして、それをまた九州農政局の本局の方がチェックをしてそれを査定するといったような何段階かの過程を経ます、そういうことがございます。

 それからもう一点は、入札に具体的に当たりましては、その入札に応じられる方がわかるような資料、そういうものはすべて、要素となるものは公開をいたします。しかも、十分な期間を置いて、今回の場合は二カ月以上の期間を置いて応札を受けたということでございまして、機会の均等という意味でも、そこは図られたというふうに思っているところでございます。

○高橋委員 要するに、その認識が問題だと思うんですね。複数年、複数回にわたって情報のやりとり、これは一方的に三祐から清水に対して成果品が譲渡されたというだけではなくて、工事費の積算も含めて清水から相談をお互いに受ける、そういう関係だったということを今回指摘したわけなんですね。それが、そういうことがあったとしても入札が公正だったというその認識が非常に問題ではないかと思います。

 確認しますけれども、前回私が述べたのは、「平成十二年度荒瀬ダム実施設計その二業務」の成果品を修正した資料、つまり、一度は出した資料ですが、これを差しかえますということを述べたものを資料として本委員会に提出をいたしました。この内容を確認したかどうか。それから、その成果品には当然金額が入っていると思いますが、お答えいただきたいと思います。

○川村政府参考人 成果品が一定の期限のもとに提出をされるわけでございますが、やはり、その中には数字の単純ミスとかそういうものがございまして、結果的に後で差しかえをされるということはあります。そういう資料も含めて、まさに三祐コンサルタンツの方から清水建設の方に渡ったということは極めて問題であるということで、そういった処分を行ったところでございます。

○高橋委員 成果品が渡っていて、いわゆる一般的に入札参加業者に渡される設計図書とは、金額は入っていませんから、全く違うものですね。

○川村政府参考人 先ほど申し上げましたけれども、国が受け取った成果品、それからその後、数字の単純ミス等がございまして差しかえがあった資料、これをベースにして、現場の事業所が、もう一回自分たちの目で見て、また違う、その時点での単価等あるいは施工の工程、そういうものをチェックした上で、再度独自で積算をいたします。そして、それをまたさらに、上部機関であります農政局、この場合は九州農政局ですが、そこで査定をいたします。審査会でチェックをいたします。

 そういう意味で、あくまで、その成果品は基礎の資料とはなりますけれども、入札がそのままそれに基づいて行われるというものではございません。

○高橋委員 今の答弁を聞いて、多分、公共工事の、農水省だけではなく、いろいろな問題にかかわったことのある先生方、専門家の方は十分おわかりだと思うんですね。金額の入った成果品を受け取った業者と、一般的な設計図書、入っていないものと、どちらが有利に働くかというのは、もう当然のことであります。そのことの指摘をまずしておきたいと思うんですね。

 それから、あわせて伺いますが、九州農政局に談合情報が、一体いつ、何回もたらされたのか、公取に通報したのはいつか、具体的にお答えください。

○川村政府参考人 談合情報が今件に関しては寄せられておりまして、電話とか郵送とかがありまして、計六回ございます。そして、公取に通報いたしましたのは、最初の通報があってから六番目の途中段階で行っております。三回ほど、その都度行っております。

○高橋委員 済みません、きのうちゃんと確認したところ、通報は五回ですね、三月九日、十一、十二、十五、十六の五回というふうに聞いております。六回の談合情報が、平成十六年三月四日、九日、十日、十一、十二、十五と、連続して談合情報が寄せられた、そういう異常な事態なんだということ、そして、その背景には今こうしたやりとりがあったということをまず受けとめていただきたいと思うんです。非常に驚くべきことです。

 そこで、きょうは公取においでいただいております。これほどの談合情報と、入札を有利に導くコンサルと清水建設の関係は、もう内部資料によっても明らかでありますけれども、厳正な調査と対応が求められると思います。見解を伺います。

○楢崎政府参考人 御指摘の事案は個別の案件でございますので、公正取引委員会としてどういうふうに対処するかどうかといったことについてコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 しかしながら、一般論として申しますと、いわゆる入札談合は、独占禁止法で禁止する典型的なハードコアカルテルでございます。そして、そのような疑いのあるような具体的な事実あるいは端緒というものに接した場合には、必要な調査をし、調査の結果、違反事実があるということになりますと、厳正に対処するということは当然でございますし、今までもまたそういうふうに対処してきているところでございます。

○高橋委員 今、公取は橋梁談合の問題でも非常に注目をされておりまして、この点では本当に厳正な対処をお願いしたいと思います。

 きょうはかけ持ちのところを無理を言っておいでをいただきましたので、これで結構です。ありがとうございました。

 それで、農水省に戻りますけれども、私は前回、成果品を三祐が清水建設に渡すまでの間にやりとりがあったということを、ファクスの文書がたくさんあるんだということを紹介して調査を求めたわけであります。やはり、農水省が確認したのは、最終的に出された成果品だけであると。でも、一回目に出した実施設計その二業務のものと、それから、そこに至るまでにいろいろな積算の積み上げ、見直しがございます。それを清水に協力を得ながらやっていたと。

 今回は、その清水がつくった報告書がございます。時系列的に、どんなやりとりをしてきたのか。ここには何が出てくるかといいますと、三祐コンサルが農水省、要するに発注者側と打ち合わせをする、それに当たってどういう積算をすればいいのか、どういう説明をすればいいのかということが、どんなやりとりをされていたのかというのが時系列的に出されております。ですから、平成十三年三月二十九日に三祐から事業所に提示された額というものもございます。二百九十六億云々、これが総事業費の最初の予算にもほとんど匹敵している額である、そういう関係だったということを指摘しておきたいと思うんです。これはきょうはちょっとお見せできないんですけれども。

 そういうことを踏まえて、まだあの入札が公正であったという見方がどうなのかということが改めて問われるわけですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。

○川村政府参考人 本件につきましては、この前の答弁で申し上げましたけれども、まさに、委託を受けたコンサルタンツとまた施工業者の一人がこういった密接なつながりを持ってやっていたということはまことに遺憾である、これがこういった議論を呼ぶように、その公正性とか客観性、そういうものについての疑惑を招くということはまことに遺憾であるというふうに思っておりますので、こういったことが再発しないように、それは我々としても全力を尽くしていきたいと思いますし、入札の公平性、客観性等が保たれていくように、我々としても最大限の努力をしていきたいというふうに思っております。

○高橋委員 大臣のお答えがいただけなかったんですが、いかがですか。

○島村国務大臣 今までいろいろな御質問をお受けしまして、私、常に同じことを申してきたつもりですが、私は、こうした犯罪行為あるいはそれに類するようなことについては厳正に対処しておるつもりでありますし、願わくば私の在任中にこういうものは一掃したいと思っている人間でありまして、今回のことでも、この結果についてまで局長からるるいろいろな報告を受けてきたところであります。

 その結果、いろいろ聞いてみますと、二カ月前には公表される内容のものを少しく早目に情報提供し、相手の心証をよくするための努力が行われていた。しかし、これはあくまでやってはいけないことなので、それについて厳しく処分もし、やはりこういうことが二度と起きないような先例とするべきだという指示をいたしまして、その結果、今回、一カ月の指名停止という大変厳しいものが出たやに聞いております。

 私も、一カ月というものが厳しいか厳しくないか、ほかのものとの対比をするほど知識がありませんので、これも確認したところでありますが、この一カ月の指名停止を受けるということは、その企業のそれまでの蓄積した評価、そういうものに大変大きな傷がつくということと、事実、コンサルタントでありますから、いろいろな調査その他の段階では、施工業者とはいささか立場が違って、この一カ月のダメージというのは大変大きいものだそうだということ、それから、今まで類似の例からいうと大変厳しいいわば処断がなされた、そう聞いておるので、私も了としたところであります。

○高橋委員 前回よりちょっと答弁があれかなと思っておりますけれども、農水省の外郭団体とも言えるコンサルとの関係、あるいは、今、談合問題が非常に注目されている中での農水省の対応ということが注目をされているわけですから、この点については、公取委にも要望しましたとおり、今後の推移を見守っていきたい、このように思っております。

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