国会質問

質問日:2005年 8月 4日 第162国会 本会議

都市の防災対策

 高橋千鶴子議員は4日の災害対策特別委員会で、首都直下型地震など、都市の防災対策について質問。今年度の防災白書で、「住宅・建築物の耐震化が命を救う」と、住宅の耐震化が強調されていることを指摘し、担当相に認識をただしました。村田吉隆防災担当相は、「被害を最小限にとどめるために住宅の耐震化は一番大切」と答弁しました。

(2005年8月8日(月)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 先ほど来話題になっておりますけれども、中央防災会議が昨年十二月に、東京湾北部地震、マグニチュード七・三の地震が発生した場合の最大の場合で、死者一万一千人、重傷者三万七千人、自力脱出困難者が四万三千人、昼であれば六百五十万人の帰宅困難者、こういった大変衝撃的な数字を発表しました。経済被害が、直接、間接を合わせて国家予算の一・四倍にも及ぶ百十二兆円だ、そういう数字も発表されました。被害の想定の大きさが大変すさまじい。実際、これは過去のデータの積み上げで仮定をした数字でありますので、実際はもっと大きいのではないか、こういう指摘もあるところであります。

 しかし、そういうメッセージを受けて、国民の多くは、やはりこれだけ大きな地震であれば、もう逃げられないんじゃないか、起こったら終わりだ、そういう悲観的な思いも漂うわけですね。それで、先般の七月二十三日の地震がありました。これは震度五でいい勉強になったんじゃないか、いわゆる準備としていい経験をしたんじゃないか、そういう受けとめもあれば、逆に言えば、この地震でこの程度であれば、本当に首都直下が来たらどうなるんだろう、そういう思いもまたこれありということなんですね。

 私は、さっき自助努力を云々というお話がありましたけれども、まず、災害対策基本法にある国民の生命、財産を守るという国の責務をしっかり果たすんだ、もちろんそれは国としても頑張りますよ、そのメッセージが発声されてこそ国民も、自助もする、共助もする、一緒になって頑張るということがやはり受けとめられていくんじゃないのかな、そういう姿勢を非常に求めたいと思っております。

 そこでまず大臣に伺いますが、防災白書でも「住宅・建築物の耐震化が命を救う」と大変強調しているところでございます。今回の防災戦略においてもやはり大変重要だと位置づけられていると思いますけれども、改めて確認をしたいんですね。災害による被害を減らすために、住宅、建築物の耐震化の重要性、位置づけについて見解を伺います。

○村田国務大臣 大震災が起こったときに被害を最小限に踏みとどめるためには、やはり住宅の耐震化というのが一番大切だろうというふうに思います。自然災害を減らすということはできませんから、我々はそうした耐震化の目標を立てて、いろいろな政策手段を講じて耐震化を進めたいというふうに考えているわけでございまして、地震防災戦略、減災目標の中でも、結果的にはやはり耐震化が一番大事だというふうに考えております。

 特に首都圏の場合には、中央の、例えば港区とか千代田区とかいうところは大変耐震化のビル、構造物ができましたんですが、世田谷区とか杉並区とかあるいは江東地区等において、やはりまだ戸建て密集のところで住宅の耐震化が進んでいないとすれば、なおさら力を入れてこうした地域の住民に耐震化の補修をお願いしていかなきゃいけない。そのために政府ができることはいろいろなそうした支援の措置でございますので、来年度税制改正等も含めまして、頑張っていきたいというふうに考えております。

○高橋委員 ありがとうございます。

 そこで、耐震化が済んでいない住宅が一千百五十万戸、まだ二五%あるという数字が先ほど来紹介されておりまして、今後十年間で耐震化を九〇%に引き上げたい、そういうことが言われたわけですね。

 大臣も今個別の話もされて、ぜひ頑張りたいというお話だったと思うんですが、本当にこれを引き上げるための有効な手だてがあるか。つまり、手だてとして十分かということなんですけれども、国には住宅・建築物の耐震改修等事業というものがございます。また同時に、最近は自治体単位で耐震リフォームに対する助成制度なども広がっていると思いますが、これらの実績、取り組み状況などを御存じでしたら、紹介してください。

○山本政府参考人 ちょっと、具体的な数字を手元に持ってきておりませんので大変恐縮ですけれども、今後十年間で耐震化率を現状の七五%から九割まで引き上げるという住宅・建築物の地震防災推進会議の御提言を踏まえまして、御質問にありましたように、できるだけ実効性のある形で施策を追求して目的を達成したいと考えておりまして、何といいましてもイの一番は、御質問にもありました住宅・建築物耐震改修等事業、これは十七年度から統合補助金化しました。

 まず耐震診断をやって、耐震性に問題があると診断されたものについて耐震改修を助成していくという、真っすぐに流れる統合補助体系として整備したわけですけれども、耐震診断につきましては、全国どこの市町村でもこの補助制度を使っていただけることになっているんですが、耐震改修費補助につきましては、特定の、地震のおそれが非常に逼迫しているとされる、例えば東海とか東南海・南海とか、今そういったところに制度として地域限定がかかっておりますので、福岡の例をとりましても、我が国三十八万平方キロ、どこで地震が起きてもおかしくないわけでございますので、あらゆる市街地でこの制度が使えるようにしていきたいというふうに考えております。

 それから、もう一つ御指摘がありました地域住宅交付金、これは公営住宅の……(高橋委員「聞いていません、まだ」と呼ぶ)そうでしたか、大変御無礼しました。

○高橋委員 ちょっと余りにも長いので、時間が限られていますので、大変あれですよね。

 まず、今おっしゃったのは、耐震改修等事業、国の事業ですね。耐震診断は全国すべての自治体なんだけれども、改修には地域限定があるからまだまだというお話だったと思うんですね。やはりここなんですね、一つの問題は。耐震改修については、国と地方合わせて補助率が一三・二%しかないわけです。しかも、地震防災対策強化地域というのに限定されるので、大変条件が厳しいです。今、どこでも地震は起こり得るということが昨年来もう証明されているのに、全く実態に合わないわけですね。この拡充を求めたいということなんです。

 それから、さっき質問したけれども答えがなかったのは、自治体独自の耐震改修リフォーム制度ですね。これが一体に広がっているじゃないかということで、多分数字がなかったのだと思うんですが、例えば政令指定都市だけでも、耐震診断で十三都市あるうち九、改修で十三都市あるうち七というふうに、非常に大きく広がっております。仙台市では、診断費用の十分の九を補助する、市民負担は三千百五十円というところで済むわけです。改修については、二分の一で上限四十五万円ではありますけれども、融資ではない。そういうこともありまして、地元業者の活用と結びついて大変メリットがある、地域経済に与える効果も大きいということなんですね。こういう地域の取り組みをしっかり把握して、必要なところに応援してほしいというふうに思っているんです。これの答えは、次の質問と一緒に答えてください。

 それで聞きたいのは、今言おうとした地域住宅交付金なんですが、これは、本当は私はとても期待していたんです。というのは、まず、強化地域という縛りがございません。それから、個人の住宅の耐震改修について交付金が出せますよね。大臣がなかなかやりたがらない、いわゆる私有財産に援助するというもの、建築費本体にも自治体がやる分には費用が出せますね。そうですね。一応確認します。

○西村委員長 どなたに答弁をお求めですか。

○高橋委員 住宅局長です。

○山本政府参考人 住宅・建築物の耐震改修等事業の方で耐震改修をしておりますのは、先ほど言いましたように、地域限定があります。それに対しまして地域住宅交付金は、地域住宅計画を策定された公共団体であればどこでもこれを助成することができます。これまで住宅の耐震改修については、一般的には、先ほどの例で出ました政令市なんかの場合は皆地方単独事業として取り組んでおられますけれども、地域住宅計画に盛り込んでいただければ地域住宅交付金でこれを応援することができる制度となりましたので、ぜひ活用していただくようにお願いしているところでございます。

 それから、先ほど、改修事業の実績ですけれども、一応、十七年度の事業量の見込みだけちょっと手に入りましたので御説明しますと、まず、十七年度の事業量で、住宅の耐震診断については六万二千戸を見込んでおります。それから、住宅の耐震改修については、これは限られておりますけれども、二百戸、地域限定がございますので。それから、建築物の耐震診断については三十一棟、建築物の耐震改修については二十七棟を見込んでおります。

○高橋委員 ですから、建築そのものに、交付金ですから、お金を出せますね。

○山本政府参考人 建築と申しますか、個人の住宅の耐震改修に対して公共団体を通じて助成できるということです。

○高橋委員 そういうメリットがあるんです。

 ところが、八月二日付で、十五日までに募集をするという地域住宅交付金の計画の基本指針を見ますと、住宅の耐震改修云々ということがどこにも出てこないんですよね。これだと、どうしても自治体は積極的にはやらないだろうと思うんです。

 しかも、もともと予算は五百八十億の内数ですけれども、公共住宅、公営住宅の建てかえとか、本来持っている計画も全部この中に落とし込んでしまいましたので、全体数が非常に額が少なくなった中で、これもやる、あれもやるというふうにしなきゃいけないわけですよね。それなら、もっと位置づけて、使えるんだよということをアピールしなければ、なかなかそうはいかないだろうし、全体も進まないわけですよね。

 その点、時間がないので一言で、もう少しPRしていくよということをおっしゃっていただけますか。

○山本政府参考人 せっかくの制度でございますので、民間住宅の耐震改修、建てかえ等にもこれが使えるということを公共団体に周知してまいる考えでございます。

○高橋委員 ありがとうございます。

 次に、先ほど来話題になっている震度データの問題ですけれども、東京都の震度データが送信に二十二分もかかって、緊急参集がおくれた。防災戦略の中でも、まず首都中枢機能の確保が真っ先に大事なんだと強調しておきながら、非常にこういう事態になっている。このことをまずやはりきちんと受けとめなければならないし、先ほど、平成十五年の十月にネットワークが完成して、あと三つですよとおっしゃいましたけれども、これは、平成九年からですか、阪神大震災から都道府県にちゃんと震度計を設置せよということをやってきて、その中でネットワークということをやってきたけれども、実際には、新潟で三十分かかり、ああ、新潟も直さなくちゃ、東京も今回のことで直さなくちゃということで、地震が起こってからネットワークをちゃんとやろうと後手後手になったということは否めませんね。どうですか、消防庁長官。

○林(省)政府参考人 震度計のネットワークの維持点検が十分できていなかったという事実はございました。そこで、先ほど、七月二十四日でありますけれども、全団体に点検をお願いし、現在のところ、直すべきものは早急に直す、こういう形になっているわけでございます。

○高橋委員 これで責任どうのと言うと、それだけで時間になりますので、しっかり認識をしていただいて、その上で一つ心配をしているのは、今、市町村合併が非常に進んでいる。そういう中で、各市町村に震度計があったものが合併したらどうなるんだろうか。やはりこれは、自治体が大きく一つになっても実際は面積は変わらないわけですから、当然維持されるべきだと思いますけれども、確認をしたいと思います。

○林(省)政府参考人 御指摘のように、市町村合併が進んでおりまして、その中で、一市区町村一観測点というこの基本についてどのように考えるかという問題が出ております。

 加えまして、このネットワーク、現在でき上がっているわけでありますけれども、設置後十年近くを経過したものもあるとか、あるいは、今回の事例を見ましても、新しい機能を持って、できるだけ早く情報が伝達できるようなシステムに変えていく必要もある、こういうような課題がいろいろございます。

 そこで、昨年度から、私ども、気象庁と連携をいたしまして、次世代の震度情報ネットワークのあり方検討会を開催いたしております。その中で、御心配いただきましたような市町村一観測点という原則をどのように考えるかという点も議論になっております。中間報告が出されておりますが、そこでの基本的な考え方を御紹介申し上げてお答えにさせていただきますが、やはり、防災対応は市町村単位でやらざるを得ない、したがって市町村単位の配置を基本とする、この原則は維持してまいりたいと考えております。

 しかしながら、具体的な観測点を考えます場合は、一市町村一カ所では十分でない。例えば、市街地の広がりが大きく、複数の拠点で防災上の対応を行う必要がある場合があるだろうとか、山間部や島嶼部などの物理的に集落が離散しているところにおいては、防災上、複数の地点での震度情報が必要と考えられる場合があるとか、あるいは、地質、地形、防災上特に配慮すべき構造物が存在する場合も考えなければならない、こういうようなことも指摘をされておりますので、その検討会の結論をまちまして、観測点を複数配置することについても検討する必要があると考えております。

○高橋委員 総務省は、消防についても、合併してもやはり現行どおり維持するようということを通知もされていると思います。やはり、今言った立場でこれまでの水準を維持していただきたいということを要望して、次に行きたいと思います。

 きょうはせっかく柴田局長においでいただいておりますので、新しい任務で大変恐縮ですが。

 この間の地震被害などの教訓を今回の首都直下にも生かすという上で非常に大事な問題が、例えば、地盤災害が非常に続いたということですよね。丘を削って盛り土をして造成した宅地、いわゆる高町団地のような宅地の問題というのが、あの七八年の宮城県沖地震やあるいは阪神・淡路地震でも指摘をされてきたことで、開発と許可のあり方というのが私は大変問われていると思うんです。

 東京では、高層ビル、臨海開発などを進めております。国全体として規制緩和を進めてきました。しかし今や、危険を取り除く、これ以上広げない、そういう視点から、土地利用のあり方、建物等の規制をやはりかけていくということを検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○柴田政府参考人 今回、首都直下の地震対策の専門調査会のレポートにも出しましたように、大都市、特に東京に地震が来たときに大変大きな被害を及ぼす。その中で、個別の規制の問題ももちろんあるわけでございますけれども、やはり、火災が起きたときに大変大きな被害を受けるということもございまして、これにつきましては、密集市街地の改善、これを重点的にやっていく必要があるんではないかというぐあいに考えています。今後十年間で、重点密集市街地というものを決めまして、最低限の安全性を確保したいと考えております。

 また、都市の構造全体を火災に強い、地震に強い構造にする必要がございますので、火災が発生しましても、延焼遮断帯を設けていくというようなことが必要ではないかと考えています。災害時に避難路となる道路の整備と、その周りを不燃化いたしまして防災環境軸というものをつくっていこうと。そういうことによりまして、また、そのほか、避難地、避難路となる道路、公園等の防災上重要な公共施設の整備等を実施しまして、災害に強い町づくりをまずつくっていく必要があると考えております。

 また、規制の問題でも、建築物の不燃化、密集市街地の解消、こういうことも重要でございまして、土地利用の関係からも、火災の危険を防止するために、都市計画におきましても防火地域、準防火地域等を定めておりますし、特に、地震等の危険性の高い密集市街地におきましては、防災街区の整備方針、これはマスタープランでございますけれども、こういうものをつくったり、防災街区の整備地区計画というものを定めまして、安全な市街地の形成を図ることにいたしているところでございます。

 これらの制度を適切に運用しながら、災害、特に地震、火災に強い都市づくりに努めていきたいというぐあいに考えております。

○高橋委員 最後に、要望にします。今の規制については、本当に真剣に考えていただきたい。

 大臣にもう一回聞きたかったんですが、時間が来ましたので、今回の防災戦略の中で、国民運動ということが非常に強調されておりました。国民運動だと幾ら国が叫んでも、国民はそれで動くわけではありません。被害が甚大だといっても、三日間は自力で生きろ、これではとてもとても、絶望感が広がるだけであります。

 そうした点では、やはり、さっき言った国の責任を果たしていくと同時に、国や地方の防災計画をつくる段階、そして具体化する段階、訓練などの実行する段階において、住民参加をしっかり貫いていただきたい、住民の声をもとにしてつくっていっていただきたい、このことを強く要望して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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