国会質問

質問日:2006年 4月 14日 第164国会 厚生労働委員会

医療改悪法案 患者負担増問題

負担増え受診減る ー医療改悪法案 厚労省も認める 

 日本共産党の高橋千鶴子議員は十四日の衆院厚生労働委員会で、歴代政府による患者負担増が受診抑制を引き起こした例を示し、医療改悪法案による高齢者を中心にした患者負担増の中止を求めました。

 二〇〇三年四月の健保サラリーマン本人三割負担導入などの患者負担増により「受診を控えた」という人が六割にものぼっています(東北六県保険医協会アンケート調査)。

 高橋氏は、厚労省の「厚生労働科学研究」でも、三割負担導入時の調査で「自己負担が増えれば受診を控える」と答えた高血圧症、糖尿病患者が19・2%にのぼったことをあげ「負担増が受診抑制につながったことは、政府としても認めるか」とただしました。

 厚労省の水田邦雄保険局長は「負担増がある場合、一定の受診抑制効果があることは明らかだ」と認めつつ、「必要な受診は妨げられていない」と答弁。「糖尿病対策は予防対策を講じることが必要だ」とのべました。

 高橋氏は「予防が大事だというのなら、長期の治療がかかる人への負担はやめるべきだ」と強調しました。そのうえで、一九九九年度以降の医療給付費、患者負担の推移と改悪案が実施された場合の見通し(二〇〇六年度以降)を示しました(グラフ参照)。保険からの医療給付費の伸びに比べて、患者負担の増加が大きく、医療費に占める患者負担割合は九九年度の13・9%から、〇三年度は15・7%に増え、今回の改悪で〇六年度は16・6%になります。

 高橋氏は、政府がこれまで“医療費が増えたら大変だ”と患者に負担増を押しつけながら、医療費の予測は「過大」で「下方修正」が続いていることを指摘。「とりやすいところからとるという患者負担増をやめ、据え置くという選択も検討すべきだ」と強調しました。

(2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」より転載)

 

国保証なく命落とす -機械的取り上げの改善を

 日本共産党の高橋千鶴子議員は十四日の衆院工晴朗そう委員会で、国民健康保険滞納者から国保証を取り上げる「資格証明書」発行について、「保険証がないため、病院にかかれず、命を落とした方もいる」と述べ、機械的な国保証取り上げの改善を求めました。

 「資格証明書」発行は、2005年で32万世帯にものぼります。小泉純一郎首相は、六日の衆院本会議で「負担能力があるにもかかわらず、保険料を納めていない」のは“不公平だ”として、「資格証明書」発行は「必要だ」と答えています。

 高橋氏は「資格証明書をうけた32万世帯はすべて、負担能力があるにもかかわらず納めていない悪質な納税者と認識しているのか」と質問。厚労省の水田邦雄保険局長は「保険料を納付できない『特別な事情』がある場合は交付対象になっていない。負担能力があるにもかかわらず、保険料を納めていない人に交付している」と答えました。

 「現実に病院にかかれず、命を落としている人がいるというのを、どう認識しているのか」。高橋氏の追及に、水田保険局長は「医療費が償還払いされるから、適切な医療は確保される」と答弁。高橋氏は「保険料を払えない人が、窓口で十割負担を払えるわけがないではないか」と批判し、「特別な事情」がある人に「資格証明書」を発行しないことを、自治体の窓口で徹底するよう求めました。

(2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 今回の医療制度改革は、医療を受ける側にとっては、高齢者や長期療養患者、とりわけ団塊の世代をねらい撃ちにした負担増であり、あるいは保険のきかない医療の拡大など、皆保険制度が危機に瀕するという重大な問題であります。同時に、医療従事者や医療提供体制という点では、診療報酬引き下げやベッド数の削減など、深刻な不安をもたらすものであります。

 きょうはまず、そのうち負担増の部分について伺いたいと思います。

 七十歳から七十四歳の高齢者は、二年後の二〇〇八年四月から、一割だったものから二割負担になります。低所得者にはもちろん自己負担の限度額がありますが。現在二割である現役並み所得の七十歳以上は、ことし十月から三割負担になります。それに、高額療養費の限度額の引き上げ、療養病床の食費、居住費の引き上げなどがございます。この問題については、二月二十四日の本委員会において、先行実施された介護保険において、負担増により施設を退所する人がいるという指摘もさせていただいたところであります。

 さて、一割から二割という点では、窓口で払うお金が二倍になるということであり、これは非常に大きいと思います。しかも、最もその負担が大きく変わるのは、七十歳から七十四歳の、所得区分が一般と扱われる方たちであります。この方たちは、二〇〇八年四月からは、自己負担限度額で外来二万四千六百円、現行一万二千円から倍増であります。入院では六万二千百円、現行四万二百円から二万一千九百円も高くなります。また、入院すると食費、居住費がプラスされますから、月額十一万四千円、非常に大きな負担だと思います。

 こうした負担増は、医者にかかるのを控える、いわゆる受診抑制につながると思いますが、その点について見解を伺いたいと思います。

○水田政府参考人 患者負担の見直しが高齢者の受診抑制につながるのではないかというお問いでございますけれども、これにつきましては、私ども、急速な高齢化に伴いまして医療費の増大が見込まれる中で、世代間の負担の公平化の観点から、高齢者にも応分の負担をしていただく必要があると考えてございます。

 このため、今回の改革案では、現役並み以上の所得を有する高齢者につきましては、現役世代との負担の均衡を踏まえまして、現役世代と同じ三割負担とするなどの見直しを行うこととしてございます。

 ただ、見直し後におきましても、高齢者に係る高額医療費につきましては、一つには、入院と外来を合わせました自己負担限度額のほか、外来に係る自己負担限度額を設けております。また、二点目に、一般の高齢者につきましては、現役世代よりも低額の自己負担限度額を設定しております。さらに、低所得者の方につきましては、自己負担限度額を据え置くという措置をとることにしてございまして、こうした配慮を行うことによりまして必要な医療が妨げられるものではない、このように考えてございます。

○高橋委員 今、応分な負担を求めなければならないということでるる述べられたと思うんですが、私が伺ったのは受診抑制につながるのではないかということであります。この点は否定しないということですか。

○水田政府参考人 先ほど申しましたように、患者負担の見直し、定率負担部分につきまして二割から三割に現役並み所得者の場合上がるわけでございますけれども、ただ、その場合でも、高額医療費につきましては自己負担限度額を設けておりますので、それらの措置を通じまして必要な配慮は行っている、つまり必要な医療までは妨げられることはない、このように考えているわけでございます。

○高橋委員 限度額を設けているけれども、その限度額が上がったために倍以上に負担がふえるということをお話ししているんです。必要な医療が妨げられるものではないという今の言い方をしましたけれども、しかし、現実には受診抑制が起こるということを織り込み済みだと言わなければならないと思います。それは、先ほど私が二度聞いたことに対して明確にお答えにならなかったので、まあそういう意味なんだと受けとめたいと思います。否定するのであれば、次でもう一度否定していただきたいと思います。

 これまでの改正によっては、医療費の本人負担がふえることによって受診抑制が起こったということは、既に証明済みのことではなかったかと思うんです。それを踏まえて、やはり今回も同じことが起こるということを私は言いたいと思うんです。

 例えば、二〇〇三年四月からの健保本人三割負担、高齢者の定率一割負担導入に当たり、東北六県の保険医協会が一万人から集めたアンケート調査で、受診を手控えていると答えた方が六割おりました。そのうち九割が病状の悪化などに不安を感じている、こう答えたことが明らかになりました。

 当時、負担増が受診抑制につながったことは、当時というのは三割負担のときですよ、これは政府としては認めますか。

○水田政府参考人 医療保険におきまして、負担増がある場合には一定の受診抑制効果、波及効果があるということは、これは経験的にも明らかなことでございます。ただ、それが必要な受診を抑制したかどうかという点につきましては、先ほど申しましたように、例えば高額療養費の点で、低所得者につきましてはこれまでの据え置きにしておりますし、そういった限度額が設けられておりますので、必要な受診が妨げられているということはない、このように考えているところでございます。

○高橋委員 では、今の説明は、一定の受診抑制はあるとお認めになったと思います。その上で必要な医療が妨げられているのではないということでしたから。

 結局そうなんですよね。例えば、当時非常に問題になったのは、一日三回飲まなければいけない薬を二回にするだとか、一週間分のお薬を一カ月かけて飲むだとか、そういういろいろな形で患者の皆さんが医療をやはり少しずつ切り縮めざるを得なかった。そういう意味では、表面的には全くかかっていないわけじゃないとおっしゃるかもしれません。でも、そのことによって健康を害するとかさまざまな問題があったということは、当然見ていく必要があると思うんですね。

 このことは、厚生労働省の科学研究によっても明らかにされております。

 厚生労働科学研究、医療費の自己負担増による高血圧症患者と糖尿病患者の受診行動の変化という研究がございますが、これは、九七年九月の健保本人二割負担、〇一年一月の老人医療一部定率二割負担、〇三年四月の健保本人三割負担それぞれで、継続して診療を受けている高血圧症の方、糖尿病患者の方、その方たちをずっと一定期間、三カ月とか半年とか一定期間を見て、どうなったかという調査をして、明らかに受診率の低下が見られた、そういう指摘をしてございます。

 注目すべきは、〇三年の三割負担導入時に定期健診に参加した被保険者への意識調査で、自己負担がふえれば受診を控えると答えた高血圧症、糖尿病患者の方は、一九・二%ございました。月額当たりの負担額、ここまでなら負担できるよという額は五千円までと答えた方がいずれも六割以上でありました。それがまず三割負担の導入前の調査ですね。そして、実際に導入後の受診行動の影響では、やはり受診行動の低下が見られたという指摘をしております。

 当然、厚生労働省としてはこういう研究については御承知をしていると思いますが、いかがですか。

    〔大村委員長代理退席、委員長着席〕

○水田政府参考人 委員今御指摘の論文につきましては、一定の前提のもとに行った研究の成果であろうかと思います。特に、軽度の糖尿病の患者あるいは境界域の高血圧の患者の場合には、なかなか受診の効果は感じにくいということがございます。そういうことで、費用負担、自己負担が上がるとそれに反応するという面があろうかと思いますけれども、むしろ、糖尿病などにつきましては、この研究におきましても、糖尿病予防対策に強力に取り組むこと、私ども、今回は保健指導を強化しようとしておりますけれども、むしろそういった対策を講じることが必要であろうかと考えております。

○高橋委員 今、論文のところで一部読み上げたのかなと。近いようで近くない。「まとめ」ではこういうふうに書いておりますね。「糖尿病患者の受診は、この三回の自己負担増のいずれにおいても有意に抑制された。受診抑制は特に軽症の糖尿病に顕著な傾向が認められた。」「糖尿病が強く疑われる人は七百四十万人に達すると推計されており、こうした患者の多くが医療費の自己負担増により医療へのアクセスが阻害されるならば、将来、糖尿病による合併症を併発した多くの患者を抱え込むことになる危険性がある。」こういって、「診療費を低くし、受診を継続し易くする保険医療政策を推進する必要がある」と提案をしております。

 今回の自己負担限度額は、まず、先ほど紹介したような患者が負担できるとする額を優に超えております。同時に、今回の医療制度改革の目玉でもあるのがこの生活習慣病対策でもあります。この指摘のように、糖尿病患者、軽い方たちが重くならないように、そういう点でもやはり、政府が今やろうとしている対策を強めるというのであれば、受診を控えさせて病気を悪化させるようなことはしない、ひいては医療費増大にもつながる、そういうふうにしない、むしろこのことが大事かと思いますが、いかがでしょうか。

○水田政府参考人 先ほどお答えしましたとおり、より根源的には、やはりまず健診、それから保健指導によりまして、こういった糖尿病等の生活習慣病に対して予防で取り組むということが必要であろうかと思っております。

 それからもう一つ、受診抑制の話がございましたけれども、これも広く経験されている事柄でございますが、自己負担がふえたときには一定の効果はございますけれども、その効果が継続するのはほぼ一年、あるいはもう少しかもしれませんが、その後ではやはり受診率は戻るということも経験されております。したがいまして、必要な受診が抑制されているということは、全体として見ればそのようなことはないと思っております。

 それから、対策としては、今申し上げましたように、予防を重視すべきである、このような観点からそちらの面に力を入れているということを選択したということでございます。

○高橋委員 受診抑制があっても一定期間を過ぎると戻る、それが患者の特性なんですね。やはり、これ以上抑えられないということがあって当然戻る。しかし、それはそのほかの部分を削るという意味なんですよ。しかし、三割負担では、もうこれ以上耐えられないということで、そう単純には言い切れない事情が起きています。でも、それに対して厚生労働省は、この研究も打ち切っておりますし、その後の調査がございません。ですから、もっと長期に調査をするべきだとこの今紹介した厚生労働科学研究も指摘をしておりますので、引き続いて、それが言えるのかどうかを調査するべきだと言っておきたいと思います。

 本法案の目玉である医療費適正化、生活習慣病の問題、これは本当に目玉なんですね。それで、日本透析医学会が毎年まとめている「わが国の慢性透析療法の要約」によれば、新規導入、いわゆる透析治療を導入した患者さん三万五千八十四人中、糖尿病性の患者さんが一万三千九百二十人、四一・三%、ふえ続けているわけですね。だからこそ、今回、予防が大事だとおっしゃっていると思うんです。しかし、それは、そう思うのであれば、本当に長くかかる方、そしてずっと続けなければならない方に対しての負担増は考えるべきだということを指摘しておきたいと思います。

 次、続けます。

 この間の議論において、二〇二五年、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上、後期高齢者に達するときに、医療費は五十六兆円、現在の倍加になるということが指摘されてきました。だから医療費を抑える必要があると議論をされてきたと思うんです。経済財政諮問会議が言うように、経済の伸び率に高齢化率を加味してキャップをかぶせろという要求もございました。それについては大臣が、それはしないと答弁をされてきたかと思います。また、過去に推計した医療費は過大過ぎたという指摘も繰り返しされてきたところであります。

 政府がこれまで示してきた数字によれば、今回の改革を踏まえると、今年度の医療給付費は二十七兆五千億円、国民医療費は三十三兆円ですから、その差五兆五千億円が患者負担分ということになると思います。そこで、二〇一〇年度は、国民医療費、医療給付費、それぞれどうなるのか、お答えいただきたいと思います。

○水田政府参考人 まず、今回の医療制度改革実施前の数値でございますけれども、二〇一〇年度、平成二十二年度におきまして、国民医療費は三十九・四兆円、医療給付費は三十三・二兆円との見通しを立てているところでございます。

 これに対しまして、平成十八年の診療報酬改定及び今回の改正の効果を織り込んだ場合、平成二十二年度におきまして、国民医療費は三十七・六兆円、医療給付費は三十一・二兆円との見通しを立ててございます。

○高橋委員 厚労省から今の数字をいただいておりましたので、グラフにしておりました。

 資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。

 国民医療費の額と、そのうち患者負担の分を書いてみて、つまり国民医療費における患者負担の割合というのを折れ線グラフにしてみたわけであります。九九年の医療給付費が二十六兆四千二百億円から、二〇〇三年二十六兆五千九百億円。患者負担は四兆二千七百億円から四兆九千四百億円になっております。つまり給付費は大変なだらかな増ではないか。それに対して、医療費における患者負担は一三・九%から一五・七%というふうに上がっています。改革案を実行した上での患者負担は、〇三年で一六・六%、さらに二〇一〇年では一七%というように上がっていきます。つまり、医療費を減らす減らすというけれども、それは、やはり患者に非常に負担が重くなる、患者負担率が医療費の伸びに比べても大きく伸びていく、取りやすいところから取る、そういうことにならないのか。この点について、いかがですか。

○水田政府参考人 数値の資料をお出しになっているわけでありますけれども、これはまさに今回の改革案のベースで計算をされたものだと思っております。多少数字が違うようでございますけれども、それはまさに患者負担のレベルをどう考えるかということであろうかと思っておりまして、冒頭御答弁申し上げましたとおり、こういった現役並みの所得のある方につきましては現役並みの御負担をお願いする、そういった改革案を織り込んだ形がおおむねこういう形になったんじゃないだろうか、このように考えております。

○高橋委員 ちょっと数値が違うようだとおっしゃられましたけれども、いただいた厚生労働省が出している数字で、国民医療費の分から給付費の分を引いたら、当然、患者負担になるわけですよね。給付費のところだけ、この間、注目されて、大きくなる、大きくなると言われてきた。しかし、その点、患者負担はどうなるのかということにしっかり着目し、やはりその点も国民にちゃんと示して検討していただきたいというのが私たちの趣旨でございます。

 三月二十七日の参議院の予算委員会で我が党の小池議員が、医療費の推計方法、これは、この間、この委員会でも随分議論をされてきたところなんですけれども、そのとり方が今回だけ違っているではないかという指摘をいたしました。直近五年間の伸び率から試算するという従来どおりの方法でやると、小池議員が試算した医療費の予測は四十三兆円になる。つまり、今のままでも、特に患者負担をふやさなくても医療費削減の目標は達成するじゃないか、そういうふうに指摘をしているわけですね。

 そうすると、患者負担を予定どおりふやして実際は医療費が余り伸びなかったとなると、例えば四十三兆円で計算すると、患者負担率が一八・六%という形でまたかなり上がってしまうわけですよ。これはこのままでいいのかということなんです。

 つまり、この間、繰り返し指摘をされてきたように、二〇二五年の国民医療費の予測については、九五年の時点では百四十一兆円というように、大幅に大きな過大予測がされていました。それが、九七年百四兆円、二〇〇〇年八十一兆円というように修正をされてきたわけですね。問題は、その修正をしてきたけれども負担増は特に修正をしてこなかった、ここをどう受けとめるのか。医療費予測を修正してくる中でやはり負担増も据え置くという選択肢があるのではないか。これは大臣に伺いたいと思います。

○川崎国務大臣 保険料等で若者の負担がだんだんふえていくということについては避けられないだろうと思っております。そういった中において、年金の議論でもありましたように、若者の年金負担がふえていく、一方でマクロスライドということでお年寄りの方々にも御理解を賜りたい、社会保障全体が、人口構造が変化していく中でお互いが協力し合っていただきたいという中で進めてまいりました。

 今回のことにつきましても、若者にだんだん負担をお願いしていかなきゃならないという社会保障全体の流れの中で、現役並みの所得のあるお年寄りには我々同様の御負担をお願いするということでお願いをし御理解を賜りたいと思っております。若者も、お年寄りも、そして我々中間的な世代も、みんなで協力し合いながらやっていかなければならないのがこの社会の実態でございますので、どうぞ御理解のほどお願い申し上げます。

○高橋委員 若い方たちに負担を余りさせないということで、そうおっしゃるんであると、逆に言うと、若い方たちが、自分が高齢者になったとき、後期高齢者になったとき、これは一体どれほど負担がふえるのだろうかと大変な不安を与えられるんじゃないか。今でさえ、年金が自分の代になったら本当にもらえるんだろうかという不安を持っている方はたくさんいらっしゃいます。そういう中で、やはり理解ができる負担でなければならないわけです。

 ですから、私は、先ほど言ったように、医療費が非常に上がるから一定の負担が必要だという議論をしてきたけれども、実際にはそんなに上がっていないじゃないか、上がっていない以上は、一定、見送る、据え置く、そういう選択肢もあるのではないかと聞いたんです。もう一回、伺いたいと思います。

○川崎国務大臣 そこは、申し上げましたように、私ども団塊の世代が七十五歳を超える段階では、今千二百万の後期高齢者が二千万という現実の数字になる、二十八兆円の医療給付の中でたしか十一兆円が七十五歳以上の後期高齢者に対する給付でございます。したがって、我々が七十五歳以上になりましたときには、その数は相当大きなものにならざるを得ない。

 いろいろの計算式はあるんだろう、またいろいろな形で、これ以上我々の、過大な見積もりであると言う方々もいらっしゃる、過小な見積もりだと御批判をいただく方もいらっしゃる。しかし、そういった中で……(発言する者あり)ありますよ、正直申し上げて。そういった中で、当然、この一千二百万が二千万になるという実態は御理解をいただかなければならないだろうと思います。そして、ある意味では、我々団塊の世代というものが、まあ表現で言ったら、私はその世代だからいいでしょう、我々がいなくなったときはそうお年寄りの数が急激にふえていくという時代は変わってくる、我々の息子の代まででしょう、日本の社会全体の変化にはなってくるだろう、このように考えております。

 いずれにせよ、年金については、今までのストックというものを利用しながら、その時代をうまくくぐり抜けていこう、耐えられるような制度にしようと。医療ということになりますと、ストックはないわけですから、その時代のものがストレートに出てきてしまう。そのときに、一挙に負担をふやすというのは無理であろうという中で、できるだけのカーブを今から変えていこうということでございます。

○高橋委員 大臣、この問題は指摘にとどめますけれども、今、少ないと言う方もいらっしゃると、いろいろおっしゃいました。私は、自己負担を今の時点で下げろという議論はしておりません、それは下げた方がいいと思ってはおりますけれども。しかし、現実に医療費の動向を見ながら無理のない負担であるかどうかを見きわめる判断をしてもいいのではないかという提案をさせていただきました。

 九七年の健保本人二割負担が導入されたのは、橋本内閣のときでありますが、先輩議員はよく御存じですけれども、この健保本人が二割と法律に書き込まれたのは八四年でありました。しかし、その八四年のときは、当面の間一割とされて、原則窓口無料だった健保本人が一割で有料化に踏み切ったのでありました。その当面の間という言葉が十三年間も続いたということは、やはり、それに対して国民の強い批判があったし、一気に二割にするということは余りにも影響が大きいだろうということを踏まえて当時の政府が判断をしたことではなかったのかと思うんです。

 私は、そういう歴史だってあるんだ、だから大臣が、今医療費の動向をよく見ながら当面据え置くという決断もあるじゃないかということを提案させていただきました。これは指摘にとどめて、次に行きたいと思います。

 そこで、時間が大分なくなってまいりましたけれども、たび重なる医療改悪や社会保障の改悪によって、やはり、お金のあるなしが医療の格差、命の格差につながる事態は起こっております。そこに輪をかける大改悪、このことをやはり私は指摘をしていきたいなと思うんです。

 日本の皆保険制度は、国民健康保険制度の創設、拡充によって支えられてきました。しかし今、この国保が深刻な状態になっています。実際に、新聞各紙でも報道されたように、今、国保の滞納世帯が四百七十万世帯、滞納率が一八・九%。そのうち、一年以上滞納したために、保険証を取り上げられた、いわゆる資格証明書になっている世帯が三十二万世帯にもなっております、資料の二枚目に出しておりましたが。それで、保険証がないために病院にかかることができないで命を落とした方、これも出ているということが、本当に悔しいけれども、現実に起こっていると思うんです。

 そこで、私、きょうどうしても伺いたいのは、四月六日の本会議で私が質問したんですけれども、小泉総理は、この資格証明書の問題について、負担能力があるにもかかわらず保険料を納めていない方の未納分は他の被保険者の負担となり、被保険者間の公平が損なわれることから、資格証明書制度は必要なものと考えていると答えております。そうなると、今紹介をした資格証明書を受けた三十二万世帯がすべて、負担能力があるにもかかわらず納めていない悪質な納税者と政府は認識しているのでしょうか。この点を確認したいと思います。

○水田政府参考人 お答えいたします。

 国民健康保険の資格証明書の交付についてでございますけれども、これにつきましては、個々の事例に応じまして市町村が適切に判断していると考えているものでございますけれども、保険料を納付することができない特別の事情があると認められる場合には交付対象となっていないということでございますので、負担能力があるにもかかわらず保険料を納めていない方について交付しているもの、このように承知をしております。

○高橋委員 しかし、現実に、病院にかかれなくて命を落とすというような事態が起こっている。このことを、では、どう認識されておりますか。

○水田政府参考人 資格証明書を交付された方の場合ですけれども、この方々につきまして、医療費につきましては、これは償還払いをされるわけでございますので、そういった意味で、適切な保障というものは確保されている、このように考えております。

○高橋委員 ちょっと、命を落とした方がいるという指摘に対して、余りにもそっけない、償還払いされているからいいじゃないか、そういうお答えは非常に腹立たしい思いがいたします。

 そもそも、保険料を払えない方が窓口で十割負担を払えるわけがありません。だからこそ、我慢に我慢を重ねて、がんが大きくなる、そういう状態になって病院に運び込まれる実態が起こっていることを十分御存じだと思うんです。しかも、償還払いがされるからとおっしゃいました。確かに制度はそうですが、もし仮にかき集めてお金を払ったとしても、その分は滞納分に回るという実態がございます。だからこそ多くの方たちを病院から遠ざけてきたということがあるじゃないかと。私は、今、こういう国保の現場で起こっている事態が、本当に、もっともっと悪化をするのではないのかということを指摘しておきたいと思うんです。

 ただ、きょうは時間がないので次の機会に譲りますけれども、先ほど局長がおっしゃったように、機械的に取り上げるわけではない、事情がある人にはちゃんと保険証を発行するんだとおっしゃいましたので、それが窓口で徹底されるような指導をお願いしておきたい。そのことを指摘して、終わります。

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