国会質問

質問日:2006年 5月 10日 第164国会 厚生労働委員会

医師の過重労働深刻  国立病院の統廃合で地域医療は崩壊

医師の過重労働 深刻

 10日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員は、医師不足と過重勤務の問題を取り上げ、是正に向けた対策を求めました。

 この日の審議で川崎二郎厚労相は、596の医療機関のうち、労働基準法違反が認められたのは430にものぼった(03、04年度)ことを明らかにしました。

 高橋氏は、厚労省が設置している「医師の需給に関する検討会」が、医師は「過剰」という従来の評価から「現場では不足感」という評価に変わっている。最終報告を当初3月末だったものを8月としたのはなぜか、と質問。厚労省の松谷有希雄医政局長は、「医師の勤務実態を調査するべきと声があった」と答え、調査を実施・分析していると述べました。

 高橋氏は調査を踏まえ、「医師の配置はどうあるべきかについて、(検討会の)報告に盛り込むのか」とただしました。

 松谷医政局長は「御指摘の通り。医師のライフスタイル、患者の受診率の動向を踏まえて議論していく」と答えました。高橋氏は「(医療改悪)法案が通って、ベッド(療養病床)を削るから、医師や看護師は足りるという議論では困る」と強調。「労基法を満たすのにどれだけ医師が必要か、国はしっかり示すべきだ」と求めました。

 

進む国立病院の統廃合 地域医療は崩壊

 10日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員は、国がすすめる自治体病院、国立病院などの統廃合が地域医療を崩壊させている問題を取り上げました。

 総務省は自治体病院の再編・統合と病床削減を促進させるため、病床削減後の5年間は削減病床分をあるものと算定して交付税を措置しています。

 高橋氏が、削減された病床数と交付税額をただしたのに対し、総務省の大谷泰夫大臣官房審議官は「全国で2,400床あまり。交付税の増額分は12億円を計上している」と答弁。高橋氏は「(再編・統合をすすめるため)削ったものに交付税を措置するのはおかしい」と批判しました。

 高橋氏は、国が国立病院の統廃合をすすめ、1986年から全体で87も減っており、地域医療に深刻な影響を与えていると指摘。今後問題になる自治体病院、厚生年金病院、社会保険病院の再編・統合に反対すると述べた上で、「きちんと住民の意見を聞くべきだ」と述べました。

 厚生労働省の松谷有希雄医政局長は「地元の関係者と協議しながらすすめていく」と答えました。

(2006年5月11日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 大臣が、本日の委員会の冒頭の質疑の中で、東北は全体数で医師不足だと述べられました。この間、医師が足りている足りていないという議論が盛んにされてきたわけですが、東北においてはどう見ても不足している、そういう認識を述べられたのかと思っております。その東北の議員の一人として、きょうは、医師、地域医療問題について伺いたいと思います。

 私が初めて国政選挙というものに挑戦したのが十五年前なんですけれども、当時、青森県内は六十七の市町村がございまして、その市町村を少しずつ歩き始めたときに、どこへ行っても首長さんが訴えられることは、自治体病院の問題、地域医療の確保、医師不足、そして介護保険、そういう問題でありました。住民と身近に接していて、住民の実態がよくわかっている首長さんだからこそ、そうした医療、福祉の問題で心を痛めていらっしゃる、悩んでいらっしゃる、そういう思いでおりました。

 下北半島の首からちょっと上のところに大畑という小さな町がありましたが、そこで救急救命士を同乗させる高規格救急車、今では当たり前になっておりますが、それを初めて導入したというので、消防署を訪ねて中に入れてもらいまして、中の設備を説明していただいたことがございます。そのときに消防士さんが、どこに住んでいても、住んでいる地域によって命の重みに差があってはならない、そうおっしゃったことが大変心に響きまして、私は、今でもその言葉をしっかり胸に抱いて、地域医療を守れということをこの間心にとめて頑張ってきたつもりであります。

 今回、医師の需給に関する検討会が回を重ねているわけですが、当時も、全国的には医師は足りているということは十分承知しておりました。しかし、この青森県においては、東北においては、全国で最も充足率が悪い、不足している、そのことはもうだれもがわかっていた。そのときに、当時の検討会では、医学部の定員を一〇%削減し、とにかく将来の医師余りを抑制しよう、そういう議論がずっとされていたんだ、改めてそのことに大きなギャップを感じます。

 そこで、まず伺いますが、この間、昭和五十八年に人口十万人対百五十人の医師を達成して以来、昭和六十一年、平成六年、平成十年と検討会を重ねてきましたが、今回の検討会に当たっては、やはり、これまでの医師過剰という表現から、現場では不足感という評価に変わったかと思っております。その評価が変化した理由をまずどのように考えているのか伺います。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

○松谷政府参考人 今行われております医師の需給に関する検討会でございますけれども、これは、先生おっしゃるとおり、若干、前二回ないし三回の検討とはその性質を異にしてございまして、御存じのとおり、厚生労働省、文部科学省及び総務省の三省で構成いたします地域医療に関する関係省庁連絡会議におきまして、医師の養成、就業の実態等を総合的に勘案して医師の需給の見通しの見直しを行うということとされたことから、平成十七年二月二十五日からこの検討会を開催しているという経緯でございます。

○高橋委員 もう少し具体的に述べられるのかなと思ったんですが、第二回の検討会の中で、長谷川委員が、評価が変わったというか論調変化の理由ということで資料を提出しておりまして、高齢化の問題ですとか女性医師の増加の問題ですとか労働基準法の問題、こうしたことを取り上げていらっしゃいますので、そこを拝見しますと、国の政策にかかわる部分と、自然にふえているのだから高齢化は当然だとか、そういう中でいろいろ条件はあるだろうと。問題は、それをどのように今後取りまとめられるであろう最終報告に盛り込むのかということが聞きたいなと思っているわけです。

 第一回の検討会の中では、既に、今の医療の現状をあらわすということにすると、これは不足である、こういう意見も明確に出されていると思います。

 そういうのも含めながら、年度末にまとめるとした見通しがことしの夏までずれ込んだ背景、それは考慮する条件がいろいろふえたということがあるかと思いますが、なぜずれ込んだのか、まずその理由について伺います。

○松谷政府参考人 この検討会は、今申し上げましたように昨年二月に立ち上がったところでございますけれども、現在までに十二回開催をいたしまして、検討を行ってまいりました。

 この間、第四回から第八回、昨年の夏までの検討会におきましては、喫緊の課題でございます特定の地域、診療科における医師の偏在解消に資するための施策について、最終報告書を待たずに中間報告書として優先的に取りまとめるということから、その検討が行われたわけでございます。

 その後の本検討会における検討の中で、複数の委員から、医師の勤務の状況を詳しく調査して把握する必要があると指摘されたことから、勤務状況に関する調査を企画いたしまして、昨年十二月から本年一月にかけて実際にこの調査を実施し、この調査の集計、分析を鋭意行っているということ、それから、需給の見通しの作成のモデルのあり方につきましてもいろいろ議論がございまして、この検討を行っているということから、これらのために相当の期間が必要となってございます。

 できるだけ精力的に今検討していただいてございますが、八月ごろまでには取りまとめを行っていきたいというふうに考えてございますが、今の審議の中でまた別の要素等についてもいろいろ御議論がございます。そこらについても、また検討会にお諮りをしなければならないということでございます。

○高橋委員 今説明に、医師の勤務の状況というお話があったと思うんですね。きょうも先ほど来医師の過重勤務の問題が出されておりまして、まさに労基法違反の実態があるんだということが随分指摘されてきたことが、検討会の議論の中にも当然反映をされて、どっちが先かはあれですけれども、反映をされて調査もされた。

 問題は、その調査を踏まえまして、労基法を満たすための医師の配置はどうあるべきか、この点についても報告に盛り込みますか。

○松谷政府参考人 需給の見通しの作成のモデルのあり方についての議論についてだというふうに思いますけれども、今先生が御指摘したようなこともそのモデルのあり方の一つの要素かと思いますが、今の検討会における議論では、医師の勤務状況に関する調査の結果、あるいは、女性医師の働き方が変化してきてございます、これらなどの医師のライフスタイル、それから患者さんの受診率等の動向などを踏まえまして、御議論をいただくという状況でございます。

○高橋委員 本来ならば、やはり、この委員会の中で、この医療の審議をしていく中で、どういう見通しが盛られるのかということが示されなければならないわけですね。それが示されるのかどうかもわからないというのではいけないわけであって、多様な要素がある、それが延びた、延びた以上はそれをしっかり盛り込むんだと。私は、やはり現場の声は、労基法いきなりは、言われてもそれはそもそも体制がないんだよという声が出てくるのは当然であります。

 でも、当然、そうなったのだとすれば、国がそれに見合うだけの必要な医師はこのくらいなんだという立場に立たなければだめなんです。そのことをしっかり盛り込んでいただけますか。

○松谷政府参考人 医師の勤務状況の調査がされてございますが、これは、厳密に申し上げますと、いわゆる労基法を守っているかどうかということがその調査から直ちにわかるかといいますと、病院に行った時間から病院から出た時間というような調査になってございますので、その間の勤務状況が確実にこの調査でわかるわけではない。

 いろいろな制約条件等もございますけれども、各委員の御議論、今の先生の御指摘も踏まえて、また進めていきたいと思っています。

○高橋委員 調査から労基法違反が直ちにわかるかどうかではなくて、労基法を満たすためにはどれだけ必要なのか、そのことをしっかり盛り込んでほしいということであります。医療改革の法案が通ってしまって、ベッドを削るんだ、だからその分、その後医師は足りますよ、看護師は足りますよ、そういう議論をされては困るんです。そのことをはっきり申し上げたいと思います。

 次に、臨床研修が義務化されて、大学で医師を引き揚げてしまうという問題がこの間ずっと言われてきたわけですが、同時に、大学にも人材は当然必要であって、それが今、地域の臨床研修指定病院の中でも受け皿となっているということですよね。平成十六年度で指定病院は二千百六十八施設登録されていると聞いております。

 テレビでも紹介されているように、岩手県など地域によって魅力ある臨床研修の取り組みも始まっているやに聞いております。ここを通して医師確保の道も開けるのではないか。

 しかし、一方では、指定もとれない地方の病院、そもそも医師が不足してそれどころじゃないよという病院は、これまでは大学にお願いをしていたわけですが、大学はもう全く融通がきかない状態になっている。この状態が硬直化すれば医師偏在をさらに進めることになると思いますが、いかがでしょうか。

○松谷政府参考人 病院における医師の派遣が受けにくくなった、大学からの医師の派遣を受けにくくなったというような問題につきましては、今先生御指摘のように、臨床研修の必修化という要素もあろうかと思いますけれども、そのほかにも、平成十五年当時のいわゆる名義貸し問題の顕在化、あるいは平成十六年度からの国立大学の法人化、若手医師の意識の変化など、いろいろな要素が作用した結果だというふうに考えてございます。

 医師の確保につきましては、大学病院からの医師の派遣をある意味では待っていたというような病院の中には、こういった事情によってなかなか以前より難しくなってきた病院があるというふうに考えてございますけれども、逆に、例えば臨床研修あるいはその後の医師のトレーニングという中で、そのためのプログラムをきちんと整備し指導体制を魅力あるものにしているような病院については、医師がむしろ詰めかけているというような状況も一方にあるという状況にございます。いずれにしても、地域における医師の確保は、地域の医療提供体制の構築にとって大事なことでございますので、都道府県がその地域の実情を考えながら進めていくということが重要だと思っております。

 東北地方は、もともと医育機関が我が国全体のバランスを見ますと西の方に多かったということから、全体に総数として少ないということでございますけれども、臨床研修の施行後を見ますと、研修医につきましては、実は青森県は若干前より減っているんですけれども、東北全体についてはむしろふえている県の方が多い、東京、大阪が減っているというような状況と比べますと、東北全体につきましては、研修医はむしろ東北の方に来ているというふうな状況になってございます。

○高橋委員 いろいろおっしゃいましたけれども、要するに、工夫をして臨床研修医を呼び込むことができるところはいいけれども、そうじゃないところは硬直化しちゃいますよ、道が閉ざされますよということを指摘したんです。これは、先ほど来お話ししているように、県が協議会を立ち上げて、そこで一定融通をつけられるようにという提案が今度の法案だと思うんですね。だけれども、やはり全体としてこまが足りない、そういう中で、あっちもこっちも不足しているのに何とかせい、県で考えろというだけでは無理なんだよということ、これ以上話すとまたさっきの議論の蒸し返しになりますから指摘して、次に行きます。

 それで、地域医療の問題で総務省にぜひ伺いたいと思うんですけれども、先ほどの議論とはちょっと逆になるかと思うんですが、平成十五年十月一日の資料で、自治体病院は、全国九千百二十二の病院中、一一・九%の千八十一病院あります。三百床以上の大規模病院が二五・二%、そのことから見ても、地域の医療を担っている大きな役割を果たしているということは否定できないことかなと思っているんです。ただ、昨今、経営悪化あるいは医師不足が非常に大きな問題になっております。

 そこで、先ほど古川委員が提出された資料、私は自治体名をちょっとはばかるので提出しなかったんですけれども、同じものを広げてしまいましたので、その問題ですね。総務省が、自治体病院の再編統合などにより病床削減が行われた場合に、五年間当該の削減病床数をあるものとして交付税措置をするということが昨年度からやられている。これは、実績ですね、さっきベッド数が出ましたけれども、このベッド数に幾ら掛けて幾らの額になりますか、正確に教えてください。

○大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 今、お話のありました財政措置でありますけれども、五年間、従前の病床数による普通交付税の算定を行う特例ということでございまして、これは平成十五年度の実績により十七年度からスタートしたわけでありますが、全国で二千四百床余りの病床数を対象に削減がなかったものとして算定を行って、実質の交付税の増額分としては十二億円を計上しているところでございます。

○高橋委員 私は、このお金の出し方が納得できません。十二億円ですね。しかも、これは削減されたベッドがあるものとして交付税措置するわけですよね。形のないものにお金を出す、そういう意味ですね。

○大谷政府参考人 あるものとみなして財政措置をするということはそのとおりでございますが、結局、再編、ネットワーク化して統廃合したときに、ベッド数が減る、当面の収入が減る、それから財政措置も減るということでは、統合するときのいわば動機に水を差すということで、立ち上がりの時期についてはその統合メリットについて財政的にも応援していこう、こういう趣旨のものでございます。

○高橋委員 当面の収入が減るといっても、もともと赤字だからベッドを削ると言っているのに、そこを削ったものに対して、なきものに対して五年間も交付税措置をする、五十一万も。これはどう考えてもおかしい。民間の病院から見たら納得いかないと思うんですね。この間、療養病床の問題などでも話題になりましたけれども、はしごを外された、借金をして病院の改築をしたけれども、今になってだめだと言われて、また新たな借金を組まなきゃいけない。そういうことを言われている一方で、なきものにするのにお金を使う。これはどう考えても理屈が合わないと思うんです。

 だったら、それが再編、ネットワークのために必要なことだというのであれば、そのために不便をこうむる地域住民の足の確保とか、そういうのに使うというのならわかりますが、せめてそういう縛りを、例えば一定の条件をつけるとか、そういう考えはございますか。

○大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 この地方財政上の措置と申しますのは、一般財源の中にそういう評価を行うということでございますから、地方自治体の判断において、その一般財源をそういうために活用されるということについて、それをとどめるものではございません。

○高橋委員 本来であれば、財政の運営というのは、なくすだけのものではなく、新たなものを建設するためにはお金は使うけれども、なくすためのものには使えない、これは財務省からさんざん我々が言われてきたことでありますので、その論理がなぜここでは生きないのかなと思うんです。逆に言うと、必要以上に削減をして必要以上にお金をもらうことだってできるのか。どうですか。

○大谷政府参考人 必要以上に削減という意味については若干お答えがしにくいわけでありますけれども、統合再編を行って、いわば過剰になっているあるいは効率化する部分について、それを、当面、財政収支が、ただでさえ病床が減って病院の収入が減る、なおかつ財政的な支援も減るということで、それではやはり地方公共団体のインセンティブが下がる、そういうことにならないように、当面はそこを担保して、しかし五年間のうちにはそれは撤収していくということで、ある意味で呼び水でありますから、この統合再編についてはやはりバックアップになっているのではないか、そういうふうに考えております。

○高橋委員 私は、これが逆に、呼び水がきき過ぎて、実はさっきの数字は、二千三百九十一床ですか、これはまだネットワーク構想が始まってからの数字ではございませんので、これからもっと出てくるかもしれないわけですよね、逆に呼び水がきき過ぎて。私は、過度にそれが進むことに恐れをなして、本当にそれでいいのかという立場で質問をしております。

 確かに、自治体病院はほとんどが赤字であります。しかし、そういう中で、地域に必要な医療、だからこそ不採算の分野でも担ってくる、不採算の地域であっても担っている、そういう役割を果たしてきたと思います。先ほど、ベッドの回転率が悪いじゃないか、そういう指摘もございました。それは医師がいないからなんです。そういう悪循環になっている。そのことをやはりしっかり見ていただきたいと思うんです。

 私も、福島の地方公聴会に参りました。全国紙には残念ながらほとんど取り上げていただかなかったのですが、地元紙には大きく取り上げられました。福島民友は一面に「過重労働の改善訴え 医師集約化「慎重に」 地方実情へ配慮求める」ということで、見出しがまさに特徴をとらえておりますし、福島民報「医師不足実情訴え」ということで、あるいは、福島民友の別な面には「苦境を浮き彫り」ということで、陳述人の意見を紹介しています。そういう実態でした。

 これは、福島は、確かに県立大野病院の産婦人科の事件の問題があってこの地域を選んだという経緯があったのですが、大野病院だけではないんだ、産科はほとんど一人病院なんだ、一人医の体制なんだ、さらにそれに、引き揚げて四月からはいなくなっちゃった、そういう状況も紹介されましたし、一カ月のうち、お産は三十人までですよと制限をしているところだとか、あるいは、総合病院でありながら、今の体制では受けられなくて、地域の産院に紹介せざるを得ない、そういう深刻な実態が出されたと思っております。

 その中で、医師会の副会長の高谷先生が、原稿に書いたのだけれども、本番ではカットされた部分が私非常に大事だと思って、ちょっと紹介をしたいと思うのですが、大野病院の問題に関連して、外科だとか産科だとかいろいろな形で撤退をする状況が生まれている中で、これを「医師の集約化で切り抜けようとすれば、残された地区の医師不在に更に拍車をかけ、その科を受診するために遠距離通院を余儀なくされています。路線バスも赤字で廃止になり、鉄道に乗るにも何十分も歩かなきゃなんネー、吉幾三の俺らの村には何にもネーというのが地方の実情です。」これは読んでほしかったのですが、私は、これは福島の話だけではなくて、東北全体で、全国にもいろいろ起きているのですが、そういう状態になっているんですね。

 公共交通がずたずたにされて、合併で過疎化が進み、そして、そういう中でこの医師不足の問題が起こっている。だから、今後の集約化の問題をやるに当たっても、当たってもというか、私は集約化はいちずに賛成はしませんけれども、こういう地方の実情をしっかり加味する必要があると思っておりますが、この点では大臣に見解を伺いたいと思います。

○川崎国務大臣 福島県立大野病院の件で、現実に地元の方々から御陳情いただきました。集約化を進めている中で、一人の医師の現場でこうした事故が起きてしまった、まことに残念であるというのが冒頭のお話でございました。そういう意味では、こうした現場にいられる先生方も、やはり全体的な集約化へ向いて動いていかなきゃならない、そして、福島県もそうした形で動いておられるという認識を私にも示していただいたのかな、こう考えております。

 しかし一方で、地域の皆さん方の御理解も得ながら進めなきゃならないことでありますから、先ほど御批判いただいたように、スピードが遅いと言われておりますけれども、やはり地域の理解を得ながら進めていくこともまた大事だろう、このように思っております。

○高橋委員 そこで、地域医療の確保が問われる中で、では、国ができることは何だろうかという話でありますけれども、まず協議会の問題は、実際、責任を持つのは県であります。大臣がよくおっしゃる大学の地域枠の問題、これは文科省であります。しかし、厚労省が責任を持てる分野として国立病院機構や厚労省所管の病院、こうしたものがあると思いますが、これらが実は地域医療の大事なネットワークの中から一抜けしている、そういう状況ではないかと。やはり、一方では、地域医療が大変だ、医師確保が大変だと言われているときに、これはいかがなものかと思っているのであります。

 資料の中に国立病院機構の廃止、統合の状況を紹介させていただきました。あと二つまだ残っているようでありますが、六十一年の計画で七十四、見直し計画十三、全体で八十七の統合や移譲または廃止による減がやられてきました。これは国立病院だけの話であります。

 そういう中で、では、今話題となっている小児科や産科の常勤医師が減っているのではないか、この点ではいかがですか。

○松谷政府参考人 旧国立病院、今の国立病院機構の常勤医師でございますが、本年一月一日現在でいいますと、産婦人科の医師は二百十三名、小児科の医師は四百四十四名という状況でございます。

 なお、ちなみに、東北地方でいいますと、産婦人科医師が十二名、小児科医師が三十名でございます。

 増減は、その時々にございますので、ちょっと前の時点での数字がございませんけれども、一年前と比べますと、産婦人科は十名ほど減っております。小児科は全く変わっていないというような状況でございます。

 東北地方はいずれも変わっていないという状況でございます。

○高橋委員 ですから、今、半年間のデータしか実はいただけなかったんです。その前の数を比較したいと言いましたら、もう国立病院でなくなっているのでデータがないと。非常にそういうところもいかがなものかなと思うんですね。しかし、その半年間であっても十人も減っているという状況なんです。

 私は、二年前の三月の予算委員会の分科会で、ちょうど独法化が始まる直前にこの問題を質問させていただきましたけれども、例えば盛岡病院が常勤の医師がいなくなるじゃないかということに対して、非常に心を痛めているという答弁をいただきましたが、現在、非常勤しかいなくて外来しかやれない、そういう状況になっている。ですから、国として果たせる役割、せめてここだけでも地域医療から一抜けはしない、そのことはできるのではないですか。大臣、伺います。

○川崎国務大臣 これは、先ほど古川委員との議論をいたしました。市町村の自治体病院に対してきちっとした対応、集約化の問題を議論するときに、県立、県がまずきちっとしなければできないじゃないか、県に私どもが言う限り、私どもが厚生年金、社会保険また労災病院等、それから国立病院機構、こうした問題について率先してきちっとした集約化を図っていかなきゃならない、これをしないで何で県に言えるんだ、こういう議論がございました。まさに、我々のところからきちっとやるべきものはやっていかなきゃならないというスタンスで集約化をさせていただいているところでございます。

○高橋委員 きちっとやるべきものをやるというその中身が地域医療の中でどれだけの役割を果たしていくのか、そういう立場に立てるのかということがやはり問われているのかなと思っております。

 非常に残り時間が少なくなりましたので、総務省と厚労省に同じことを確認させていただきたいと思います。

 自治体病院の統合再編に当たっては、あるいは労災病院や今後問題になってくる社会保険病院、厚生年金病院においても、やはり、地域の中で医療計画の中にしっかり組み込まれているわけですね。だから、そこが抜けるともう位置づけられないという声が上がっています。そういうときに、きちんと住民との合意を得て、そこを大事にするということでお約束いただけるでしょうか。

○大谷政府参考人 平成十六年の十一月に報告されました地域医療の確保と自治体病院のあり方に関する検討会、この報告の中におきましても、自治体病院の再編、ネットワーク化はあくまでも住民の方々のための計画であり、住民が最も興味、関心を持つのは地域における医療のあり方であり、計画策定に当たっては、丁寧な住民説明を繰り返し行うことが必要である、こう提言されているところでございまして、総務省といたしましても、この点に十分留意しながら、再編、ネットワーク化を積極的に進めるよう要請してまいりたいと考えております。

○松谷政府参考人 旧国立病院、国立病院機構の病院につきましては、御存じのとおり、再編統合をこれまでも進めてきたところでございますけれども、計画的な整備ということをあわせてやっているところでございます。

 そのほか、関係の労災病院、あるいは社会保険病院、厚生年金病院等につきましても、特に社会保険関係については、その再編が今計画されているところでございますし、労災病院についても計画があるわけでございます。これらは、地元の関係者と協議しながら一つ一つ進めていくという状況にございます。

○高橋委員 地域住民の声をしっかり受けとめていただきますように要望して、終わります。ありがとうございました。

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