国会質問

質問日:2006年 5月 12日 第164国会 厚生労働委員会

混合診療解禁を追及

日本共産党の高橋千鶴子議員は12日の衆院厚生労働委員会で、医療改悪法案に盛り込まれた「混合診療」拡大の問題を取り上げました。答弁の中で、川崎二郎厚労相は「実質的な解禁だ」と明言しました。

保険による診療と保険がきかない診療を併用する「混合診療」は、これまで「高度先進医療」や「差額ベッド」など、「特定療養費」制度として例外的に扱われてきました。医療改悪法案では、これを「保険外併用療養費」につくりかえ、「必ずしも高度でない先進医療」や欧米諸国で承認されていても日本では承認されていない「国内未承認薬」、「(保険による)制限回数を超える診療行為」にまで拡大する内容となっています。

高橋氏は、現在でも高度先進医療にかかる費用(患者の自己負担分)に大きな格差があることを、厚労省資料を示しながら指摘しました。たとえば、PPH(内痔〈じ〉核などの特別な手術)は、一番低い島根県の病院では6,500円なのに、大阪府の病院では12万8,000円と、二倍の料金差があります。

また、「差額ベッド」代では、一日あたり20円から最高26万2,500円まで開きが生まれています。

高橋氏は「(混合診療の解禁で)こうした差が特別でなくなるのではないか」とただしました。厚労省の水田邦雄保険局長は「有効性、安全性が確認されれば保険適用になるが、そこに至る前段階で結果としてこうなるので、致し方ない」と答弁しました。

高橋氏は、「混合診療」が広がれば、「患者が選んだ、同意したという理由のもとで、保険外給付が増えていくことになる」と批判しました。

(2006年5月13日(土)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょう質問をしたい項目に入る前に、一昨日の本委員会の質疑で松谷医政局長が答弁されたことに関して、一点、訂正していただきたいことがございます。

 私が、地域医療が非常に壊れている問題、医師が不足している問題の中で、国立病院が常勤医師を減らしているではないかという指摘をしたことに対してなんですけれども、産科と小児科、全国の数字と東北の数字をお示しになりまして、平成十七年七月一日から十八年一月一日までの間で、東北の数字は、産科、小児科いずれも変わっていないと答弁されておりましたけれども、これは明確に減っていると思います。訂正していただけますか。

○松谷政府参考人 一昨日の答弁で、産婦人科、小児科の国立病院機構における常勤医師数について申し上げました。

 全国につきましては、平成十七年七月一日から平成十八年一月一日の間の変動でございますが、産婦人科が二百二十三人から二百十三人、小児科については四百四十四人で変わらない。東北地方につきましては、変わらないと申し上げましたけれども、産婦人科については十二人で変わらず、小児科については三十三人が三十人ということでございます。

 ちょっと目があれして、読み間違えまして失礼をいたしました。

○高橋委員 私にとっては大変重大な数字でございましたので言っておきたいと思っておりました。

 それで、きょうはいわゆる混合診療の問題で質問をしたいと思います。

 この間、日本の国民皆保険制度がいかに世界に誇れるものであるか、医療制度改革はこの皆保険を堅持するという前提のもとに行われるのだという議論や説明がされてきたかと思っております。しかし、私は、いわゆる混合診療は、この皆保険制度の根本を揺るがすものではないかという強い危惧を持っております。

 初めに、大臣に伺います。

 尾辻元厚労大臣と行革担当大臣がいわゆる混合診療問題で基本的合意を交わしたのは二〇〇四年の十二月十五日でございました。本法案で、特定療養費制度を再編し、保険外併用療養費という仕組みが提案されております。このことによって大臣合意に対する対応はすべて完成したわけですが、これは混合診療の実質解禁と呼べるものですね。確認をしたいと思います。

○川崎国務大臣 御指摘のとおりで結構でございます。

 今般の改革は、安全面に十分配慮しながら、保険導入前の新規技術であっても、適切なルールの枠組みの中で入院に要する基本的費用等の保険診療との併用を可能にすることにより、患者が早期に少ない負担で治療を受けられるようにするものであります。

 今般の改革により、保険診療と保険外診療との併用について明確なルールを設けつつ患者の要請にこたえることとしたという意味で、混合診療の実質的解禁と言えるものと考えております。

 平成十七年の通常国会、総理大臣の施政方針演説でも、「安全面に十分配慮しながら、混合診療を解禁することにしました。」という表現を使わせていただいております。

○高橋委員 実質解禁であるという答弁がございました。私は、このことによって何がもたらされるのかということを考えてみたいと思います。

 保険導入を前提として評価する保険導入検討医療が、一つは高度先進医療、一つは必ずしも高度でない先進技術、そして三つ目に国内未承認薬が組み込まれました。

 まず高度先進医療でありますが、現在も特定療養費制度の中で基礎的部分は保険給付をされております。高度先進医療の医療機関として承認されているのが、伺っている数字で、百三十二医療機関、百九の医療技術が承認されていると聞いておりますが、これが、今回、承認から届け出制になるわけですが、なぜ届け出制に変わるのか、それが一つ。また、そうなった場合、安全性の確保がどのように担保されるのか、お答えいただきたいと思います。

○水田政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正によりまして、従来の特定療養費制度というものが保険外併用療養費というふうに変わるわけでございます。その中で評価療養と選定療養と二つに分かれるわけでございまして、その評価療養の方に、委員御指摘のとおりの高度先進医療と、それから必ずしも高度でない医療技術についても入れるわけでございます。

 言ってみますと、今回の改革によりまして保険導入のプロセスをはっきりさせるということでございまして、必ずしも今まで透明でなかった保険、どういう技術が保険適用されるのかということにつきまして、保険前の手続といたしまして評価療養というものを位置づけまして、その上で安全性、有効性を検証した上で保険に入れていく。そういう意味でまさに評価療養という言葉を使っているわけであります。

 その過程で、現在は、高度先進医療につきましては、医療機関の承認ということとそれから医療技術ということで、二つの縛りをかけているわけでありますが、高度先進医療につきましても、必ずしも高度でない医療につきましても一体的に扱いまして、実施ができる医療機関の要件というものを定めまして、その要件に合致するところがこの新しい評価療養を実施することができるというふうに置きかえたわけでございます。その上で、実施するところにつきましては定期的にその評価ということを求めることにしておりまして、実質的に安全性の確保ということを可能にしているものでございます。

○高橋委員 透明性の確保は非常に大事だと思いますし、プロセスをはっきりさせなければならないと思うんですね。しかし、そのことと、では届け出でいいというのは、やはり本当にそれで安全性が担保されるのか。

 今チェックをされる話もされたと思うんですが、専門家会議がいわゆるチェックするわけですよね。二十一人ですよね。今後、医療機関もあるいは技術もふえていくだろうということが予想される中で、本当に担保できるのか。これは非常に、どこでということをもう一度聞かざるを得ないんですけれども、いかがでしょうか。

○水田政府参考人 まず、この評価療養に含める技術につきましては、先進的な医療技術につきまして、専門家による会議におきまして一定程度の有効性及び安全性が確保されているということをまず確認するということがございます。その上で、当該技術を安全に実施できる保険医療機関の要件を設定してございます。さらに、定期的に実施状況について報告をさせる、それから安全性に問題がある場合等におきましては遅滞なく報告させる、こういったさまざまなセーフガードの措置を講じておりますので、そういう意味で全体として安全性は確保される、このように考えているわけであります。

○高橋委員 事後承認ではだめだとはっきり言っておきたいと思います。

 それで、高度先進医療、私たちは、やはり安全性や有効性が確認された医療というのは速やかに保険導入すべきだ、そのように考えております。

 ただ、この間の歴史を見ますと、本当に、数年から十年近くですとか、導入するまでの間には非常に時間がかかりますよね、当然だと思うんです。単純ではありません。ただ、その間は丸々自己負担であります。私は、これはいわゆる特定疾患のように自己負担ではなく公費で見る、そういうふうに考えるべきではないか。なぜかというと、保険に適用するという前提があるわけですからそう考えますが、いかがでしょうか。

○水田政府参考人 保険料財源をどういう技術なりどういう医薬品に充てるかということにつきましては、これは医療機関の判断にもよりますし、保険者の判断にもよります。したがいまして、保険適用に関してはそういうプロセスを経るわけでありますが、公費を充てるというのは、それはまた別途の観点から行われるものと考えております。

 すなわち、治療研究的なものであれば、大学での学術的な研究というものに結果として公費が充てられることもありましょうし、また、難病等におきましてはそういう公費等を適用するということもあるかと思いますけれども、ただ、仕組みとして、医療保険の仕組みを通じて公費を充てるというのは、ちょっと、どういう形になるのか、余りこれまで例もありませんし、特段、課題認識されたこともございません。

○高橋委員 それは、やはり評価療養のパイを広げるという頭がありますから、それを公費でやるとなるとそれは大変だと、当然、発想がそうなると思うんですよね。やはり、そこに一緒くたにしてしまって、必ずしも高度でないという表現が出てきたということなど、あるいは規制緩和でどんどん医療機関などもふえていくということに、非常に問題があるのではないかと私は思っているんです。

 資料の一枚目をごらんになっていただきたいと思うんですが、では一体、高度先進医療技術というのはどのくらいお金がかかっているのかというので資料をいただきました。確かにふえてはおります。それでも、一番新しい数字で、百九種類の医療技術、百二十六の医療機関、全患者数が三千八十二人、総金額、自己負担と保険診療を合わせて四十三億円、患者負担は二十三億円であります。

 これは、国民医療費から見ると〇・〇一五%くらいでしょうか、その程度ではないか。ですから、本来であれば、この部分を公費で見るということが、国民医療費の中で非常に大きな部分ではない。しかし、患者一人一人にとっては非常に大きく、また長く続くものだというふうに見ることはできないでしょうか。

○水田政府参考人 御質問が、保険制度を通じてということになると先ほどの答弁と同様になるわけでございます。ただ、一方で、治療研究であるとすれば、それはまた、別途、例えば大学でいえばそういう学術研究予算を使ってこういうものをやるということも現にあるわけでございます。したがって、そこのところはまた別途の判断、学術研究ということでありますとか、あるいは患者さんの、難病というような仕組みとか、そういった個々の公費使用の目的に照らして使えるかどうかという判断は別途になされるべきものと考えております。

○高橋委員 そうであれば、今回、混合診療の実質解禁ということで、保険と保険でない医療が大幅に拡大するという方向はやはり改めるべきだ、もっと公費で見るべきものがあるんだということをちゃんと見ていく必要があると思っております。

 そこで、平成七年の厚生白書からの引用を資料の四枚目につけておきました。ちょっと古い資料ではありますけれども、「第一部 医療」と書いてありまして、「「質」「情報」「選択」そして「納得」」というタイトルであります。

 本文を読みますと、「技術の改善、改良は患者サービスの向上を目指すものであり、こうした目的に従って活用されなければならない。近年、特に患者のQOLを高める治療が重要との認識が高まってきているが、医療技術がこの要請に対応してきているいくつかの例をみてみよう。」「手術の「常識」を変えた内視鏡」ということで、グラフがあるわけです。腹腔鏡の導入と胆石の退院患者の平均在院日数がどうなっているのかというグラフでありますが、昭和五十九年の四十一・八日から、導入したのが平成四年でありますので、平成五年には二十七・八日という形で大幅に下がっていると。

 結局、これまではメスを使っておなかや胸を開いてやる手術が一般的だったけれども、技術の進化によって開腹をしなくてもできる技術が得られたんだと。これによって、「胆嚢、虫垂、小腸、腎臓、脾臓、副腎、卵巣などの切除のほか、腸閉塞、子宮外妊娠などの手術もこの方法で行われている。」「患者の肉体を傷つけることが少ないことから手術後の回復も早く、入院日数も短縮化し、日常生活復帰も容易なものになっている。」という形で、厚生白書ですから、技術とは本来このように、患者にとっても喜ばしいし、在院日数が減るということは医療費も減るわけですよね、こういう形で使われるのが望ましいと思っておりますが、この点では異存はないですよね。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

○水田政府参考人 まさに、お示しいただきましたように、新しい技術を導入することによって、平均在院日数が短くなる、それによって医療費も適正化されるというようなことがあるがゆえに、先進技術について、その新しい技術について、必ずしも症例が安全性、有効性について全部保険適用にまで至っていないものにつきましても、基礎的医療費については保険適用にすることによって、こういった先進技術が幅広く使えるような、結果として後足になるような、そういった制度としてこの保険外併用療養費というものがある、従来で申しますと特定療養費というものがある、このように考えております。

○高橋委員 私は、そういう点では、従来の特定療養費制度の中でもカバーできていた分野ではないか。やはり、本来の姿が、先ほど言った患者のQOLを高め医療費も低くする、これが先進医療の本来の目的ということであると思うんですね。そのことが混合診療イコールではないだろうということなんです。

 では、必ずしも高度でない先進医療とは何かということなんですけれども、厚労省の説明では、保険未収載の確立された治療法、患者の価値観により左右される診療行為とおっしゃっております。それを適切なルールのもとに併用を認めるとしておりますけれども。

 ちょっと時間がないのでくっつけてお話をします。資料の二枚目を見ていただきたいと思うんですが、厚労省のホームページに、先進医療を実施している医療機関の一覧が登載されております。これが、まさに必ずしも高度でない先進医療として採択された一つであるPPHと言われているものですが、自動吻合器を用いた直腸粘膜脱または内痔核手術ということで、痛みを和らげて速やかに治療ができるようになるということで、一覧表がございますが、見てみると、いわゆる上乗せ部分、先進医療に要する費用は自己負担でありますので、それがどうなっているかという一覧であります。

 一番安い島根県の病院が六万五千円、一番高い大阪府の逓信病院で十二万八千八百五十五円、二倍の料金差があります。厚労省の説明で見ますと、保険給付分は十五万九千円となっております。

 私は、二倍の料金差というのはかなり大きいなと思うんですが、こうした差が特別でなくなる。つまり、どういうことかといいますと、高度でない先進医療という概念がどんどんふえていって、料金差が二倍でもよくあることよというふうになってしまうと思いますが、この点についていかがでしょうか。

○水田政府参考人 この先進医療に要する費用、まさしく費用について透明性を確保する、基本的にこれは患者さんと医療機関の間の契約でございますので、そこで私どもは規制をするものではございませんけれども、ただ、こういった情報をきちんと提示することによって、患者さんが納得した上でこの治療を受けていただくということであろうかと思っております。やがて、先進医療が、有効性、安全性の点で保険適用に足りるということで判断されれば、それは保険の診療報酬に掲載されまして、そこで一定の評価になるということでございまして、そこに至るまでの間におきましては、これはまだ保険適用になっていないので、その分についてこういうことに結果としてなるのかなという感じで見ているところでございます。

○高橋委員 やがて保険適用になる間ということではありますけれども、一定の期間を要するわけですよね、これだけの差があると。

 言われているのは、大体二千くらいの医療機関でこれをやられるようになるだろう、臨床指定病院が大体そのくらいかなということもありますよね。ですから、必ずしも高度でないという形で、どんどんこういう価格の差がある医療が拡大するということは、当然予想されますよね。

○水田政府参考人 その前にちょっと申し上げたいと思いますのは、高度先進医療と必ずしも高度でない先進医療と言っておりますけれども、実は、高度先進医療制度を運用していく過程におきまして、果たしてこれが高度なのか、高度でないのかというのは、これは非常に判断基準が難しくなってきたという実情がございます。

 そういう意味で、客観性を保つという観点からも、ここは高度先進医療、定義づけが難しいということもあるが、現実の問題として、行政として公平に扱わなきゃいけないということから考えますと難しいというのが一点。

 それからもう一つ。こういった技術が、これまでは二年に一遍の診療報酬改定のそのプロセスで、中医協の専門家の医療技術評価を経て保険収載されるかどうかということでございます。その二年間は、言ってみますと、患者さんはQOLを高める医療につきましても、さっきの混合診療の禁止の話じゃございませんけれども、根っこから費用を払わないとこの新しい技術にアクセスできない、こういう問題がございました。

 そういうことで、その二年に一遍という処理ではなくて、随時御提案をいただいて、それを専門家の判断で評価療養に入れるかどうかという判断をしていこうということでございまして、自由診療を広げようということではございません。これは、評価、保険適用するための前段階でありますので、そこでこういった現象は出てくるのであろう、それはいたし方ないな、こんなようなことで考えております。

○高橋委員 最後のいたし方ないなという言葉がちょっと気になっているのですが。

 確かに、総理も参議院の予算委員会などでお話をしていたように、今の特定療養費の制度だと、一部が自由診療だと、本来保険がきくものでさえも全部自己負担になるから大変じゃないかというお話をされていましたよね。

 ただ、今の仕組みであっても、一部保険診療だといっても、それは償還払いですよね。療養費の支給でありますので、現金給付とは違うわけですから。そういう意味では、一たんは自己負担をしなければならない。そういうことは依然としてあるわけですから、価格の違いが非常にあるということが、いずれその格差を広げていくだろうということは指摘をしなければならないと思うんです。

 関連するので続けますけれども、では、患者選択同意医療というのは何なんだろうということで、現行の選定療養は、初めは差額ベッドなどのアメニティーに限るというものだったと理解をしております。表の三枚目、四つの類型で、選定療養に係る報告状況ということで、どのくらいのお金がかかっていますかというトータルがございます。

 特別の療養環境、いわゆる差額ベッドに当たるのかなと思うんですが、一人部屋の一日平均が七千二百九十九円、四人部屋が二千五百八十三円、トータルで五千六百二十一円です。しかし、これは非常に差がありまして、最低二十円から最高は二十六万二千五百円という大変な差であります。

 私は、二十六万払っても入る方はいるかもしれない、全部がそうなわけじゃありませんから、そういう割り切りができるのは、まさにアメニティーの世界だからだろうと思うんですね。

 ただ、選定療養というのは、まさにもう十六にふえておりまして、制限回数を超える医療行為などもこの中に入りました。そうすると、今後は患者が選ぶんだ、患者が同意しているんだ、だからいいじゃないかということになって、保険給付外が固定化する、そして給付外のものがふえていくことにならないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○赤松副大臣 患者の選択という美名のもとに選定療養が無制限に拡大していくのじゃないか、こういう御懸念の表明でございました。

 選定療養というのは、そもそも差額ベッドなど、保険給付として画一的に給付するよりも、むしろ患者の嗜好、選択にゆだねた方がよいものに限定して指定するものでございます。また、その指定に当たっては、公開の中医協の場における審議を経て厚生労働大臣が決定することになっておりますので、選定療養の対象類型が、今委員御指摘のようにどんどんふえていく、拡大していく、こういったような御懸念は当たらない、こんなふうに思っておるところでございます。

○高橋委員 それでは、二〇〇四年の十二月の基本的合意の中で、この問題に関して、制限回数を超える医療云々というくだりの中で、不当な患者負担の増大を防止するということが明記をされております。では、不当な患者負担というのはどの程度なのだろうか、では、防止するために何ができるのだろうか、この点、伺いたいと思います。

○赤松副大臣 不当な保険外の患者負担を防止するためにどんなような対策を講じるのか、こういうことですが、一つは、地方社会保険事務局に報告をするとともに、保険医療機関において、院内の見やすい場所に掲示をする、こういうことです。また、一部負担金と明確に区分した領収証を患者に交付する、さらに、患者に明確かつ懇切に説明して文書により同意を得る、こういった措置を講じることにいたしております。

○高橋委員 要するに、不当かどうかは患者が判断をするという意味ですか、今のは。

○赤松副大臣 先ほど申し上げたようなさまざまな措置、報告とか、院内の見やすい場所に掲示とか、あるいは領収証の交付等々を見ていただいた上で患者御自身が御判断される、こういうことでございます。

○高橋委員 患者自身が判断をするということでありました。

 先ほどの、倍違う料金があるじゃないかという話にも関連するわけですけれども、結局、医療の分野に競争が持ち込まれる、拡大するということになると思うんですね。

 資料の五枚目に、医療法の今回の改正案の中で、広告の規制緩和ということが盛り込まれておりますが、その中身について、現行制度はこうであるということで、広告する中身はこれこれというように、限定的に書かれております。医療従事者に関する事項がどうであるか、実施している医療の内容はどうであるか、つまり、診療科の問題、在宅医療をやっているかどうかとか。そういうふうに具体的にありますけれども、今回は、規制の見直しによって大きくこれが変わることになるわけですね。客観的な事実というだけであって、かなりの部分が書き込めるようになるだろう。

 そうすると、現行制度は、ただし書きがありまして、診療報酬にかかわるものに限るというふうに書いてありますけれども、では、これが緩和になったらどうなるんだろうか。つまり、うちの病院では混合診療ができますよという言い方はしないかもしれませんが、保険外診療ありますよ、こんなに安くできますよということも自由になるのかということなんですね。

 そうなっていったときに、やはり、広告を出すこと自体が財政的にも大変なところもあるだろう。それから、やはり、価格競争になっていったときに、力があるところとないところではっきり差は出てくるだろう。そういうことが進んでいくと、力の弱いところの病院が淘汰されていくということにもなりかねないと思うんですけれども、その点について、最後に大臣に伺いたいと思います。

○川崎国務大臣 保険診療と保険外診療、それぞれ患者の選択でできるようにする。しかしながら、それが行き過ぎにならないようにしろという御忠告だろうと思っております。そういった意味では、中医協もいろいろ入ってきておりますし、いろいろな情報開示の方法、そういったものも考えながら、いろいろな形でやってまいりたい。

 また、広告についても、同じように、おのずから律するべきところはあるように考えておりますので、そういった点で、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

○高橋委員 ちょっと時間がなくなって残念ですけれども、行き過ぎにならないようにとか、安全を確保するようにということが当然あると思うんですけれども、やはり、今言った私の懸念はやがて大きくなるのではないかと思っておるわけであります。

 二〇〇五年三月のパブリックビジネス・リポートという中で、混合診療の解禁で医療業界に十兆円級の神風というレポートが載っております。まさに、今回の医療制度改革で混合診療が解禁されれば、医療業界が大きな市場を確保するという形で書いている。そのことと、やはりもうしっかり結びついているんだ。その要求があってこその今回の解禁だったかと思うんですね。そうであればこそ、やはり、保険証一枚で安心してかかれる国民皆保険制度がいよいよ危ないということを指摘して、私は、これは容認できないということで終わりたいと思います。

 以上です。

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