国会質問

質問日:2006年 6月 7日 第164国会 厚生労働委員会

薬事法改正案

 登録販売業者という新たな資格で医薬品の販売ができるようにする薬事法「改正」案が7日の厚生労働委員会で自民、公明、民主、社民の賛成多数で可決されました。高橋千鶴子議員は、登録販売業者が薬害情報などを的確に提供できるのか、都道府県任せでなく国の関与が必要ではないかと質問。厚労省の福井和夫医薬食品局長は「実質的な責任は国にある」とのべ、副作用の報告や薬害救済制度などの情報提供を今後周知していくと答弁しました。

(2006年6月12日(月)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 一般用医薬品について、リスクの程度に応じた情報提供を行うとして、今回、三つの分類がされました。私は、専門家による実効性ある情報提供の仕組みを構築しようとするこの試み自体は、非常に重要なものであり、当然あるべき姿であろうと思っております。

 そこで、まず一類については、薬剤師が、特にリスクの高い医薬品として、質問がなくても行う情報提供を今回義務といたしました。二類については努力義務、三類は不要とそれぞれなっておりますが、いずれの分類においても、相談があった場合の応答は義務とされました。この点について、まず、それはなぜかということを伺います。

○福井政府参考人 一般用医薬品を三つに分類いたしたわけでございます。

 第一類の医薬品につきましては、これは販売が開始されてからまだ時間がたっていないということで、その評価が定まっていないということでございます。また、非常にリスクが高い医薬品であるということでございまして、これにつきましては薬剤師のみが扱えることといたしまして、さらに、販売に際しましては文書をもって情報提供をするということにいたしたわけでございます。

 それから、第二類の医薬品でございますが、これは第一類の医薬品ということほどではございませんけれども、長年使用がなされてきて評価が定まっている医薬品でございますが、まれに入院以上、入院すること以上の健康被害が生ずるおそれがあるというものでございまして、これは法律上、情報提供については努力義務ということにしたわけでございます。

 それから、第三類の医薬品でございますけれども、これは第二類ほどでもない、いわば軽い体調不良というようなことはあることはあるわけでございますが、第二類ほどリスクが高いというものではない。これにつきましては、実際の医薬品の販売の場面におきまして情報提供するということは、当然、行われた方がいい、ベターであると考えますが、法律上の義務としてまで情報提供を義務づけるまでのことはないというぐあいに考えて、法律上の情報提供義務はかけておらないところでございます。

 一類、二類、三類、いずれの医薬品につきましても、購入者からいろいろと相談があるということが当然あるわけでございまして、三類の医薬品であっても、例えばほかの医薬品と飲み合わせをしたとか、もろもろ、いろいろなことでもって相談があるわけでございますが、これにはきちっとやはり応需する、対応するということが必要であると考えて、相談があった場合の対応につきましては、これは法律上の義務というぐあいにいたしたところでございます。

○高橋委員 そこで、その相談の内容なんですけれども、今、局長少し具体的におっしゃいましたが、やはりいろいろな薬を実際に飲んでいる、お医者さんから処方してもらうときも、すべて、今飲んでいる薬はどんなものがありますかというものを出した上で、これは大丈夫ですとか、そういう判断をされますよね。同じように、薬局においても、今こういう薬を飲んでいるけれども大丈夫なのか、それは、今飲んでいるのは三類だけれども、二類と合わせても大丈夫なのか、そういうさまざまなことが出てくるわけで、それにはかなり専門的な知識が求められるのではないかと思うわけです。

 それで、この新たな仕組みの中で登場する登録販売者がそういう専門的な要請に本当にこたえ切れるのだろうかということについて、いかがでしょうか。

○福井政府参考人 委員のお尋ねは登録販売者の資質についてのお尋ねであろうというぐあいに受けとめさせていただきました。

 都道府県におきまして、登録販売者につきまして試験を実施するということにいたしておるわけでございますが、この試験の中身、内容につきましては、厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会の報告書におきまして、「販売に即した内容、例えば、薬事関連法規、副作用の内容等を中心とした実務的な試験内容とすることが適当である。」というぐあいにされたところでございます。

 したがいまして、医薬品販売に際しまして行う情報提供、あるいは申し上げました相談対応に関しまして、医薬品の種類、例えば風邪薬とか整腸薬、こういう種類ごとに主要な成分について効能、効果、あるいは副作用、それから委員御指摘の飲み合わせ、こういったことにつきまして内容を理解しているかどうかを確認することがこの試験の本質であると考えておるところでございまして、委員御指摘の販売に関する専門家の資質の確保ということでございますけれども、この都道府県試験の実施により確認をしていきたいというぐあいに考えております。

○高橋委員 このことは参議院でも随分問題になったわけですけれども、国の関与があるべきではないかという質問をすると、それは都道府県の試験であるという答弁がされてきた。ここでは、局長、今詳しく中身についてお話しされました。ということは、都道府県が行われる試験であるけれども、その試験の中身について、統一した一定以上のレベルが保たれるということに対し、国が責任を持つと理解してよろしいですか。

○福井政府参考人 お答えを申し上げます。

 登録販売者の試験につきまして、難易度等において都道府県の間で大きな差が生じないよう、国が一定の関与を行うということといたしております。

 具体的な関与といたしましては、現時点で、例えば、その試験の基本的な考え方、出題の範囲、出題の方法、合格、不合格の考え方等につきまして、法案成立後、これは関係者から成る検討組織において御検討いただきたいと思っておりますし、その検討結果を踏まえまして、地方公共団体、都道府県に対しましてガイドラインといったようなことでもってお示しをすることについても検討していきたいというぐあいに思っております。

 責任関係のお尋ねでございます。

 御指摘の事務は、法律論として申し上げれば、これは自治事務でございまして、法律上の実施責任は都道府県知事にあるということでございます。しかしながら、実質的には厚生労働省が必要な助言、これは地方自治法の二百四十五条の四でございますけれども、技術的な助言の規定がございます、この規定に基づきまして、必要かつ適切な助言を行いまして、これらの事務の適正を期してまいりたいというぐあいに考えております。

 したがいまして、実質的な責任は厚生労働省にあるということでございます。

○高橋委員 ありがとうございます。実質的な責任は厚生労働省にあるということが確認されました。

 そこで、現在、都道府県の試験を受けて薬種商として登録されている業者、一万三千八百三十かと思いますが、この方たちに対しては新たな試験を要しないことになります。そうすると、今お話しされたこれから資格を取ろうとする方たちと、何十年前かわかりませんけれども資格を既に取ってもういいんですよという方たちとに、非常に整合性がないのではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

○福井政府参考人 現在の薬種商の方々につきましては、今回の法案におきまして、申し上げました登録販売者試験を受けることなくそのまま、いわば登録販売者になり得るということにいたしております。

 これは委員御案内かと思いますけれども、現在におきましても、薬種商の方々につきましては、これはいわゆる資格といったようなものではないんですが、店を構える、店舗として営業する都道府県知事の許可でございますけれども、この許可と一体となった形で都道府県知事の試験が既に実施をされておりまして、それに既に合格をしているということでございますので、現にそういうことでやっておられる方々につきましては、新たに登録販売者試験を受けることなく登録販売者になるというぐあいにしたところでございます。

○高橋委員 ですから、それがダブルスタンダードではないのかと聞いているんです。今お話しされたように、店舗の許可と一体となって都道府県の知事の許可を得た。それは当然、店舗の開設をするに当たっては、いわゆる実務的なことは承知をしていると。ただし、薬剤師は一人配置するということがあるわけですから、専門的な問題はそちらにお任せということもこれありだったかと思うんですね。

 ですから、その当時の、しかも各県に任されていた試験と、今後やられようとしている、国が中身についても十分吟味すると言われている試験とは、当然バージョンアップされてきて、おのずと違うものではないか。だったら、それに見合うだけの研修の機会なり一定の資格の取得なり、やはり考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○福井政府参考人 委員御指摘の点でございますけれども、一般用医薬品の取扱品目という観点から申し上げたいと思うわけでございますが、今回、登録販売者は第二類及び第三類の医薬品を扱い得るということでございます。第一類の医薬品は扱えないわけでございますけれども、第二類、第三類の医薬品というのは、現行、薬種商の方々がこれまで取り扱ってきた医薬品でございます。そういうこともございまして、新たに試験を受けるということではなしに、取扱品目が今後の登録販売者と同じでございますので、そういう観点からも、試験を受けることなく登録販売者になり得るという点については不合理なことではないというぐあいに思っております。

○高橋委員 それは、先ほど来阿部委員も指摘をされた、配置薬の経過措置と同じ理屈になるわけですよ。

 これまで扱ってきたとおっしゃいますけれども、せっかく今回、リスクの程度に分けて、その程度自体がどうかという議論もありましたけれども、しかし、情報提供をむしろ適切に行おう、積極的に行おうということで法改正をしたと言っていらっしゃる。

 しかも、相談には十分応じるとおっしゃっているのに、これまで売ってきたからいいでしょうということで整理をされるのはいかがなものかということは、やはり強く指摘をしておきたいと思うんです。

 それで、続けますけれども、現行、薬剤師の配置は、とにかく、店がどれだけのレジがあるかとかにかかわらず、一人いればいいという仕切りになっていたかと思います。

 それで、一般の販売業でありますと一七・八%、薬種商販売業でありますと九・一%ということで、厚労省の調べでも薬剤師の不在率というのがやはり問題になっているわけです。

 その不在のときの対応などが本当にきちっと徹底されているのか。大型店がふえているわけですから、そういう中では、一人いたとしても十分な情報提供ができているというふうには到底思いにくいわけですけれども、その点についてどう担保するのか、伺いたいと思います。

○福井政府参考人 大型のドラッグストアがふえている、この広い店舗の中で薬剤師が一人しかいない店舗もあるけれども、それが医薬品販売に際しての安全性という観点から適切なのか、こういうお尋ねかというぐあいに受けとめさせていただきました。

 今回の改正によりまして、薬局及び店舗販売業におきましては、許可の要件といたしまして、一般用医薬品の販売または授与の業務を行う体制が整っていることを求めることといたしております。

 この体制につきましては、一般用医薬品を販売する際に適切な情報提供が行われるよう、委員の御指摘にあったかと思いますが、現在のように、例えば店舗の大小にかかわりなく一律の基準ということではなしに、売り場の面積やレジの数等に応じまして、販売に当たる者の配置の仕方等につきまして厚生労働省令で基準を定めるというぐあいに考えております。

 具体的な内容につきましては、実効性が上がるものとなりますように、今後、関係者の意見も聞きながら検討していきたい、このように考えております。

○高橋委員 そのことは、ぜひ、それこそ関係者の意見も聞いて、どういうふうになっていくのか私たちもちょっと注目をしていきたいと思っております。

 私は、今話をした大型店の問題などは、多分審議会の中でも随分話題になったと思うんですね。どの方が薬剤師なのかよくわからないだとか、いろいろなことがなったと思うんですが、そういう今の営業の形態ということが、やはり、副作用の報告、相談、この実態とも影響するのではないかということを考えているんです。

 先ほど阿部委員の質問に対して、配置薬業者も医薬関係者に入りますよ、だから報告が十四件ありましたよというお話でありました。

 しかし、その十四件という数字を、だからそれしかないんだよと受けとめるのか、それしか知られていないんだよと受けとめるのか、そこが非常に大事だと思うんですね。

 薬事法の第七十七条の四の二に、副作用等の報告というものがございますが、「その他の医薬関係者」の中に、配置薬だとか薬種商も入るんだというふうにはちょっと読めなかったなと思います。

 実際に、私のところに来る配置薬の方は、三年どころか、三カ月程度で毎回新しい人がいらっしゃいますので、なおさらそういうことはわからないだろう。

 また、大型店であっては、そもそも薬剤師さんを捜すこともわからないような中で、買った方がそういう制度があるんだということ、報告をするんだということをよく知らないのではないか。

 それから、その中で働く多くのパートさんとかそういう方たちも含めて、その制度があるということ、相談をされたらちゃんと責任ある対応できる方に意見を上げるとか報告する仕組みになっているんだよということが本当に徹底されているんだろうか。

 そういう反省をやはりしっかり見るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○福井政府参考人 先ほど委員が薬剤師不在の実態というようなことをお述べになられたわけでございますけれども、現在、一般用医薬品の販売に際しましては、一般用医薬品の分類というものがなされておらないわけでございまして、いわばめり張りのついた形での情報提供が行われていないといったような実態もあるわけでございます。

 そこで、今回、医薬品をリスクに応じて分類いたしまして、そのリスクの程度に応じて情報提供のあり方を定めていくということでこの法案を出させていただいておるわけでございます。

 いずれにいたしましても、今回のこの法案、成立をさせていただければ、一般国民に対しても、今回のこの制度改正の趣旨、内容といったものを広く周知していきたいというぐあいに考えております。

○高橋委員 いずれにいたしましてもの前に、いわゆる副作用の報告ですとか救済基金ですとか、そういう制度が買う側にも売る側にもやはり徹底されていなかったという認識はお持ちですか。

○福井政府参考人 どこまでやればこれがきちっとやられていたかどうかという点につきましては、これはなかなか評価が難しいというぐあいに思いますけれども、先ほど阿部委員がお取り上げになられましたアンケートといったようなものを拝見させていただきましても、十全にやられているという認識は私は持っておりません。

 したがいまして、今回、こういった形で改正法案を提出させていただいて、販売に際しての国民に対する一般用医薬品に関する情報提供を、めり張りのきいた形できちっとやっていきたいということでございますし、また、救済制度という言葉が出ましたが、医薬品副作用被害、健康被害の救済制度につきましても、これまでもるるいろいろな形でもって広報には努めてきておりますけれども、もっと広く知れ渡りますように、いろいろな工夫を重ねていく必要があるとは考えております。

○高橋委員 そこで、今回の見直しによって、コンビニでも、要件を満たせば、今販売をしている医薬部外品以外でも販売ができるようになると思いますが、いかがでしょうか。

○福井政府参考人 委員のお尋ねは、コンビニで医薬品販売の業態、この許可をとらないで販売ができるかというお尋ねでございましょうか。

 今回の改正におきましては、医薬品の販売に関しまして、リスクの程度に応じて薬剤師等の専門家が関与して、実効ある情報提供等がなされる体制の整備を図るものでございまして、販売業の許可を受けるためには、構造設備基準等の条件に加えまして、適切に情報提供を行うことができるように、薬剤師または登録販売者、専門家を配置することを求めることといたしております。この許可を受けなければ医薬品を販売することはできないものでございます。

 逆に申し上げますと、仮にこれらの許可の条件を満たす、構造設備基準を満たす、それからそういった人的な要件を満たすということであれば、これはコンビニにおきましても医薬品の販売は可能でございます。

○高橋委員 伺ったのはそのことであります。

 つまり、コンビニでも薬が売れるようになったねと今インターネットで出されたことが参議院で問題になりましたが、もうその次の段階へ私は行っています。つまり、店長さんが登録販売者になって、資格を取って、条件を整えれば売れるようになるんだと、医薬部外品でなくても一般医薬品が売れるようになるというお話だったと思うんですね。いや、何で手を挙げるんですか、聞いていません。今そうおっしゃったじゃないですか、要件を満たせば販売できるようになると。

 ただ、そのときに、やはりコンビニというのは二十四時間営業です。圧倒的に多くの時間は高校生などのアルバイトも多いです。そうすると、先ほど来お話になっている報告の問題ですとか相談の応需の問題ですとか、本来、原則的に言うと、その資格を持っている人がいなければそれを売っちゃいけないという話になるんだろうけれども、本当にそこが徹底できるだろうか、そういう懸念を持っているんです。いかがですか。

○福井政府参考人 ただいまの委員のお尋ねでございますけれども、薬剤師または登録販売者は、一般用医薬品を販売する際に、るる申し上げてございますように、情報提供を行うとともに、これは販売時だけでなく、先ほど相談のことを私申し上げましたが、販売後の服用前あるいは購入前にも相談対応を行うことが求められるということでございますので、いわば、ありていに申し上げますと、お店をあけている時間におきましては、これは必ず専門家がいるということを要件にいたしておるわけでございます。

 御指摘のように、許可を受ける際に人的、物的な要件を満たす、だけれども、登録販売者の資格を取った店主がある時間いなくなってしまうということであれば、その時間帯は医薬品の販売はできないということでございます。

○高橋委員 ですから、できないのはわかっているんですけれども、アルバイトの高校生とかがたくさんいる中で、なかなかお客さんとの関係でそこがスムーズにやれるだろうかということを不安に思っているわけです。そこは本当に徹底しなければならない。私は解禁するべきではないと思っていますから、そこは、今売らないとおっしゃいましたから、その徹底をしろということにとどめておきたいと思います。

 同じことが、やはりインターネットでも起きるのではないか。先ほど三井委員がアンケートのことを紹介しておりました。四月十九日の薬事日報だと思います。共立薬科大学の福島、丸岡両氏が調査を公表しまして、いわゆる薬局を名乗って一般用医薬品を扱っているサイトを調査したら、三千四百六十八件もあったと。売っているのが二百七十九件で、二四%が一類、八八%が二類を扱っていたというものでありまして、やはり非常に野放し状態なのかなということを感じているわけなんです。

 やはり厚労省として、そういう実態について何らかの形で調査を行ったことがあるのか、また、両先生から指摘をされているように、これは例えば第三者のチェック機関ですとか、そういうものをしっかり設けるべきだという指摘もございます。あるいは薬害被害者の皆さんは、そもそも、これはリスクが避けられないのだから、原則禁止とすべきだという要求もされております。いかがでしょうか。

○福井政府参考人 調査をしたのかというお尋ねでございますが、私どもの局の監視指導・麻薬対策課という課がございますけれども、この課におきまして、各都道府県庁を通じて、実態は、ちょっと手元に数字ございませんが、現時点で把握をいたしておるということでございます。

 それから、どうすべきか、こういうお尋ねでございます。この問題につきましては、本件を御議論いただきました厚生審議会の部会におきまして、対面販売が原則であるということでありますので、「情報通信技術を活用することについては慎重に検討すべきである。」こういうことでございます。それからもう一点は、リスクの程度が比較的低い医薬品、第三類医薬品については「電話での相談窓口を設置する等の一定の要件の下で通信販売を行うことについても認めざるを得ない」というぐあいにされておるところでございます。

 この点につきましては、対面販売の原則ということから厳しく制限をすべきである、こういう御意見もある一方で、その利便性あるいはIT技術の活用により対面販売に準じた対応も可能として規制を緩和すべきだ、こういう御意見も正直申し上げてあるわけでございます。

 こうした状況の中におきまして、厚生労働省といたしましては、医薬品の販売は対面販売が重要である、そういう基本的な考え方に立ちまして、インターネット技術の進歩には目覚ましいものがあるとはいえ、現時点では、販売制度部会の報告書を踏まえて慎重な対応が必要であるというぐあいに考えております。

○高橋委員 もう一点、簡潔にお答えいただきたいと思うのですが、三つの区分は今後も見直しを図っていくことになるのか。

 これは、逆の、つまり、一類だったものが使用経験を重ねたことで二類になるとか、あるいは医薬部外品になるということは十分考えていらっしゃると思いますが、その逆もあるだろう。リスクが意外に高かったとか、あるいは副作用の報告があったとか、そういうのを踏まえて、三類から二類、二類から一類ということもあるというふうに考えてよろしいでしょうか。

○福井政府参考人 委員御指摘の点でございますけれども、これはもちろん理論的には、例えば二類から一類ということもあり得るとは思いますが、しかし、実際、実態を考えてみますと、医薬品につきましては、世の中で長く使われることをもってリスクの程度が明らかになってくるということでございますので、理論的には委員御指摘のようなこともあろうかと思いますし、今回の法案の上でも、そういった副作用なりの知見の収集に努めるということといたしておりますけれども、一般的に申し上げて、二類から一類というよりは、一類から二類へ、あるいは二類から三類へという流れということで考えております。

○高橋委員 やってみないうちから結果を言わないように。理論的にはあるとおっしゃったんですから、当然、そうしたことも認めていく、やはりそれがこの間の薬害の教訓ではなかったかなと思っております。

 大臣に、最後に一言だけ伺いたいと思います。

 やはり地域に身近な薬局や薬店があったときは、マンツーマンで指導や相談が受けられました。お客さんの特徴もよくつかんで医薬品を販売しておりました。今や、規制緩和が進み、町の薬局や薬店が消えて郊外型の大型店に集約が進んでおります。しかし、そういう中で、大型店の方でも、逆にOTC型、もっとカウンセリングに切りかえなきゃいけないなという反省もこれありということがございます。

 「医薬品は効果がありかつ安全であるということが究極の存在意義であり、消費者も医薬品にそれを期待していること、換言すれば、人のための医薬品であって、医薬品のための人であってはならないこと」、これは七九年の福岡のスモン判決の要旨でありますが、そういう原点に立ち返り、やはり利便性が余りにも先に来て、安全性が後景に追いやられることはあってはならないと思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。

○川崎国務大臣 医薬品という生命関連商品の販売に当たりましては、当然、安全性の確保が大前提だと考えております。一方において、国民の利便性への要請もあるわけでございますので、今回の法案を提案させていただきました。

 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書においても、「改正の理念」「新しい制度は、全ての一般用医薬品を一律に扱うのではなく、安全性の確保を前提としつつ、購入者の利便性にも配慮し、一般用医薬品の適切な選択、適正な使用に資するよう」にという提言をいただいているところでございます。

 前提で申し上げましたように、安全性の確保が前提で進めてまいりたいと思います。

○高橋委員 これで終わります。どうぞよろしくお願いいたします。

○岸田委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

○岸田委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。高橋千鶴子君。

○高橋委員 日本共産党を代表して、薬事法の一部改正案に反対の討論を行います。

 本法案の違法ドラッグ対策は必要な措置であり、賛成できるものであります。

 また、一般用医薬品の販売時の情報提供が、従来は努力義務とされていたものを、リスクの高い第一類については薬剤師による情報提供を義務化したこと、また、相談を受けた場合はすべての医薬品について応答することを義務づけたことは評価できるものと考えております。

 しかし、以下の点で賛成できません。

 反対の第一の理由は、店舗販売に際して薬剤師が不在である実態を改善するのでなく、新たに薬剤師以外の専門家として登録販売者を指定して医薬品の販売を行わせることです。これは、薬事法の原則である薬剤師の情報提供による医薬品の販売という原則を崩すものであり、薬の安全な使用を担保する仕組みを形骸化させるものであります。

 第二の理由は、本改正案では、一般用医薬品をリスクの程度で分類し、それぞれに情報提供、販売方法を規制しますが、ハイリスクの第一類には現在の一般用医薬品四百八十五成分のうちわずか十一成分しか入っておりません。第二類とされている中にも医療用として使用されているものも多く、スティーブンス・ジョンソン症候群など重篤な副作用を引き起こしたものも含まれております。これらの分類については見直すべきものです。

 反対の第三の理由は、経過措置に関してであります。

 現に営業している配置販売業者の法人事業者については、従来どおりの二百七十成分の配置薬を扱う限りは、資格試験なしで期限なく業務を行えることになります。この配置薬には解熱鎮痛薬、風邪薬など比較的リスクが高い医薬品も含まれており、経過措置の中で旧制度の不備がそのまま温存されることは、医薬品の安全使用にとってマイナスと言わざるを得ません。

 以上、述べて、反対の理由といたします。

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