国会質問

質問日:2006年 6月 9日 第164国会 厚生労働委員会

職業能力開発促進法等改定案(青年雇用対策)

 日本共産党の高橋千鶴子議員は9日の衆院厚生労働委員会で、若年層の雇用対策について質問しました。
 高橋氏は、「未経験では雇ってくれるところはないが、いつ経験者になればいいのか」という二十代の非正規労働者の声を紹介し、若年層が不安定な職に就いているのは、若い人だけの責任ではないことを強調。労働現場には無法が広がっており、「試用期間」だからと社会保険に入れない会社の問題を指摘しました。
 鈴木直和職業安定局長は、「試用期間であるかは直接関係ない」として、社会保険適用の対象であるとのべました。
 川崎二郎厚労相は、青年を「あたたかい目で雇用する社会に(なるよう)努力していかなければならない。違反する企業には厳しく対応しなければならない」と述べました。
 高橋氏は、青年雇用対策としてすすめられている日本版デュアルシステム(働きながら学校で勉強する)で、終了後に常用雇用となっているのは49.5%にすぎないことを指摘。
 川崎厚労相は、システム終了時に、「身につけた職業能力を証明することにより、正社員への円滑な移行がはかれるように努力する」と述べました。

(2006年6月10日(土)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 若年者の失業あるいはフリーターなどと呼ばれる不安定な雇用の状態、それが今委員会でも午前から話題にされてきておりますし、政府におかれても大変重要な課題となっていると思われます。

 本法案に先駆けて、平成十六年度より導入された日本版デュアルシステムも、若年失業者やフリーター対策として、教育訓練機関を活用して常用雇用化を目指す取り組みの一つであろうと思っております。

 私がきょうぜひお話をしたいのは、若い皆さんの置かれている今のような状態、四百万人とも言われる失業者、フリーターなどと言われる方たちが、やはり若い人だけの責任ではないということ、また、現場が実際には無法地帯であるということ、この認識をまずしっかり持つことが大事なのではないかと思っております。

 私どものところには、若い皆さんからインターネットを通じてさまざまなメールをいただいております。それを見ておりますと、既に一度のチャンスを逃したためにずっとフリーターだと呼ばれる、あるいは、私はニートじゃないのにそう呼ばれる、そういう声が本当に切実に寄せられております。

 例えば、ことしで二十八歳だという方。もう未経験では雇ってもらえるところはないとハローワークに言われ、まるで死の宣告を受け、現在、将来の不安で精神科に通院中です。結局は自業自得だが、大学在学中の就職活動から、就職することがスタート地点のはずなのに、今やゴール地点になってしまっている自分がいる。

 もう一人の方は、二十二歳です。失敗した人はみんなフリーターやニートになる。一度失敗しただけでだめ人間と見下され、ずっと就職活動して落ち続けていると精神的にぼろぼろになるし、私は体調も崩した。そうしてニートになってしまった人もいると思う。求人については、経験者のみばかりで、未経験者にとってはいつ経験者になればいいのと思う。

 こうした声がたくさん寄せられております。

 私は、まず、そういう青年の置かれている実態をしっかり受けとめていただいて、若者の職業意識が問題である、そうしたことだけに矮小化してほしくない、このことをまずお話をしておきたいと思うんです。

 同時に、今、大変な無法地帯である。法律がある、制度がある、しかし実際にはそうなっていない、こうしたことがたくさんございます。例えば、ある事務所に張り紙がありました。十五分の遅刻は罰金二千円、無断欠勤は罰金二万円。明らかに労働基準法違反だと思います。こうしたことがまかり通っているけれども、青年がきちんとした権利や労働法制を知らなければ、それをただすことなく、それにおびえるような状態が実際は起こっています。

 一つ、まず具体的に伺いますが、三十七歳の男性です。以前働いていた会社が会社の倒産により、ハローワークの紹介で今の会社で働いていますが、試用期間三カ月、その試用期間中は社会保険、厚生年金、雇用保険の加入は認めませんとの項目があり、試用期間三カ月と言いながら実際は一カ月ごとの更新になっているということであります。一般論で結構ですので、こうした試用期間というものは、今、認めませんと言われているけれども、本来これらの制度はすべて条件を満たしていると思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木政府参考人 今、試用期間についてのお尋ねでございますが、試用期間中であっても労働契約は結ばれているものでございます。

 したがいまして、労働契約が結ばれている以上、労働保険、社会保険等については、それぞれの要件で被保険者になるかならないかというものが決まる、そういうような原則でございます。

○高橋委員 ですから、今の場合は本来の正規雇用でありますので、当然対象になるということでよろしいですよね。

○鈴木政府参考人 労働保険、社会保険、特に雇用保険とか社会保険の場合にはそれぞれの被保険者になるための要件がございます。それを満たしている限りそれぞれの保険の被保険者になる。これは、試用期間中か否かということとは直接関係はございません。

○高橋委員 ありがとうございます。

 今、試用期間中かどうかは直接関係ないと言ってくださった。そのこと自体をやはり知らずにいて、自分は試用期間だからそうなのかなと思っている方がいらっしゃる。ここはぜひ徹底していただきたいなと思うんです。

 それで、今回提案されている実習併用職業訓練制度は、教育訓練機関を使っての理論的な学習、いわゆる座学と、企業における有期雇用による実習、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの組み合わせになるわけですが、これについては、先ほど園田委員の質問の中でも、労働法制の適用になるというふうなことがお話をされておりました。それでもちろん最賃などはクリアされるだろうと思うんですけれども、今のこととちょっと関連して考えてやったときに、組み合わせですので、その時間、一体週のうち何時間働いているかとか、要するに働く時間といわゆる訓練機関に行っている時間との関連ですね。今のようなことで雇用保険に入れないとか、社会保険の適用にならないとかいうことがあってはならないなと思うんですが、いかがでしょうか。

○上村政府参考人 実習併用職業訓練における労働保険あるいは社会保険制度の適用でございますが、OJTの期間中における労働時間等が各保険制度の適用要件に合致するか否かによってそれぞれ判断されることになるわけでございまして、当然、訓練生がその適用要件に合致すれば被保険者になるということでございます。

 ただ、したがいまして、OJTの時間によっては被保険者にならない場合もあり得るということでございます。

○高橋委員 そうなんですよね、時間によっては、組み合わせ方によっては被保険者にならない場合があるということですよね。

 雇用保険で言うと、短時間労働被保険者としての要件、一週間の所定労働時間が二十時間以上三十時間未満、一年以上引き続き雇用されることが見込まれることというのがあると思うんですけれども、例えば、週二日だけの勤務ですよとか、週五日だけれども三時間ずつですよとか、幾つかのぎりぎりのライン次第では対象にならないということがあり得るだろうと思うんですね、今の話を聞いていると。

 本人がそれを望んだら別ですけれども、ただ、なるべくそれはするべきではない、そういう時間をうまくくぐり抜けて無保険者、無資格者というふうなことがないように本来はするべきであると私は思っております。

 雇用保険の対象になるかならないかで、その後に職をかわったときのさまざまな制度、訓練制度なども含めて、受けられる受けられないという大きな違いがありますし、まして、社会保険などは言うまでもありません。そのようなことがないように企業に対しても指導していくべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。

○川崎国務大臣 御本人の問題でございますけれども、高校の段階において労働関係の法律をしっかり勉強する機会、学校で、場合によってはハローワークの所員が出向きながら、また労働基準監督署から出向きながら、制度というものをしっかり理解した上で社会に出ていただくようなシステムをつくり上げなければならないということがまず第一にあるだろうと思います。これは、たしか参議院で小池委員から御質問をいただいたなと思っております。

 一方で、今度は雇用者側でございますけれども、やはりしっかりしたルールを本人に説明していくということが必要であろう。特に、若い方々に対して、採用する側がやはり温かい目で雇用というものを考えてもらわなきゃならぬ、そういう社会をつくっていくように我々は努力をしていかなければならないだろう、こう思っております。

 そういったものも含めて、法律的に違反をしておる企業に対してはやはり厳しく対応をしていかなければならないな、企業に要請をいたしますと同時に、ルールに照らしておかしなことがあれば、私どもの方から厳しく追及をしていかなきゃならない、こういった姿勢で臨んでまいりたいと思います。

○高橋委員 今お話ししてくださったように、厳しく対応してくださることをぜひ求めたいと思います。

 そして、訓練の期間が終わった後に能力評価の実施というものがございます。本採用に向かうわけですが、それに当たっては、もちろん義務づけという形ではできないと思うんですが、基本的に雇用するという見通しがやはりあるべきではないかと思います。

 先行して行われた日本版デュアルシステムでは、先ほど来の質疑の中で、七割、九割の就職率ということも紹介されておりました。しかし、実際には、委託訓練活用型で見ても、常用雇用に結びついたのは四九・五%にすぎません。派遣が一五・八%、パートやアルバイトが三四・七%。残念ながら、訓練をしても結局派遣やパートになってしまう。本来ならば、やはり常用雇用というところに結びつくのが望ましいと思うわけですね。ですから、なるべくそういう見通しを持てるようなシステムとするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○川崎国務大臣 実習併用職業訓練は、青少年を対象として、その実践的な職業能力の開発及び向上を図り、修了後の安定した就業を目指す取り組みであって、こうした趣旨について事業主に周知徹底することがまず重要であると考えております。

 同時に、今回の改正法案においては、実習併用職業訓練の実施計画について、厚生労働大臣の認定制度を取り入れており、こうした制度の運用を通じて、安定した就職につながる質の担保された訓練の普及、定着に努めてまいりたいと思います。

 特に、訓練実施事業主に修了後の職業能力評価をしっかり行っていただき、訓練生が身につけた職業能力を証明することにより、いわゆる正社員への円滑な移行が図られるように努力してまいりたいと思います。

○高橋委員 やはり今回の制度が企業に都合のいい人手の確保策ではだめだという点で、今お話しされたように、円滑な雇用の道につながるような努力をしていただきたいと思います。これまでいろいろな制度がございましたが、例えばトライアル雇用制度、三カ月若年者を雇用した企業に対して五万円という、これはちょっとわずかな額だなと思いましたが、三カ月雇用してまたリストラをしていくというような実態も現実にございました。そうしたことがないようにお願いをしたいと思っております。

 資料の一枚目をごらんいただきたいと思うんですけれども、内閣府の「青少年の就労に関する研究調査」、平成十七年の七月を見ますと、就職していない方たちのいろいろな事情をグラフにしておりますけれども、就職希望なしというという方が四十二万人に対して、潜在的な就職希望ありという方が四十三万人ということで、就職の気持ちを持ってはいるけれども、さまざまな条件で仕事につくことができない、そういうことが実際には多いということをまず見ていきたいと思います。

 その下にある「フリーター、ニートの採用について」、これは企業に対しての調査でございますが、企業がどう思っているかということで、一番多いのは、「正規従業員としても、非正規従業員としても採用するつもりはない」四一・八%、「正規従業員として採用するつもりはないが、非正規従業員として採用する」というのが二三・三%という形で、企業にとっては、本当に採用するつもりはない、採用したとしても、もともと非正規よと。ですから、非正規の方たちが非正規を繰り返すという仕組みがここからも出てくると思うんですね。

 そして、平成十六年の七月二十六日、第十七回労働政策審議会職業能力開発分科会、日本版デュアルシステムの実施状況などを討議しておりますが、その中を見ますと、なるほどな、いかに、企業などが青年をどう見ているのかなということを感じてしまったわけなんです。

 埼玉の中小企業団体中央会の役員の方が、こんなふうに言っております。

 高校生よりもすでに出来上がった人間を採用するほうが楽であるという声を聞くわけです。今回、要件の中にキャリア・コンサルティングを受けてデュアル訓練実施が望ましいと認められた者、それが一つの事業主に六カ月以上継続雇用されたことがない者、一定かつ三回以上離職経験がある者、一年以上無職であった者。

これが要件ですね。

 これを見た限り、私どもの傘下の企業の社長が嫌がるケースです。そのような人たちはとても雇う気がしない、気力がない、働く意欲がない、働く意味がわかっていない、そのような声を聞くわけです。先ほどのこの要件を見ただけで、果たして乗ってくるだろうか、そのような疑問を私は感じました。

私は、この発言を見ていて、まさに若い皆さんに対してレッテル張りをしている、そういう印象を受けました。

 東大の助教授の方がこんなことを言っています。

  先ほどの発言の趣旨は大変よくわかります。なぜ、このような人たちのために助成をしなければならないのか。いちばん雇いたくない人のために、なぜ社会はお金を出さなければならないのか。逆に言えば、このような人たちをほっておいて本当にいいのだろうか。原則は個人の負担であります。

  ある程度国民全体に理解してもらえるような説明がないと、なぜこの人たちばかりを優遇するのですかという声になる危険性があると思います。

このように、若い皆さんが今フリーターやニートだと呼ばれている状況を、レッテル張りをして、そんな人たちを会社は雇いたくないし、そのためにお金を使うのが無駄だと言わんばかりの議論がされてきました。

 このようなあり方に対し、出席している厚労省から、ちゃんとしたそれに答える言葉がなかったなと残念に思うわけですけれども、その点について、一言御意見を伺いたいと思います。

○上村政府参考人 今手元にその資料がございませんので、当時の状況がつまびらかではございませんが、日本版デュアルシステムをスタートさせる際の率直な議論の場で出たんだろうというふうに思います。

 しかしながら、そういった難しい問題等も俎上に上げて議論していただいた上で、先ほど来御説明させていただきましたように、二万数千人の方々がデュアルシステムに参加され、先ほど委員も御発言されましたが、就職に結びついたというような状況にございます。そういった点も、いろいろな問題点等を議論した上でスタートさせたことの一環だろうというふうに思いますので、御理解いただければと思います。

○高橋委員 今私が指摘をしたのは、このときの審議会の中であなたたちが何を言ったんですかということを言っているのではありません。今紹介したような声は常に起こっているわけですよね、それに対して厚労省としてはどう受けとめますかと。若い人のせいだ、そういうのを受け入れたくないと言う企業に対して、そうではない、働く意欲もあるし、もっと能力開発のチャンスさえ与えられれば、機会は雇用に結びつくんだよ、そうした声が聞きたかったんです。そういう立場に立っておりますか。

○上村政府参考人 若年のニートあるいはフリーターの層につきまして、いろいろな事情にあることはそれぞれ区々だろうと思いますが、それぞれの状況に応じてきめ細かな対策をとることは当然のことでございまして、一概に、委員の言われるようなレッテルを張ってどうこうということではなく、きめ細かな対策を進めることは当然のことであるというふうに思っております。

○高橋委員 ありがとうございます。

 この委員会の中では、このような意見ばかりではなくて、使用者の代表の中でこんな発言もございました。中村さんという方ですが、

 受け入れて、一年間トレーニングして、企業がデュアルシステムの修了書を出したときに、彼らが再就職で子どものところに行きたいと言ったとき、

これは保育園だと思いますが、

 いまの日本の認可保育所というのは、最低基準の中で保育士資格を持っている者を八〇%から九〇%雇うようになっていて、デュアルシステムの修了書を持っていながら、再就職で引っかかってしまう。要するに、修了書は一体どの程度の価値があるのか、もしくは彼らの就職先がまだ規制のある分野で、彼らを受け入れるような余裕がなければ、私たちがいくらトレーニングをしても、そのあとのところを同じように改革していかなければ彼らの行き先がなくなっていくと感じるのです。

こういう指摘もございます。

 これもやはり厚労省の所管でございますので、個別に今保育所をどうしろという話はいたしません。やはり受け入れ先の企業においても、本当に必要な人材をしっかりと確保する、つまり、それは質だけではなくて量的にも、きちんと労働基準も満たすように、労働条件も満たすようにやっていくという努力をしていかなければならないと思っております。この点は、時間がないので指摘にとどめたいと思います。

 そこで、公共職業訓練校、私たちは高等技専などと呼んでおりますけれども、その役割というのは非常に大きなものがございます。資料の二にありますけれども、平成十六年度の訓練実施状況、学卒者の訓練受講者数が一万六千五十六人で九〇%の就職率です。離職者の訓練は、施設内が七一・七%、うち委託が五六・九%と、委託は少し減りますけれども、このような形で大きな効果を上げております。

 私も地元の学校によく顔を出したことがございますけれども、やはり授業料が無料のところが多いですし、中退者あるいは中卒の者、あるいは不登校で学校に途中で行かなくなった者など、さまざまな困難に遭った子供たちも受け入れて社会に旅立たせていくという、大変重要な役割を果たしていると思っております。

 ところが、めくっていただいて資料の三を見ていただきますと、平成八年には職業能力開発校は二百三十校あったのが、平成十七年で百八十五校というように、非常に統合が進んでおります。私は、これは逆ではないのか、少なくとも今ある制度をしっかり維持拡充、そして活用すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○上村政府参考人 都道府県立の職業能力開発校につきましては、今委員から御指摘がありましたとおり、厳しい財政事情等を反映して、施設の整理合理化、それから老朽化による建てかえに伴う統廃合等によりまして、先ほど委員からお話があったような数へと減少しているところでございます。

 一方、これも委員から御指摘がございましたが、職業能力開発校における就職率は、学卒者訓練で九割、離職者七割というような効果のあるものとなっているところではございます。

 これらの施設の設置、運営に関する事務は、基本的には都道府県の自治事務でございますが、国といたしましては、都道府県への交付金あるいは補助金等による財政支援、それから、職業訓練についての取り組みの先進事例、そういった情報提供など、職業訓練の内容の質的向上あるいは効率化のための支援などを行うことによって、都道府県の職業訓練校の活用が適切になされるように支援はしてまいりたいというふうに思います。

○高橋委員 ありがとうございます。

 平成十五年九月三十日、総合規制改革会議の構造改革特区・官製市場改革ワーキンググループの資料で、厚生労働省が出した資料でございますが、その中で、「能力開発事業に関して、」ちょっと飛ばして、「国や地方自治体が職業訓練を行なうよりも民間に委ねてその費用を助成することの方が効率的ではないか。」こういう指摘に対して、厚労省は、民間の委託訓練の受講者が就職率四二%に対して、公共の場合は六七%ということを紹介しながら、「公共職業能力開発施設で実施する訓練については、我が国の製造業等を担う中小企業が求める高度技能者の養成のうち、高額な設備・機器や高度な技術・技能に係るノウハウを要するために民間では対応できない訓練を実施している。」このように厚労省自身が述べております。

 私は、この立場に立って、今もお話をされましたが、県の自治事務であるというそこだけではなくて、やはり公共が果たしている役割はしっかり握って守っていくんだよという立場に立っていただきたいと思いますが、もう一言お願いいたします。

○上村政府参考人 まず、公共と民間との役割分担について言えば、公共については、事業主等による職業訓練を支援する、あるいは、ニーズがあっても民間部門では実施が期待しがたい、あるいは実施していないような分野、そういった分野をみずから訓練として実施するというのが基本的な役割という上で取り組んでいるところでございます。

 また、国と地方との関係では、国においては、一連の雇用対策の一環として失業者等の早期再就職を図るための職業訓練を行い、また、高度先導的な教育訓練を開発し普及させるということを行っている。それから、地方公共団体につきましては、地域産業の人材ニーズや職業訓練ニーズをきめ細かく把握して、それに対応した訓練を行うんだ、そういったことで役割分担をしております。

 地方の公共職業訓練施設の活用につきましては、先ほど申し上げましたように、可能な支援を行って、活用が進むように考えていきたいというふうに思います。

○高橋委員 よろしくお願いいたします。

 厚労省の所管でしっかりと就職に結びつく分野があるので、そこはしっかり守っていくという立場に立っていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。

 きょうは文部科学省にもおいでいただいているんですが、大変時間が迫ってまいりましたので、簡潔に一言ずつお願いをしたいと思っております。

 一つは、高校生のインターンシップがどの程度取り組まれ、どういう成果があったのかということ。

 それからもう一つは、担当が違うんですけれども、だんだん今インターンシップが中学生にまでおりております。資料の四枚目にあるように、新キャリア教育プラン推進事業ということで、平成十八年度の予算は八千八百万円、「小学校段階から児童生徒の発達段階に応じたキャリア教育の推進が必要」であるというふうなことが書かれております。

 私は、小学校からのキャリア教育を否定するものではありません。しかし、あくまでも行き過ぎてはならないと思っております。

 この理由が書いてありますけれども、「進路意識が希薄なままとりあえず進学したり就職したりする者の増加」、そうしたことがあるから、だからキャリア教育は必要なんだという構図であります。

 しかし、それは、希薄なままでも、学業を積んでいく中で自分の個性や可能性を見出して、本当に自分が行くべき道を発見するということがいつの段階で起こるかということは、必ずしも小学校、中学校のときからもうそれを迫る必要はないわけで、小学校のときはまだまだやわらかい心を、まず人格の完成という目的に沿って育てていくのが本当に大事なことであって、行き過ぎてはいけないと私は思っています。

 この点について見解を伺います。

○山中政府参考人 まず、高等学校のインターンシップの状況でございますけれども、平成十六年でございますけれども、農業高校八四%、工業高校八〇%と、職業に関する学科を持つ学校では八一%程度でございます。また、普通科の高校でございますと四五%程度でございまして、高校全体では六〇%程度の実施率ということになっております。

 インターンシップの効果といたしましては、学校では学べない実際の職場について学ぶということで非常に有意義である、あるいは、実際に職についてからでなければわからないようなことが、インターンシップで就業体験をすることでわかるということで、将来の進路を考える上で非常に参考になったというような評価を得ているところでございます。

 また、先生今御指摘の点でございますけれども、小学校あるいは中学校段階、そういうものを通じた形で、子供たちに職業意識あるいは勤労観を養成していこうということに取り組んでいるところでございますけれども、これは御指摘のとおり、発達段階に応じた形で実施していくということでございまして、小学校段階でございますと、いろいろな職業がある、あるいは、保護者の方の職場に行ったりして職場見学をするという中で、いろいろな職業があり、そういう中で大人が働きながら生きていくんだ、そういう姿を見るというものが中心でございます。

 それから、中学校段階ということでは、また、高校の進学というものを控えております。自分の能力とか適性あるいは興味、関心といったもの、そういうものを考えながら、将来の自分はどうやって生きていこうか、そういうことを考えるような、そういう取り組みというものが、例えばキャリア・スタート・ウイークというものを実施するというような形で行われているところでございます。

 それぞれの子供たちの発達段階に応じた形で、職業意識あるいは勤労観というものを養っていきたいというふうに思っております。

○高橋委員 私があえてこのことを指摘させていただいたのは、やはり、経団連などの提言を見ていますと、今の若年失業者の増大、フリーターの増大などが本当に経済に対して大変な影響を与える。そして、それがあたかもキャリア教育が非常に不十分だったというふうな言い方になって、教育の現場で、もっともっと下の段階から職業意識を育てよ、そういう形に外から上がってきた背景があるということをあえて言わせていただきたかったんです。

 先ほどお話をしたように、若者の置かれた実態を、意識が低いからとか、あるいは小さいころからの教育が悪かったとか、そういう話には決してしないんだということで、しっかりと条件整備をしていっていただきたいということを大臣に重ねてお願いして、時間が来ましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。

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