国会質問

質問日:2019年 4月 3日 第198国会 厚生労働委員会

支部集約化、処遇守れ/社保基金で高橋氏指摘

 高橋千鶴子議員は3日の衆院厚生労働委員会で、健康保険法等の改定案をめぐり、47都道府県にある社会保険診療報酬支払基金の支部を廃止し、全国10カ所程度に集約する問題をただしました。
 同基金は、診療報酬が適切に算定されているかを審査する国の機関。高橋氏は、集約に伴う転勤に、病気や介護、子の養育などで応じられない職員もいるとして、処遇を質問。同基金の神田裕二理事長は、「転勤ができないからといって一方的な解雇はしない」と明言しました。
 高橋氏は、保険外のヘルスケア産業の市場が2025年に33兆円まで拡大するとの経済産業省の資料を示し、同基金が保有する膨大な医療データの解析・加工業務を新たに課すことについて、国主導で民間へのビッグデータ提供を進めるのは「本来の業務と相入れない」と批判しました。
( しんぶん赤旗 2019年04月23日付より)

―議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、法律事項ではありませんが、ことし十月から後期高齢者の保険料について軽減特例が本則に戻されます。午前も質問がありましたけれども、確認をさせていただきます。これにより、現在最も所得の低い年金収入が年額八十万円未満の方がどのくらいの負担増になるのか、お答えください。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 これまで、年金収入が年額八十万円以下の方につきましては、保険料均等割が本則では七割軽減であるところを九割軽減というふうにされてきておりまして、そうした方の保険料は全国平均で見ると月額三百八十円程度、年額四千五百十円程度ということでございました。
 ことしの十月から低所得者に対する介護保険料の軽減強化や年金生活者支援給付金の支給が開始されることとあわせまして、後期高齢者医療の保険料均等割の軽減特例について見直し、これまで特例的に上乗せされていた二割分の国庫補助、七割軽減を九割軽減していた二割分の国庫補助を廃止することとしているところでありまして、これが三十一年度予算に盛り込まれたところでございます。
 十月から二割分廃止ということは、年間で見ますと一割相当に当たるものでありますことから、今年度を通して見れば保険料均等割を八割軽減にしているのと同じということでございます。ですので、今年度、月額平均では約三百七十円増の七百五十円程度、年額で四千五百十円増の九千二十円程度となるということでございます。
 ただ、先ほど申し上げたように、一方で、介護保険料が更に軽減されるということで、介護保険料は月額平均で約四百四十円軽減される、また、十月からは月額五千円を基準とする年金生活者支援給付金が対象者の方々には支給をされるということになるわけでございます。

○高橋(千)委員 先ほども大臣が同じようなことを言ったんですけれども、今九割軽減になっていて月額が三百八十円である、それが、十月から七割に戻るんだけれども、半年だから一年にならせば七百五十円だ。そういう計算というのは、意味がないんじゃありませんか。現実には、三百八十円の方が一月で見れば三倍になる、これは間違いないですね。

○橋本委員長代理 恐れ入ります。速記をとめてください。
    〔速記中止〕
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

○冨岡委員長 速記を起こして。
 高橋千鶴子君。

○高橋(千)委員 先ほど、年額八十万未満の収入の方は、今九割軽減していて月額三百八十円だ、それが、十月から七割という本則に戻るので七百五十円だというふうなことをおっしゃったんだけれども、年にならしてという考え方というのは、やはり被保険者から見たら関係ない話であって、三百八十円の方が三倍になるということは間違いないと思います。そこだけは確認させてください。

○樽見政府参考人 予算の中で、十月以降、低所得者に対する均等割の特例を廃止するということになっているわけでございますが、結局、半年分そういう形でこの二割のところがなくなるということなので、これを、全国の後期高齢者広域連合におきまして、こういう予算に基づいて保険料を賦課するということになるわけであります。
 そうすると、これは、年度を通して見れば、保険料均等割を八割軽減にしたというのと同じだけお金がついているということでございますので、後期高齢者広域連合の方で保険料を賦課するやり方を全国平均で金額に直しますと、全国で八割軽減というふうにしたのと同じで、月額平均では三百八十円が七百五十円程度になるということでございます。

○高橋(千)委員 今の答弁はおかしいです。
 何で過去にさかのぼって、一年にならせばそうだと言うんですか。私は、被保険者から見て、自分の負担がどうなるかということを聞いているんです。一月三百八十円払っていた方が三倍になる、それ自体は事実じゃありませんか。

○樽見政府参考人 政府の予算で十月からそういうふうになっているということだと思いますが、これに基づいて、後期高齢者広域連合で保険料を各条例で決めるわけでございます。そのときに、保険料を各広域連合が条例で決めるのがどういうふうになっているかというと、平均いたしますと、さっき申し上げたように七百五十円程度というふうになっているということです。

○高橋(千)委員 統計不正と同じですよ、こういうやり方は。
 払う人の立場に立って聞いているんです。払う人の立場になったら三倍になるということに違いがないじゃないですか。予算を出す人はならしたら八割だと、そんなの問題じゃないんですよ。そうじゃないですか。
 大臣、わかるでしょう、私の言っている意味。

○樽見政府参考人 恐縮でございますが、まさに被保険者の方がどれだけ払うかということで計算いたしたものが、これまでが月額三百八十円程度だったものが今年度は七百五十円程度になるということでございますので、まさに、払う被保険者の方が幾ら払うのか、これは、恐縮です、繰り返しになりますが、広域連合が条例で保険料を決めるわけです。そこにそういうふうに書かれるということでございます。

○高橋(千)委員 半年分まとめて保険料を払うんじゃないんですよ。当たり前じゃないですか。年金から天引きされているわけでしょう、その中には天引きじゃない方も入っていますけれども。それを、一年にならしたら七百五十円で済むんだと、そんなばかなことを言っちゃだめですよ。絶対認められません。
 資料の一枚目を見てください。
 これ自体も全くのごまかしなんです。これを低所得者に対する介護保険料軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給とあわせて実施することにすると。あわせて実施というこの描き方がおかしいんです。
 緑の丸の中を見てください。まず介護保険料の軽減、それから年金給付金、この二つとも消費税財源なわけですよね。つまり、増税による負担増を書いていない。こっちには負担増がどのくらいかは書いていないわけです。
 総理は何度も、消費税増税で低所得者に負担増ではないかと聞かれたときに、年金給付金があると答えたじゃありませんか。そうすると、増税の負担増に対する年金給付金でそこはもう相殺されているんですよ。またここで、高齢者の保険料がもとに戻ったとしてもここでいきますよなんて、そんなばかな話はありません。
 まして、給付金は、保険料を四十年間丸々払ってもらえる額であり、全員がもらえるわけではありません。それはもうわかったことだと思います。
 何より、年金がことし、〇・一%増にとどまりました。物価との関係でいえば、実質〇・九%減、年八十万円の年金の方は七千二百円も減になるわけです。
 こういう何か数字のまやかしで、いかにもつじつまはとれていますよみたいな話じゃないんです。実態をちゃんと見て軽減策は当然維持しなければだめだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○根本国務大臣 今回の対応ですが、基本的には、平成二十八年十二月の社会保障制度改革推進本部で、均等割の軽減特例の見直しについては、低所得者に対する介護保険料軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給とあわせて実施すると、実はもう既にその時点で決定されております。
 そして、今回、消費税というのは、釈迦に説法ですが、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するものであります。
 そして、今回の低所得者の高齢者についても、今般の引上げによる消費税財源を活用して、低年金者への年金生活者支援給付金の創設や介護保険料のさらなる負担軽減という措置を講ずることによって支援の充実を図る。実は、もうこういう対応を今回させていただいて、そして本来の本則に戻させていただいた、こういうことであります。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

○高橋(千)委員 だから、あっちにもこっちにも給付金があるからいいよという話だったらおかしいと言っているんです。数字の話ですよ。わかり切ったことじゃありませんか。
 毎年発表している全日本民医連の無保険などによる手おくれ事例は、過去最高の七十七件ありました。うち、後期高齢者短期保険証が五件もあったんです。
 七十代の男性は、ひとり暮らしで、月十万円の年金から家賃三万円、生活保護基準ぎりぎりでやりくりをしています。症状はあったものの医療費が払えないため我慢し続け、昨年、買物先で動けなくなり緊急搬送した。右上葉がんと診断をされて、もう手術とか化学療法が手おくれだったわけです。ただ、運ばれた先が民医連だったので、無料低額診療なわけですね。そこで初めてお金がなくてもちゃんと診てくれるんだと気づいた、もっと早く来ればよかったなと述べたそうです。でも、遅過ぎて、入院して二十六日目に亡くなりました。
 後期高齢者保険料は、年十八万円、月わずか一万五千円の年金からもいや応なしに天引きする仕組みであります。一万五千円未満の人は切符でみずから納めることになりますが、二〇一六年度の調べで、二十三万一千六人の滞納者がいて、うち二万四千二百三人には今言った短期被保険者証が出されているんです。二万四千ですよ。これが更にふえる。命さえも落とす人がふえるんじゃないですか。
 そのことを、ちゃんと実態を見て、負担増はやめるべきではありませんか。もう一度。

○根本国務大臣 高齢者医療の保険料均等割の軽減特例、これは制度創設時の暫定的な特例措置によって本則の七割軽減に更に上乗せして軽減されていたものであります。
 繰り返しになりますが、今回、年金生活者支援給付金の支給や介護保険料の軽減強化といった低所得者の高齢者に対する支援の充実が行われることとあわせて、本来の七割軽減に戻すこととさせていただくものであります。
 毎年、現役世代の拠出金や公的負担がふえていること、あるいは国民健康保険制度においても保険料軽減幅は最大七割であることなども踏まえて、世代間や世代内の公平の観点等から見直しをお願いするものであり、御理解をいただきたいと思います。

○高橋(千)委員 繰り返しませんが、要望します。ちゃんと大臣、調査なり受けとめていただきたいと思います。
 先ほど、本則はもともと約束されていたからという趣旨のことをおっしゃったと思うんです。だけれども、これはやはり本則に戻せない事情があったんですよ。高齢者の実態があったからこそ、また国民の反対の声があったからこそ、これまで維持してきたわけじゃありませんか。
 しかも、後期高齢者医療制度が始まったときは年金カット法なんてなかったんです。マクロ経済スライドをキャリーオーバーしてためていってばっさり削るとか、これから先は賃金スライドも始まるわけですよね。全く状況が違います。
 そういうこともちゃんと見きわめて、払えない実態の中で後期高齢者が命を縮める事態になっているんだということをきちんと認めていただきたい。そのことを重ねて指摘をして、次に行きたいと思います。
 法案の中身に入ります。
 これは資料の二枚目にポンチ絵がありますけれども、オンライン資格確認や電子カルテ等の普及のための医療情報化支援基金、三百億を創設しますが、なぜこの財源が消費税なんでしょうか。

○樽見政府参考人 医療情報化支援基金、オンライン資格確認の導入のための医療機関等のシステム整備、それから、電子カルテの標準化に向けた医療機関電子カルテシステム等の導入というものを支援するものということでございまして、こうした医療機関等におけるシステムの整備等を通じて効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するものでございます。
 消費税法の中で、消費税の使途として、「制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」ということでございまして、まさに社会保障給付に要する経費に使うということにされている消費税の収入というものにふさわしいものであるというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 それを言ってしまったら、年金、医療に関係したら何でも消費税で入るよ、そうしたら消費税は全然足りないよ、そういう議論になっていくんですよ。全然おかしいと思います。だって、そもそもオンライン資格確認の導入は、保険医療機関の任意の選択なわけですよね。全体をどうしてもやらなきゃいけないということを言っていないのに、なぜ財源が消費税なのかということがまずわかりません。
 それで、逆に言うと、もしかしてこれは、今マイナンバーカードの普及が、交付枚数一二・二%です、今後、今は被保険者証をそのまま使ってもいいよ、保険証を使ってもいいよ、マイナンバーカードでもいいよと言っているけれども、いずれ統一したいという意味なんでしょうか。

○樽見政府参考人 午前中もちょっと申し上げたんですが、まさにマイナンバーカードの普及というのはまだまだという状況ではございますが、マイナンバーカードによる資格確認ということが広まっていきますといろいろメリットがある。
 御本人様も、マイナンバーカード一枚で受診ができる、あるいは高額医療の認定証というものを一々請求する必要がないとか、それから、医療機関にとっても保険者である健保組合等にとっても事務コストの軽減ということでメリットがあるということで、このオンライン資格確認のシステムが広がっていくといいというふうに思っているわけです。
 ただ一方で、先生おっしゃるとおり、保険証でもかかれるというふうにしておりますし、マイナンバーカードの普及ということも前提として必要であるというふうに思っているところでございまして、私どもとしては、まずはできる限り多くの医療機関等においてオンライン資格確認のシステムの整備が進むようにしていくということで、この制度の普及に取り組んでいきたいというふうに考えています。

○高橋(千)委員 統一化するつもりはない、つもりはないと言うと、そうだとは言いにくいかもしれないけれども、統一化ではないということだと思います。
 一応確認ですけれども、オンライン資格情報で得られる情報というのは、保険者が変わった、勤務先が変わったりとかしたときに変わっていますよというのはすぐわかる、それはそうなんです。ただ、理論的に言うと、滞納情報、つまり本来であれば資格証明書が出ている状態ですよ、現金で払わなきゃいけないですよみたいなことがわかるようなシステムも可能なんですか。

○樽見政府参考人 御指摘の滞納状況という情報については、提供することを予定しておりません。ただ、これは保険証のかわりといいますか、保険証に当たる情報の部分を電子的に提供するということでございますので、被保険者資格証明書あるいは短期被保険者証に記載されている資格情報というものは保険医療機関に提供する情報に入っているということでございます。

○高橋(千)委員 最初はまず、おりませんということで否定をされました。ただ、保険医療機関としては情報として得ることができると。
 そうすると、やはり、今、保険者によって短期証を熱心に出しているところとそうじゃないところとかさまざまなことがあって、それを出すよりはカードでぱっとわかった方が簡単だなというところに進んだら困るなという問題意識を持って指摘をさせていただきました。理論上は可能だということであったので、それは極めて重大な活用方法である、今後、そういう検討はやめてほしいということを指摘しておきたい、このように思います。
 それで、少し時間の節約をしたいと思うんですけれども、支払基金について先ほどから議論がありました。資料の三枚目に「診療報酬の請求から審査支払までの流れ」というのをつけておいて、おさらいをします。ここを読むだけにしますけれども。
 審査支払い機関が扱う全国のレセプト受け付け件数というのは、支払基金でいうと月で九千百万件、年でいうと十一億件、国保連は八千六百万件、年でいうと十億件という膨大なデータを扱っている。それを、コンピューターによるチェックから職員のチェック、そして審査委員会、こういうふうな格好になるわけなんですけれども、ですから、非常に専門的な技術が職員には必要となっているということだと思います。
 それで、今回、全国四十七都道府県にある支部を廃止して、全国十カ所程度の審査事務センターに集約をすると言われています。私は、これはやめた方がいい、今のままの方がいいと思っているんですけれども、集約がうまくいくかということで実証テストを行った。それでどのような課題が明らかになったのか、お答えください。

○神田参考人 お答えいたします。
 昨年の六月から十二月にかけまして、遠隔地で行います審査事務処理に伴う課題等を把握するために実証テストを実施したところでございます。その結果につきまして、職員及び審査委員から随時意見を聴取して課題を整理しておりますが、主な課題としては三点ございます。
 一点目は、審査の質を維持する上では審査委員と職員とが緊密な連携を図ることが重要でございますけれども、現在の審査支払いシステムでは審査委員と職員が同じレセプトを同時に見ることができなかったということから十分な連携がとれなかったという意見が、職員、審査委員の双方から出されております。また、紙のレセプトにつきましては、支部間で何回か送付、受取、その確認をする必要があったことから予想以上に時間がかかったということ。それから、集約支部に新たに勤務することとなった職員の通勤時間がふえたといった課題が把握できております。
 二〇二二年以降の集約に向けましては、今回の実証テストで明らかになった課題につきまして、審査委員、職員の声をよく聞きながら、課題の解消に向けて検討を進めていくこととしております。

○高橋(千)委員 今御説明いただいた実証テストの実施内容、資料の4と5につけておきました。
 十の支部に対して三つの集約支部ということで宮城、福岡、大阪ですので、本当に限定的だというふうに言わせてもらいたいと思いますけれども、ただ、今いただいた三つの課題というのは結構やる前からわかっていたことかなという気はしますよね。
 宮城に集約して審査委員と職員が話合いをするときにサーバーが福島にそのままあったので議論が難しかったとか、紙レセプトを輸送しなきゃいけないので結構リスクがありますよねとか、それはやる前からわかっていたことかなと思います。一・何%といっても、紙レセプト百五十万とかそのくらいの結構な数でありますから、その処理なども議論になるのかなと思っております。
 それで、資料の六枚目に、全国の支払基金の職員数を出しておきました。四千二百八十人、臨時職員、常勤換算で百七十九人なんですが、手書きで書いておきました、男女比が四十九対五十一で、今、女性職員が多いですね。それだけの職場で八百人の定員削減を行う予定だと聞いております。
 そうすると、さっきやった実証テストでは、宮城に行った人は福島の人しかテストをまだ今回はしていないわけですよね。だけれども、私の感覚からいうと、じゃ、青森の人はとても通いは無理ですよね。そういうふうな意味ではサンプル数がとても少なかったと思うし、そういう限定的なテストでさえも通勤が困難であると認められた職員、例えば、本人が病気を持っていて通勤コースから病院が外れちゃったとか、配偶者や親の介護があるとか、子供さんを保育所に送り迎えしなきゃいけないんだけれどもそれがもう行けなくなっちゃったとか、そういう方たちだけで、テストだけで十五人の方が無理だというふうなことを言われているということを聞いています。
 そうすると、集約支部への転勤では働き続けられない人が出てくるんじゃないかと非常に心配しています。身分保障をどのように行うか、お答えください。

○神田参考人 お答え申し上げます。
 今回の実証テストに当たりましては、ただいま先生御指摘ございましたような、本人の病気ですとか親の介護、子供の養育等の事情のある方は、そのまま、もとの支部で勤務していただくこととしたわけでございます。
 今後、集約を進めるに当たりましては、現在も年に一回は転勤調書といいまして転勤が可能かどうか、困難な事情があるかどうか、またそれはいつごろ解消するのかとか、希望する場合には、その理由ですとか、どこの支部に行きたいかというようなことを丁寧に聞くようにいたしておりますので、今後、集約に当たりましても、職員のさまざまな事情ですとか希望を十分聞いた上で、職員の不安を払拭できるように進めていきたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 今、大事なことをおっしゃったと思うんですが、そういう事情のある方はもとの支部で働いてもらうんだと。結果としては、結局、異動に応えられなくてやめざるを得ないとか、そういうことがないということを保証できるということでよろしいでしょうか。

○神田参考人 私どもの方からも、職員には支部長を通じまして今回の制度改正の中身等については説明をいたしておりますが、その一環といたしまして、支払基金の都合で、転勤できないからといって、一方的な解雇はしないという方針も伝えているところでございますので、職員の事情、意向を丁寧に聞き取りながら進めてまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 理事長、続けて質問したいと思います。
 資料の次のページなんですけれども、これは、支払基金が各自治体の独自の医療費助成事業の支払い審査業務を受託しているという状況の一覧表であります。三十五都道府県、千三百七十四市町村。
 皆さんがよく承知をしている乳幼児医療費とか、一人親家庭とか、重度心身障害者などの主要事業のほかに、右の方を見ていきますと、特定疾患ですとか、ウイルス性肝炎とか、川崎の小児ぜんそくとか、長崎の被爆体験者精神影響調査研究など、やはり自治体独自の特殊性というかそういうものがわかるわけですけれども、こういう独自の事業が支部の廃止によって受託できないということがあってはならないなと思うんですけれども、影響はないんでしょうか。
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

○神田参考人 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘ございましたように、私どものところでは、乳幼児医療、一人親家庭医療、重度心身障害者の医療のほか、独自の地方単独事業につきましても受託をいたしておりまして、現在のところ、三十六都道府県で五千三百四十四事業の受託をしているところでございます。
 これは、医療機関にとりましても個別に地方公共団体に専用の書類をつくる必要がないということですとか、住民の方も窓口で医療費の支払いが要らなくなるあるいは負担が軽減される、それから、保険者にとりましても高額療養費の支払い事務が不要になるといったことがございます。
 また、私どものところで受託することによりまして、通常ですと請求どおりに支払っているものを審査をすることによりまして、内容に問題があるものについては審査をした上でお支払いするということにもつながっておりますので、今後とも、地方単独医療費の助成事業の受託の重要性を認識いたしまして、引き続きその受託に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 確認をさせていただきました。
 では、少し質問を飛ばしたいと思います。また戻ってこられたらいいなと思っているんですが、時間との競争でありますので。
 経産省にきょうは来ていただいております。公的保険外サービスの産業群をヘルスケア産業と呼びますけれども、この市場規模を、二〇一六年は約二十五兆、二〇二五年には約三十三兆円と推計をされました。
 資料の8にそのイメージ図があります。真ん中が公的医療保険、介護保険、この黄色い楕円形ですが、その外側に、ヘルスケア産業、いろいろな可能性がありまして、左側が健康保持、推進に働きかけるものとして、衣、食、住、睡眠、癒やしなどがあります。右側が、要支援、要介護者の生活を支援するもの、これがどんどん膨らむイメージなんですね。ただ、気になっているのは、この黄色い方が、公的なところが縮んでいくのかなというのが気になっているところではあるんですが。
 めくっていただきますと、九枚目の資料は、この一つ一つの産業の内訳を書いておりまして、例えば、わかりやすいところでいいますと、癒やしというのは何かというと、エステとかリラクゼーションサービスが四千億円の市場だけれども五千二百億円になるであろうと。こうしたものをトータルしていってさっきの数字になったと思います。
 ただ、更に気になっているのは、周辺サービスというのがあって、終活とみとりをどこに入れるかみたいなのが、ここにちょっと入っているのが、一つ気になるということですが。
 それと、右側の下に書いているのは、星印、米印というのかがありまして、保険とちょっと切り分けが難しいよねというのが入っています。例えば、フィットネスクラブが介護予防で使われていたりとか、予防接種は自治体の事業で使われていることもあるよねと。
 こういうふうな切り分けをしてみたわけですけれども、これから先はこうした産業が互いに連携とか補完し合ってどんどん発展していくんだろう、それを、経産省としては、多分、ビジネスとして成り立つためにも、公的機関の保有する医療、介護などのビッグデータを活用したいと思っているだろうし、生かしたいと思っていると思うんですが、それはどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

○江崎政府参考人 お答えいたします。
 ただいま御指摘がありましたヘルスケア産業の市場規模でございますけれども、我が国社会の今後の長寿化、さらには高齢化の進展に伴いまして拡大していくものと考えられます。
 特に、今後、疾患のウエートがかつての感染症型のような疾患から生活習慣病や老化型にシフトすることに鑑みますと、予防を基本とする生活管理の重要性は増すものと考えられまして、日々の健康情報や医療情報を活用したヘルスケアサービスのニーズが高まるものと期待されます。
 他方、健康・医療分野におけます適切なサービスの提供には、本人性の確認を始めとするデータの質の確保が不可欠でございます。したがいまして、収集したデータの管理も含めた医療体制が重要と考えられます。
 ちなみに、現在、経済産業省におきましては、日本医療研究開発機構、AMEDでございますけれども、AMEDの事業といたしまして、糖尿病の軽症者など約千名以上を対象に、本人同意のもとで、ウエアラブル端末などを用いて健康データを取得、分析し、重症化予防サービスを構築、提供する実証事業を行っているところでございます。
 今後、ヘルスケア産業を健全に発展させますためには、個人情報保護法を始めとする関係法令の遵守を前提に、公的な医療介護情報を活用することでより効果的なサービスの創出を加速することが重要と考えます。経済産業省としましては、引き続き関係省庁と連携しながら、健康医療データを活用した質の高いヘルスケアサービスの創出に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○高橋(千)委員 ヘルスケア産業に対する国民の関心というのは非常に高いと思うんです。それは全くそのとおりだと思うんですが、ただ、同時に、公的保険がこれまで育ってきた背景からいっても、保険で一定補いながら自己負担を抑えてきたものと、いやいや、こんな便利なものがありますよといって自己負担がどんどんふえるということでは、結局、それができない人には入っていけない世界になっていくという問題。
 もう一つは、さっき聞いたビッグデータの問題というのは、やはり個人情報との兼ね合いというのが極めて重大だと思うんです。それはビジネスの側から見たら、幾らでもデータがあればあったほどいいと思うかもしれないけれども、個人の医療情報というのは極めて機微性が高いものなわけです。
 それで、伺いたいのは、次世代ヘルスケア産業協議会のアクションプラン二〇一八の中で、健康医療情報が民間においても安全かつ効率的に活用されるための検討という、要するに私が聞いた、健康医療情報を民間において、安全というのはもちろんあるんですが、活用したいということが前提にあって今御説明いただいた糖尿病の大規模臨床試験というのもやられていたと思います。
 それについては、ちょっともう時間がないので、資料だけつけておきましたので見ていただいて、七福神アプリという愛知で企画されたアプリを使うそうですが、今、ウエアラブルが主流になっていますので、腕時計みたいにはめておけば、歩数計だとか、さまざまやってデータがたまっていくんだけれども、その入力するデータの多さが、最後のページにあるように、これだけのデータを入力してやったんだなとなったときに、これは、この瞬間、契約した相手との関係で、もうほかでは絶対使わないよといってやったかもしれないけれども、いろいろなものとひもづいていったときには大変な情報になる、こういうことになるわけなんですね。
 それで、これに対して個人情報保護法の仕切りだけでは到底無理なんじゃないのかということに対して、私は大臣に最後に意見を聞きたいというふうに思います。
 特に、先ほど来議論してきた支払基金に集約をするのと同時に、新しい業務として、ビッグデータの利活用、データの分析かつ連結解析、こうしたものをやらせるというふうに今度の法案はなっているわけなんですね。やはりこれは、医療機関をチェックするという、最も信頼が問われる仕事と相入れないと私は思うんですが、どのようにお考えでしょうか。

○根本国務大臣 今後の医療の質の向上や医療関係者の働き方の見直しを進めていく上で、データヘルスの推進は大きな柱であります。
 このような中で、支払基金や国保連においては、これまで膨大なレセプトの審査支払い業務を担ってきた経験や知見を生かした役割を果たしていくことが期待されております。
 具体的には、現時点において期待されるものとして、支払基金や国保などの既存のインフラを活用して、次のような取組を行うことが考えられます。
 健保組合等の保険者に対し、保健事業に資するよう、加入者の健康状態や医療費、予防、健康づくりへの取組状況などのデータを提供する、あるいは、疾病別や地域別に医療費を分析し、その結果を都道府県等に提供することで、医療費適正化計画などの作成、実施を支援する。
 このため、支払基金や国保連の基本理念に、新たに診療報酬請求書情報等の分析等を通じた国民の保健医療の向上及び福祉の増進などを位置づけるとともに、データ分析等に関する業務を追加することとしたものであります。
 支払基金において具体的にどのような業務を行うかについては、現行の審査支払い業務の見直し状況なども踏まえ今後検討していきますが、まずは、NDBや介護DBの連結解析に係る業務を行うことなどを想定しています。

○高橋(千)委員 残念ながら時間が来たのでまた次にしたいと思うんですが、やはり、個人情報に対しての、とりわけ医療や介護の大事な情報にどう向き合っていくのかというお話がなかったのが残念だなと思っております。
 けさの日経一面に、個人が企業に自分のデータの利用を停止できる権利を盛り込むための法改正を目指しているというような報道がありました。諸外国に比べても日本は非常におくれているのではないかという指摘もあったと思うんです。
 私は、これだけのネット社会で、先ほどお話ししたようにヘルスケア産業が広がっている、それはそうだけれども、こうした体制整備が全くできていない中で、全くと言ったらあれですけれども、不十分な中で、データの活用というところにだけ走るということはやはり慎重であるべきだということを指摘して、きょうは終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

―資料ー

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