国会質問

質問日:2007年 3月 20日 第166国会 厚生労働委員会

児童手当法改正

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 今回の児童手当法の改正については、小幅ではあるものの拡充であり、賛成としたいと思います。ただ、懸念されるのは財源問題であります。今回は、緊急雇用創出特別基金からの国庫返納を前倒しすることで国と地方の拡充分を賄う、地方については地方特例交付金として手当てするというものであります。しかしながら、平成二十年度以降については、秋以降の税制改正を含め検討するとされ、明確ではありません。

 大臣、少子化対策と言いながら、子育て世帯に増税では本末転倒だと思いますが、今後の財源について大臣の見解を伺います。

○柳澤国務大臣 平成二十年度以降の公費負担財源の裏づけがないじゃないか、こういう御指摘でございますが、たびたび申し上げておりますように、与党税制改正大綱におきまして「少子化対策のための国・地方を通じて必要な財源の確保について、税制の抜本的・一体的改革の中で検討する。」この一文を入れたわけでございますが、その心はひとえに、ひとえにというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、この児童手当の財源をまず念頭に置いてこれを記したというのも正直なところでございます。

 そういうことで、来るべき税制改革というのはかなり抜本的、一体的改革になる、こういうふうに私ども想定しておりますけれども、その中で、今回の児童手当の公費財源負担分程度のものは十分これで確保するような、そういう財政的なフレームワークを打ち立てることができよう、このように考えておるわけでございます。

 その方向が子育て世帯に対する負担の増大にならないようにという御注文までいただいてしまったわけですが、これはまたいろいろなことを念頭に置いて公平公正な税制を仕組むということでございますので、そういう全体のでき上がりの中でまた御判断いただくしかないんじゃないか、このように考えております。

○高橋委員 きょうは、ここは要望にとどめたいと思います。

 せっかく念頭に置いて財源を確保するのだと言いながら、ふたをあけてみたら子育て世帯に増税では本末転倒なんだ、このことを繰り返し指摘して、やはり財源の捻出に当たっては、不要不急の事業の見直しや大企業優遇税制の見直しなど、最優先してやるべきことがあるのではないかということを指摘しておきたいと思います。

 そこで、きょうは児童扶養手当について伺いたいと思います。

 先ほど郡委員の質疑の中でもありましたけれども、母子家庭は今百二十三万世帯、児童扶養手当を受けている家庭は九十六万世帯を超えています。

 政府は、平成十四年の母子寡婦福祉法の見直しで、平成十九年度中に最大で半額まで児童扶養手当を削減することを決めました。この問題では、私も昨年三月の当委員会で強く反対を述べました。改めて、児童扶養手当は命綱であり、削減するべきではありません。

 まず、一体どれくらいの方に影響が出ると考えておりますか。また、削減幅を今年中に決めることになりますが、どうやって決めるのでしょうか。

○大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまお話がありましたとおり、児童扶養手当制度につきまして、平成十四年の法律改正において、離婚等による生活の激変を緩和するための給付へというふうに位置づけを見直しました。その受給期間が五年を経過した場合にはその一部を支給停止するという仕組みを導入したところでありまして、これが今お話ありましたように、二十年四月から実施されるということでございます。

 その際、法律の中でも、一つは、八歳未満の児童を養育している者あるいは障害を有する者などについて一部支給停止の対象外とするほか、また二つ目に、支給停止する場合も、その給付額については少なくとも二分の一は保障するということが規定されているところでございます。

 今後の進め方でありますけれども、一つは、一部支給停止の対象外となる方の範囲をどうするか、それから、その支給停止する額について検討をすることが必要なわけでありますが、具体的には、現在作業中で夏ごろにまとまる予定であります全国母子世帯等調査、こういったものの結果をまずは踏まえなければなりません。また、法改正時の附帯決議を踏まえまして、改正法の施行状況なども勘案しなければなりません。

 こういったことで、以上の点を勘案しながら、これは年末の平成二十年度予算に向けて結論を得ていきたいということに考えておりまして、その影響を含めて、中身についてはまだ検討中でございます。

○高橋委員 まず、私は、平成十四年の改正のときに、この児童扶養手当の性格を激変緩和だとしたこと、そのこと自体が重大な問題である、こういうふうに指摘をしたいと思います。

 その上で、どのくらいの方が影響を受けるのかはまだ全く明らかにされていないということが今の答弁でわかりました。そして、夏ごろにまとまる調査などを踏まえて、国会決議などもあり、具体的な中身を決めていくということでありますが、その作業と来年度の予算案の策定作業がほとんど重なるわけですね。そういう中で、本当に実態を踏まえて正しい判断ができるのかどうか。何が何でも削減ありきということが前に来ている、これをまずやめるべきではないかと言わなければなりません。

 今回、この見直しに当たっては、就労支援との引きかえでありました。しかし、私は、このことも、それが成果をまだ見ないうちに削減することを決めること自体が問題だと指摘をしました。

 児童扶養手当受給者の自立を促進するため、個々の受給者の希望、事情等に対応した自立支援プログラムを策定し、これをもとにハローワークなどと連携して、就業に結びつけていくことをやるということを決めて、平成十七年度はモデル実施、今年度からは本格実施になっておりますが、その成果がどうなっているか、伺います。

○大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 母子自立支援プログラム策定事業でございますけれども、これは、平成十七年度に東京都、大阪府、それから指定都市におきましてモデル的に実施して、平成十八年度から全国展開したところでございます。

 自治体の数で申しますと、十七年度の十八自治体から、十八年度は百七十五自治体に増加しております。また、そのプログラムの策定数を申し上げますと、十八年度の四月から十二月の実績が約二千二百件ということでありまして、十七年度の同時期の約二百件と比べますと大幅に増加しておるということが見てとれるわけでございます。

○高橋委員 どうしてそういう都合のいい数字ばかりを述べられるんでしょうか。

 十七年度モデル事業で就業に結びついた数は七十一人にとどまっております。大変情けない数字ではないでしょうか。その中でも、常勤者はわずか十八人、非常勤、パートが五十二人、自営業が一人。これ自体がプログラムの成果と言えるのかも怪しいと言わなければなりません。

 今、十八年度で二千二百件とおっしゃいました。しかし、対象となる自治体は、都道府県、一般市合わせて八百自治体あるんです。八百自治体のうち、策定したのが二千二百件、それから実績がどう上がったかというのはまだ未知数であります。到達数でいっても、自治体の二割しかまだ策定にこぎつけていないという状況です。これがあと一年で飛躍的に進むと考えていらっしゃいますか。

○大谷政府参考人 実態につきましては、今、母子世帯の実態調査を含め、あるいは就業支援、ハローワーク等での事業等を行っておりますので、その成果について、この夏に向けて見きわめてまいりたいと思いますが、かなりの進展を見ておるものというふうに考えております。

○高橋委員 もう一度聞きます。

 かなりの進展と言いました。九十六万の児童扶養手当の受給者に対して、今の数字がこの一年で飛躍的に改善されて、削減を考えてもいいような状態になるんですか。

○大谷政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、ハローワークのケースについて見ましても、母子家庭につきまして、これは平成十四年度から十七年度の間に、紹介件数で一・五倍、これは二十七万件、また就職件数でも約一・四倍、六・六万件というふうな増加も見られるところでありまして、こうした推移というものを見きわめながら、今後の判断の参考にしていきたいというふうに考えております。

○高橋委員 何倍かになっているという、それは数字で見ればそうかもしれません。これから何年かけてもやっていくというのであればいいんです。しかし、もうおしりは決まっています。夏には予算編成作業があります。そういう中で見きわめるというときに、見きわめるんであれば、これは削減をやめるしか道はないと思います。

 大臣に伺いたいと思います。

 就業に結びつき、一定の年収があれば、おのずと児童扶養手当は必要とならなくなります。しかし、今お話を聞いてわかるとおり、ことし一年で、もう三月になりましたけれども、飛躍的に改善される見通しがないのに見切り発車でいいでしょうか。児童扶養手当、子供一人で全部支給になっている方、月額約四万一千円をもらえる所得の上限は百三十万であります。今でさえとても厳しい基準ではありませんか。手当を足してようやく百八十万の年収で親子が暮らす、それでも受給者の六割以上が全部支給になっている、それほどに受給世帯の収入は低いのです。これを削ることは余りに酷ではありませんか。大臣の決断を伺います。

○柳澤国務大臣 児童扶養手当の一部支給停止というのは、もうかなり前、平成十四年に決めてありまして、要するに、理念としては、児童扶養手当中心の経済的支援から、就業、自立に向けた総合的な支援へと転換するということをかなり前広に告知をして、そのもとでいろいろな努力もさせていただいている、こういうことでございます。

 いろいろな努力と申しますのは、今委員との間でいろいろ応酬のありました就業のための支援でございまして、ハローワークの方は、絶対数の就業件数でも六万六千件というような状況ですから、これは私はかなりしっかりしたものだというふうに思います。

 それから、自治体における母子家庭等就業自立支援センターの事業というのは、それでも、十五年に比べると、十七年におきましては増加しているということで、今、雇・児局長の方から御答弁をさせていただいたわけですけれども、そういう状況の進展を見ながら、いよいよその時期が近づいてきているというのが現況でございます。

 ここで、それでは児童扶養手当の一部支給停止を、今委員が言うようにストップしてしまったら一体どうなるんだろうかといえば、そういう努力をしてきたことがやはりかなり大きく影響を受けるということは必定だと私は思います。そういうことではなくて、やはり今の一つのフレームワークでみんなが一生懸命やっていることをまずそのまま進めていくということが、最初に掲げた旗印の点からいっても私は正当だと思うわけでございます。

 ただ、実際にどの程度これを停止するか、一部と言ったのはどういうものであるか、あるいは対象の方はどうするのかというようなことにつきましては、最終的に、ここにありますように、「改正法施行後における子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策等の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえて制定する」、それから「その際には母子福祉団体など幅広く関係者の意見を十分聞く」というようなことが、これは衆議院の厚生労働委員会の附帯決議でございますが、そういうこともうたわれておりますので、そういうことを総合的に判断して結論を出していくということを考えているわけでございまして、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

○高橋委員 大臣、今おっしゃったことの意味がわかっていらっしゃるんでしょうか。削減をストップしたらどうなるんだろうか、そういう努力が無駄になるという意味のことをおっしゃいました。就労支援の努力が進めば児童扶養手当を受ける必要がなくなるんです。無駄にはなりません。それをあらかじめストップしなければいけないと決めるということは、いわゆる兵糧攻めにすることと同じことです。そういう意味がおわかりですか。

 残念ながら時間が来ましたので、このことは強く抗議をして、関係団体の皆さんが限りなく削減幅は小さくしてほしいと言っている、そのことを少なくとも踏まえて、今のようなことはないように、影響を受けないように強く要請をして、終わりたいと思います。

 以上です。

○柳澤国務大臣 もう高橋さんは終わられてさっさと席に帰られたのに、私が答弁に立つのもいかがかと思いますが、私は、議論として申し上げたわけでありまして、私の考え方というのは、最終的に申したように、これを決めたときの厚生労働委員会における附帯決議なぞも総合的に勘案して決めますよということを申したわけでございます。

 これ以上は申しませんが、そういうことでございますので、誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。

○高橋委員 誤解していませんから。また次にやります。

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