国会質問

質問日:2007年 4月 13日 第166国会 災害対策特別委員会

原子力災害対策

 日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院災害対策特別委員会で、原子力発電所の地震などによる災害対策について政府の姿勢をただしました。

 電力会社の発電施設における過去のデータ改ざんが相次いで発覚したことを受けて、経済産業省は昨年11月、全電力会社に総点検を行うよう指示しました。今年三月末に提出された点検結果によれば、データ改ざんは309件(原発には98件)に達していることが判明しています。

 高橋氏は、電力会社の報告は「事故隠しへの反省のかけらもない」と批判しました。原子力安全・保安院の佐藤均審議官は、「総点検結果報告や、再発防止策の内容を踏まえ、電力会社が再発防止に努めるよう厳格に指導していく」と答えました。

 高橋氏は、東京大学地震研究所の調査結果では、能登半島地震の際に震度が小さいものの揺れる時間が長く、橋梁や超高層ビルが弱い長周期地震があったと指摘していることを紹介。「使用済み燃料のプールが飛散したことはこの揺れに波動が合ったためではないか」として、長周期地震動が原発に与える被害も含めた研究や耐震対策を求めました。

 佐藤審議官は、「原発に設置している地震計のデータ解析をすすめている。解析結果をふまえ適切に対処していく」と答えました。

(2007年4月17日(火)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、原子力防災について伺いたいと思います。

 電力会社の発電設備における過去のデータ改ざんが次々と発覚したことで、昨年秋に経済産業省が電気事業者に総点検を指示し、三月末で三百九もの事案があったことが判明しました。しかも、北陸電力志賀原発を初め、福島、女川、浜岡、柏崎刈羽などでは制御棒の落下というトラブルもあり、志賀原発と福島原発では臨界事故まで起こしていたことが判明し、本当に許せないと思っております。

 私は、九九年に青森県議になり、議会真っ最中のときにジェー・シー・オー事故が起こり、急遽、深夜議会で質問したことがございました。日本初の臨界事故の衝撃は大変大きく、救急体制はどうか、沃素剤はどこにあるのか、避難路はどうなっているのかなどなど、県民の目線で質問を浴びせたことを鮮明に覚えております。

 この事故を受けて原子力災害対策特別措置法がつくられ、災害対策基本法に基づく地域防災計画原子力編の見直しも迫られました。しかし、私たちは、その後もたびたび、県当局があってはならないことと言うトラブルに直面し、そのたびに県民の不信感は膨張し、国策だといって出口のない核燃サイクルの推進はやめようと訴え続けてまいりました。

 二〇〇二年、東電のデータ改ざんのときは、本当に裏切られたと怒り、県当局も初めて、党が長い間提案してきた、推進と規制機関を分離せよと国に迫ったのです。福島第一原発の改ざんは、原子炉の格納容器という原発の中心にかかわるデータを改ざんしていたという極めて悪質なものでありましたが、あれほどおわびをし再発防止を誓っていたとき、実はその二十四年も前に制御棒が五本も落下し臨界事故が起きていたとは、絶対に許せないという思いであります。

 そこで、まず、大臣に伺います。

 原子力施設と地震の関係は、今、災害対策の中でも重要な柱の一つであります。また、原発の安全対策の大前提は信頼の確立、私はそのように考えますが、この点について大臣の所見を伺いたいと思います。

○溝手国務大臣 御指摘のように、我が国はどこでも大きな地震が起こり得るという国土条件にあり、地震に強い国づくり、町づくりを進めることが重要であると考えております。広域における経済活動等に著しい影響を及ぼすような施設については、特に高レベルの地震動に際しても、他の構造物や施設に比べて耐震性能に余裕を持たせることを目標としていかなくてはいけないと思っております。

 御指摘の原子力発電所につきましても、当然ながら的確な地震対策を実施することが必要であり、しっかりとした地震対策がとられているものと考えております。

○高橋委員 その上で、やはり国民からの信頼の確立ということは、同じ気持ちでよろしいでしょうか。一言。

○溝手国務大臣 そのとおりでございます。

○高橋委員 ありがとうございます。

 それでは、保安院に伺いたいと思います。

 制御棒は、臨界しながら発電をする原子炉にとって重要な安全装置であり、今回の事故は絶対に看過できない事象だと思いますが、その点についてまず確認をしたいと思います。

 続けます。

 その上で、東電が四月六日提出した再発防止策を見ますと、しない風土、させない仕組み、こうしたことが柱になっております。これは二〇〇二年のデータ改ざん時に企業内の風土が問題だったということを繰り返し言いわけしたレベルと余り変わっていない、率直にそう指摘せざるを得ません。

 発覚すれば原発をまたとめてコストがかかる、それが一番の原因でありました。ひびが入っていることを定期検査のたびに確認をしながら放置し、国の検査が入るときにこっそり新しいものと入れかえていたという当時の生々しい報告書がありました。東電の副社長は、そのとき、うそにうそを重ねることになったと深く陳謝をしたのでありました。

 また、今回の志賀原発に至っては、当時所長代理として事故隠しにかかわった現在の常務が、昨年十一月に北陸電力や下請業者らを集めて開いたトラブル防止の総決起大会において、最近のトラブルの要因はほとんど人為的なもの、もう少し注意していたら防げたはずと呼びかけています。自身がかかわった事故隠しへの反省はかけらもないと言わなければなりません。これでどうして再発防止策ができるでしょうか。抜本的な対策がとれるか伺います。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省は、昨年十一月に、全電力会社に対しまして、すべての発電設備において過去にさかのぼりデータ改ざんや必要な手続の不備、その他同様の問題がないか総点検を行うよう指示いたしました。

 三月三十日でございますけれども、経済産業省は、電力会社から発電設備におけるデータ改ざん、必要な手続の不備などについての総点検結果の報告を受領いたしました。今回の総点検結果で明らかになったデータ改ざんは三百九事案ございまして、このうち、原子力については九十八事案の改ざんなどがございました。また、四月六日でございますけれども、経済産業省は、電力会社から発電設備の総点検結果を踏まえた再発防止対策を受領いたしました。

 経済産業省といたしまして、電力会社からの総点検結果の報告、再発防止策の内容などを踏まえ、電力会社が再発防止に努めるよう厳格に指導してまいりたいと考えてございます。

 特に、制御棒引き抜け事案を含みます事故トラブル情報については、経験を事業者間で共有することなどにより再発防止に生かし、一層の安全性の向上に努めるよう指導していきたいと考えております。

○高橋委員 最後に、特にということで制御棒について触れていただきましたけれども、やはり原発の命綱とも言える重要なものなんだということは確認してよろしいですね。

○佐藤政府参考人 原子力発電を運転するに当たりまして、制御棒はまさにブレーキの役目をするものでございます。したがいまして、今先生御指摘のありましたように、制御棒のこういった引き抜け事故につきましては、今後起こらないように、必要な手続などについて所要の見直しがなされているということを確認いたしてございます。

○高橋委員 志賀原発は、能登半島地震のときにトラブルで停止中でありましたけれども、使用済み燃料プールの水、約四十五リットルが飛散したと聞いております。プールの水面というのはかなり床面から下の方にあるのですけれども、どうして水が飛散までしたのでしょうか。これは地震の揺れ方に原因があると思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤政府参考人 志賀原子力発電所一号機におきましては、能登沖地震により、使用済み燃料を貯蔵いたしますプールの水面が揺れ、放射性物質を含むプールの水、約四十五リットルがプール周辺に飛散いたしました。この飛散した水の多くは、プール周辺に張られました防護シートに落ちておりまして、その周辺部に拡大するおそれはなく、また、防護シート外に飛散した水は少量であったことから、安全上の問題はなかったと考えております。

○高橋委員 安全上の問題を聞いているのではなくて、地震の揺れ方と関係があったのではないかということです。

 東大地震研の強震動グループは、能登半島地震による長周期地震動について映像で示しております。四分間くらい長く続いた。長く続く地震に超高層ビルですとか橋梁とかは非常に弱いということが、中央防災会議でも今研究している最中でありますけれども、震度自体は小さいけれども、長く続くことによってそういう被害が起きる。そういう揺れと原発の関係についてちゃんと研究をされているのか、するべきだということを踏まえて質問しています。

○佐藤政府参考人 原子力発電所におきましては、地震のデータを観測するためにさまざまな地震計を設置しております。現在、この地震計のデータの解析を北陸電力において進めているところでございまして、そういった解析結果を踏まえ、適切に対応していきたいというふうに考えてございます。

○高橋委員 新たな事象も踏まえて、しっかりした耐震対策をやっていただきたいということを要望して、終わります。

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