国会質問

質問日:2019年 2月 18日 第198国会 予算委員会

統計不正/〝数字でウソついた〟

高橋議員が批判/衆院予算委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は18日の衆院予算委員会で、厚生労働省「毎月勤労統計」の不正調査をめぐり、雇用・労災保険の過少給付の問題や、首相官邸による統計問題への関与についてただしました。
 高橋氏は、勤労統計の2012年以前のデータが足りなくなり、追加給付額の確定のための再集計が正しくできなくなったとして、「このような形で毀損したことの重大性をどう受け止めるか」と質問。安倍晋三首相は「重く受け止める」などと答弁しました。
 高橋氏は、昨年の裁量労働制のデータねつ造の際には、安倍首相が〝裁量労働の人の労働時間は一般労働者より短い〟との根拠に、異常値も多数出たデータを持ち出し、最後は撤回して、法案から裁量制拡大の部分を削除したと言及。「数字でウソをつくことになった」と批判し、安倍首相は「国民に疑念を抱かせる結果になった」と陳謝しました。
 高橋氏は、15年9月3日の参院厚労委員会で、安倍首相が日本共産党の小池晃議員に、賃金のマイナスの背景に関し「調査対象事業所の入れ替えもあり」と答弁したことを指摘。「1月に毎月勤労統計で調査対象事業所を入れ替え、この時、サンプル入れ替えが賃金のプラス、マイナスに大きくはねると認識したのか。中江(元哉)秘書官から説明を受けてからか」とただしました。
 安倍首相は「私から何らかの指示をしたことはない」としか答えませんでした。(論戦ハイライト2面)
(しんぶん赤旗  2019年02月19日付より)

論戦ハイライト/勤労統計不正受け高橋氏が追及/重大性認め、謝罪を

 18日の衆院厚生労働委員会で、厚労省の毎月勤労統計の不正・賃金偽装問題についてただした日本共産党の高橋千鶴子議員。公的統計への信頼が失われ、2012年以前のデータが足りないため正確な統計データを失ってしまったとして「事の重大性を率直に受け止め、国民に謝罪すべきだ」と述べ、全容解明を求めました。

数字でウソつく
 高橋氏は、昨年も安倍首相の答弁がきっかけとなって、裁量労働制の労働時間データがねつ造され、比較できないデータの比較や元データの異常値などが発覚したとして「数字でウソをつく」結果となったことを指摘。このときも、厚労省は内部職員による監察チームの検証で済ませたとして「これは厚労省の常とう手段か」とただしました。根本匠厚労相は、「常設の監察チームのメンバーで基礎的な事実関係の把握を行った」としか答えませんでした。
 高橋氏は、毎月勤労統計の不正・賃金偽装問題で調査にあたっている厚労省の特別監察委員会の樋口美雄委員長が2009年の統計法改正当時から14年まで統計委員長を務めてきた点などをあげ、次のようにただしました。
 高橋 長年にわたって行われてきた不正は許せないものではないか。
 樋口 長年統計に携わってきた者の義務であり、使命感からこの仕事を受けた。
 高橋氏は「その使命感が傷つけられる結果になったのではないか」と強調しました。

誰が何のために
 さらに、高橋氏は、毎月勤労統計で500人以上の事業所の全数調査を厚労省が不正に抽出していたことについて、「どこまでわかっていたのか」と追及。当時の厚労省の統計部門責任者だった酒光一章元政策統括官は「全数調査であるところが抽出であったことは聞いていたが、制度を十分に検証した上だったらありうると思っていた」などと答えました。
 高橋氏は、毎月勤労統計では従業員499人以下の事業所でも東京都だけ他の道府県と違う抽出率で行い、復元だけは全国一律のやり方で行うなどデタラメな調査方法だったことを指摘し、次のようにただしました。
 高橋 一体、誰が何のためにこんなことをしたのか。こんな細かい技術的な計算を「漫然と」引き継ぐなんてことはできない。
 酒光 499人以下の事業所については在任中に把握していなかったので、理由はよくわからない。
 高橋氏は、複雑な手法で不正調査が行われてきた点をあげ、「組織的にやらないとできない」と指摘。お手盛り調査を追認している根本厚労相に対して、「大臣資質が問われる」と厳しく批判しました。
( しんぶん赤旗 2019年02月19日付より)

 

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 数字はうそをつかないとはよく言いますが、数字でうそをつくことはできる。残念ながら、今の安倍政権が繰り返してきたことではないでしょうか。
 統計法第三条第二項は、「公的統計は、適切かつ合理的な方法により、かつ、中立性及び信頼性が確保されるように作成されなければならない。」と書いています。
 初代統計委員長の竹内啓東大名誉教授は、特に、政府の圧力によって統計が歪曲されないこと、つまり、統計が政府にとって都合のよい形でつくられたり、逆に、必要な統計がつくられなかったり、あるいは不適切な形で公表されたりすることを防ぐために必要であると強調されています。これは、別に今の事態を見てのコメントじゃないんです。昨年の雑誌「統計」に寄稿されたものです。普遍的な理念であろう。
 統計の政府当局からの独立性がまさに今問われています。石田総務大臣、どのような認識を持っていますか。

○石田国務大臣 お答えさせていただきたいと思います。
 もうずっと答弁をさせていただいているように、本当に公的統計は国民生活にとっても非常に重要なものでございますので、しっかりしたものにしていかなければならないと思っております。
 そういう中で、統計法第三条の第二項のとおり、「公的統計は、適切かつ合理的な方法により、かつ、中立性及び信頼性が確保されるように作成されなければならない。」こうした統計法の基本理念を実現するため、各府省から独立した第三者機関として統計委員会が設置をされまして、統計整備の司令塔として、中立公正かつ専門的な見地から、各府省が行う統計調査に対するチェック機能を果たしているところでございます。
 また、昨年の統計法改正では、このような統計委員会の機能を強化するために、総務大臣の諮問によることなく自律的、機動的に意見を述べることができるようにするなど、所要の規定が整備されたところであり、まずは、こうした機能を十分に活用していくことが重要であろうと考えております。

○高橋(千)委員 このパネルを、総理、見ていただきたいと思います。
 真ん中が真っ白なこの表は何か。今月八日に発表された毎月勤労統計、平成三十年の速報です。東京都分の五百人以上の事業所を全数と言いながら抽出にしていたなど、不正調査を一定のルールのもとで再集計したのが下の数字なんですけれども、平成二十四年以前のデータが足りないために再集計ができなくなっています。非常に衝撃でした。もう取り返しがつきません。
 長い年月、多くの方々の苦労の上に、この国の姿を示してきたのが毎月勤労統計ではないですか。それが、このような形で毀損してしまったという事の重大性をどう受けとめるのか。それを率直に認め、国民に謝罪すべきだと思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼また統計に対する信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。
 また、現状において、統計データの欠落が一部に生じていることについては重く受けとめているところでございます。
 いずれにいたしましても、本当に長きにわたってこうした問題を見抜けなかったことについて、改めて責任を痛感をしているところでございます。
 今回のようなことが二度と起こることのないよう、徹底した検証を行うとともに、再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 なぜ、統計不正が発覚して、例えば雇用保険の失業給付や労災保険の追加給付につながるのか。雇用保険法第十八条に「毎月勤労統計」と明記した根拠規定がありますが、基本手当の日額を決める際、御本人の賃金に対して五割から八割掛け。その割合は、賃金が低い人ほど割合が高い、こういう基本があります。その上に、毎勤の賃金変動率で上限額を引き上げます。それが、不正によって低くずっと出ていたんです。そして、これを再集計を幾らしても、このままでは正確な数字は出ません。その意味を本当に理解しているのか。真相解明も含めて、これを重く受けとめると言うだけではない、本当に実態で示していただきたいと思う。
 そこで、次に伺いますが、総理の答弁が端緒となって発覚したのが、昨年の裁量労働制データ捏造問題です。
 お手元の資料二を見てください。
 昨年一月二十九日の予算委員会で総理は、平均的なもので見ると裁量労働制で働く方の労働時間の長さは一般労働者よりも短いと、声を張り上げました。働き方改革法案で、野党が繰り返し、裁量労働制の方が長時間労働であり、過労死がふえるのではないかと指摘したことに多分反論したかったんだと思います。
 しかし、その総理が根拠としたデータは、比べてはいけないものを比べたものであり、さらには、もとデータに異常値が多数含まれていたことまで発覚しました。結局、裁量労働制にかかわるデータを撤回し、法案から企画業務型裁量労働制の部分を削除する事態に追い込まれました。
 総理もよく覚えているはずです。数字でうそをつくことになってしまったのではありませんか。統計調査が政府から独立しているとは到底言えない、そういう事態だと思いませんか。

○安倍内閣総理大臣 この答弁につきましても、それまで厚労省が出してきたものについて、それをもとに答弁をしたものでございますが、結果として、昨年の政府の裁量労働制に関するデータについては、国民の皆様に裁量労働制の改正について疑念を抱かせる結果となったことはおわび申し上げます。
 どうしてこういうことになったのかということについて、もし必要であれば厚生労働大臣から答弁させたいと……(高橋(千)委員「必要ないです」と呼ぶ)必要ないということでございますので、続けまして私から答弁させていただきますが、本件は、統計の独立性以前の問題として、厚労省においてデータを取り扱う際の注意の欠如により、本来は性質の異なる数字を比較するという誤りが生じたものであります。再発防止のために一層の緊張感を持って職務に臨むべきことを徹底させたところでございます。

○高橋(千)委員 これはやはり、さっき私が言ったように、繰り返し、裁量労働制の方が長時間労働になる、過労死のおそれがあると随分厚労委員会で議論したんですね。そのときに苦し紛れに出てきた数字であった、それは本当は比べちゃいけない数字で、わずか二十一分の差です。それをいかにもな形で、一般の人の方が長いんですと総理が言ったことで、つじつまを合わせなきゃいけなくなったんですよ。そっくりじゃないですか、今の事態と。それを自覚してくださいと言っています。
 実は、このときの裁量労働制データ問題について、なぜこんなことが起こったのかという、厚労省の監察チームが検証を行って、昨年七月十九日に報告書を出しています。見てください。これは三月下旬から始まったんですけれども、この時点で既に、今回の統計不正に比べると長い時間をかけています。それだけは確かです。
 でも、よく見てください、上の段。ヒアリングを行ったのは事務局である大臣官房です。局長、課長級四名、課長補佐級以下十三名。五月十八日にやっと第一回会合をやって、報告を受けて、実際に外部構成員がヒアリングを行ったのは、局長、課長級の五名のみです。
 根本大臣、御存じでしたか。これが厚労省の常套手段ですか。国会の追及をやり過ごすときは、有識者がやっているから、そう言い、実際は厚労省がレールを敷いている、そういうことじゃありませんか。

○根本国務大臣 厚生労働省においては、検証すべき事案が判明した場合、迅速かつ中立的、客観的に事案に対処をする上で、まずは、実は常設の監察チームを置いています。そして、常設の監察チームのメンバーである官房課長や事務局である大臣官房の職員で基礎的な事実関係の把握を行って、外部の有識者に評価していただき、必要に応じヒアリングにも参画していただくという手法が通例なんですが、今回の毎月勤労統計調査に係る検証においては、まずは基礎的な事実関係の把握を速やかに行うため、監察チームによるヒアリングとして、人事課職員等による聞き取りをずっとやっておりましたが、今般の事案の重大性に鑑み、過去の経緯と原因について徹底的に解明するためには、調査の中立性、客観性を高めるとともに、統計に係る専門性も重視した体制とする必要があることから、民間有識者のみで構成する特別監察委員会を設置いたしました。

○高橋(千)委員 どこに、このヒアリングに専門性を発揮するチャンスがありますか。たった五名のヒアリングしかやっていない。あとは報告を受けているだけじゃないですか。
 今回、特別監察委員会が、第三者委員会、成り立たない、なり得ないと指摘をされて、今追加の調査をやっているんでしょう。それ自体も問題ですけれども、根っこは同じなんですよ。去年から同じことをやっていた。ちゃんと認めてください。

○根本国務大臣 前回の裁量労働制、この問題については監察チームがやっておりました。外部構成員によるヒアリング、五名やったんですけれども、今回の事案、これについては、もう既に私がお話ししたとおりに、調査の中立性、客観性を高めるとともに、統計に係る専門性も重視した体制、だから、その意味では、民間有識者のみで構成する特別監察委員会を今回設置をいたしました。一月二十二日に報告書を取りまとめた後、国会審議における御議論を踏まえ、中立性、客観性をより高めた形で、そしてより独立性を高めた形で、さらなる検証を行っております。

○高橋(千)委員 これについては、裁量労働制の再度の法案提出のために、今いろいろな審議会をやっております。このような結果で先に進むことは許されません。やり直しすることを強く求めます。
 そこで、特別監察委員会の樋口委員長に伺いたいと思います。このような第三者とは言えない特別監察委員会のやり方をどう感じていらっしゃいますか。
 まだ、何一つ真相が解明されていません。なぜかというパネルをつくってみましたが、一つ一つ読むだけで時間がなくなっちゃうので、九六年から、三万三千二百事業所と言っておきながら、三万でいいよねと、ずっとそうやってきたんです。なぜ東京都だけ抽出で、かつ復元もしなかったのか。一つ一つ、何の答えも出ていません。
 今回の特別監察委員会の報告が組織的隠蔽とまでは言えないというのは、樋口委員長も了解した全体の総意なんでしょうか。

○樋口参考人 本日は、独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事長として招致されているというふうに認識しております。このため、ただいまの御質問につきましては答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思います。恐縮です。

○高橋(千)委員 非常に残念です。
 樋口先生は、二〇〇九年、新統計法の改正の全面施行時から、二〇一四年まで統計委員長を務めていらっしゃいました。どんな思いで、統計改革の先頭を切っていた方が、この今の事態を見ていられるのか。
 先生が、昨年、JILPT、労働政策研究・研修機構の理事長に任命されたときに、その任命理由にはこう書かれています。「樋口氏は、他の追随を許さない労働問題に係る識見、労働政策の展開に貢献してきた経験、労働経済研究の第一人者としての社会的地位、労使等からの厚い信頼を得ていることから、本機構の使命達成に向けて的確に対応いただけると判断したもの」とあります。
 毎月勤労統計は、まさにその、労使に中立であることが最も求められるとして築いてきた統計調査であるはずです。だからこそ、長年にわたって行われてきた不正は許せないものではありませんか。一言お願いします。

○樋口参考人 先生が御指摘のとおりに、私、統計委員会の委員長を務めさせていただきました。
 そのときの思いも込め、そしてまた、今回、問題を明らかにする上ではどうしても統計の専門家の知識、情報といったものが必要であるというふうに考え、引き受けさせていただいた次第であります。
 実態を明らかにするという、そしてまた防止策を考えていく上では、まさに長年統計に携わってきた者の義務であり、そしてまた使命感からこの仕事を受けさせていただいたという次第でございます。
 以上でございます。

○高橋(千)委員 その使命感が本当に傷つけられる結果になったんではないのか、それを本当に聞きたいと思います。
 委員長、改めて、荒井特別監察委員会の委員長代理、並びに樋口委員長を監察委員会の委員長として出席を求めます。

○野田委員長 後刻、理事会にて協議をいたします。

○高橋(千)委員 パネルを見てください。
 東京都の五百人以上の事業所は、実際は千三百八十三あるものの、六百六十二しか調査をしていませんでした。しかし、この調査というのは常用雇用労働者の数で見ますので、東京は百六十九万五千百一人もいるんですね、母集団。これは、ようやっと一月三十日の統計委員会に出された数字です。それが半分の八十二万しか調べていないわけですから、東京都のデータの影響がいかに大きいかですよね。
 ひょっとして、ちゃんと計画どおりの調査をしていたら、朝から議論しているように、官邸や麻生大臣から、なぜサンプルをかえるたびに以前の統計をさかのぼって低くなるんだ、おかしい、そんなことを言われなかったかもしれないんです。全数調査ですから、サンプルが大きいんですから、本来はそうだったかもしれない。
 大きな声に押されて調査方法を変えたどさくさに、長年隠されていた不正データも同時に修正する、その形で紛れ込ませたのではありませんか。これが一つです。
 一緒に答えてください。
 それから、これは一月三十日の統計委員会に出された資料なんですが、全数調査という場合は、これ、一という数字があります。一分の一なんです。本当は全部一じゃなきゃいけない。ところが、東京都だけ違うんだけれども、その数字が三だったり二だったり、さまざまあるんですね。しかも、年度によって変わったりしている。非常にややこしい。こういう複雑なやり方をして、今回の全数調査ですということを、ずっと隠してきた。
 大西前統括官、あなたはどこまでわかっていたのか。酒光元統括官にも同じ質問をします。

○大西参考人 お答え申し上げます。
 記憶によりますれば、十二月十三日に、担当室長から、五百人以上規模の事業所で全数調査すべきところを、東京都において抽出調査をしていた等の説明を受け、初めて知ったところでございます。
 今御質問にございました東京都の抽出率の関係でございます。これにつきましては、本件の事実関係を調べている過程で担当室の職員から提示をされた、そういう記憶がございます。ただ、それ以上の過去の経緯等につきましては、説明を受けた記憶もございませんで、申しわけございませんが、その辺の経緯については承知しておらなかったということでございます。

○酒光参考人 お答えいたします。
 東京都の五百人以上で全数調査であるところが、全数でなかった、抽出であったということにつきましては、先ほどもちょっと別の方の答弁で申し上げましたけれども、聞いていたところなんですけれども、特に経緯等について詳しく聞いたということではありませんけれども、東京都は五百人以上の事業所の母集団もかなり多いので、そういうことも精度とか十分に検証した上でやっているんだったらあり得るのかなというふうには思っておりました。
 ただ、その経緯等は聞かなかったので、どうしてそういうことを始めたのかについては承知をしておりません。ですから、それをまた何か毎回変えていたというふうな事実についても承知をしておりませんでした。
 それからもう一つ、四百九十九人以下においても、全国……(高橋(千)委員「まだ聞いていない」と呼ぶ)失礼しました。

○高橋(千)委員 ちょっと今、酒光さんが先走ってしまったので、答えたいのでしょうから、聞いていきたいと思います。
 五百人未満の事業所についても、これは違っていたということが書かれてあるわけなんですね。
 これ、マーキングしましたけれども、全国と東京都が違う部分なんです。これは、横で見て、産業が同じであれば同じ抽出率でなければならない。そして、復元するときも当然同じなんです。
 ところが、それぞれ違うでしょう。八に対して四とか、二四に対して四とか、違う。ところが、復元するときは一律の復元にしちゃった。そうすると、めちゃくちゃな数字が出ませんか。
 誰が何のためにこんなことをしたのか。しかも、これは単なる漫然とではいかないと思うんです。毎回、だって数字を細かい計算のもとに、先ほどおっしゃいましたよね、あり得ると。これは、あり得るという一定の技術的な計算をしているんですよ。なのに、何で復元するときはごちゃごちゃの数字になっちゃった。これはどういうことですか。

○酒光参考人 資料を一ページちょっと間違えて見てしまいましたので、申しわけございませんでした。
 四百九十九人以下の事業所について、全国一律の抽出率じゃなくて東京都だけ独自の抽出率を設けたということにつきましては、私、在任中には把握しておりませんでしたので、経緯ですとかその理由もよくわかりません。
 また、当然ながら、復元していた、しなかったということも存じておりませんでしたので、またその理由についてもわからないということでございます。申しわけございません。(発言する者あり)

○高橋(千)委員 今、誰を呼んだらいいという声がありましたので、当時の関係者を全部招致してくれないと、とても話がわかりません。お願いします。

○野田委員長 後刻、理事会にて協議いたします。

○高橋(千)委員 私は、今度のことで思ったのは、これはとてもじゃないが、組織的にやらないと、単に一人の人がずっと長い間この計算をしていたなんて、それを、漫然と、はい、わかりましたと引継ぎなんてできませんよ。絶対できない。
 根本大臣、この事の重大性、わかっていますか。知っていましたか。

○根本国務大臣 この事実については、特別監察委員会で、具体的な事実関係あるいは関係職員の動機、目的、認識、そして責任の所在を明らかにする報告書、これを一月二十二日におまとめいただきました。
 私は、その報告書の中身を読んで、今、高橋委員が御指摘されているようなことは、あの報告書に書いてありますから、私はそれを読ませていただいて、事実関係を把握させていただきました。

○高橋(千)委員 それは、悪いけれども、自慢するところじゃないんですよね。一月二十二日にわかったというのは、それは、まずいでしょう。
 十番目の資料を見てください。
 昨年の十二月十四日に、総務省から厚労省の参事官宛てに、「毎月勤労統計調査の実施に係る経緯等の報告及び注意喚起について」という通知が出されているんですよ。これも報告書に書いてありますよ。だけれども、十二月十四日なんですよ。順次報告しなさいと書いてあります。これは、統計法違反が疑われているという意味なんですよ。これを全く知らずに、一月二十二日の報告書を見て初めて知りましたと。
 これは本当に、大臣、教えてもらえなかった、それで済まない問題なんですよ。大臣の資格が問われる問題、わかりますか。

○根本国務大臣 ちょっと私、誤解したかもしれませんが、高橋委員が先ほど、東京都で抽出率、違うでしょう、そしてそれを、全国の抽出率、復元倍率も違っていましたねと。そのことについて、報告書でそこは事実解明をしていただきましたから、そこは私は報告書ということを申し上げました。
 そして、この事実関係については、今般の事案について私が報告を受けたのは十二月二十日。そして、そのときには、五百人以上規模の事業所において全数調査とすべきところ、東京都において抽出調査を行ってきたこと、抽出調査の結果に必要な統計的処理を加えず、適切な復元処理を行わずに集計していたこと、ですから、私からは、経緯、原因等について速やかに徹底的な調査を行うよう指示をいたしました。

○高橋(千)委員 だから、こんなに手の込んだことをやっていたということを知らなかったでしょうと聞いたんです。
 それで、確認します。
 十二月十四日の通知、これは大西前統括官に聞きます。大臣に報告していませんね。確認です。

○大西参考人 お答えいたします。
 十二月十四日の文書につきましては、私どもの参事官宛てに文書を受領したことについて、その日の夜に報告を受けた記憶があります。
 いずれにいたしましても、今回の事案の事実関係、経緯等について早急な調査が必要であるということについては認識しておったところでございます。
 また、大臣には、二十日に一報したというところでございます。

○高橋(千)委員 一報ということは、通知の中身を伝えていないという意味なんです。そう聞いたんです、私。
 ここに、やはり、厚労大臣の危機管理のなさ、危機意識のなさがあると思います。昨年も同じような問題があった。秋には水増し問題があった。そのたびに、有識者に任せています、本当は全部お手盛りだったのに。それを追認してきた、そこに大臣の資質が問われる、ここを言っておきたいと思います。
 政治の関与があったのか、これはまだクエスチョンマークです。そのキーマンである姉崎元統計情報部長が出席されていないんです。毎月勤労統計改善の検討会の主催者であります。
 検討会が始まった二〇一五年の三月三十一日に中江元首相秘書官が厚労省に説明を求めたこと、十月十六日の経済財政諮問会議の麻生大臣の発言を得て、その検討会が中断し、調査の手法が大幅に変更になったこと、これは認めている事実だと思います。
 第一回の検討会は二〇一五年六月三日です。資料の十一を見てください。六月三日、その日の朝刊、読売新聞です。「経済好循環へ節目 実質賃金四月〇・一%増 二年ぶりプラス」。
 わずか〇・一%でも、二年ぶりだ、やっと上がったと喜んで一斉に報道するくらい、特に実質賃金に関心が強まっていますと、姉崎部長は検討会を始める趣旨をこう説明したんです。アベノミクスの成果が問われる中で、これだけ、〇・一%、二年ぶりが、関心を持っているんだ、そう言って始まったんです。
 ところが、次の資料、これは六月十八日に出された確報です。残念ながら、〇・一%増がマイナス〇・一%に転じてしまいます。ずっとマイナスになってしまいました。
 総理が国会で毎月勤労統計の調査手法について認識をしたのは、既にお答えがあったとおり、二〇一五年の九月三日、参議院の厚労委員会、小池晃議員の質問に対してです。
 派遣法の質問でしたので、小池さんは、一人当たりの給与が伸びない最大の要因は非正規雇用の拡大であることを認めますかと聞いたのに対し、総理は、名目賃金は二%を超える賃上げだと述べた後、実質賃金におきましても、四月、五月とゼロ近傍まで改善、今のデータです、そう言った後に、確かに、六月には名目、実質ともにマイナスですが、これは本年一月に行った調査対象事業所の入れかえもありまして云々と。
 この答弁で、サンプルの入れかえが賃金のプラマイに大きくはねるということを認識された、そこを確認したい。しかも、それがとても気になっていたのは、三月の中江秘書官の説明を受けてからでしょうか。お願いします。

○野田委員長 質問の時間が終了していますので、簡潔にお願いいたします。

○安倍内閣総理大臣 今回明らかとなった事案は、二〇一五年のサンプル入れかえの影響とは全く関係がないということは申し上げておきたいと思いますが、昨年の十二月の二十八日の報告は、全数調査が一部抽出調査だったことなど、事案の概要と考えられる影響についてであり、私としては、その見きわめが必要と判断して、しっかりと事案を精査するように指示をしたところであります。
 なお、委員が言及された毎勤統計の検討会の、失礼いたしました、当時の秘書官から検討会に関する報告を受けておらず、厚生労働省でそうした検討が行われていたということ自体は、最近になってこの問題が取り上げられるようになって初めて知ったところでございます。
 そこで……

○野田委員長 総理、質問時間が終了しております。

○安倍内閣総理大臣 はい。申しわけない、済みません。
 それで、平成二十七年九月三日に賃金について国会で御質問を受け、その答弁を準備する際に、その年の六月の賃金の伸びについて、調査対象事業所の入れかえの影響があった旨の説明を受けましたが、その際も、六月以外のデータについては特段の説明も受けておらず、私から何らかの指示をしたということはないということは申し上げておきたいと思います。

○高橋(千)委員 終わります。ぜひ続きをお願いします。

 

―資料ー

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