国会質問

質問日:2007年 6月 13日 第166国会 厚生労働委員会

年金記録問題

 日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院厚生労働委員会で、5千万件の該当者不明の年金記録問題を取り上げました。高橋氏は、「消えていない」などといって国民の不安に応えようとしない政府・与党の姿勢を批判し、「宙に浮いた」年金と「消えた」年金は別のものであり、実態を直視して有効な対策をとることこそ必要だとのべました。

 柳沢伯夫厚労相は、国民年金台帳の3千件のサンプル調査で、保険料を納付したのにコンピューターで4件が未納などとされるなど記録ミスが判明したことについて、「動かしがたい結果。入力が100%正確に行われておらず、しっかり取り組んでいかなければならない」と答えました。

 高橋氏は、「データをきちんとするだけでも何万人の受給に結びつくこと、オンライン(コンピューター)だけが頼りでは、ミスがあっても発見されないことを示している」と指摘しました。

 社会保険庁の青柳親房運営部長は、オンラインにも旧台帳にも記録がない55件の「消えた年金」について、「その後も申し出があり増えている」と答弁。また、根拠がないとして記録訂正が却下された2万人についても、状況証拠などで確認できれば「消えた年金」となることを認めました。

 高橋氏は「これではあなた方が消していることになる」とのべ、再調査すべきだと求めました。

 廃棄された普通台帳の数や住所不明で見届けの基礎年金番号導入通知などの件数についても、青柳氏が「確認していない」と答えたのに対して、高橋氏は、「単純に一年でできるという話だけをしないで、厳密に見て、実態をきっちり国民に知らせて有効な対策をたてるべきだ」と述べました。

(2007年6月14日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 私も、質問時間を十五分しかいただいておりませんので、答弁はなるべく簡潔に、そして委員長も公正な采配をしてくださるように、最初に要望をいたします。

 私も、昨日、三千件のサンプルデータの調査結果を持ってくると言ったので、延々と一時半まで待っておりまして、その結果が出ないために通告もできませんでした。このような形になってしまったということを非常に怒りを持って抗議をしたい、こう思っております。

 フリーダイヤルの年金相談に四十七万件も一日に殺到し、つながったのは一万七千人しかいなかった。しかし、この数字は、いかに国民が年金問題、この問題に関心を持ち、そして強い不信感をあらわしているかということのあらわれだと思うんですね。

 しかも、政府は、もう先ほどの大臣の答弁もそうですが、安倍総理が答弁したことと微妙に食い違っている。一晩でころころ変わることもある。だから、全然もう、きょう答弁されたことがあしたはどうなっているかわからない、こういう状態になっているんです。そして、今回のデータが出されなかったということ。これでは、幾ら何でも、総理が安心してくださいとか、一年で解決しますと言ったって、信じられるはずがないじゃないですか。本当にもうそれは強く指摘をしたい、このように思うんです。

 私は、このサンプルデータの結果、先ほど来お話ありますけれども、マイクロフィルムとオンラインとの突合で、三千九十件のうち、いろいろな不一致が百九十三件あったけれども、政府が発表したのは四件だった。これが、信憑性がないじゃないかとか、長妻委員が要望した資料とは違うものじゃないかとか、さまざま思っています。

 しかし、そうはいっても、このサンプルをとることによって、ミスというのは全体どのくらいあるものだろうか、あるいは地域的に偏りがあるんだろうか、全国、全体にあるのだろうか、どういうときにミスが起きるんだろうか、いろいろな傾向が読み取れるのがサンプル調査だと思うんですね。だからこそ、それは生のままで、できたらすぐに発表しなければ意味がなくなる、そういうことなんだと思うんですね。

 そこで、あえて大臣に伺いますが、今回のサンプル調査の結果から引き出すべき教訓は何だと思いますか。

○柳澤国務大臣 今回のマイクロフィルムとオンライン記録の突き合わせの結果、今委員が言われるように、サンプル調査といえども一つの動かしがたい結果がここで読み取れるということでございまして、それはやはりこの入力が必ずしも一〇〇%正確に行われていないということでございまして、私どもとしては、今回新しい対応策の中で明らかにしておりますこのオンライン記録とマイクロフィルム、その他台帳との突合というものを、やはりしっかり取り組んでいかなければならないということを、ある意味で改めて確認をしたということでございます。

○高橋委員 私は、もしや、たった四件と思っているかもしれませんが、大臣の今の答えはそうではなかったかと思うんですね。五千万件に割り戻すと六万を超えるじゃないかという指摘がございますし。

 今回は手作業ではなくて、オンラインデータとの突合だと。私は、それだけでもやはり出るんだなということをむしろ思うわけですね。まずそれを、データをきちんとする。あるデータを突合するというだけでも、何万という方が受給に結びつくのではないかということがまず読み取れるんではないかと思うんです。

 それから、先ほど問題になった、社保庁が無視したデータですね。入力ミスだというのにそれを数字として出さなかったミス、これも私は、例えば記録の訂正、つまり、オンラインに移行してしまってから何らかの形で、結婚して姓が変わったとか、いろいろな形で記録を変えたときに、もうオンラインに入っちゃっているので原票は直してないということが中心だと思うんですね。はいじってない。

 ということは、逆に言うと、オンラインにミスがあれば、要するに後で見直しをした方は、突合しても発見されない。つまり、オンラインは絶対にミスがないという前提でなければ、その後の見直しをした方は発見されないということを示すことだと思うんですよ。今回の方は、特にそれが問題なかったかもしれないけれども、そういうことを意味するのではないかというのをまず一つ伺います。

 それで、三千二百万件も特殊台帳があった、それをマイクロフィルムに入れているわけですが、マイクロフィルムには入れていない普通台帳というのは、もともとは何件あったんでしょうか。

○青柳政府参考人 まず、最初のお尋ねにつきましては、確かに年金裁定の際に、五十八歳通知のときから始まるわけでございますが、年金の加入記録を確認していただいたところで、御本人がもしそれにお気づきにならなかった場合には、確かに私どもも発見することは難しいという意味では、委員の御指摘のとおりかと存じます。

 それから、二点目につきましては、まことに申しわけございませんが、普通台帳の存在の数を廃棄の前に確認をしてということがございませんでしたので、現在、たまたま廃棄を逃れて一部の普通台帳が残っているということは、現在その数を精査、確認中ではございますが、廃棄されたものも含めた普通台帳は幾つあったのかということについては確認できないということをおわび申し上げたいと思います。

○高橋委員 私、このことをとても驚くんですね。市町村が廃棄したとかしないとかという前に、もともと普通台帳が何件あったのか、数字がないんですよ。それ自体が余りにもずさんではないか。

 市町村に任せていた、それで全体像がわからない。では一体どのくらい失われたのかがわからないじゃないですか。本当にそのこと自体が非常に責任があると思います。

 これは特殊台帳をつくるときに、特殊台帳と普通台帳、普通台帳というのは一年間を通して全く未納か、全く納入か、一切出入りがない人のことを言うわけですよね。何か特別な未納、何カ月欠けているとか、そういう人は特殊台帳に入っている。ですから、私は、多分普通台帳の方が多くないだろう、一千万件くらいなのかなと思うんですけれども。それをわざわざ分けて、それで今になって大問題になっているということ、何でこういうことになっちゃったのかなと、強く指摘をしなければならないと思うんです。

 それで、消えた、消えていないということが随分論争になりました。消えた年金と言えば、そうじゃない、オンラインの中に入っていると言います。しかし、与党ももう御承知のように、消えた年金記録と、消えていないけれども統合できない、いわゆる宙に浮いたと言われる記録とは別個のものなんですよね。そうであれば、それぞれ幾らあるんでしょうか。宙に浮いたと言われるいわゆる五千万件、今ちょっと減ったと言われていますが、幾らになって、消えた年金は何件ですか。

○青柳政府参考人 今の委員のお尋ねが、これから私どもがやろうとしておりますマイクロフィルムあるいは被保険者名簿等と突き合わせたその結果として、例えばオンラインの上に載っていないが、それらの台帳には残っているもの、これをあらかじめ、いわば予測、推測をして答えよというお尋ねであれば、大変恐縮でございますが、ちょっとお答えのしようがないというのが正直なお答えでございます。

○高橋委員 今わかる数字で答えてください。

○青柳政府参考人 いわゆる宙に浮いているものというふうに言われております五千万件、これはこの十カ月ほどで、御承知のように百四十六万件、統合によりまして、それが見事基礎年金に移ったというような形の実績も出ております。

 したがいまして、こういう形で整理をしていったときに、宙に浮いたものがそれぞれ減少をしていくということは今後も続いていくと思われるわけでございますが、例えば、その数をあらかじめ推測をすることはなかなか難しゅうございますし、また、先ほど申し上げましたように、いわゆる消えたという形で、台帳との食い違いという形の数字についても、私ども、現在それを推測するためのすべをちょっと持ち合わせていないというのが正直なところでございます。

○高橋委員 ですから、消えていないんだという議論は非常に不十分だということを言えますよね。数字が言えないけれども、それはあるんだということですね。

 きのう私が説明を受けたのは、民主党が行った予備的調査の中の百万件で、いわゆる書類が一切見つからない、台帳にも見つからなかった五十五件は間違いなく消えているというお話でありました。

 そうなると、今殺到している相談者の中で、記録が見つかったとか、消えていたとか、いろいろのことがあっているんですけれども、多分、消えた年金というのは、ふえているんだろうということがあるわけです。消えていたということが改めてわかったということがふえていますね。いいですか。数字は今出せないのであれば、ふえたか、ふえていないかだけ答えてください。

 それから、昨年の相談体制の中で、領収書がなくて却下をされた二万人、私が再調査をしないのかと伺ったこの二万人は、どっちに入りますか。宙に浮いているんですか、消えたんですか。

    〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕

○青柳政府参考人 まず、最初のお尋ねでございますが、御承知のように、五十五件は昨年の十二月末までの強化体制の中で発見された数字でございますので、これはその後も調査のお申し出がございますので、五十五件がふえているであろうということは容易に推測ができようかと存じます。

 それから、二つ目のお尋ねは、二万件がどこに入っているのかと、こういうお尋ねでございます。

 この二万件につきましては、いずれにしろ、今の段階では、オンライン記録になり台帳の中には該当するものが見当たらないという結果だけがわかっておるわけでございまして、これについて、最終的に、それが御本人の御記憶なりお申し出のとおりであるということが確認できますれば、今後は第三者委員会その他のお助けをかりてこれを確認していくわけでございますが、これができますれば、これは結果的に、翻ってみれば、消えた年金記録であったということが確認できようかと思います。

○高橋委員 だから再調査をしてくださいと言っているんですよ。

 あなたたちが、消えた、あるいは消した、そういうふうにやろうとしているということを言わなければならないんですよ。消えていない消えていないと言いながら、どんどん消しているんですよ。そのことが今だんだんわかってきている。そして今、五十五件はふえていっているということをお認めになったと思います。

 この問題を続けますけれども、その前にもう少し確認したいことがあります。

 基礎年金番号が重複も二万件という数字もきのう出ておりますけれども、そもそも基礎年金番号は今何件、一億二千万件くらいでしょうか。平成九年に一億人に送ったときに、居どころ不明で戻ってきた件数はどのくらいあったでしょうか。

 それから、無年金者で受給年齢に達している方は、オンラインデータとマイクロフィルムを突合するにも、突合するべき一方のデータがございません。どうしますか。

○青柳政府参考人 数字については今確認をしておりますので後ほどお答えするとして、まず、二番目のお尋ねの方からお答えいたします。

 もちろん、無年金者の方については私ども住所を持っておらないので、直接にお尋ねができないというのは委員の御指摘のとおりかと存じます。

 そこで、既にこれも公表させていただいておりますが、無年金者の方々であれば、介護保険の一号被保険者として普通徴収の対象になる方々が大部分であろう。したがいまして、介護保険の普通徴収の保険料の通知を市町村からいたしますときに御協力をお願いいたしまして、あなた方の中にもし無年金ということでいられる方がおられれば、加入記録の確認が今できるから、ぜひお申し出をしてくださいというふうに御案内をすることによって御通知をさせていただきたいというふうに思っております。

 それからもう一つ、先ほど委員が御確認でおっしゃった基礎年金番号の現在の数でございますけれども、十八年五月現在で一億四百二十六万件、また、平成九年一月時点で付番をした番号は一億百五十六万人になっております。(発言する者あり)申しわけありません、すぐ……。

 失礼いたしました。お答えを申し上げます。――申しわけありません。(発言する者あり)

○伊藤(信)委員長代理 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○伊藤(信)委員長代理 速記を起こしてください。

○青柳政府参考人 大変失礼いたしました。

 基礎年金番号について照会をいたしましたけれども、未回答という形で御回答がいただけなかった方、五百六十五万件になっております。

 大変失礼いたしました。

○高橋委員 部長、済みません。質問の意味がわかっていないんですよ。

 送ったときに、住所があて先不明で戻ってきた件数は何件ですかと聞いたんです。それはわかっていないと私は聞いています。わからないでしょう。

○青柳政府参考人 大変失礼いたしました。

 先ほどの五百六十五万件は、いらっしゃるんだけれども返ってこなかったことを含めた件数でございました。まことに申しわけございません。

○高橋委員 ですから、番号があればそれでいいんだということじゃないんだということをいろいろな角度から指摘したかったわけです。

 ですから、単純に一年でやるんだという話だけをしないで、もっと厳密に見て、そして、実態をきっちりと皆さんにお知らせをして、有効な対策を立てていくべきだということを強く指摘して、終わりたいと思います。

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