国会質問

質問日:2007年 10月 31日 第168国会 厚生労働委員会

薬害肝炎問題

 血液製剤「フィブリノゲン」を投与され、C型肝炎に集団感染させられた薬害肝炎問題で、桝添要一厚労相は三十一日、非加熱第九因子製剤「クリスマシン」によるものも含めて「全面的に解決したい」とのべ、原告全員の救済へ決意を表明しました。衆院厚生労働委員会で日本共産党の高橋千鶴子議員の質問に答えました。

 高橋氏は、問題の発端が、1986年から87年にかけて青森県三沢市の産科医で「フィブリノゲン」を投与された妊婦8人の集団感染だったことを示し、原点への対応がどうだったかを検証することが厚労省の責任を明らかにする上で重要だと提起しました。

 そのうえで2002年8月に厚労省が発表した「フィブリノゲン製剤によるC型肝炎ウィルス感染に関する調査報告書」に添付された三沢市の集団感染患者を診た医師の手紙を紹介。医師は87年4月15日付で厚生省(当時)に警告を発していました。

 高橋氏は、医師が「8例中8人が発症、すなわち100%は高率と考え、他の医療機関においても多発するものと思われる」と書いていた副作用報告書を読み上げ、この医師の思いを厚労省が受け止めてこなかった不作為を批判。「娘だけでも救って欲しい」との原告の悲痛な声も紹介し、「クリスマシン」も含めて原告全員の救済と薬害肝炎問題の全面的解決を求めました。

 桝添厚労相は、「87年当時、きちんと対応していれば(薬害肝炎は)相当防げた」「二度と繰り返してはならない」と答えました。

(2007年11月1日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 「八人は三沢の患者か」これは、資料の1に示した地元紙東奥日報の十月二十六日付の記事であります。二十四日に大臣が当委員会で報告されました。「新たに実名が確認できたことを明らかにした八人の患者は、いずれも女性で、一九八六―八七年に三沢市の産科医院で起きた集団感染の被害者とみられることが二十五日、分かった。」と報道されております。

 二枚目に当時の記事をつけておきました。八七年四月十八日「「血液製剤」投与後に急性肝炎 止血用、産婦八人が連続」まさにこのことなのかと。きょう、発端が三沢であったということが繰り返し質疑の中でお話しになられております。

 この三沢の集団感染こそが、四百十八名のリストにもつながり、その後の一連の薬害肝炎問題の発端であったということで、改めて衝撃を受けました。まさしくこの八名こそが、大臣の二十四日におっしゃった方と同じであるということでよろしいですね。

    〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕

○舛添国務大臣 リストの中にきちんと載っているこの方々、これはもう既に、先ほど申し上げましたように、お医者さんがB型肝炎の専門家でしたから、きちんと対応して、それで警告を厚生労働省に与えた。その手紙は資料にも先ほどついていましたけれども、そのとおりでございます。

○高橋委員 このことは、実は担当官の方からは、公表されていないということでありましたので、今の答弁で確認をさせていただきました。

 これは、三枚目に資料をつけてありますけれども、先ほど来話題になっている平成十四年八月二十九日、二〇〇二年ですね、フィブリノゲン製剤によるC型肝炎ウイルス感染に関する調査報告書が発表されて、さまざまな資料が添付されておりますが、その中にあった青森県の集団感染に関する資料でございます。先ほど大臣が紹介をしていただいた医師があてた副作用報告書の表書きであります。きょうはその表書きだけをつけさせていただきましたけれども、八名分の個票も私の手元にございます。

 同時に、この医師は、ロット番号と発注した本数や発症日なども詳細に書いた記録も添付をされております。この私の手元にある個票はマスキングがされておりますけれども、当然、厚生省の医薬品副作用情報室あての文書でございますので、マスキングのない原本が八七年四月当時から厚労省にあったということを確認させてください。

○舛添国務大臣 私自身、先般の調査でまず八冊のファイルを出した、それでも足りないんじゃないか、そして、今委員がおっしゃったものを見ました。そして、マスキングしていないところに実名が八名ありました。私がこの目で確認しました。したがって、これは厚生労働省にそのときからあった、間違いないと思います。

○高橋委員 私は、最初は実名二名から始まって、八名ということが後で紹介されたんですけれども、こういう一塊で一つの事例として連続して報告された中にあったんだということ、しかもこれが発端の事例があったんだということを改めて考えるときに、このときの対応がどうだったのかということを検証すること自体が本当に重要であろうというふうに思われるわけです。

 そこで、医師の手紙を一部紹介したいと思うんですけれども、このように書いてあります。「昭和六十一年九月以降、フィブリノーゲンを投与した八例の全例が肝炎になりました。」とあり、「二例目が発症した時点で、フィブリノーゲンが発症原因とみて、ミドリ十字に対し、肝炎発症の報告を致しました。」つまり、もう二例目で報告をされているんですね。九月二十五日に発症しているということを確認しています。

 その後を読んでいただければわかりますが、しかも、患者及び家族から医療事故との苦情があったのに対し、ミドリ十字は、輸血もしていることでもあり、フィブリノーゲンは肝炎の危険性はあり得ると使用説明書にも書いてあり、お気の毒にもたまたま肝炎が続発しただけとの見解でありますとも書かれ、会社側の対応がいかに不誠実だったかが伺えます。この時点でもっと早く対処がされていたらと憤りを禁じ得ません。

 これは次をめくっていただければと思うんですが、医師は続けて、最後のところに書いてあります。「血液製剤である以上、肝炎の発症はある程度覚悟しておりますが、八例中八人が発症、即ち一〇〇%は高率と考え、また、他の医療機関に於いても多発するものと思われるので」云々とあります。

 この医師の思いが本当に生かされたのでしょうか、大臣。

○舛添国務大臣 今委員がおっしゃったように、私もこのときにもう少し、八例連続ですから、しかもB型肝炎の専門の先生がおっしゃっているわけですから、きちんと対応していれば相当防げたというふうに思って、大変残念でなりません。

○高橋委員 本当に、今大臣がお認めになったとおりだと思います。この経験を何としても生かしていただきたいと思うんですね。

 この四月十五日以降、十五日というのは医師の手紙ですけれども、旧厚生省の対応については、二〇〇二年の調査報告書によれば、翌日には今後の方針について旧ミドリ十字に説明を求めたとされております。ところが、その当時の記述が大変あいまいで、会社の説明や厚生省の指示は不明だと書いているんですね。その上で、非加熱製剤の自主回収や加熱製剤に関して指示が行われたことが推測される、推測されるにとどまっているんですね。

 ところが、本当にそうだったのかなということが、もう一度先ほどの八七年の記事に戻っていただきたいんですけれども、最後のところに牧野利孝厚生省薬務局医薬品副作用情報室長の話が紹介されております。「製品を回収するとの連絡を受けたが、それは企業の判断。」という形で、厚生省の責任については一切触れておりません。当時の厚生省の対応について、推測でしかわかっていないこととあわせて、責任は重大だと思っております。

 私は大臣にお願いをします。原点をしっかりと調査してほしいということです。

 私が昨年お会いした原告は、まさにこの四月十八日の報道があって、もう集団感染がわかっていた後に投与された方なんです。匿名の原告です。職場にも感染を告げていない。現在も働いていらっしゃいます。その方が、その記事があったにもかかわらず、同じものをあなたに投与したと医師から告げられたということなんです。しかも、そのときにその人がどんなことができたかというんです。そして、母子感染はしないからと言われて出産をしましたけれども、結局、娘さんに感染しました。自分は間に合わなくても、娘だけでも救ってほしい、そう訴えられたことが私は忘れられません。そうしたことも全部踏まえていただきたい。

 一括和解、あるいは、きょうは全面的解決という表現を使われておりますけれども、原告全員を救済する決意であるのか、争われている第9因子も含めて救済をする意思があるのか、確認をさせていただきたい。そして今後、薬害の被害者たちが命を削って闘わなければ解決しない、そういう事態はもうなくすという大臣の決意を伺います。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

○舛添国務大臣 第9因子、クリスマシンも含めて全面的に解決したい、そして二度とこういうことを繰り返してはならない、その覚悟で全力を挙げます。

○高橋委員 ありがとうございます。

 今の決意が本当に実行されることを、きょう、たくさんの方が聞いておりますので、必ず実現することを期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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