国会質問

質問日:2007年 11月 1日 第168国会 災害対策特別委員会

被災者生活再建支援法改正案、被災中小業者支援策

 日本共産党の高橋千鶴子議員は一日、衆院災害対策特別委員会で、被災者生活再建支援法改正案について質問しました。

 高橋氏は、どの被災地でも知事をはじめ住宅本体への支援を要求してきたと指摘。その反映として「与党、民主党の両案には住宅本体への支援が盛り込まれた。今国会で成立させたい」とのべ、泉信也防災担当相の認識をただしました。

 泉担当相は「被災者の立場に立った使いやすいものを議論して頂き、一日も早い成立を望んでいる」と答えました。

 高橋氏は、中小企業、個人事業主の救済が遅れていることについて、被災者の声を紹介しながら、「被災中小業者は、生活と生業の場をいっぺんに奪われ、二重の被害を受けている。ここにこそ支援が必要ではないか」と強調しました。

 そのうえで2004年、当時の大臣が、店舗兼住宅も支援法のスキームが適用になると答弁している点をあげ、「その見解は変わっていないか。周知徹底はどうか」と迫りました。内閣府の加藤利男政策統括官は「以前の答弁通り。周知に努力する」と述べました。

 住宅の被害認定にあたっては、「地盤被害について考慮すべきだ」という高橋氏にたいし、加藤統括官は「支援法は住宅被害に着目している。現行制度では対象になっていない」と答弁。高橋氏が「被害認定は基本的に市町村の判断でできるはずだ」と指摘すると、「市町村に行って頂く」と認めました。

(2007年11月2日(金)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 最初に、大臣に伺いたいと思います。

 被災者生活再建支援法の四年後の見直しの期限を迎えるに当たって、政府も、これまで検討会を重ね、七月に中間報告もまとめられました。この四年間は列島全体がたび重なる災害に見舞われ、そのたびに、被災地では支援法の限界が指摘されたと思います。中間報告の冒頭には、現行制度の施行状況について、被災者生活再建支援金の支給世帯で見ても、生活関係経費の支給限度額に対する支給率が九二・九%なのに対し、居住関係経費は二八・三%にすぎない、こういう指摘をしております。生活再建支援という名前とは裏腹の実態だったということが言えるのではないかと思います。

 大臣に率直に伺いたいのは、現行支援法の最大のネックは、個人の住宅再建への直接支援がなかったことと言えるのではないでしょうか。大臣の認識を伺います。

○泉国務大臣 個人財産の最たるものと言われます住宅に公のお金を入れるということについては、いろいろな議論が当初から今日まで続いてまいりました。

 そうした中で、今回、与野党を含めて御議論をいただいておりますのは、まさに使いやすい、そして、被災者の方に力をかしてさしあげられるようなそうした事柄を考えてほしいというのが私どもの検討会でもなされましたし、知事会からのお申し越し、あるいは被災者の方々の御意見、先生も、党の方々がおいでいただいて要望書を出していただきましたけれども、そういう強い要望がございました。

 私は、必ずしも住宅そのものに支援をすることができなかったからうまくいかなかったということではなくて、やはり一つには、手続的な面で煩瑣であった、被災を受けた方々はもちろんですが、当該自治体も、救助とか支援のために大変お忙しい中で被災者のそういう個々の御要望にこたえることができなかった、そうしたことが、先ほど先生がおっしゃいました二八・三%というような低率のお力添えしかできなかった原因ではないか、このように思っております。

○高橋委員 今、必ずしも住宅ではというお話だったんですけれども、私自身ももちろんそれだけだとは思っていないんです。手続の問題、所得要件の問題、対象世帯の問題、たくさんございます。ただ、いずれの被災地においても、担当する知事さん、市長さんその他、重ねてこの問題を要求された。そういうことを踏まえて、今回与党さんが出された法案にも民主党さんが出された法案にも、いろいろあるけれども、この点は共通点だったということが言えるんだと思うんですね。私は、それを本当に踏まえて今国会何としても成立をさせたいと思っております。

 大臣、その点では一緒だと、よろしいでしょうか。

○泉国務大臣 そもそものこの法案に対するいろいろな方々の御要望は、先ほど申し上げましたように、住宅本体に入れてほしい、あるいは、入れることによって当初の枠組みが変わってくる、そうした意見も正直言ってございます。

 それで、民主党から出していただいた案は本体に直接お金を入れる積み上げ方式でございますが、そういうものだと承知をいたしておりますが、与党に関して言えば、住宅本体の再建費用を直接支給対象にしているわけではなくて、支援金を定額化している、あるいは使途を限定しないとすることで制度を被災者の方々に活用していただける、先ほど申し上げましたように、被災者の立場に立った、使い勝手のよいものに考えていただいておるものと承知をいたしております。

 いずれにいたしましても、当委員会で十二分に御議論をいただき、一日も早く成立をさせていただきますように、私の立場からもお願いを申し上げたいと思います。

○高橋委員 これまで主張してきたことをなかなか曲げるわけにはいかないんだという大臣の思いがあるのかなというふうに、率直に指摘をさせていただきます。

 しかし、使い勝手のよいということはここなんだと両党が提案され、また、我々も含めて一致をして成立させたい、そこを先ほど来大臣も、何としても成立させたいとおっしゃっておりますので、やはりここはお認めになった方がよろしいのではないかと私は指摘をさせていただきます。

 その上で、少し考えていきたい問題に入りたいと思うんですけれども、三年前の中越地震、そしてことしの中越沖地震、高齢化が進む中で、中山間地での災害という大きな命題を突きつけました。中でも重要なのが、地盤災害であります。地盤が崩れ、住宅そのものは損傷が少なくても、実質住めない状況になっている。地盤災害をきちんと評価し、支援の対象にしてほしいという現地の強い要望が出ております。

 住宅の被害認定に当たっては、実質住めないという実態を踏まえ、地盤災害も含めれば全壊というように被害認定に考慮するべきと考えますが、見解を伺います。

○加藤政府参考人 お答えいたします。

 被災者生活再建支援制度は、居住する住家の被害程度に着目して支援を行うということにしておりまして、例えば宅地の流失がありまして、その結果、住宅の基礎が被害を受けたり、あるいは住宅に傾きが生ずる、そういった場合には、住宅がまさに被害を受けているわけでございますから、その被害の程度に応じまして、全壊あるいは大規模半壊として適用される場合があるということでございます。

 一方、地盤被害が甚大でありましても住宅の被害は軽微である、こういった場合には、現行制度においては支援の対象とはなっておりません。

 この点については、本年三月、内閣府に設置されました検討会においても、被災自治体ですとか全国知事会などから意見や要望をいただいておりまして、中間報告において、制度改正の一つの選択として挙げられているところでございます。

 いずれにいたしましても、政府としては、先ほど大臣から御答弁がございましたように、国会での御議論を踏まえ、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

○高橋委員 今のお答えは、やはり、地盤の災害が甚大だけれども軽微で対象にならないと言ったそばから矛盾していると思うんですね。だから検討会でこれだけの要望が出ているわけですよ。それは、もう十分今後の認定基準の見直しの検討に入れてほしいということを再度確認させていただきます。

 それから、なお認定に当たっては、基本的に自治事務であり市町村の判断であるということを確認させてください。

○加藤政府参考人 お答えいたします。

 この地盤被害をどう見るかということについてですが、これをどう取り扱うかは、今回の支援法をどう改正していくかということと密接にかかわりがあるものと考えております。

 それで、先ほど御答弁を申し上げましたのは、現行制度では、住宅の被害に着目している関係がございまして、住宅の被害を着目しているので、地盤被害が仮にあったとしても、住宅の被害にそれほど影響がないというものは対象にならないということを答弁させていただいたものでございます。ですから、制度改正がどうなるかによって私たちとしてはその対応を適切に対応していく必要がある、こういうふうに考えているわけでございます。

 それと、もう一つは被害認定のことでございますが、これは地元の市町村が行っていただくということはこれまでと変わらない、こういうことでございます。

○高橋委員 同じ答弁を繰り返さないでいいです。私が言ったのは、制度を見直せと言ったのではなくて、基準を見直せと言ったんです。それを踏まえて検討会をやられたとおっしゃったじゃないですか。この間だって、そういう形でいろいろ運用してきたことがあったわけでしょう。それをやりなさいと言ったんです。検討してくださいということを指摘したんです。同じ答弁が来ると困りますので、これは指摘をさせていただきます。

 それで、この間やはり残されてきた大きな課題というのは、中小企業、個人事業主の救済問題であります。これまで、中小企業、個人事業主の被災支援については融資制度しかありませんでした。私たちは、支援法に個人事業所や商店を加えるべきだと訴えてきました。

 先ほど紹介された北秋田のお話ですけれども、実は私、生まれ育った地域、まさにお隣の能代市でございます。私も九月に行ってまいりましたけれども、阿仁前田の駅前商店街を歩いたときに、店舗の中が一切合財泥まみれになって、かき出しに必死だったわけです。例えば学生服のお店、三百万の損害である、まさか洗って売るというわけにはいかないでしょう、三十五年前に同様の水害があって、二重のローンには耐えられないんだと泣きながら訴えられたわけですね。あるいは、リフォームしたばかりだという床屋さんもいらっしゃいました。

 私が思うのは、商店主というのは、生活と生業の場が一遍に奪われたわけですよね。暮らしが取り戻せたとしても、外に働く場所があればいいんですが、一体になっている、だから二重の被害で、暮らしが再建できないんだ。ここを支援しなければならないということなんです。

 そこで、資料の一をごらんになってください。これは一つのヒントです。昨年七月の鹿児島県北部の豪雨災害で県が独自につくった被災者支援金制度です。これは一世帯わずか二十万ですけれども、床上浸水以上の世帯と小規模事業者を対象にしております。二百十六件対象になっております。

 このように、思い切って被災者生活再建支援法の対象に小規模事業者を含める考えはないか、伺います。

○加藤政府参考人 この被災者生活再建支援法は、「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者であって」「自立して生活を再建することが困難なもの」、これに対して支援するということにしておりますが、その趣旨は、まさに生活の本拠たる住まいが全壊等をいたしまして、自力では生活再建できないものを特別に支援の対象とするということだと考えております。

 したがって、店舗等生業的な施設については、事業用資産であって、既存の融資制度や保険制度を利用して、自助により対応すべきものと考えております。

○高橋委員 これは一遍にはいい答えが出ないのは当然でありますが、今、私が指摘したのは、営業といっても、暮らしと生業が一体なんだ、それが一遍に壊れたんだという立場に立って、検討会でもそういう意見が出されておりますし、これを検討してほしいということなんです。

 例えば、少なくとも北秋田あるいは能登、どこでもそうなんですけれども、一階が店舗で二階が住居という商店が非常に多いです。私は、この問題を二〇〇四年の十一月十一日の本委員会で質問しております。事業所と自宅が一体となっている場合も支援法のスキームが適用できますねと質問した際に、当時の村田防災担当大臣から、適用になるとの答弁がされております。ところが、いまだに現場ではこのことが周知をされておりません。

 大臣答弁に変わりがないことを確認させていただきたいのと、周知徹底をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤政府参考人 お答えいたします。

 今、先生おっしゃられたとおりでございます。前の村田大臣が答弁されたとおりでございます。

 私どもとしては、その取り扱いについては、いろいろQアンドAみたいなものをつくりまして各都道府県あてに周知をしております。また、支援金の支給に関する事務を行っております財団法人都道府県会館においても事務の手引きというのをつくっておりまして、これの中でも明示をいたしまして周知を図っているところでございます。

 今後も、今御指摘いただいたような点で運用に抜かりのないように、円滑な運用のための周知に努めていきたい、このように考えております。

○高橋委員 少なくとも、現行法でできるものは徹底してやっていただきたいと思います。

 それで、ちょっと支援法を離れて、中小企業業者に直接支援ができないか、このことについて考えてみたいと思います。

 柏崎市のえんま通り商店街は、その名のとおり真ん中に閻魔堂がありまして、毎年六月のえんま市には、人口約九万人の都市でありますが、二十万人以上が集まるという、非常に貴重な商店街であります。この商店街が、発災直後に炊き出しを商店街の皆さんが自力で始めたということが報道されたと思います。この現場でお話を伺いましたら、例えば、ラーメン屋さんが仕込みをやっていた野菜を全部持ってきてくれるとか、ケーキ屋さんがフルーツを全部持ってきてくれるとか、そうやって売り物をみんなで供出し合って助け合ったんだと。まさに、ここにコミュニティーの力があるなということを改めて教えられたと思うんです。

 さっきのいろいろな議論がありましたけれども、商店は単に個人の利益のためだけではないんだ、全体として地域が成り立つ、その大事な役割を担っている、このことをぜひ考えていただきたいなと思います。

 そのヒントになるのが資料の二であります。

 中小企業庁においでいただいています。〇四年の七月に豪雨災害に遭った福井県での地場産業支援策です。ニットなどの地場産業支援のために、個人事業所に限度額五十万円の直接補助を行いました。この福井市の制度についてどう評価されますか。

○高原政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成十六年、いわゆる福井県の豪雨で被害を受けられた地場産業に対しまして、委員御指摘のとおり、福井市、そして福井県もでございますけれども、支援策、制度をおつくりになられたということはよく承知をいたしております。

 福井県につきましては、越前漆器ですとか越前和紙といった伝統的工芸品の産業の生産設備の復旧でございますとか、あるいは、販売促進あるいはニーズ調査事業といったようなものについて支援が行われましたし、福井市でも今委員御指摘のような制度をおつくりになったわけでございます。

 中小企業庁といたしましては、被災の中小企業者の方々に対しまして、政府系の中小企業の金融機関などを通じまして、特別相談窓口の設置あるいは金融支援などを行ってきておりますけれども、自治体は特にその地元の御要望をよく御存じですし、そしてまたきめ細やかな支援制度もおつくりになれるということで、そういう意味で評価をさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

○高橋委員 中小企業庁的に評価をしていただきたかったのは、わずかな額ではあるんですけれども、市や県が支援をすることによって、また立ち直って頑張ろうというメッセージを出すことができた。そして、百八十一事業所が支援されていますが、廃業したところは一つもないということを聞いております。やはり、そういう立場で支援策をやる必要があるのではないか。

 同じように今、能登や中越で、中小企業基盤整備機構が八割出資をして、県と合わせて三百億のファンドをつくる、そして、中小企業復興支援のスキームをつくったということで、資料の三枚目に紹介をしておきました。

 この制度がこれまでの中小企業に対する被災者支援策と比べて違うところ、私は、これは直接支援になるので大きく前進したと思っておりますが、それは何か、そしてこのスキームを今後の災害にも活用する考えはあるか、伺いたいと思います。

○高原政府参考人 お答えを申し上げます。

 いわゆる被災中小企業の復興支援ファンドでございますけれども、これは、いわゆる独立行政法人中小企業基盤整備機構法というのがございまして、そこの十五条に基づいて実施をしている制度でございます。同機構が、大規模な火災、震災その他の災害により被害を受けられた中小企業者を支援する事業を行う者、これはすなわち、ここの場合でいうとファンドなんでございますけれども、そのファンドに対して必要な資金の貸し付けを行う都道府県、これまた都道府県の御判断ですけれども、それに対しましてその資金の一部を貸し出しをさせていただくという制度でございます。

 具体的には、今御指摘のありましたとおり、実質的には独立行政法人中小企業基盤整備機構が八割、それでまた県が二割をそれぞれ貸し付けを行って、そして基金を組成し、その運用益を活用する、そういう方法をつくったところでございます。

 本年の七月三日でございますけれども、能登半島地震の被災におきます中小企業復興支援ファンド、これが第一号でございますけれども、組成が行われたところでございます。

 それで、これは、都道府県の御判断でございますとかあるいは震災の規模だとかということを総合的に勘案させていただいて、この制度というのを活用していきたいというふうに考えておるところでございます。

 以上でございます。

○高橋委員 時間が来ましたので終わりますが、やはり、この間できないと言っていたことを、今紹介した中小企業の問題もそうですが、一定程度乗り越えてきた経緯がございます。そういうことを踏まえて、今、支援法の改正もまた一歩前進ということになるのではないか。そういう点で、大臣もぜひ、今後の運営に当たってもまだまだたくさんの課題がございます、また、改正しても救えない自治体もございます。そうしたところにも財政支援をすることも含めて大いに御尽力をいただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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