国会質問

質問日:2007年 11月 21日 第168国会 厚生労働委員会

年金流用禁止法案等質疑

厚労相 生活保護額引き下げ報道否定

 舛添要一厚労相は二十一日、厚労省が来年度以降の生活保護額を引き下げる方針を固めたと報道されたことについて、「その事実はない」と否定しました。衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員の質問に答えたもの。

 報道によると、厚労省は、二十日に行われた有識者による「生活扶助基準に関する検討会」の結論を受け、来年度以降の「生活保護額のうち食費など生活扶助額を引き下げる方針を固めた」(日経二十一日付)とされています。

 舛添厚労相は、この報道を否定した上で「来年度以降の基準の設定については、予算編成で対応したい」としました。

 高橋氏は「事実ではないことは確認できたが、こうした問題は、いつも報道が先に出て、事実が後から追いかけてくる。今回のことも見過ごせない」と指摘。参院に送られた最低賃金法案にも、生活保護との調整という言葉が盛り込まれていることを示し、「人間らしく暮らせる最低基準をしっかり維持しながら、勤労者も、年金者も、全体の水準を引き上げることに全力を尽くすことこそ政府の仕事だ」と強調しました。

(2007年11月22日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

軽々しく法律作った「問題だ」と批判

 日本共産党の高橋千鶴子議員は二十一日の衆院厚生労働委員会で、民主党の年金流用禁止法案への対案である与党の国民年金事業法「改正」案について質問しました。先の国会では、保険料でハコ物建設はしないが、教育、広報などの事業は行うとされています。高橋氏は、「今回、ただし書きに『施設の取得又は敷地の取得は行わない』とある。昨年の『改正』では(施設を作れると)条文上読み取れるということか」とただしました。

 舛添要一厚労相は「趣旨を反映していたと思うが、与党提案でより明確になった」と答弁。高橋氏は「抜け道のある法律を作った。この間、短時間の審議で採決が繰り返され、軽々しく法律を作ってきたのが問題だ」と批判しました。

(2007年11月23日(金)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 冒頭、大臣に一言伺います。

 けさの日経新聞の一面に「生活保護引き下げ」という記事が載り、大変驚きました。昨日、有識者による生活扶助基準に関する検討会が開催されたと。記事によると、「検討会の結論を受け厚生労働相が告示を出し、来年度以降の生活保護額引き下げを決める方針」とあります。これは事実ですか。

○舛添国務大臣 今御指摘の日経新聞の記事でございますけれども、生活保護の生活扶助基準につきましては、平成十六年の専門委員会の報告書で、その水準の妥当性について、五年に一度の頻度で検証を行うべきである、そういう指摘を受けたところであります。

 このため、五年に一度実施されている全国消費実態調査、直近は平成十六年であります、この特別集計が利用可能となったところから、現在、生活扶助基準に関する検討会を開催し、専門的な分析、評価を行っているところであります。

 この検討会では、昨日、十一月二十日までに計四回の会議を開催し、生活扶助基準が低所得世帯の消費実態との均衡が図られているかなどについて評価、検証を進めておりますが、現時点において、報道のように生活保護基準を引き下げる方針を固めたという事実は全くございません。

 毎年度の具体的な生活保護の基準は、予算編成過程において設定してきておりますが、厚生労働省といたしましては、平成二十年度以降の基準の設定に当たりましては、可能であれば、検討会の検証結果等を踏まえて、来年度予算編成で対応してまいりたいと考えております。

 なお、本検討会は、あくまで客観的な調査結果に基づいて専門家による専門的な分析、検討を行うものでありまして、あらかじめ基準額の引き上げまたは引き下げといった方向性を持って検討しているものではございません。

○高橋委員 全く事実ではないということをまず確認いたしました。

 ただ、こういう問題は、いつでも報道が先に出て、事実が後から追いかけてくるということがありますので、これは非常に見過ごしできないことではないかと思っております。全国で生活保護を削るなという運動が大きく広がっています。また、参議院に移った最低賃金法案は、生活保護との調整という言葉が盛り込まれたばかりでございますから、非常に重要なことになります。また、今問題となっている年金でも、いずれ最低保障年金制度が議題に上り、生活保護との関連が議論をされることになると思います。

 一般世帯の低所得、低年金という実態が、これに合わせれば生活保護基準を下げなきゃいけない、こうなってしまえば最低賃金も引き下げるというような負のスパイラルではなく、人間らしく暮らせる最低基準をしっかり維持しながら、勤労者も年金者も全体の水準を引き上げるように力を尽くしていくことこそが政府、厚生労働省の仕事だと思います。絶対に下げるべきではありません。このことを指摘して、本題に入りたいと思います。

 さて、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部改正の改正案の関係ですが、与党案では、先般の改正で、第七十四条、「福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。」の部分を削除し、「次に掲げる事業」として、教育・広報、相談、援助などの三つの事業を限定列挙しました。

 きょうは、政府にまず伺います。

 もともと、「施設をする」という規定の中に、今言った事業が隠れていたわけですね。「施設をする」をとってこの事業は生きたということになるわけですけれども、これが名目となって、ハードの整備がやられるのではないかという指摘が前の国会でもされました。

 それはないと否定をし続けてきたのに、なぜ、今回ただし書きを足して、あえて施設の取得または敷地の取得は行わないと書き込んだのでしょうか。つまり、先般改正した条文のままでは、教育・広報などを口実に、施設の取得または敷地の取得はできると読めるということでしょうか、確認させてください。一言で。

○舛添国務大臣 そういうことではなく、繰り返し、そういうものはやらないと言ってきた。しかし、これを今回与党の皆さん方の御努力によって、法文上明文化することによって、国民に対してさらにこれを明確にした、そういう趣旨であります。

○高橋委員 条文では読めなかったということでいいんですか。

○舛添国務大臣 きちんとそういう趣旨を反映されていたものと思いますが、今度の与党提案でさらにより明確になった、そういうことでございます。

○高橋委員 なぜはっきりと、条文では読めないんだと言えないのでしょうか。

 これは、やりとりの中でも、担当局に聞いておりますけれども、前の条文ではやはり読めるのだ、だからこそ、今回あえて明確なただし書きをしたのだというふうに私は思っております。

 この点では、やはり、政府がそのことによってハードをやるつもりだったかどうかを問うつもりはありませんが、法律をつくる際に、そういう抜け道のあるつくりをなぜしたのか。余りにも、法律をつくるということに対する軽々しさを感じてなりません。民主党が対案を出さなければ、このまま法律を変えることにはならなかったわけで、その責任は重大だと言わなければならないと思います。

 この間、重要な法律が強行採決あるいは短時間の審議での採決が繰り返されておりますが、これは、法律そのものが歴史にたえるものとならないのだ、今後の問題もありますので、政府はもちろん、提出者に対しても指摘をさせていただきたいと思います。

 先ほど、この条文に関して、長妻委員の指摘がございましたので、関連して与党に確認をしたいと思います。

 与党は、七十四条に、今私が言った、「施設の取得又はその敷地の取得は、行わない」の上に、「専ら」という言葉がある。この「専ら」の二字によって、いわゆる新築はしないけれども、フロアの賃貸など、ちょっと幅は広がる、含みがあるのだよということで確認してよろしいですか。

○吉野議員 専らこれらの事業に供するための施設とは、年金教育・広報等の事業の用に供する専用施設、すなわちセンター施設のことでございます。

 また、専用施設は、これらの事業のみを一〇〇%行う施設ではございません。年金教育・広報等、これらの事業以外の事業が一切行えなくなるものでもなく、また、これらの事業以外の事業を少しでも行えば、直ちに専用施設でなくなるものでもございません。

 いずれにしても、今回の改正規定は、いわゆるセンター施設の建設等を行わないことを条文上明記し、国民にその趣旨を明らかにするものであり、現在、社会保険事務所で行われている年金相談事業のための相談コーナーの改修などについては、引き続き実施することとしております。

○高橋委員 ですから、今指摘をしたように、この「専ら」という二字によって、かなり幅があるものだということを指摘させていただきます。

 次に、時間がございませんので、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律案についてですけれども、厚生年金保険料を天引きされたのに、事業主から届け出や保険料納付がないために記録がない事案について、救済されるということを打ち出したということは、大変重要だと思っております。

 ただ、被保険者資格を確認するためには、年金記録確認第三者委員会の審議を経なければなりません。ここで、第三者委員会がかなり今オーバーワークになっているという実態があるのではないかと思います。

 総務省に伺いますが、中央、地方で五十の第三者委員会が立ち上がっております。今日までに受け付けた件数、あっせん件数を教えてください。また、総務省が、この第三者委員会体制強化のために事務局を一・六倍にするとの報道もございました。どのように体制を強化し、予算をどのくらい見ているのか、伺います。

○茂木委員長 持ち時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

○関政府参考人 年金記録確認第三者委員会への申し立てにつきましては、社会保険事務所等で受け付けた件数は、約二万七千件であります。そこから第三者委員会へ送付された件数は、約一万五千件となっております。

 これらのうち、四百七十件につきましては、年金記録の訂正の必要があるとのあっせんを決定しております。また、百二十九件につきましては、年金記録の訂正が不要であるとの決定をいたしたところでございます。

 いずれにいたしましても、膨大な申し立て件数に対しまして、審議の公正性の確保を図りながら、さらなる審議の促進を図っていくことが喫緊の課題というふうに考えております。

 現在、先例となるあっせん事案を積み上げるとともに、地方委員会に対する個別アドバイスを行うなど審議の迅速化に努めているところでございますけれども、審議体制の大幅な拡充を図ることも不可欠と考えておるところでございます。

 このため、事務局体制につきましては、十月に四百人だった職員を速やかに倍増すべく調整を進めているところでございます。現在、約五百五十人の体制となっておるところでございますけれども、さらなる増員に努めてまいりたいと思っております。

 また、地方委員会の委員につきましては、十月下旬に政令改正を行いまして、これまで委員の上限が十人ということでございましたが、これを二十人以内ということで上限をアップいたしまして、十月には約三百人だった委員、これを追加任命を行いまして、今月中には五百人近くになる予定でございます。

 予算の関係でございますけれども、現在、五人の委員が任命されている第三者委員会では、一回の開催につきまして約九万円から十万円ぐらいの委員手当を支給しているということでございます。これは今年度末まで、六月下旬からスタートしておりますので約九カ月ということでございますけれども、委員の手当につきましては、今の段階で幾らというふうに申し上げることはできませんけれども、およそ二億円から三億円ぐらいになるのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。

○高橋委員 長年の年金行政のツケがこのような形で噴き出しているということを指摘したいと思います。

 第三者委員会に丸投げすることなく、きちんとした、窓口で対応できるところは解決をするようにということを指摘して、また次の機会にしたいと思います。

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